2015年12月28日月曜日

ドローン教室で活用アイディアを具現化

12月26日、小学生5~6年生を対象に「ロボット・プログラミング教室」が開催されました。場所は角館交流センターです。主催は外資系コンサルティング会社のアクセンチュア(都内)とNPO法人CANVAS。仙北市が日本初のドローン特区に指定された直後からご連絡をいただき、会社の社会貢献活動としてご来市いただきました。本当にありがとうございました。

 ドローンは市販されているので、最近はそれほど珍しい存在ではなくなっています。でもその飛行プログラムの作成から…となると、これはなかなかできない経験です。今回の教室では、参加11人の子ども達を3班に分け、チーム活動として「社会で役立つドローンのアイディアと実際の飛行」までを行いました。各班は1日がかりの協働作業でした。

 各班が決定したテーマは「お祭り後のお掃除ドローン」「福祉現場で活躍する介護ドローン」「冬も安心な除雪ドローン」の3種類。これを他班の子ども達にプレゼンテーションするため、必要な場面の模型を作ったり、ドローンの動き方をプログラムしたり、本当に楽しそうに作業にあたっていました。

 一方でサポートをいただいた教育委員会の皆さんからは「子ども達の集中力を持続させるノウハウが素晴らしい」と、アクセンチュアの“授業構築”を高く評価。この教室をイベントで終わらせない仕掛けづくり、例えば理科教育の推進を目的に市内全校での教室開催、また開催で取り組んだドローン活用アイディアコンテストなども検討したいと話していました。

 いろんな発見のあったロボット・プログラミング教室でした。ありがとうございました。

2015年12月23日水曜日

庁舎建設特別委員会の中間報告で市議会閉会

市議会12月定例会が閉会しました。12月1日の議会初日に提案し、判断をいただいた市長・副市長の特別職給料減額案件は否決されましたが、他の案件は全て可決をいただきました。また最後に庁舎建設特別委員会(稲田修委員長)の中間報告がありました。この内容を全文お知らせします。

【庁舎建設特別委員会・中間報告】
1.はじめに
 仙北市議会では、平成31年度に着工を目標としている仙北市庁舎の建設にあたり、この事業に特化した議論が必要として、平成27年6月30日に庁舎建設特別委員会を設置した。

2.庁舎整備基本構想の概要
 平成27年6月に提示された仙北市庁舎整備構想によると、本庁舎として角館総合病院管理等を利活用し、田沢湖庁舎と西木庁舎とをそれぞれ総合支所とする構想で、総事業費27億円の事業である。
 現在の分庁舎方式は、全ての部署、職員を1つの庁舎に収容しきれないと言う物理的な問題があった。しかしこの分庁舎方式には、防災上の機能や事務の効率化で問題があり、全般的な市民サービスの向上を妨げる様々な課題が指摘されていた。

3.議論の視点
 庁舎整備基本構想に掲げる、庁舎のあるべき姿を中心に協議したところ、これからますます加速化する人口減少と、極めて逼迫する財政事情を見据えながらも、市民サービスの維持・向上のために、「統合庁舎の必要性」は確認された。何よりも、早急に統合庁舎の建設候補地にかかる議論を優先することを確認し、本委員会として全会一致での結論を目標として、議論を進めることに決定した。

4.統合庁舎建設候補地について
 これまでの各委員の意見を集約すると、庁舎整備基本構想に掲げる「角館総合病院管理等」を活用する整備方針、所謂「原案」に賛成する意見と、かつて“みんなの庁舎検討委員会”が提案した国道46号、国道105号の交点付近である「羽根ヶ台周辺」を尊重すべきと言う意見に2分化されている。
 本特別委員会では、議会の下審査機関としての責務から、最大限の議論を尽くし、統合庁舎を実現するために、全会一致の結論を目標に議論してきたが、未だ一本化には至っていない。
 しかし、11回にわたる本特別委員会の議論では、それぞれに建設候補地として相応しいと主張する委員が、歩み寄った候補地として「角館駅前周辺」と言う意見が確認された。もとより「角館駅前周辺」は、原案よりも良い場所としての上方修正的に提案されたものである。
 そのメリットとしては、駅前という立地から、人口減少・職員減少に伴い、「将来の空きスペースが生じた際の利活用の可能性」や、「駐車場を利用したイベント等のPR効果」、「内陸線やJR等の公共交通の利便性」で優れていること等が挙げられている。
 他方、用地確保の見通しや買収価格など、不確実な要素・課題もあり、総事業費のかかり増しとなることとが、デメリットとして挙げられる。
 本特別委員会では、現時点での歩み寄り案である「角館駅前周辺」を、さらに精度を高めて検討すべきと言う多数意見であるが、危機的な財政事情も考慮しながら、早急に上記の不確定要素を明確化する必要性があることから、当局には調査協力を求めるものである。 統合庁舎を実現するために、最大限の努力を惜しまず、一本化に向けた絞り込みを行うため、今後のタイムスケジュールを年頭に、引き続きより慎重な議論を重ねる必要がある。 

 この中間報告を受け、自分は閉会のあいさつの中で、次のようにお話しをしました。
~議会では庁舎建設特別委員会を設置し、これまで11回にわたる集中議論をいただきました。誠にありがとうございます。また先ほどは委員長から中間報告がなされましたが、統合庁舎問題は合併以降10年にわたる懸案事項です。しかし時間的制約から今すでに待ったなしの状況と認識をしています。今回の中間報告で、求めのあった不確定要素の調査については、全力でこれにあたります。議会の皆様には、最も望ましい統合庁舎像への議論の一本化と、その実現に向け、今後ともよろしくお願いを申し上げます~。

2015年12月21日月曜日

スターウォーズとともに

スターウォーズ・エピソードⅦ「フォースの覚醒」を観ました。全体的なムードはエピソードⅣ「新たなる希望」がベースかなと。単純な分析で叱られそうですが、ルーク・スカイウォーカー役をレイが、ダース・ベイダー役をカイロ・レンが演じ、「…そして歴史は繰り返される」のメッセージを感じます。

 1977年にシリーズが始まりました。自分は高校生でした。当時はその年齢もあって、「自分は何か大きな力の導きで、存分に思い描く夢を実現できるはず」みたいな妙な自信がありました。宇宙を飛び回るルーク・スカイウォーカーに自分自身を投影していたのかも知れません。運命に飲み込まれながらも、強く生きていく、そんな姿が魅力でした。
 映画では、フォースの存在自体を否定していたハン・ソロ船長は、当初は宇宙の無法者でした。レイア・オーガナ姫は、鼻っぱしの強い美しい女性でした。そして今回のエピソードⅦにも二人は登場し、とても重要な役割を演じています。二人は(映画のストーリーの中で)相応の年を重ね、苦悩の毎日を暮らしたのです。しかしファースト・オーダーとの戦いは続いています。

 若かった二人にも、実生活で約40年の時間が過ぎました。活劇俳優(失礼かな)でメジャーになったキャリー・フィッシャーもハリソン・フォードも年老いたわけです。自分もです。
 これまでの40年間、新しいエピソードの発表を心待ちに、自分の時間は経過しました。あの当時に思い描いた人生を、自分は歩んでいるかな、それとも…。そんな思いが先に立ったのか、ストーリー展開に感動したのか、どちらにしても涙が流れっぱなしの2時間16分でした。

地方創生・近未来特区の果実に挑む

先週の18日、都内で国際交流推進団体の代表者や内閣府の方々と、今後の特区の取り組みについて協議を行いました。温泉を活用した国際ヘルスツーリズムの推進では、外国人医師の招へいも視野に入れて作業を進めてきましたが、未だその確保が叶っていません。

 これまでは、台湾の医師個人との情報共有に留まっていましたが、今後は安定的に事業を継続するための仕掛けづくりを行い、仙北市と先方の医療機関、または政府間調整の段階に入ったと感じました。本当に多くの皆さんのご協力が不可欠です。

 翌19日は、愛知県内のドローンメーカーを訪ね、仙北市内での実証実験についてご相談しました。現状では今月26日、東京都内の民間企業が主催するドローン教室の開催、またドローン競技会を主催する団体などからご協力をいただき、近未来技術実証特区の有意性を市民の皆様に感じてもらえるような環境整備を進めることが大切です。

 写真はドローンメーカーが用意してくれた飛行視察のスナップです。このメーカーは様々な分野で既にドローンを活用した実用実績があります。素晴らしい人材と技術が集積していました。

2015年12月16日水曜日

カラ吹き源泉事故調査委員会から最終報告

昨日(12月15日)、第5回のカラ吹き源泉事故調査委員会が開催され、林信太郎委員長(写真:秋田大学教育学部教授)から、最終報告をいただきました。3月18日発生の「カラ吹き源泉事故」について、絶対に同じような痛ましい悲劇を繰り返してはいけないとの思いで、5月19日、事故原因の究明と再発防止策をご協議いただくカラ吹き源泉事故調査委員会を立ち上げ、以来、林信太郎委員長・野上健治副委員長はじめ、各委員の皆さんには、濃密な協議を重ねていただきました。心から感謝を申し上げます。

 委員会の最終報告で、事故原因は「カラ吹き源泉の温泉造成施設近くの引湯管につけられたエア抜きの塩ビ製パイプから漏れ出た硫化水素ガスが、致死量を超える高濃度で雪洞内に滞留し、そこに入った作業員がこれを吸引して亡くなったもの」としました。また事故を繰り返さないために、「現在使用しているカラ吹き源泉から、できるだけ早期に別の源泉に切り替えること」とのご指摘を受けました。

 この報告をいただき、自分は「先ず、改めてお亡くなりになった3名の皆様のご冥福を心からお祈りいたします。これまで40年にわたって旧田沢湖・仙北市の温泉事業を支えてきたカラ吹き源泉ですが、その老朽化は著しく、以前より抜本的な改善が求められていました。また長い年月の中で、当然対応していなければならなかった安全対策が希薄化していたこともありました。ご指摘のあった安全対策のマニュアルの策定、また委員会で至急改善を求められたばっ気装置の設置、引湯管の逆勾配の改善、基本となる各種測定の継続など、一つ一つの課題に取り組みながら本日を迎えたと思っています。今後は、委員会の報告を最大重視し、議会にご理解をいただいた上で、新源泉からの引湯(既に水沢源泉に切り替えの諸準備が進んでいます)を実現し、事故原因となったカラ吹き源泉に頼らない温泉経営を継続します。新源泉への切り替えが終了するまでの1年間は、特に安全対策に万全を期します。温泉関係者の皆さんにもご協力をいただきたいと思います。またこの新源泉への切り替えでも、カラ吹き源泉からの引湯が必要な2つの施設については、この1年間で安全な温泉供給の手法を具体化します」と、お答えしました。

 亡くなられた坂本栄さん、羽根川次吉さん、柴田政文さんを絶対に忘れません。

新たに中尾彬さん・池波志乃さんご夫妻を観光大使に

12月14日の夜、都内赤坂にあるレストラン・グランビアを会場に、「中尾彬さん池波志乃さんご夫妻・仙北市観光大使委嘱状交付式」を行いました。グランビアを経営する金子社長は、田沢湖高原に生ハム工房を持っていて、食通のご夫妻はこの生ハムの大ファンです。そんな関係で夏に開催した地方創生シンポジウム(会場:角館交流センター)にも、金子社長やご夫妻がパネリストとして参加しています。このシンポジウムで、コーデイネート役をお引き受けいただいた慶應義塾大学教授の岸博幸さんから、「このお二人に観光大使をお願いしてはどうか」と言う提案をいただいていました。

 さて写真で分かるとおり、観光大使委嘱状の交付は野外の通りに面したレストラン軒先です。通りを歩く皆さんにも応援をいただき、にぎやかな交付式になりました。中尾さんはテレビ朝日の取材に「観光大使に選んでいただいてとても光栄です。仙北市は東北の田舎ではなく、艶や雅を感じます。寒い仙北も暑い仙北も、どれも魅力的です。これからも通い続けます」と、また池波さんは「東京生まれの東京育ちで、外に親戚もなく、仙北市は第二の故郷です。たくさんの皆さんに、もっともっと仙北市をピーアールします」とお話しくださいました。

 それにしても、お話を聞くにつれ、お二人は深くて魅力的な方々です。テレビで観ない日がないほどご活躍の二人ですが、強力な方々に観光大使をお引き受けいただきました。どうかこれからもよろしくお願いします。
※お土産に持って行った田沢ナガイモを見て、その立派さにお二人ともビックリしていました。いえいえ、食べたらもっとビックリしますよ。

政策シンポ「地方創生と外国人」で

12月14日、東京タワースターゲイトを会場に、政策シンポジウム「テーマ:地方創生と外国人」に出席しました。温泉と医療の連結を進めるため、外国人医師の招へいも可能とした地方創生特区の取り組みをご紹介し、今後は特に地方の外国人雇用、農林業や介護の分野も含め、担い手の確保が必要とお話しをしました。

 パネリストは、元経済企画庁長官の堺屋太一さん、モルガン・スタンレーMUFG証券のロバート・フェルドマンさん、そして自分です(写真)。またビデオメッセージでは、大潟村の高橋村長や、愛知県の大村知事も、農業や製造業での外国人就業者の必要性を訴えていました。

 仙北市の特区は、臨床修練制度の規制緩和で必要な外国人医師の就業を認めていただきましたが、未だ具体的な外国人医師の確保には至っていません。シンポジウムに入る前に、世界の医療界事情に詳しい方々との面談も行い、外交ルートでの対応も検討する必要を痛感しました。

 お隣の韓国は、2003年に外国人就業者法を改正し積極的な受け入れ政策を展開しています。日本では人口減少対策として、子育て支援の充実や女性の社会進出を進める方針ですが、仮にこれら政策が有効に作用しても、もう20年たたないと生産人口を拡大することができない計算です。果たしてそれまで国力を維持できるかどうか疑問です。老齢大国に突入している日本ですが、経済活動を活性化するには若年就業者の確保が必要で、特に地方はもう限界なのではないかと思っています。

2015年12月9日水曜日

12月定例市議会市政報告⑦

■温泉と病院関連
◇新たな源泉の確保対策について
  以前から塚本總業(株)と協議を重ねてきた水沢源泉の活用については、田沢湖高原温泉郷への温泉水安定供給にかかる合意書に基づき、新しい水沢源泉から新分湯槽までの引湯工事が進められています。また、市で当初予算に計上しお認めをいただいた新分湯槽から高原地区の分湯槽までの引湯工事の調査と実施設計業務委託は、先ごろ終了し工事費が確定しました。
  これを受け、本定例会に水沢源泉から田沢湖高原までの工事費に係る補正予算を計上しています。事業内容は水沢新分湯槽から田沢湖スキー場を横断し、田沢湖高原の山麓分湯槽まで温泉管を一定勾配で布設するもので、口径100mmの引湯管2,891m、口径75mmの引湯管が458m、合計で3,349mの管延長です。なお、引湯管は保温性、耐水性に優れた温泉管を使用することにしています。
 総事業費は2億6,691万4千円で、事業年度は本年度と平成28年度の2ヶ年継続です。来年の12月までには水沢温泉から供給できるよう工事を進めます。

◇市立角館総合病院改築事業について
 市立角館総合病院改築事業の工事進捗状況を報告します。本体工事は1階の床及び柱の工事を進めていて、進捗率は11月末現在で25パーセントです。外構工事は本体工事工程との関係から本体工事隣接部分及び作業道を残し清算しました。残工事については、本体工事の進捗状況に合わせ、適時に発注します。
※写真は医療のイメージカット

12月定例市議会市政報告⑥

■建設部関連
◇角館駅東西自由通路整備事業の一時中止について
 角館駅東西自由通路整備事業は、その事業財源と想定していた社会資本総合整備交付金の配分条件やボリュームなどから、市で別に計画している内川橋改修事業との実施年度の調整が必要となっていました。多面的に検討を重ね、市民の安全確保を最優先で実現することが重要と考え、内川橋改修事業の先行実施を判断しました。従って角館駅東西自由通路整備事業は、内川橋の改修が完成するまで一時中止となることをご理解いただきたくお願いします。
 この一時中止について、JR秋田支社と協議を行い、内川橋の改修事業が完了した後に、速やかに市の発議で再開する旨の覚書の締結を条件に了承いただき、11月5日付けで覚書を締結しました。

◇道路整備促進フォーラムの開催について
 10月19日、「国道46号地域高規格道路整備促進フォーラム」を仙北市で、また10月21日、「地域高規格道路大曲・鷹巣道路整備促進フォーラム」を北秋田市で開催しました。両フォーラムとも商工会、観光連盟、草峠地区期成同盟会、秋田県、同盟会会員など多数の皆様に出席をいただき盛会に終えることができました。
 「国道46号地域高規格道路整備促進フォーラム」では、国土交通省秋田河川国道事務所所長の渡邊政義さんによる情報提供、料理研究家の木元千恵子さんによる基調講演、意見発表などで早期の整備着手を働きかけていくことを確認しました。本同盟会は、平成28年度からは同国道起点である盛岡市から終点の秋田市まで、沿線全市町による新同盟会を設立する予定です。
 また、「地域高規格道路大曲・鷹巣道路整備促進フォーラム」では、秋田大学北秋田分校長の濱田純さんによる基調講演、「秋田のど真ん中を貫く」をテーマとしたパネルディスカッションなどで早期の整備着手を働きかけていくことを確認しました。
 同フォーラムを踏まえ、11月19日には東北地方整備局、11月20日には国土交通省・財務省・地元国会議員などへの要望活動を実施しました。

◇東北都市景観協議会の開催について
 都市景観に関する施策を推進する東北の各市町村が集い、情報交換を図ることを目的に、10月29日から30日の両日、たざわ湖芸術村で東北都市景観協議会を開催しました。
 協議会には21の市町村、国土交通省東北地方整備局、青森県・宮城県・秋田県の担当者など、総勢48人に参加をいただきました。冒頭、国土交通省都市局 公園緑地・景観課 景観企画係長の古木治郎さんから、「景観まちづくりの最近の取組み」についての話題提供、弘前大学教授の北原啓司さんによる講演などが行われ、景観づくりについて考える有意義な会議でした。
 仙北市では、来年1月1日から景観条例を施行します。国や県、会員自治体と連携し、良好な景観づくりの推進に鋭意努力します。
※写真は国道46号の期成同盟会主催フォーラム(樺細工伝承館)

12月定例市議会市政報告⑤

■農林部関連
◇経営所得安定対策について
 今年の秋田県産水稲生育状況は、103のやや良でしたが、夏以降に降雨が多く、天候不順の日々が続き、収穫作業に苦労された生産者が多かったと感じています。
 なお、経営所得安定対策で、取り組んだ農家に対する米の直接支払交付金10アールあたり7,500円で約1億8,370万円(昨年は約1億9,800万円)は、昨日の11月30日、国から各金融機関口座に入金済みです。また、産地交付金等転作に係わる部分の水田活用の直接支払交付金約6億910万円(昨年は約5億380万円)は、今月末に支払われる見込みです。

◇TPP対策について
 農林水産分野におけるTPP交渉の大筋合意概要等は、農林水産省のホームページや新聞等のマスコミ報道の範囲内の情報しか持ち合わせていないのが現状です。
 年内に、国の説明会が開催される情報もあり、即時対応できるよう準備を進めています。
 また、今後予想される補正予算を伴う各種事業実施について、議会の皆様と情報を共有しながら進めることが重要と考えています。特段のご理解とご協力をお願いします。

◇太平物産(株)製造肥料問題について
 秋田市の肥料メーカー・太平物産が、表示と異なる原料や配分割合で肥料を販売していた事件が発覚しました。これは生産者や消費者の信頼を著しく損なう許し難い行為で、大きな憤りを感じています。この事件による影響が市内でも出ています。
 太平物産の製造肥料783銘柄のうち、県内で使用されているものは129銘柄、うち秋田おばこ農協管内で使用されているものが67銘柄で、これらが仙北市内でも使用されていることが分かりました。また、田沢湖支店管内の有機米研究グループ(29人)が、59ヘクタールで作付けした特別栽培米は、全農を介し4,500俵出荷していますが、千葉県・静岡県・東京都からの返品を確認しています。同じく田沢湖支店管内の1経営体(99アール分)については、大阪府への出荷を確認しています。こちらについては返品があったかどうかは確認できていません。
 角館・西木支店管内では、特別栽培米の出荷がないことから、直接の影響はないようです。
  全農は、秋田おばこ農協から出荷された米については、販売差額や特別栽培加算金は全て補償すると明言し、同社の肥料を回収し、代替品の供給を行っている状況です。
 国の「環境保全型農業直接支払交付金事業」も関連があります。この事業は、農薬と化学肥料の使用量を半分以下に抑え、地球温暖化防止や生物の多様性保全に効果の高い取組に対して、国が2分の1、県・市がそれぞれ4分の1ずつを分担して、10アールあたり8千円を交付する制度です。
 先般の新聞報道では、県内70人が取り組み、当該肥料の使用により事業要件を満たさなくなる恐れがあるとの内容でした。市内では11経営体(25.57ヘクタール)が取り組み中です。
今後は肥料の分析結果を踏まえ、県や関係機関等と連絡を密にしながら、農家の不利益にならないよう対応します。議会の特段のご理解をお願いします。

◇薬草産地推進事業について
 市内で栽培されている薬用作物は、現在、収穫・調製中ですが、生育は実験ほ場も含め概ね昨年に比べ良好で、昨年以上の収量を得られる見込みです。
 また、仙北市薬草生産組合が農林水産省の薬用作物等産地確立支援事業で導入した収穫管理機械を利用した結果、大幅な収穫時間短縮と労力の負担軽減が立証されました。今後は薬草を複合経営に取り入れ産地化形成が進むものと、大きな期待を寄せています。
※写真は農産物直売所・陽気な母さんの店(大館市)

2015年12月4日金曜日

12月定例市議会市政報告④

■観光光商工
◇第43回角館町樺細工伝統工芸展の開催について
 伝統と技術の研鑽、その評価と一層の振興を目指し、10月18日から25日まで、第43回角館町樺細工伝統工芸展を開催しました。会場は樺細工伝承館です。今年は「宇宙」がテーマで、伝統的工芸品の部に15作品、また一般品の部に36作品の出展がありました。伝統的工芸品の部では、最高賞の秋田県知事賞に、福井正人さん(角館町川原町在住)の作品「茶筒」が輝いています。
 また、本年度4回目となる「樺細工デザインコンペ」も10月に実施され、全国から22点の応募がありました。工芸展では全ての応募デザインの展示もあわせて行いました。角館町樺細工振興育成協会では、応募デザインからアイディアをいただき、新たな商品の開発に結びつけたいとしています。

◇山の楽市の開催について
 11月12日から14日までの3日間、横浜市の相模鉄道二俣川駅構内特設会場で、仙北市の観光と物産展「山の楽市」を開催しました。仙北市として11回目の開催となった今回、市内の19事業者が出展し、首都圏在住のふるさとサポーターの皆様のご協力もいただきながら、新米のあきたこまちや直送した秋の味覚の数々を販売し、昨年を上回る実績を上げることができました。
 また、開催中は秋田おばこの手踊りやナマハゲなどが会場を賑わし、仙北市の観光と物産をアピールしました。相模鉄道株式会社様には格別なご配慮をいただき、深く感謝を申し上げます。
 ところで、今後は横浜市街地再開発事業で二俣川駅構内も工事に入ることから、これまでの特設会場での開催が困難となります。来年度以降の開催については、現在、相模鉄道本社並びに駅ビル管理会社と協議を進めています。

◇台北市高校生の仙北市訪問について
 10月25日からの5日間、台湾政府機関・台北市教育局主催の台湾商業デザイン実習、及び文化見学団20人が仙北市内で実技研修を行いました。一行は市内農家民宿や宿泊施設に滞在し、市内観光地や滞在する農家民宿の中国圏向けPRツールを作成しましたが、これら作品は台湾国内での発表が終わった後、市で活用できることになっています。

◇農ガールin仙北について
 11月7日と8日の両日、仙北市農山村体験推進協議会が主催して「農ガールin仙北」を実施しました。首都圏の女性に農山村や農業の魅力を味わってもらい、その後の誘客につなげるための取り組みです。
 ツアーには11人の女性が参加し、農家民宿に宿泊して農業体験をしたり、抱返り渓谷を散策したり、市内で頑張る農業者女性らとの意見交換を行ったり、いぶりガッコ作りも体験をしました。
 今後も引き続き、都市旅行者の需要喚起へ向けた活動を支援したいと考えています。

◇仙北産そばの振興について
 9月24日、角館交流センターで「新そばを味わう会」を開催しました。10月1日から12月30日までの間、遊楽3トピアそば会議が主催する「第6回新そばまつり」の応援事業で、そば愛好者の皆様に新そばをいち早く味わってもらおうと、今年初めて開催したものです。市内外から52人の方々に参加をいただきましたが、新蕎麦の風味はもちろん、市内そば打ち職人のレベルの高さを実感しました。本当に素晴らしいそばだったと好評でした。
 この「新そばまつり」の期間中、スタンプラリーやそば打ち講座を行うほか、東京の秋田県産品ショップ「あきた美彩館」で、「第3回そばの郷仙北市そばタベクラーベの会」も開催します。これらの活動を通じ、仙北市産そばの作付け振興とアピール、および認知度向上に取り組みます。

◇外国人観光客の市内宿泊者数の動向について
 全国的に外国人観光客数の増加傾向が続いています。政府では2020年までに2,000万人としている目標数値を上方修正する動きです。仙北市を訪れる、また市内に宿泊する外国人観光客数も増加していて、観光客数全体への下支え要因となっています。
 今年1月から9月の外国人観光客の宿泊者数速報値は、14,423人で、前年同時期実績7,071人から倍増しています。市では今年目標を期待値も込めて20,000人程度と見込んでいましたが、既に昨年一年間の外国人宿泊者数14,000人を上回っていることから、2万人の目標は達成できそうです。これは平成22年にアイリス効果による韓国人を中心とした24,000人を記録して以来の宿泊者数です。宿泊施設によっては、10月の外国人観光客が全体の3割を超えている施設もあると伺っています。
 国別では台湾からの観光客が最も多く、約8,500人となっています。これまでのアジア戦略が実を結びつつあることを嬉しく思っています。また伸び率では、タイからの観光客が大きく増加している状況です。これは昨年から県と共同で進めているタイ観光客の誘客策が功を奏している結果と考えています。来年度はさらに実績を上げることができるよう、戦略を強化します。

◇地方創生先行型上乗せ交付金を活用したインバウンド施策の実施について
 10月に、インバウンド誘客促進事業(地方創生先行型)上乗せ交付金の交付決定がありました。市から申請した内容は、外国人への仙北市の魅力や観光情報をダイレクトに届けるセールスプロモーションを展開し、市内への滞在日数の増加を目指して体験メニューの展開を図ろうとする事業です。補正予算に計上しましたので、よろしくご審議をお願いします。
※写真は台湾との国際交流お茶会

12月定例市議会市政報告③

■総務部関連
◇定住対策推進室関係事業の進捗について
 仙北市空き家情報バンクの利用状況について報告します。
 現在の登録軒数は15軒で、現在までの成約件数は7件です。移住者人数は、二地域居住の5人を含め17人です。内訳は県外移住2人、県内4人、市内6人、首都圏との二地域居住が5人です。平成21年以降で最も多い実績ですが、さらに現在も空き家バンクへの新規登録や物件の内覧要望があることから、一人でも多くの移住を実現するため、空き家の掘り起こしや制度のPRに努めます。

◇地方創生先行型交付金事業の進捗について
 「地方版人口ビジョン・総合戦略」の策定については、第1回目の策定委員会を9月18日、第2回目を10月13日、第3回目を11月10日に開催しています。市議会特別委員会も開催され、委員の皆様から多くの提案、提言などをいただきました。現在、人口ビジョンは将来目標とする人口や進むべき方向性が定まり、これを基に総合戦略の策定を進めています。さらに議会特別委員会等のご意見を盛り込み、調整作業の後にパブリックコメントを行います。
 定住対策新婚世帯家賃助成事業は、申請が現在13件で、助成総額も200万円を超え、目標件数の達成が見えてきました。

◇地域おこし協力隊について
 1人の方が田沢出張所を活動拠点に、田沢地区の全戸訪問活動など活発な活動を行っています。加えて先ごろ2次募集を行い、1人の協力隊員を採用しました。本日から着任しています。西木地区の空き家に入居し、西木庁舎を拠点に地域おこし活動を開始します。 元気ある隊員の活動が地域を刺激し、新たなムーブメントが生まれることを期待しています。

◇新地方公会計の導入及び公共施設等総合管理計画の策定支援業務委託について
 本業務の委託業者を決定する手法として、様々な角度からの比較検討が必要だと考え、選定はプロポーザル方式としました。
 プロポーザル参加資格は、競争入札参加資格者名簿に登録されている者の中から、これまで業務受託の意向を示していた4者を指名し、このうち2者から提案書の提出がありました。
 11月18日、委託候補者選定委員会を開催し、提案書並びにプレゼンテーションによる評価を行った結果、「株式会社ぎょうせい東北支社」を委託候補者と決定し、今後は同業者と履行期限を平成30年3月31日とする業務委託契約を締結する予定です。

◇平成27年全国防犯功労受章者について
 9月24日、平成27年全国地域安全運動中央大会で、仙北市防犯協会会長の坂本邦夫さんが、防犯栄誉金章を受賞されました。
 坂本さんは、児童の登下校時の見守りやパトロールを行う「たざわ湖防犯巡回隊」の結成、また高齢者の安否確認など総合的な防犯巡回隊活動を行い、「安全な地域づくり」の先進的モデルケースとして注目を浴びています。
 皆様の活動に深く感謝し、心からお祝いを申し上げます。

◇きのこ採り遭難事案について
 10月4日、田沢湖刺巻地内の山林に、きのこ採りに出かけた3人が帰宅しないと家族から警察署へ通報がありました。消防団・消防署・警察署員で捜索体制を整えましたが、翌朝、夏瀬ダム付近へ自力下山した遭難者を無事に保護できました。
 また、10月30日、西木町桧木内地内の山林に、ワサビ採りに出かけたまま帰宅しないと家族から警察署へ通報がありました。明朝、市・消防署・警察署・消防団員で捜索したところ、入山地点付近で遭難者を発見、しかし残念ながら死亡が確認されました。

◇火災の発生について
 10月23日、角館町小勝田地内で雑木及び下草(756平方メートル)を焼損する林野火災が発生しました。原因はゴミ焼きの火が燃え広がったものと推定されます。
 また、10月24日、田沢湖生保内地内で専用住宅の一部床と壁(3.18平方メートル)を焼損する火災が発生しました。原因は、FF式ストーブの吹き出し口に接する状態で置かれていたバックに気づかず、ストーブを点火したことが原因とみられています。
 さらに、11月6日と11月7日、連続してイブリ大根作業小屋を焼失する火災が発生しました。どちらもイブリ大根製作中の火災でした。1人の方が、軽いやけどを負い病院へ搬送されています。

◇仙北市交通安全市民大会について
 11月28日、角館樺細工伝承館で「平成27年度交通安全市民大会」を開催しました。交通安全功労者表彰では、長年交通安全にご尽力をいただいた4人・1団体の皆様を表彰しました。また、大会では講話や意見発表、交通安全実践指導の寸劇を行い、「飲酒運転撲滅・無謀運転撲滅・交通弱者への配慮・交通教育」の4つを大会宣言としました。
※写真は交通安全市民大会での県警の皆さんの寸劇

2015年12月3日木曜日

12月定例市議会市政報告②

■総務部関連
◇総合教育会議の開催について
 総合教育会議の3回目の会議を11月24日に開催し、中央公民館の整備、スポーツ振興対策、学校再編に加え、教育大綱について協議しました。
 中央公民館に求められる役割と機能について、また総合的なスポーツ振興対策の具体的な必要性と効果等について協議、積極的に推進することを確認しました。
 学校再編については、生徒数等の推移予測が示され、来年度に保護者、地域の学校教育についてのアンケート等も含め、子供達にとって最も良い方策について議論を進めていきます。教育大綱については、第2次仙北市総合計画に「個性豊かな心を育むまち」として盛り込むこととして、具体的な内容を教育委員会として提案いただくこととしました。

◇地方創生特区について
 地方創生特区では、現在3つの事業計画を区域会議に提案し、大臣の認定を受けています。1つ目は、国有林野の管理経営に関する法律の特例で、貸付等の面積が5ヘクタールから10ヘクタールに拡大されたことにより、有限会社グランビアが10ヘクタールの国有林野を使用して、加工用果樹やハーブ栽培、併せて行う放牧農場から生産される食肉の加工施設、製品の販売やレストランの経営などを行う農園事業を、平成28年4月から進めるというものです。2つ目は、農業生産法人に係る農地法等の特例で、役員要件における60日以上の農業従事者数が一人以上という特例を活用し、株式会社メディカルファーム仙北が農業生産法人となり、休耕地等を活用したハーブ、薬草、健康食品用作物などを栽培し、加工食品、アロマ製品、機能性食品の加工・販売を行うというものです。3つ目は、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の特例で、農業分野の派遣事業について週20時間の就業制限が週40時間まで可能となったことを活用し、公益社団法人秋田県シルバー人材センター連合会が市内で派遣事業を行うものです。現在、事業の開始に向けて準備が進められています。
 また、去る10月26日と27日の2日間、兵庫県養父市を視察しました。対応をいただいた広瀬市長、また事業主体の代表者や担当の市職員の皆様に感謝を申し上げます。どの事業も現状を憂うだけではなく、改善に身を投じる主体者が存在し、その挑戦する姿を見て、周囲に応援隊の輪が広がり、未来を拓くうねりに拡大するという構図ができていました。
 特区で地域を変えることができるかどうか、それは私を含め市役所職員のやる気や本気度に加え、半歩でも一歩でも現状から前に進もうという情熱ある人材の確保が何より重要で、さらに、それを周囲が応援する意識の醸成が不可欠と強く感じました。
※写真右は広瀬・養父市長

12月定例市議会市政報告①

12月市議会での市政報告です。これまでブログアップしている項目は省略します。

■補正予算・来年度当初予算について
 次に一般会計補正予算についてです。
 補正額は1億6,976万1千円で、補正後の額は193億6,661万1千円となります。主な事業は、ふるさと納税ふるさと便事業費、ふるさと仙北応援基金積立金、臨時福祉給付金給付事業費、障害者自立支援給付費、母子生活支援施設等入所措置負担金、生活保護費、インバウンド誘客促進事業費、温泉事業会計補助金、一般教育振興総務費等です。

 次に平成28年度の財政見通しについてです。
 総務省の平成28年度概算要求では、地方交付税は平成27年度予算額の2パーセント減に留めるとしていますが、地方財政計画が示されるまでは楽観視できない状況です。
 市では、今年度で地方交付税の合併算定替期間が終了し、平成28年度から段階的に交付金が一本算定に移行されます。市の財政運営に大きな影響を与えることは確実です。歳出面では職員の削減による人件費の減少、普通建設事業抑制による公債費の縮減はありますが、物件費や社会保障費の増加は間違いありません。
 一方で、平成28年度は次期総合計画や仙北市版総合戦略の初年度にあたります。今後10年を見据えた市民と協働のまちづくり、資源の高度活用で地方創生を実現するために、当初予算で重点配分したいと考えています。そのためには自主財源の確保に最大努力を重ね、併せて現行事務事業の再検証、ゼロベースでの見直し、縮小・廃止も視野に入れ、徹底的なコスト削減を行います。
※写真は中部経済同友会の仙北市地方創生現地視察

2015年12月2日水曜日

市長・副市長の減給議案を提案した思い

昨日から、12月定例会がスタートしています。議会のシステムは、先ず初日に市側が提案したい内容(議案)を議会本会議(議員全員出席)でお伝えし、その後、関係する議会の各委員会に分割して附託します。ただ内容によっては初日の本会議で、議案の可否を決していただく必要があるものもあります。今回の教育委員会委員は議会の最終日前に前任期が終了することから、議員全員が揃う初日本会議で同意をいただきました。

 否決になった市長・副市長の減給議案には、初日に可決をいただきたかった思いがありました。もちろん減給だけで責任が果たせるものではありません。ただ先ず関係した職員に、既に先月25日に処分辞令を発令していました。前係長は懲戒免職処分、他は減給3人、戒告4人、訓告2人の合計10人です。全庁をあげて今回の収賄事件の根本を明らかにする作業は既に着手(職員の再配置も含めて)していますが、取り組んでいる職員の中には、当然のことながら今回処分された職員もいます。徹底した再発防止の司令塔になっている市長・副市長自身が、自らを律して職員の改革意識を鼓舞しよう、職員と一緒に問題解決に取り組む強い姿勢を示そう…。そんな風に考えての初日提案でした。残念です。

 この他の事案について、順次ご紹介します。

2015年11月29日日曜日

インバウンド対策の3提案

写真は、角館の白岩焼き与吉窯移設完成竣工を祝う会(11月27日)にお邪魔したとき、白岩経済文化研究所に展示されていたコバルトブルーの白岩焼きマグカップ。地域の皆さんは「この色は白岩焼きの本来の色ではないので…」と遠慮されますが、自分は大好きな色です。田沢湖の湖の色、抱返り渓谷の川の色にそっくりです。

 先週は本当に忙しい1週間でした。議会対応、総合教育会議、玉川サービス取締役会、秋田タイ王国理事会、記者懇談会、庁舎特別委員会、郵便局長会議、中部経済同友会視察会、秋田内陸線取締役会…。そんな中、行く先々で提案させていただいたインバウンド対策について、まとも(と自分は思っています)な3案を紹介します。

 先ずは郵政事業地方公共団体連絡会議(秋東連絡会)にて。「仙北市は海外からのお客様が昨年の2倍に増加しています。今後ますます観光は国際化が進むことになりますが、市ではWiーFiエリアの拡大に努力しています。どうか郵便局でもWiーFi対応をお願いします」。

 続いて秋田内陸縦貫鉄道取締役会にて。「外国から秋田に来たお客様は、例えば北秋田市や仙北市にいても、キリタンポは食べたいだろうし、ナマハゲにも会いたい。かまくらも体験したいし、秋田犬にだって触れたい。つまり大館でなくても男鹿でなくても、横手でなくても、秋田、もしかしたら日本観光の○×が、内陸線沿線で体験できることもサービスなのではないですか」。

 最後は白岩焼きの与吉窯移設完成竣工を祝う会にて。「皆さんが考える国際交流の、まったくど真ん中の素材が、まさに白岩焼きですよ。今はサムライハウスを見に来ている外国人観光客も、日本の旅行者がそうだったように、必ず体験型へ変化するはずです。そんな需要に、日本文化の象徴、陶芸、秋田で一番に古い窯元がここに在るわけです。皆さんが陶芸の指導者になられて、白岩焼きを体験したい外国人旅行者の受け入れが始まったら、白岩地域は秋田でどこよりも国際化しますよ。国際白岩焼き村の誕生ですよ」。

 考えるだけで楽しくなります。

2015年11月26日木曜日

贈収賄事件で職員を処分

11月25日の朝、一般廃棄物最終処分場管理業務委託をめぐる贈収賄事件に関係した職員10名の処分を行いました。逮捕された元市民福祉部係長は懲戒免職、他の9名は減給が3名、戒告が4名、訓告が2名です。自分と副市長の処分は12月議会の議案として減給提案(自分は3/10・3ヶ月、副市長は2/10・3ヶ月)をしました。

 処分辞令の発令直後、市役所幹部職員に集まってもらい訓辞を行いました。「幹部職員はその仕事の重要部分に、若手職員の育成がある。決裁も信頼関係という甘えが精査することやチェック不足の原因だとしたら、これは大変な勘違いだ。市民のために毎日がある。部下や若手職員は、上司の信頼に応え、甘えることなく仕事に立ち向かわなければいけない。上司は良い仕事ができる職場環境をつくらなければいけない。先ず隗から始めよう。市民のために身を粉にして仕事をしよう」と、お話をしました。

 続いて市議会の全員協議会を開催いただきました。この場面で随意契約ガイドラインの内容を報告。市で初めて策定したガイドラインには、随意契約の際には関連する市内の全事業者から見積もりを取ることを原則に、起案書とは別に随意契約の必要性を明示した理由書の作成を義務化、また委託業務の随意契約も指名審査会で審査すること、随意契約者の分散や複数職員でのチェック体制の確立、業者との打ち合わせなども職員が単独で行うことなどを禁止しました。この他にも、本質的な職員の仕事の仕方を明文化した手引きや法令遵守研修会も開催します。これらは来年1月からの運用と考えていましたが、一刻も早く不正対策を行いたいとの思いがあり、12月1日から運用することもお話しました。

 またカラ吹き源泉事故については、カラ吹き源泉事故調査委員会の中間報告書内容を説明しました。最終報告は12月15日に開催予定の同調査会となります。ただし中間報告の中でも、林信太郎委員長から「事故原因は、カラ吹き源泉の温泉造成施設近くの引湯管につけられたエア抜きの塩ビ製パイプから漏れ出た硫化水素ガスが、致死量を超える高濃度で雪洞内に滞留し、そこに入った作業員が事故にあったもの」と結論づけをいただききました。以前から市は水沢温泉から高原地区に引湯管を敷設する準備を進めていましたが、事業に必要な経費を12月議会に提案予定です。予算が市議会で承認され工事に着手したとして、完成予想では来年の冬の前になり、それまでは現状で絶対に同じ事故が起こらない対策が必要です。その点についても同委員会から強い指摘をいただきました。
 なお3名の方々が亡くなった事故に対する市の責任については、今後の司法判断にもよりますが、いずれにしても私自身に対する処分が必要と認識していることもお話させていただきました。

2015年11月22日日曜日

スターウォーズが待ちきれない!!

浜松町大門交差点の秋田居酒屋「んだんだ」でミライカレッジ仙北を終え、地下鉄で宿舎に帰る途中、〝スターウォーズ12月18日全国一斉公開!!〟の看板を見つけ、嬉しくて写真を撮りました。場所は半蔵門線から丸の内線に乗り換えた大手町駅構内です。

 ところで、12月上旬に都内某所で開催予定のジャパンプレミア「レッドカーペットイベント」 には、やはり応募しないことにしました(ちなみに応募期限は今日が締め切りです)。いろいろ情報を収集しましたが、12月議会との日程が重複する可能性が高いようです。またその情報収集の中で、いろんな新事実も入手することができました。
 例えば、初日の18日のチケットは既に完売ですが、ダークサイドで値段が数倍になって取り引きされているウワサ…、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)とレイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)の娘レイ(デイジーリドリー)がジェダイに成長する中で、ハン・ソロが死んでしまうウワサ…。

 ところで、いつも仕事をさせていただく田沢湖庁舎の部屋の中に、ミレニアム・ファルコンのミニチュアを飾りました。X・ウィングとのスケール感は絶妙かと…。ストーム・トルーパーは4体に増えました。フッと一息つきたい時、好きなものが目に入ると、こんなに気分転換になるんだと実感しています。
 ああ、映画が待ちきれない!!

都内でミライカレッジ仙北カフェ

11月20日、都内浜松町の大門交差点にある秋田居酒屋「んだんだ」(写真は店主の高橋さん)で、ミライカレッジ仙北カフェを開催しました。ミライカレッジは、首都圏などに在住する独身女性の皆さんに仙北市の情報を提供し、仙北市内での起業や就職、生涯パートナーとの出会いなどを総合支援するプログラム。既に7月には第1回の仙北市体験会が行われています。

 今回の仙北カフェは、来年2月20日~21日に予定している仙北市体験ツアーのピーアール交流会です。先ず参加をいただいた20名以上の皆さんに、仙北市の魅力をお伝えすることが必要です。そんな訳で、会食をしながらでしたが、たくさんのご質問をいただきました。「仙北市内にはどんな職種の求人があるのか」、「観光客の最近の動向は」、「なぜ仙北市では女性の起業者が多いのか」、「日本一の子育て支援都市はどんなイメージか」、「仙北市の男性は無口な人が多いのか」、「保育園の数は不足していないか」、「どうして秋田県は小・中学校の学力が日本一なのか」…。予定時間を相当オーバーしたと思います。

 秋田料理を味わいながらの会で、賑やかで楽しくて、仕事もできた3拍子そろった会でした。何よりカフェに参加していただいた女性のほとんどが、2月の来市を約束してくれました。本当にありがとうございます。それに会場店主の高橋さん(写真)が、地元のお酒として「秀よし純米酒」を出してくれました。秋田のお酒は大好評でした。
※インターネットで「ミライカレッジ仙北」を検索し、2月の仙北市体験ツアーへの応募方法などをご覧ください。皆さんのご参加をお待ちします。

2015年11月19日木曜日

地方創生フォーラムに出席して

11月7日、都内で開催された「地方創生フォーラム・地方創生第2ステージの処方箋」に出席しました。コーディネーターは北川正恭さん(早稲田大学名誉教授兼マニフェスト研究所顧問:写真は左端)、パネリストは平将明さん(前内閣府副大臣・衆議院議員:写真は左から2人目)、鈴木英敬さん(三重県知事:写真は右から2人目)、そして自分です。

 人口減少・超高齢化に立ち向かう地方創生ですが、横並び政策が通用した地方創生第1ステージは既に終わっています。全国各地で地方版総合戦略の策定が進み、地域がそれぞれの特徴を活かした独自政策の策定を進めていますが、鍵を握るのは地域住民や企業などの「民力」です。それをどう結集するか、リーダーの果たす役割や住民の行政参加システムなど、全国の事例を出し合って処方箋を探ろうというのがこのフォーラムの目的でした。

 最初に北川コーディネーターが口火を切ります。「これまでの取り組みで地域はどうなったか、お願いを連呼する選挙は幕を閉じ、住民との契約・約束を結ぶマニフェスト選挙は何を変えたのか、その辺りから話しを始めましょう」。これに対し自分は「最初の市長選挙で、秋田県では初めて本格的なマニフェストを提示しました。しかし約束した40政策の中、例えば市民所得の10パーセント向上、農林分野産業の生産額4.8億円アップ、観光客数75万人の積み増しなどは実現できていません。これらを実現するためにも、国家戦略特区・地方創生特区を最大活用したいと考えています」とお話をしました。また「これからは居住地は選ばれる時代になります。選んでもらえるまちづくりの柱に、先ずは徹底した子育て支援に着手します。観光・農業・ものづくり産業の振興で所得アップを目指し、注目されているドローンは実用段階に一刻も早く到達したいと考えています。温泉と医療を連動させた国際交流、観光振興と市民の足の確保にタクシー運賃の値下げも主張していきたいと思います」などなど、取り組みの現状を紹介しました。

 国と県のあり方、国と県と市町村の関係など、様々な気付きをいただいたフォーラムでした。

2015年11月17日火曜日

八百屋の親父はなぜ元気か?

この方、秋田市出身でトヨタ自動車(株)相談役・技監の佐々木眞一さんです。今日の午後、名古屋市内で開催の「あきたリッチセミナーin名古屋」でご講演をいただきました。演題は〝トヨタが目指す次世代モビリティー〟で、車の進化や車と社会システムの融合、未来の車づくり、自工程完結の考え方などをお話しいただきました。
 
 ザクッと皆さんに紹介します。~新技術はある日突然に生まれるものではなく、今ある技術を磨き上げ、それらを集めた結果、あらたな技術が構成される…、そんなイメージを持っています。品質は工程で造り込む!!です。一見ハイテクの塊のように見える未来も、実はローテクの集積体なのです。トヨタは良いものだけを生産し、検査がいらないモノづくりを目標にしています。例に挙げると「八百屋の親父はなぜ元気か?」です。八百屋の親父は朝に早く起きて鮮度の高い野菜を仕入れ、お客様に喜んで買ってもらう。その仕事ぶりに感謝され、ますます頑張って大きな声でお客様を店に招き入れて、また評判を高める、そんな循環の中で、八百屋の親父は自分の仕事に誇りと自信をもって懸命に打ち込む…。これが八百屋の親父が元気な理由です。どんな分野の仕事でも、この八百屋の親父のような仕事をすれば、楽しいわけです。皆さんに次の言葉を贈ります。

 本気ですれば、大抵のことができる
 本気ですれば、何でもおもしろい
 本気でしていると、誰かが助けてくれる

 もし皆さんの中で、いくら頑張っても成果が出ない、誰も自分の仕事を理解してくれない、と悩んでいる方がいたとしたら、それは未だ努力が足りないからです。~

 佐々木眞一さん、ありがとうございます。またお会いしたいです。

富士河口湖町でクニマス情報交換会

   午後3時から、富士河口湖町庁舎を訪問。田沢湖クニマス未来館(平成29年春オープン予定)に展示するクニマスの譲り受けについて、後藤斎・山梨県知事をはじめ、県庁農政部の皆さんに要望を行ってきた報告や、最近本格化した田沢湖湖底調査の現状、田沢湖クニマス未来館構想の概要をお伝えしました。

 渡邊凱保・富士河口湖町長はお休みでしたが、外川亮介・総務課長や流石速人・政策財政課長、梶原晃吉・農林課長などに応対をいただきました。また三浦美信・西湖観光協会長、三浦久・西湖漁業協同組合長にもご足労をいただきました。皆さん本当にありがとうございました。
 仙北市が進める「田沢湖再生クニマス里帰りプロジェクト」は、確かにクニマスを故郷に帰すことが目標です。しかし取り組みの最も重要なことは、誰も経験したことのない、命あふれる湖の再生、田沢湖の再生が目的であること、そしてその過程で、世界中の皆さんとの交流や学習が必要なことなどをお伝えしました。従って田沢湖クニマス資料館は、多くの方々に入館いただきたいことはもちろんですが、研究施設、学習施設としての機能を充実することになると、お話しをしました。

 一方で富士河口湖は、来年の春、町内にクニマス展示施設をオープンする準備を進めていました。事業主体は山梨県で町が管理運営するとのこと。両市町の連携はなおさら必要になります。
 三浦漁協組合長からは、西湖に生息するクニマスの総数は約7000尾との推測があるとのお話を、三浦観光協会長からは、田沢湖クニマス未来館内に、西湖コーナーがあることに触れ、富士河口湖町のクニマス展示施設にも田沢湖コーナーを実現できればとのお話しをいただきました。

 お忙しい中、皆さんにお集まりをいただき心から感謝を申し上げます。

2015年11月16日月曜日

山梨県の後藤知事にクニマスの譲り受けを要望

    今朝8時、新宿からスーパーあずさに乗って甲府市へ。山梨県庁を訪ね、幹部の皆さんに、田沢湖クニマス未来館(平成29年春オープン予定)に展示するクニマスの譲り受けを要望しました。

 最初にお会いした方々は、山梨県の橘田恭・農政部長や清水靖・花き農水産課長など。本当にお忙しい中ご丁寧な対応をいただきました。私からは、クニマス保存と生態の解明にご努力する山梨県への御礼、また田沢湖クニマス未来館への生体展示の協力を依頼しました。技術的な面では、採卵の時期と雄の成熟時期がうまくマッチングできず、個体数を増殖する作業に手間取っているとのこと。しかし山梨県が来年春にクニマス展示館を開館する準備と並行し、秋田県民の要請を実現するために努力を惜しまないと、お話しをいただくことができました。

 そして後藤斎・知事との会見です(写真)。とても魅力的な方でした。ひと通り仙北市の説明をしましたが、後藤知事は「実は学生時代に角館を訪ねたことがあって、懐かしくお話しを伺っていました。クニマスについては、歴史的にもご縁があって西湖に生き続けているのですから、この信頼関係はとても大切です。そして仙北市の皆さんのお気持ちも十分に理解しています。いま最大の努力をしています。クニマスの里帰りは若い方々にも夢を感じてもらえる取り組みになります。生態などまだまだ不明なことが多いクニマスですが、私はその生命力を信じたいと思います。こうやってお出でをいただいたわけですから、里帰りの時は、その仲人役として私も秋田にお伺いします」とお話しをくださいました。

 後藤知事とお会いできて、本当に良かったと思いました。重ねて感謝を申し上げます。
 さて、この後は富士河口湖町です。渡邊凱保・町長や西湖漁業協同組合の皆さんと懇談会は午後3時からです。現地の最新情報を共有する重要な場面になります。

2015年11月15日日曜日

岩本俊悦さんの文化功労者表彰をお祝いして

  今日はお昼から北秋田市内のホテルで、故・岩本俊悦さんの秋田県文化功労者表彰受賞をお祝いする会でした。岩本さんは「北緯40°秋田内陸リゾートカップ・100キロチャレンジマラソン」を立ち上げ(1989年)、第2回大会から第5回大会まで実行委員長、第6回大会から今年の第25回大会まで事務局長を務めた方です。全国から1700名のランナーと、2800名のボランティアスタッフに参加をいただくマラソンイベントに成長しましたが、これは岩本さんの地域愛と情熱なしには語れません。ご本人は今年大会を見ないで逝ってしまいましたが…。 

 お祝いの会には、堀井啓一・秋田県副知事(写真はごあいさつの様子、お隣にいる女性は岩本さんの奥様の隆子さん)、津谷永光・北秋田市長、高橋充・上小阿仁村教育長、佐藤博・秋田県北秋田振興局長、佐々木健・今年大会会長はじめ、岩本さんと親交の深い皆さんが駆けつけていました。仙北市からも大会関係者が大勢参加しました。皆さん岩本さんのお人柄を慕う方々です。 

 自分はあいさつで次のような思い出話?をしました。「1988年、旧西木村の若者を中心にサラダハウスと言う村おこしグループを立ち上げ、野外ロックコンサートを開催しました。これが大赤字を出してしまい、メンバーは意気消沈しグループ解散の危機に瀕していました。そんな時だったと思います。岩本さんから内陸線の沿線地域を盛り上げるために、来年は手づくりでウルトラマラソンを開催したいので、サラダハウスにも協力をお願いできないかとご相談を受けました。これがご縁で、鷹巣・森吉・上小阿仁・阿仁など、多くの若い皆さんと知り合いになれました。お蔭で今の自分があります。岩本さんとのお付き合いは30年になろうとしていますが、岩本さんのお願いを断ることなどできません。今後も100キロマラソンは続きますが、同じ時期に亡くなった大牧徳二郎さんと岩本さんと、一緒に大会を盛り立てていきたいと思っています」。 

 受賞を心からお祝い申し上げます。

2015年11月14日土曜日

観光庁の田村長官と再会

国土交通省内を飛び回っている中、先月仙北市にお出でをいただいた田村明比古・観光庁長官と面会することができました。出際直前のタイミングで在室されていたもので、ラッキーでした。「お変わりはありませんか」とお声をかけると、「元気にやっていますよ」と笑顔で返してくれました。

 前回はお忙しい中、角館の武家屋敷の散策や樺細工伝承館の視察、農家民宿での昼食などを楽しんでもらいましたが、時間がなくて田沢湖も西木にも足が伸びませんでした。そこで「次は田沢湖の秘湯でご一緒しませんか」とお誘いすると、「それはありがたいご提案です。すぐにでもお伺いしたいところですが、なかなか自由がききません」と話していました。

 観光庁が策定した「観光庁アクションプラン」では、2020年までに外国人観光客2000万人を目標にしていました。しかし最近の動向を分析すると、既に今年1800万人をオーバーする見込みらしく、2020年の目標を1000万人上乗せして3000万人にするお話しも聞こえる中、田村長官の
ご多忙は簡単に推察できます。
 ご苦労様です。

 

岩瀬~北野線の予算要望活動などで

先週11月10日は、朝から秋田県建設部と国土交通省秋田河川国道事務所で国道46号と国道105号の整備促進を要望。午後からは県と市町村の協働政策会議に出席し、政府への要望事案を協議しました。その後に上京。朝からの国土交通省要望会と県選出国会議員との意見交換、翌日は林野庁への陳情などを行いました。

 ところで11日の国土交通省要望は、東北ブロックの街路事業要望活動でした。仙北市の場合、平成28年度で岩瀬~北野線の未着手部分に満額回答をいただかないと、建設中の市立角館総合病院のオープンに間に合いません。東北各県の要望団を代表して都市局を中心に回りましたが、国家財政が厳しい中で、命の道路として完成を待ち望む多くの市民の声をしっかりと代弁できたと思います。また午後の大半は、県選出の国会議員の皆さんに内情をお伝えし、強力に予算配分を要請しました。

 翌11月12日は、午前から同じく国会の皆さんとの情報交換を行いました。また林野庁への要望活動も予定されていましたが、そんな中で、国会議員の皆さんから伺った幾つかの興味深いお話しを紹介します。

・農業分野はTPP交渉が話題の中心になりがちだが、それよりも国内の農業政策の抜本的な政策転換が必要。貿易交渉はTPPだけではないので、関税撤廃の前にさらに多面的な貿易交渉が行われることは確実。国内農業の試練は続くと受け止めるべき。
・国家財政はあと何年持ちこたえることができるのか、それほど危機感は逼迫したものがある。例えば高速道路の料金体系一つをとっても、関西や関東と言った大都市経済圏に連動する高速道路の料金体系と、東京まで遠く離れた秋田からの料金体系と考え方が一緒でよいのか。経済政策としての道路料金議論を始めるべき。
・これからは如何に世界に通用する人材を育成できるか、それが日本の将来を左右する要素になる。秋田は全国一番の教育県というブランドが活かされていない。これを活用し、もっと大胆に定住対策や人口移住を行うべき。

 などなど。ご指摘を持ち帰り、さっそく市の総合戦略に盛り込める内容の精査を始めています。市の総合戦略の中心角は4本の柱ですが、子育てや定住・移住対策は最も重要な施策に位置づけています。来年度の予算編成とも深く関係する視点として、今後の議論に臨みます。
※写真は衆議院議員会館の御法川代議士執務室での要望活動

2015年11月9日月曜日

由紀さおりさんと安田祥子さんのコンサート

由紀さおりさんと安田祥子さんのスリーショットです。元気をいただけた思いです。

 今日、手づくり学校コンサート2015で、お二人が仙北市民会館で歌声をご披露してくれました。このコンサートは1986年から始まっているそうで、その活動は国外にまで及んでいます。お二人の周辺にいた音楽関係者から、仙北市でのコンサートを打診いただき、実現が叶いました。開催にあたり、ご支援をいただいた多くの皆さん、特に特別協賛の日本通運(株)さんには感謝の言葉もありません。

 市民会館には市内全ての中学校5校から、1~3年生あわせて620人、また学校関係者や保護者、地域の方々など、800人を超える皆さんにお越しをいただきました。コンサートの進行や、お二人と一緒に中学校の子ども達が合唱する場面もあり、まさに手づくりコンサートです。

 「あしたへ贈る歌」、「花」、「夏は来ぬ」などなど、「21世紀の子ども達に美しい日本の歌を残したい。そして柔軟な青年期に歌を通して夢の実現の力になりたい」とする思いが、十分に伝わるコンサートでした。
 ありがとうございました。

2015年11月6日金曜日

健康と温泉フォーラム2015仙北市③

さて、今日の足澤先生の講話後、意見交換の場面を持ちました。ここで国土交通省国土政策担当の舘逸志官房審議官から質問がありました。「足澤先生がふれた診療情報提供書(病歴書・紹介状)は、例えば東京から玉川温泉に来たいと考えた方々が、都内の通院先医師に書いてもらえば良いと思うが、それは仕組みとして整っているものか」…。

 この質問から、様々な問題が見えて議論になりました。自分が足澤先生に代わりに、幾つかの現状をお話ししましたが、その概要は、
1.例えば田沢湖病院に温泉療養を指導する医師に着任いただいたとして、この先生が「あなたの症状だったら、○○温泉の泉質が効能が期待できる」とか、「この症状だったら岩盤浴が良い」とか、向かうべき温泉を紹介したとする。しかし日本は温泉療養が医療行為とは認められていないので、医療保険は適用にならない。市役所で市立病院に医師を採用した場合、診療収益を上げて病院事業を継続する公営企業の原則から言えば、収益をもたらさない医師に給料を払うことになり、ただ病院の経営を圧迫するだけになってしまう。これでは足場の病院経営が成り立たない。
2.少しでも病院の収益を上げるとすれば、保険外(自由診療)で処方箋を医師が発行し、これを発行したことで手数料を患者本人が全額支払う方法などが考えられる。
 などです。

 さらに猪熊茂子先生(日本温泉療法医会会長)や、出口晃先生(小山田記念温泉病院内科部長)、三友紀男先生(温泉と健康フォーラム会長・仙台社会保険病院名誉院長)がこの議論に参加し、保険適用行為と提要外行為を整理して考えることが必要とのアドバイスを受けました。

 中嶋看護士の講話を終えて部屋を出ようとしたとき、足澤先生から興味深い論文の写しをいただきました。先ごろ温泉科学に掲載された「湯治目的の重症患者が集う温泉地と地域医療体制の協調に関する研究」(加藤礼識・野田龍也・今村知明共著)です。この論文は奈良県立医科大学に所属する3氏が仙北市の医療実態を調査し、特に温泉と医療の関連や課題点が的確に分析されています。

 ザックリと紹介します。
  ~玉川温泉は療養型温泉であるのに対し、乳頭温泉や高原温泉、水沢温泉などは観光型温泉との認識が強いこと。急病などに対応する地上の救急搬送力は脆弱。広域消防の救急車移動では、例えば玉川で患者が発生した場合、西木消防分署、田沢湖消防分で駆け付けるが、西木からは38.5キロ、田沢湖からは42キロあり、救急要請してから病院収容までは、最短で1時間、長いと3時間以上を要する。空中搬送(ドクターヘリ)は平成23年から運用が始まっている。しかし悪天候や夜間は飛べない。田沢湖病院については、平成15年に新築をし、当時は6人の常勤医がいた。しかし平成16年の新研修医制度で大学に医師が引き上げたり、開業したりが続き、現在は3名の常勤医となっている。平成18年には田沢湖病院は救急指定を返上している。以降、仙北市も懸命に医師確保にあたるが目覚ましい成果は得られていない。もはや単独自治体としての努力は限界にある。そんな中で市は「医療・農林ツーリズム特区」を国家戦略特区に申請した。時代の要請もあり、湯治医療に注目が集まっている現在、ガンに効能があると言われる玉川温泉は重傷度の高い湯治客が集まるようになっている。医師不在の地区に最も医療を最も必要とする人たちの集合体があることになる。今後は特区の制度を活用しながら、市役所・病院・温泉宿・湯治客の間で、その関係性に各々が関与し合い、協調関係を構築する必要があると考える。~とても示唆に富んだ論文です。具体策を検討します。
※写真は玉川温泉岩盤浴地の様子

健康と温泉フォーラム2015仙北市②

今日(11月6日)は、玉川温泉に会場を移し、玉川温泉研究会の足澤輝夫先生(玉川温泉附属診療所長)、中嶋徳子さん(新玉川温泉入浴相談室看護師)看護師の講話、フォーラム参加者の岩盤浴体験などを行いました。

 足澤先生のお話しは以下の通りです。
 ~玉川温泉の医学的研究は、昭和18年に玉川温泉研究会が創設されて以来続いてきた。研究は地球物理、地球化学、地質学、温泉工学等の分野に広がり、貴重な資料の提出ができたと思う。医学研究は東北大、福島医大、弘前大に加え、岩手医大、足澤名誉教授(足澤先生のお父様)、その門下によって精力的に行われたが、今思えば、私が最後の研究者になってしまった。残念だ。昭和35~36年頃は、既に大方の研究が終わっていた。そんなとき、岩手葛巻の小児麻痺の子ども達が、玉川温泉で療養をし大きな改善が見られた。アメリカ大統領のルーズベルトも小児麻痺だったが、ワームスプリングスの温泉で療養し、車椅子から立ち上がるほどに回復して大統領になったと記憶している。葛巻の子ども達の改善に着目した鉄道弘済会が、玉川温泉内に小児麻痺リハビリセンターまでつくったことを考えても、その効果は絶大だったと思う。その後、マスコミがガン患者の回復実例を報道し、今の玉川温泉の評価が定着するようになった。玉川一帯は無医地区で、症状が急変したときには、救急車かドクターヘリで対応可能な病院へ搬送が行われる。しかし、突然にガンを患っている患者が病院に飛び込むと、患者の病歴が分からないまま対応する医師も大変だ。何か診療情報を伝える仕組みが必要だと思う~、などのお話しをいただきました。

 また中嶋看護師のお話しは以下の通りです。
 ~新玉川温泉に勤務して4年目になる。入浴相談室を訪ねてくれた人に、温泉入浴の指導を行っている。無理をしないでと言っているが、遠くから来たので…とか、あと何回これるか分からないので…とか、息子に入り方を教わってきたので、病状を改善して帰らないと申し訳ない…とか、いろんな理由で入浴や岩盤浴に無理をする人が多い。ゆっくりと湯治する意識ではなく、どうも治療に来ている感覚が強い。80歳代のご夫婦の例を紹介する。このご夫婦は旦那様が胃ガンを患っていた。かかりつけの医師が書いた紹介状を携えてきたが、看護師が対応することはできず、万が一のことがあったら搬送先の病院の先生に提出して欲しいと言った。どうも来る前から多くのうわさ話を聞いてきたらしく、入り方がとても無謀で、80歳代という高齢者の体力では、逆に症状を悪化させることにもなりかねないからと指導したが、なかなか聞き入れてもらえなかった。結局、20日ほど滞在していただいたが、来たときぐらいまでの体力の回復ができた程度だと思う。無理は本当に良くない~、などとお話しをいただきました。

 明日は総括講演で、大湯リハビリ温泉病院理事長の小笠原真澄先生が登場します。この講演も楽しみです。
※写真はご講話の足澤輝夫先生

健康と温泉フォーラム2015仙北市①

「健康と温泉フォーラム2015仙北市」が開催されています。期間は昨日(11月5日)から明日(11月7日)までの3日間。同実行委員会(仙北市)と特定非営利法人・健康と温泉フォーラム(三友紀男会長)の共催です。テーマを「日本元気創生~温泉で健幸のまちづくり~」とし、これまでの観光型温泉活用に加え、健康増進・保健・医療型温泉になるための、制度や広域連携についてを議論、昨日は参加した7市町の首長が署名した仙北市宣言を採択しました。

 フォーラムに参加をいただいた自治体は、北海道豊富町、新潟県阿賀野市、山梨県北杜市、鳥取県倉吉市、大分県竹田市、熊本県菊池市です。いずれも健康増進に特徴のある温泉が所在しています。6月に共に塩崎厚生労働大臣へ要望活動(湯治に係る医療費控除制度の拡充)を行った首藤市長(竹田市)や田中市長(阿賀野市)、また温泉力協定を締結した工藤町長(豊富町)など、素晴らしい顔ぶれがそろいました。

 出口晃先生(三重県四日市市小山田記念温泉病院内科部長)の講話はとても興味深く、「これまで、単なる温泉入浴や運動欲だけではなく、気候療法等も行ってきた。特に認知症、生活習慣病に対する温泉の活用は、重点的な研究項目として取り組んできた。温泉には治療医学的な面だけではなく、健康増進、予防医学等多面な効果を有していることをしみじみ感じている。多くの職種、多くの人々が今後もさらに知恵を出し合っていく必要がある」と話していました。

 各自治体からそれぞれの温泉の取り組みが紹介されましたが、仙北市からは国家戦略特区・地方創生特区で描く、温泉入浴を医療保険適用行為とする構想、医療費控除施設としての規制緩和提案、外国人医師の招聘による国際交流などをお話ししました。その後、サミット仙北市宣言を採択しました。内容は「温泉に関し、相互に補完できる有機的なネットワーク化、高齢化が進む住民の疾病予防、介護・福祉への温泉の積極的な活用と、若者や域内外の人々が自然に交流できる伝統的な温泉文化への回帰と継承」などを唱っています。

2015年11月3日火曜日

元気クラブの芸能発表会が素晴らしい!

11月3日、かくのだて交流センターで開催された「仙北市老人クラブ連合会・元気クラブ芸能発表会」です。同老人クラブ連合会には、有志で組織した元気クラブ(加藤武尚代表)があり、毎年発表会を開催しています。今年で連続3回目を数え、参加者や内容は年々充実(今年は37組がエントリー)しています。

 自分はあいさつの場面で、秋田県民歌の一番を独唱しました。だって芸能発表会ですから、何かできる芸事をご披露して参加の皆さんに喜んでもらわないと…。

 ところで写真の中央は、外山節を唄う千葉梅子さん(中川寿会老人クラブ)です。素晴らしい唄でした。と言うか出演された皆さんは本当にスゴイ!!。「きっと今日の日のためにカラオケに行ったり、家で大きな声を出して練習したり、お友だちと踊りを合わせたりして準備をして来たはず」と青柳議長。この準備作業も素晴らしいことです。皆さんが誰もがお若く見えたのは、そんな毎日をこれまで重ねて来たからでしょう。
 負けていられません。

やまばと会とかくのだて会

11月1日、都内2ヶ所で開催されたふるさと会に参加。1ヶ所は台東区上野オーラムが会場のやまばと会総会(上桧木内地区ふるさと会:写真は門脇成英会長)。もう1ヶ所は中野区中野サンプラザが会場のかくのだて会総会(冨木脩平会長)。

 午後1時からやまばと会、午後2時からかくのだて会だったので、この順番で会場を訪ねることにしました。初めのやまばと会では市政報告もでき、参加の皆さんと上桧木内で農業生産法人を立ち上げる活動にご協力をいただきたいことなどを相談し、出張の目的を果たして早めに退場。次のかくのだて会に向かうため、電車を乗り継ぎお茶の水へ。中央総武線の特快を利用したので、新宿の次の停車駅が中野です。日曜日と言うこともあり、車内はそれほど混雑していなくて、イスに座ることもできました。電車の揺れが気持ちよく、疲れていたか多少のお酒が効いたのか…。

 ストンと眠ってしまいました。気が付けば三鷹です。急いで降りて引き返す電車に飛び乗って。これが運悪く普通電車で(律儀に各駅停車します)。そんな訳でかくのだて会には大変な遅刻参加になってしまいました。何とか市政報告はできましたが、到着して30分ぐらいで閉会になりました。皆さんご免なさい。

第2回花のある街づくりコンクールの結果

花のある街づくりコンクールは昨年誕生し、今年2回目となった産まれたての花いっぱい運動です。仙北市は西木地区のフラワーロードが有名ですが、実はそれだけ難儀している皆さんも多く、3年前に、この運動をどのように継続することが望ましいか、市民の皆さんと何度も協議を行った経緯があります。

 このテーブルで、フラワーロードの花苗定植(花の日)に花の市を併設してみてはどうか、またヨーロッパの街並みで目をひく、窓辺の花いっぱい運動も導入したらどうか、さらに個人の庭に植えた花々も、観賞させていただくことができないか…、いろんあ意見が出た結果、「花のある街コンクール」に辿り着きました。多くの花愛好者の活動を支援しながら、花いっぱい運動も支援していただく、お互いを支え合う関係の輪を広げ、いたるところに花があふれる仙北市をつくろうと言うものです。

 今年の花も見事でした。結果は下記の通りです。
☆個人・地植えの部
最優秀賞 伊勢  正
優秀賞  藤岡トミ子 布谷 廣子
☆個人・プランターの部
最優秀賞 鈴木 利男
優秀賞  田中みゆき 三浦 良子
☆団体・地植えの部
最優秀賞 下延地区環境保護会
優秀賞  鎌川あけぼの会 小松東前郷環境保全協議会

 審査をいただいた生涯学習奨励員の皆様に、本当にご苦労をおかけしました。ありがとうございました。

2015年10月31日土曜日

一堂に会して仙北市文化祭スタート

今日と明日の2日間、「仙北市市政10周年記念・仙北市文化祭」が開催されます。文化祭はこれまでも田沢湖・角館・西木の各地区で行われて来ましたが、今年は、仙北市市制10周年を記念して、初めて一堂に会しての開催です。会場は田沢湖生保内市民体育館・生保内武道館・仙北市民会館です。

 文化祭は、生涯学習に取り組む皆さんを中心に、各活動の成果を発表する「一年の集大成」です。作品展示は体育館や武道館、市民会館ロビーに、またイタヤ細工や工作体験は武道館で、さらに舞踊や合唱などの発表は市民会館を会場に行われます。自分はあいさつで、「文化の力は生きる力になります。まちづくりの力になります。辛いことが多い毎日ですが、優れた作品に触れ、気持ちを立て直して仕事に向かう勇気をいただくことができます。どうか皆さんの長く続け、仲間を増やして充実した時間を過ごしてください」とお話しをしました。

 開会式に次いで、「花のあるまちづくりコンクール表彰」も行いました。今年2回目のコンクールですが、どんな目的で始まったのか、どんな人が受賞したのか、そんなお話しは次のアップでお伝えしますね。
 先ずは皆さん、文化祭にお出でください。

※写真は体育館内の呈茶コーナー風景

東北都市景観協議会を開催

一昨日から昨日まで、たざわ湖芸術村を中心に、東北都市景観協議会が開催されました。同協議会は、都市景観に関する施策の推進、各市町村の情報交換を図ることを目的に、東北各県の94の自治体が参加しています。今年は仙北市が市制10周年を迎えた記念年と言うことで、会議の誘致を行い開催した経緯があります。

 仙北市の景観保全に関する取り組みは、昭和51年に文化庁が指定した第1次の伝統的建造物群(角館の町並み)から本格化しました。以降は「秋田県の景観を守る条例」に基づき景観事務を行ってきましたが、今年6月に仙北市景観計画と景観条例を制定し、この条例に基ずく景観行政が、来年の1月1日からスタートすることになっています。自分はあいさつで、「多くの協力をいただき、仙北市の地域性を活かした独自の景観計画・景観条例を策定し、これを基本に景観行政を推進できることに大きな期待感を持っています」とお話しさせていただきました。

 基調講演は、仙北市の景観計画を策定し、以前からまちづくりでご指導をいただく弘前大学の北原啓司教授にお願いしました。とても良いお話しでした。少しだけご紹介します。「ストックの時代と言われていますが、先人から伝えられたものを使い減らしているだけで良いのか、次の時代にも使ってもらえるよう、今から何かエネルギーを注入して、変質させていかないと駄目なんじゃないか、そんな風に考えています。これまでは、ずっと長い間、町に便利なものを作り上げる政策・制度時代ばかりでしたが、これからは町を続ける政策・制度が必要な時代です。町づくりは編集力が大切になっています。今あるものをどう作り替えることができるのか、このスタンスが重要です。ただし町づくりは楽しい空間を作ることではなく、場所、もっと言うと自分たちの居場所づくりを目標にすることこそ、本質だと思っています」
 納得です。

※写真は北原啓司教授

2015年10月29日木曜日

ジャスティン・トール領事と懇談

写真は在日(札幌)米国総領事館のジャスティン・トール領事です。仙北市の国家戦略特区・地方創生特区や、女性の働き方の実態ヒアリングで田沢湖庁舎に見えられました。領事はカリフォルニア出身でバージニア大学を卒業後、米国空軍のパイロットだったそうです。国務省には様々なキャリアの方々がいて、「多様性を重んじる」米国社会の幅を感じた懇談でした。

 日本政府が取り組む特区(規制緩和)に関心があるとのこと。特に大都市圏ではない仙北市で、先進的な規制改革の提案を続ける要因を知りたいとの思いがあったようです。温泉と医療の連携については、最近になり米国内でも西洋医学だけではなく、鍼・灸・指圧・整体など、体内の治癒力を高める処方に着目する医療関係者が出てきて、温泉活用も重要な視点ではないかとの感想をいただきました。またドローンについては、領事から「研究者や企業が仙北市に集まれば良いですね」とのお話しがあり、「ぜひ米国の皆様にもお声かけをください」とお願いしました。

 女性の働き方については、国が新たな法律をつくり、行動計画の策定を求められている現状をお話ししました。また仙北市役所の場合は、26パーセントの方が女性管理職ですが、男性職員も含め、まだまだ有給休暇や育児休暇を取りにくい環境にあること、その意識改革を進めないと、子育て環境の改善にならないことをお伝えしました。

 領事は、空軍に所属していて家族との時間を十分にとれなかった過去を反省し、領事に転身したとのこと。人生は家族と楽しむためにあると、そう言っていました。

2015年10月28日水曜日

兵庫県養父市の国家戦略特区視察③

本当に貴重な視察をさせてもらいました。いくら特区指定をいただいても、そこで生活をする市民が、規制緩和されたルールを活用し、半歩でも一歩でも現状から前に進む(前に進む情熱を燃やす)ことがなければ、何の意味もありません。

 帰り道、高速を走る中で同行の職員と養父市の感想を出し合いました。「広瀬市長は、何もない山奥のまちと謙遜していたけれど、新たな挑戦に取り組もうとする市民がいて、その挑戦する姿を見て周囲が応援隊になる、そんな素晴らしいまちだった」、「歴史も文化も深く、住民の生活がしっかりと見えた」、「やはり人材の確保、そして市長を先頭とした職員のやる気、全国的なネットワークの持ち方など、見習う点が多くて意義のある視察だった」などなど。

 さっそく幾つかの行動を起こそうと思います。仙北市の特区推進は、もっともっと地域に入る必要があります。例えば、まちづくり懇談会で出されていた「特産品の開発はするけれど、それを商業ベースまで高めるサポートを農業生産法人の立ち上げで実現できないか」だったり、「仙北市の特徴と言える観光の強みをさらに引き上げるため、この分野で何が規制緩和を必要としているかなど、きっちりと洗い出す意見交換会の開催」など、準備を始めました。

※写真はBIGLABOで説明をするNPO法人おおやアート村の田中今子理事長(左端)と、養父市市民生活部大屋地域局の杉本彰洋局長(右から2人目)。

兵庫県養父市の国家戦略特区視察②

27日9時、朝一番にオリックス農業(株)の養父レタス工場を視察。すごい。ここは平成18年に児童数の減少で廃校となった南谷小学校の体育館が植物工場(レタス栽培)になっていました。市は平成25年9月に同社と協定を結び、翌26年OAファーム(株)が設立、現在は日産3000株を生産する安定経営に成功しています。

 工場長の吉田宏樹さんは、「体育館を活用し、11列8段の多段方式で高収穫量を確保しています。無農薬栽培で日産3000株の生産量です。自然の昼夜を逆転させて、深夜電力で栽培しているので省エネ経営も実現しています。雇用は地域で20人。女性が多く手際が良くて本当に助かっています」と話していました。

 BIGLABO(おおやアート村)も視察をさせていただきました。ここは作家の皆さんの共同制作工房で、県立高校の分校を活用しています。木彫展示館も素晴らしい空間でした。この辺りのお話は後で別に触れたいと思います。

 お昼前、能座地区に移動。地区の皆さんと三田市の民間企業などが設立した株式会社Amnak(アムナック)を視察。この3月から2.7ヘクタール(うち休耕田は2.6ヘクタール)を活用し、酒米づくりを始めた皆さんです。代表の藤田彰さんは、「最初は本当に米づくりができるかどうか不安もありました。能座の皆さんの協力がなければできなかった取り組みです。休耕田を耕している中、町部から1家族が能座に転入するなど、新たな現象が起こっています。仕込んだ酒は海外にも輸出しようかと夢を膨らませています」と話してくれました。

※左から2人目が社長の藤田さん、右は能座地区の役員の皆さんです。一番左側は魁角館支局長の猪俣さん。

兵庫県養父市の国家戦略特区視察①

昨日と今日(10月26日~27日)、兵庫県養父市で国家戦略特区事業の現地視察を行いました。養父市は仙北市より一年早い特区指定で、事業が着実に見えるところまで進んでいます。それを学び、次の一歩に役立てたいと考え視察をすることにしました。養父市の広瀬市長はじめ、市役所の皆さん、また特区事業主としてお忙しい中で説明いただいた多くの皆さん、それに随行いただいた秋田魁新報社の猪俣・角館支局長…、多くの皆さんに心からの御礼を申し上げます。お陰様で本当に多くのことを発見し、勇気をいただけた2日間とすることができました。

 1日目の行程をざっとご紹介します。秋田発8時15分の飛行機で伊丹空港へ。10時過ぎには大阪市内でレンタカーを借り、中国自動車道→舞鶴若狭道→北近畿豊岡自動車道→中国自動車道→播但連絡道を経て養父市役所へ。高速を走りっぱなしで3時間が必要でした。
 市役所では14時から広瀬市長とお会いしました。都内の会議などでご一緒する機会も多く、単刀直入な意見交換ができました。その後、養父市大杉地区の旧養蚕住宅を改修した宿泊施設に移動。ここを運営している事業主体が一般社団法人ノオト(運営協力:NPO大屋大杉)です。説明は地区にUターンした河邊祐樹さん(施設プロデューサー)がしてくれました。「この宿泊施設は先月9月26日から稼働しています。これまで20組の宿泊者をお迎えしました。旅館業法施行規則の特例措置で、歴史的建造物の活用を初めて行った建物です。この特例で玄関帳場(フロント)の設置義務が免除されました。改修は2000万円ほどかかっています。うち1000万円は県と市からの応援です。残りはノオトが負担しました。レストラン部門は、山形のアル・ケッチャーノ(奥田政行代表)から指導を受けています。滞在者には地区の皆さんが様々な体験メニューを提供してくれて、それが大きな魅力になっています」と話していました。とても興味深い取り組みです。

 続いてやぶファームへ。農場は市内大藪地区にあり、農業生産法人の設立に関する規制緩和で誕生しました。従来の法律では法人の役員は2名の農作業従事者が必要でした。それが規制緩和で1名となりました。資本金は400万円、出資先はオリックス(株)やJA、地元農家などです。
 ところで、前の視察先で時間が大幅にずれ込み、やぶファームに着いた頃には日が沈みかけた夕方に…。それでもファーム代表の堀井克夫さん(写真左)や、オリックス(株)の山本桂司さん(写真右)が、畑の中で待ってくれていました。堀井さんは、「今年からピーマンを栽培しています。なかなか人手が足りなくてタイムリーな出荷ができていません。ゆくゆくは地区の若手などが、ファームで思い描く農業の夢を実現して欲しいと思っています。法人としては恒常的に雇用ができる経営を実現することを目指しています」と話してくれました。
 現状では農地は地元農家から借りていましたが、経営が軌道に乗ったら買い取る計画とのことでした(2日目のレポー地は次回に)。

2015年10月22日木曜日

タクシー運賃を安くすることはできるか…

昨日21日夜、市内4社のタクシー事業者の皆さんにお集まりをいただき、「公共交通のあり方・運賃の安価に向けた意見交換会」を開催しました。
 今月14日に内閣府で開催の区域会議に出席し、シルバー人材センター会員の就業時間延長(週最大20時間を倍の40時間に拡大)を提案し、これは昨日、正式に総理より事業認定をいただきました。この会議で、次回以降ぜひとも検討いただきたいテーマとして、タクシー運賃を値下げできるよう、タクシー会社に課している安全対策の簡素化(例えば整備点検の期間延長など)について、石破大臣にお願いしました。その後、提案がかなりハードルの高いものだと周囲からご心配の声が挙がり、この際タクシー事業を行っている皆さんからアドバイスをいただこうと、会を開催させていただいたものです。

 会議の冒頭、次のようなごあいさつをさせていただきました。
 「(前段は内閣府の皆さんに仙北市の紹介。特に観光地として県外・国外からのお客様が多いことを説明)~。これまでも市ではデマンド型乗合タクシーや民間バス会社への運営費補助、第3セクター鉄道への赤字補てん、NPO法人の有償サービスなどで、公共交通の確保に取り組んできました。しかし少子・高齢化の波はこれに追いつくことができません。空白域も存在し、さらに公共交通が便利にならなければ、地域の存亡が危惧される現状です。また仙北市は広大な地勢の中に優れた観光地が点在し、外国人旅行客等を含む内外の旅行客から、2次アクセスの充実を求められています。タクシー等はもっと利用いただきたいけれども、世界基準からかけ離れた感のある運賃を少しでも安くできないか、例えば整備点検の簡素化など、制度緩和で経常経費を圧縮し、結果として運賃を安くするとか、または交通市場の開放を進めるとか、やれることはまだまだありそうです~」…。

 自分はこの議論を、ぜひ公共交通会議(自治体設置会議)などではなく、政府の区域会議で議論し、ルール整備をお願いしたいと主張しています。これらの内容を昨日の意見交換会でお伝えし、過剰な投資(もちろん安全対策上必要な金額と言うことは理解していますが、世界で最も優秀な日本車で営業しているのですから…)と考えることができる出費費目を教えてもらうことにしました。また後日、意見交換会を開催する予定です。

国道105号の整備促進を目指して

10月21日、北秋田市文化会館を会場に、国道105号の整備を進めるフォーラムを開催しました。主催は地域高規格道路・大曲~鷹巣道路整備促進期成同盟会で、自分はその会長職を務めています。仙北市からも大仙市からも美郷町からも、多くの皆さんに参加をいただきました。ありがとうございました。

 フォーラムは仙北市と北秋田市で交互に開催することにしています。昨年は仙北市で開催し盛会でしたが、さらに今回は北秋田市で105号の重要性を声高く宣言することができました。それに今年3月20日、秋田県幹線道路策定委員会で、仙北市と北秋田市の市境に位置する大覚野峠を含む14.3キロメートルを最優先整備区間に決定しています。これは英断です。最近はあの九十九折りの難所を、長い長いトンネルで直進する構想も噂話で聞きます。1日も早くの実現を望むばかりです。

 写真は、フォーラムを記念し、北秋田市のお母さんたちによる「阿仁からめ節」です。約300年前から踊り継がれているそうですが、阿仁鉱山の歴史を偲ばせる芸能として秀逸でした。ありがとうございました。

2015年10月20日火曜日

予算常任委員会が開会中です

予算常任委員会が開催されています。平成26年度の一般会計歳入歳出決算を認定するかどうかを議論する場です。ここで冒頭、発言の要請をし、一連の事故・事件の謝罪をしました。

 ~先週の17日(金曜日)、カラ吹き源泉事故について、昨年まで在職していた企業局次長が、警察から秋田地方検察庁に書類送致されました。これを受け翌日18日、朝からお亡くなりになった3人のご遺族を訪ね、経緯などをお伝えして歩きました。皆さんといろいろお話しをすることができました。

 また市民生活課係長の贈収賄事件で、19日(昨日)、秋田地方検察庁が秋田地方裁判所に起訴をしました。また別の業者からも業務委託に関して便宜を図ったとの疑いで、係長が再逮捕されたとの報道もありました。議会の皆様、市民の皆様には、改めて心よりのお詫びを申し上げます。
 対応として、昨夜18時過ぎには議会の皆様へFAXにて情報を提供し、また20時から田沢湖庁舎で記者会見を開催しました。

 この会見の席上で、私から、事案が発覚した直後に開いた記者会見(9月29日午前3時)で、質問のあった「契約は適切に行われていたか」との質問に、「適切に対応したと思う」と答えていたことについて、その後の警察捜査などで、適切ではなかった状況が明らかになってきていることもあり、当時の会見の発言を撤回いただきたい旨、お話しをしました。現状では悪意のある起案に、認識の甘い決裁を行ったと言わざるを得ません。重ねてお詫び申し上げます。

 契約の公正性・透明性を確保するための、現在、新たなルール作りに既に着手をしています。誰が見ても疑念を抱く余地のないものにしたいと作業を進めています。少しお時間をいただきたいと思います。また市民生活課係長は、今日付で分限休職としました。また先ほどまで開催していた指名審査会で、テーケー・アクテブ株式会社を12ヶ月の指名停止をすることに決定しました。~

 誠に申し訳ありません。

 【追記】
 今、予算常任委員会が終了しました。同委員会で審議されていた平成26年度の一般会計歳入歳出決算については、認定少数で不認定となりました。討論では、「米価下落対策は評価できるが、職員の贈収賄事件が起こり、随意契約が適切に行われていないなど、認定できない」などが主な理由です。
 残念です。

国道46号の整備促進フォーラムで

昨日、国道46号地域高規格道路整備促進フォーラムを開催しました。主催は同期成同盟会(大仙市・仙北市)です。後援に仙北市商工会、田沢湖・角館観光連盟、雫石町、秋田県などの皆さんからご支援をいただきました。

 国道46号は、秋田市と盛岡市を結ぶ主要路線で、産業・経済・観光・文化交流など、あらゆる面で必要不可欠な道路です。東日本大震災時は、国道46号が支援物資の搬入搬出路として重要な役割を果たしました。平成25年3月には角館バイパスが全線開通しましたが、その前後の高規格化は今も課題となっています。秋田県と岩手県、北東北の経済活動を支える意味合いからも、局部予算の議論を進めるには、さらなる広域的な要望活動の強化が必要と考えています。広く道路ネットワークの構築で未来予想図を描かなければなりません。

 そこで、これまで田沢湖~協和間の整備改良を目的としていた本同盟会(大仙市・仙北市)を、今年度でいったん解消し、来年度からは国道46号沿線の全市町(秋田市・大仙市・仙北市・雫石町・滝沢市・盛岡市)が参加して、新期成同盟会を設立することにしました。今回のフォーラムは、新たな動きの報告や必要性を確認し合う意味合いがありました。

 そんなわけで、御法川衆議院議員、佐藤県議会議員にごあいさつをいただき、国土交通省東北地方整備局の渡邊政義さん(秋田架線国道事務所長)には情報提供の講話を、地元で活発に活動を行っている木元千恵子さん(料理研究家・ガーデンカフェ&デリカkimoto経営者)には基調講演を、また佐藤和志さん(田沢湖・角館観光連盟会長)、佐藤善昭さん(田沢湖生保内刺巻町内会会長)には意見発表を行っていただきました。皆さんともに国道46号の整備が進むことでの、地域の元気づくりをお話しくださいました。
 ありがとうございました。

2015年10月17日土曜日

みちのくダム湖サミットin玉川

10月15日、「みちのくダム湖サミットin玉川」を開催しました。仙北市政10周年記念事業と、玉川ダム完成25周年記念事業として開催しました。主催は東北ダム事業促進連絡協議会管理研究部会で、自分は部会長です。後援の玉川ダム管理所には、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

 サミット本番に入る前、玉川ダムができるまでをまとめたビデオ上映がありました。感動的な映像でした。田畑や自宅をダムの底に沈める決断はどんなだったでしょうか。思いにしっかりと向き合い、ダムの高度活用を怠ってはならないと強く感じました。
 またサミットは2部構成で開催しました。1部は国土交通省水管理・国土保全局から小俣篤・河川環境課長にお出でをいただき、「最近の河川環境の課題」と題した基調講演をいただきました。また2部では、「ダム水源地の現状とこれから」と題したパネル・ディスカッションを行いました。コーディネーターに秋田大学大学院の松冨英夫・工学資源学研究科教授をお願いし、パネリスト発表は、津谷永光・北秋田市長(森吉山ダム)、内谷重治・山形県長井市長(長井ダム)、深谷政光・岩手県雫石町長(御所ダム)、小山修作・宮城県川崎町長(釜房ダム)、そして自分の5人が行いました。

 今後のダムの高度活用策に議論が及び、各パネリストともに「これまでのダムの役割に加え、教育の場として、観光資源として活用したい」との意見が多かったと思います。また流域の市町村や県との連携、ダム所在市町村同士の更なる連携強化が重要との指摘が多かったことも今回の特徴です。
 次回は山形県鶴岡市が会場です。

※写真は生保内民謡正調会の皆さんの「市政10周年記念の歓迎アトラクション」。珍しい田植え踊りは満場の拍手でした。

台湾国立師範大附属中学と角館高校が姉妹校に

先週の出来事を振り返っています。嬉しかったことが幾つかあって、その中の一つが台湾国立師範大学高級中学(日本で言う高等部)と角館高校との姉妹校提携調印です。昨年から準備を進めてきて、10月14日に実現できました。その経緯などについて、開会式のごあいさつでお話しさせていただきましたので、概要をお知らせします。

 ~この姉妹校提携は、2013年9月から10月にかけて、国立台湾師範大学高級附属中学の皆さんが、修学旅行で仙北市を訪れ、当時の角館高校や南高校生徒らと交流したことが発端です。翌2014年8月、台北市内で開催された政府亜東関係協会との懇談の席上で、文教組の顧欽誠組長から、仙北市での修学旅行が台北市内の教育関係者の中で高評価になっていること、さらに交流を継続するために、角館高校との姉妹校協定を結んではどうかと、直々に提案を受けました。

 このお話しを持ち帰り、青柳徹・角館高校校長に報告し、ご快諾をいただけたことから姉妹校提携の気運が加速しました。お支えをいただいた台湾政府や政府外交部、駐日台北経済文化代表処、仙北市国際交流協会など、多くの皆さんに心から感謝を申し上げます。

 昨年4月、角館高校は角館南高校と統合し、新たな校史を歩み始めています。県内有数の生徒数と、学力・部活動を誇る仙北市の新たな希望です。そして仙北市も、誕生してから未だ10年の若いまちです。しかし国際交流はとても盛んで、中でも台湾の皆さんとは家族のようなお付き合いをいただく関係です。既に台湾高雄市の澄清湖と仙北市の田沢湖は姉妹湖協定を、また台湾台北市の北投温泉と仙北市の玉川温泉は姉妹温泉協定を締結し、毎年のように一緒に行事を開催しています。

 仙北市は、今後10年をかけて「小さな国際文化都市」になろうと考えています。そのパートナー役を、可能性に満ちた角館高校の皆さんにお願いしたいと思っています。世界を意識し、世界に友人を持ち、グローバルな視野で行動できる人材の育成を、角館高校の持ち味にして欲しいと思っています~。

 頑張れ!!。

2015年10月13日火曜日

田村観光庁長官が仙北市を視察

写真中央は、先月新たに着任された観光庁の田村明比古・新長官です。昨日仙北市をご視察いただきました。田村長官は、横手市で開催された日本の祭りinあきた2015に出席後、地方創生特区に指定の仙北市を見たいと立ち寄ってくれたものです。東北運輸局の永松健次局長も同行くださいました。ありがとうございました。

 一行はお昼に仙北市入りし、角館の農家民宿庵(いおり)で昼食をとりました。お話しでは、田村長官の最近のリフレッシュ方法は野菜づくりなんだとか。庵で用意いただいた野菜を見て、「手をかけて育てた野菜だと言うことが分かります。美味しいです」と嬉しそうでした。また午後からは樺細工伝承館(写真は伝統工芸士の藤村浩美さんとのやりとり風景)はじめ武家屋敷通り、安藤醸造を視察し、「仙北市に多くのお客様がお出でになる、海外のお客様が角館を訪れる要因は、文化と歴史を大切に今に伝えている取り組みがあるからですね。しっかりと説明をしてくれる案内人の存在も素晴らしいです。そして新たな事業への取り組みもあり、魅力がどんどん増えているという印象を受けました」とお話しくださいました。

 そして「次はプライベートで時間をつくって、ゆっくりと温泉を楽しみに伺います」と言っていただいて…。ありがとうございます。またのご来市をお待ちします。

2015年10月12日月曜日

西木駅伝~さよなら大会~

10月11日、「2015西木駅伝競走大会~さよなら大会~」が実施されました。主催は西木駅伝競走大会実行委員会(山田勝利会長)です。さよなら大会と銘打っているように、50年の歴史に幕を閉める記念大会です。少し調べると、東京オリンピックが開催された昭和39年の翌年(昭和40年)に第1回が開催されていました。オリンピックの感動を駅伝で再現し、村民(旧西木村)の体育振興を目的に、先ごろ急逝した大牧徳二郎前会長等が発起人となって立ち上げた大会なんだそうです。

 大牧前会長のご訃報は本当にビックリしましたが、その分、最後の大会を盛り上げようと、一般15チーム、中学生男子4チーム、中学生女子3チームが参加。時折雨が落ちる天候でしたが、素晴らしい駅伝大会でした。

 ところで自分は、開会式のごあいさつで「これまでのスタイルの大会は今回が最後になります。でも伝統ある駅伝大会を何とか再開するためにお知恵をお貸しください」とお話をさせていただきました。また紙ふうせん館前でスタート号砲を打ち、最終ランナーが西木庁舎前ゴールに入ったときに、ゴール号砲(ランナーのゴールと大会のゴール…)も打ちました。皆さん長い間お世話になりました。ありがとうございました。

【一般の部チーム成績表】
優 勝 小山田SPEED 1時間32分46秒
準優勝 西荒井がんばーズ 1時間34分23秒
3 位 松相       1時間35分36秒
4 位 紙風船の里    1時間40分13秒
5 位 西根短足ズ    1時間40分45秒
6 位 小淵野      1時間43分20秒
7 位 山口       1時間44分01秒
8 位 仙北市役所    1時間45分03秒
9 位 マイペース西明寺 1時間46分23秒
10位 門屋       1時間54分11秒
11位 カンデッコの里  1時間55分33秒
12位 スローペース西明寺1時間57分39秒
13位 西荒井どんこーズ 1時間58分42秒
14位 小山田スマイル  1時間59分14秒
15位 西根ささらーズ  2時間08分11秒

【中学生男子の部】
優 勝 神代中学校    1時間23分15秒
準優勝 桧木内中学校   1時間28分32秒
3 位 西明寺中学校A  1時間28分45秒
4 位 西明寺中学校B  1時間42分33秒

【中学生女子の部】
優 勝 神代中学校    1時間40分58秒
準優勝 西明寺中学校   1時間42分28秒
3 位 桧木内中学校   1時間53分15秒
※写真は西木駅伝の最終ゴールランナー(門脇紫陽選手)

2015年10月9日金曜日

これが田沢湖の湖底です!

先ほど、市役所田沢湖庁舎で、水中テレビロボットを使用した田沢湖湖底調査の速報会見を開催しました。説明をいただいたのは、国立研究開発法人・会場記述安全研究所の小田野直光研究統括主幹です。小田野主幹からは、今回の調査で判明した田沢湖の現状について、多くの指摘をいただきました。

 映像を収録した調査場所は、湖底最深部と新興堆・辰子堆と呼ばれる湖中丘陵地です。また田沢湖の全体にわたる水質調査も行いました。今回の会見では、主に画像(静止画やビデオ映像)を中心に初見をお話しいただきました。この中で小田野主幹は、「~テレビロボットが浸水していく過程で、太陽光がどの辺りの深さまで到達しているのかも興味深かったのですが、結果としては70メートル付近まで日が差し込んでいる状況で、非常に湖水は透明度が高いと言うことを実感しました。初めて湖底部にカメラが入りましたが、湖底や各丘陵地には、白い堆積物が表土を覆っていました。その中に所々に岩石などが見えます。これは水中ロボットが湖底のたいせきぶつをまきあたぶんですが、湖全体の減少だと思います。この堆積物が何なのかは、今後の解析を待っていただきたいと思います~」など、お話しをいただきました。

 自分は記者の質問に答え、「田沢湖は、周辺の美しい風景で人々を楽しませてくれていますが、内部は荒涼とした厳しい環境だったことを実感できる映像でした。170万年前後と言われている田沢湖の歴史の中で、ほんの70年前に起こった劇的な環境変化が、田沢湖を今の姿にしたんだと、それをかわいそうに思います」と発言させていただきました。

 10月6日から8日までの調査期間でしたが、まずまずの天候に恵まれ、目指した映像の撮影ができたことは、本当に良かったと思います。海洋技術安全研究所の皆さん、また鹿児島大学の加納先生のご協力、さらに地元の民間企業をはじめとするサポート隊のご尽力が、撮影成功には欠かすことのできない要素だったと、改めて感じます。本当にありがとうございました。

 ところで、今後、映像の解析が行われることになります。大変楽しみです。またこの成果を、田沢湖再生にしっかりと活かし、田沢湖クニマス未来館で広く活用したいと思います。

仙北市に県内第1号の保育所オープン

市内生保内にお住まいの田中雅子さんが、「保育室ねむねむのき」を立ち上げました。この保育所は、国の保育制度が拡充し、一定の基準を満たせば公的な支援も受けられる、私立の子育て支援事業所です。この制度をつかっての開所は県内で第1号になります。

 田中さんは、長く市立保育園に勤務したベテラン保育士さんです。仙北市が開催した研修会(8月~9月)に参加し、関係書類の提出などに難儀しながらも、10月1日に地域型保育事業所として、家庭的保育事業の認可を受け、自宅に事業所を開設。「一人の資格者で3人までお預かりすることができます。ここまで本当にできるか不安でしたが、今は赤ちゃんと一緒の生活で、とても充実した時間を過ごしています」と嬉しそうでした。

 各地の自治体では、待機児童の解消に努力をしていて、仙北市もかくのだて保育園を増築したり、民間の保育事業所や子育てボランティアの皆さんと協力し合いながら、子ども達の保育環境の充実を進めてきた経緯があります。様々な制度も立ち上げていますが、個人でも開設できる保育事業所は、利用者側にとっても、行政にとってもありがたい取り組みです。今後も増えて欲しい活動です。
※写真左が田中雅子さん。田中さんの胸の中で赤ちゃんが眠っています。

2015年10月8日木曜日

湖底調査は最終日を迎えています

今朝7時30分、牽引ボートに曳航され、田沢湖湖底調査チームが最後の調査活動に向かいました。頑張れ!。

 この2日間で収録した湖底映像は膨大です。今日1日分も含め、今後これらの解析が行われます。どんな発見があるのか、今から楽しみにしています。
 チームが湖畔で準備を進める中、国立開発研究法人・海上技術安全研究所の小田野直光研究統括主幹には、ご慰労と激励のお話しをしましたが、小田野直光研究統括主幹から、調査活動の「実は…」話しを聞きました。「一日中湖上ベースで作業と言うことは、おトイレやご飯はどうしているんですか?」と聞くと、「緊急用のボートが湖上ベースに寄り添っていているので、おトイレはボートに乗って湖畔のトイレを使います。でも、日に1回くらいかな」とのお答え。「お昼も湖上ベースでとります。作業がいろいろあって、ゆっくりととれる状況ではありません」とのことでした。また「湖上はかなり寒くて」と話していました。防寒に救命胴衣を着けて、それでも大変な寒さのようです。

 「これは重労働だな」と思いました。そう言えば、あるスタッフが「調査は水中カメラロボットを湖底に沈め、また回収する作業です。500メートルのケーブルの回収は体力勝負なんです」と話していたことを思い出します。
 日中はこんな努力をいただいて、さらに今晩は明日の映像等データの公開に向けた作業をするとのこと。ほとんど眠れないかも…。
 ありがとうございます。田沢湖再生に向けた皆さんの取り組みは、必ず大きな力になると信じています。