2020年5月30日土曜日

ないもの・あるもの


 広報せんぼく6月1日号の〝まちづくり日記〟です。身の回りには「ないもの・あるもの」さまざまですが…。お時間のあるときにお読みください。

 進学、就職、転勤で、故郷から離れて生活が始まっている皆さんは、慣れない土地とコロナ対策などで大変な毎日だと思います。5月連休の中での外出自粛は心細さも加わり、きっと辛い時間だったでしょう。一日も早く正常な暮らしを取り戻し、お互いを支え合える生涯の友人に出会って欲しいと思います。

 さて先日のテレビで、桜の植栽活動をする福島の女性が紹介されていました。東日本大震災の後、その女性が地域の皆さんと始めたボランティア活動で、今年は数本に美しい花が咲いたと話していました。この活動に一人の男子高校生も参加していて…。彼は卒業後も地元に残りたかったようですが、結果的には春から都会に出ることになったそうです。その彼に女性がかけた言葉が、「あなたは先々で素晴らしい人に出会うから、しっかり頑張ってね」でした。もちろん彼を激励しての声かけです。そして、その高校生が飛び込む社会や、そこにいる人々を信じた言葉です。女性がそんな人生を歩んできた証だと感じました。ところが、新型コロナウイルスは人と出会うこと・出歩くこと我慢する感染対策が基本です。病院で亡くなった著名人の周辺から、家族の面会も叶わなかったお話がありました。新型コロナウイルスは、人間の尊厳や社会習慣を否定した対応が必要なくらい、本当に重大で厄介です。秋田県は非常事態宣言地域から解除されましたが、決して気を緩めないでください。コロナは強敵です。

 さて、先日は市内の若手経営者と「新ビジョンを探る会」を開催しました。市内の経済情勢は、これ以上ないほど厳しい現実です。しかし、皆さんの新たなビジネス展開を標榜する姿に頼もしさを感じました。そして、過疎はウイルス感染症の感染リスクが低いこと、自然の恵みが人体の抵抗力を高めてくれること、中山間地は安全な食品が確保しやすいことなど、仙北市に幾つも優位性があることを共有しました。これからは量から質への価値転換、満足感の高いまちづくりがキーワードになりそうです。

 辛いので、ないものを数えて不満を口にしがちですが、あるものを数えて喜びを感じる毎日にできたらと思います。

2020年5月28日木曜日

最大ピンチは最大チャンス



 仙北市議会に市の組織再編案を説明しました。少子高齢と人口減少の加速、そして新型コロナの感染対策と、間違いなく最大ピンチの現状です。でも、これを最大チャンスと受け止めて市民協働を進め、支える市役所をパワーアップしたいと思います。

 組織再編案は9月議会での審議を予定しています。12月竣工予定の新角館庁舎の開庁時には、新たな組織体制での人事配置を構想しています。組織再編の要点は、観光商工部を観光文化スポーツ部に、また農林部を農林商工部に、教育委員会は西木庁舎に移転して中央公民館の併設と学校教育課の新設、各地域センターは市民センターに名称を改め機能強化します。特に観光文化スポーツ部は、これまで稼ぎ頭だった観光領域と、これに並んでブランド力の高い文化領域、さらに国内外の大会開催で実績の高いスポーツ領域の結集です。経済対策を総合力で強化し、高付加価値なブランディング作業を進めます。農林商工部も経済対策を徹底する推進力です。今まで取り組んだ農商工連携を組織化し、作り手と消費者の思いの共有、地産地消・流通政策はもちろん、事業や人材や技術のマッチングなど、これまで上手く進まなかった課題改善に立ち向かいます。

 市民にとっては、新角館庁舎の竣工もコロナ対策も日常の激変です。市役所も職員の意識転換、そして政策の見直しに踏み出さないと未来はありません。でも、いつもチャンスはピンチの姿を借りてやって来ます。最大ピンチは最大チャンスです。

2020年5月27日水曜日

家庭と学校をオンラインでつなぐ



 ICT(情報通信技術)の導入で、家庭と学校をオンラインでつなぎたいと思います。コロナ休校時に必要性を痛感しました。既に仙北市教育委員会では、基礎的な環境調査の結果をまとめています。

 調査は学校の再開直後、アンケート形式で実施されました。市内6小学校・5中学校の児童生徒1,527人の保護者が対象です。質問は、仮に学校で動画配信のオンライン学習を始めた場合、家庭で子どもが動画を見るICT環境にあるか、URL等での動画検索はできるか、その料金体系の現状は…などの3項目です。集計の結果、フィルタリング対策や通信料金の設定に幅はあるものの、約90%の家庭で動画視聴が可能との結果です。

 もちろん全児童生徒100%スタートが基本で、そのための政策や財源が必要です。市教育委員会や北浦教育文化研究所と連携し、また教室で子ども達と向き合う先生の意見も伺いながら進めます。

2020年5月25日月曜日

人手不足を補い合う仕組みづくり


 仙北市内どこでも見られる田植え作業の一コマ…。でも実は、地域内で人手不足を補い合う仕組みづくりの検証です。今回は田植えで人手が欲しい農事組合法人と、コロナ対策で休業中の温泉旅館とのマッチングでした。写真の4人は…。

 写真の4人は、左から農事組合法人サンファーム西木の浅利直哉さん、妙乃湯(乳頭温泉郷)の芳賀博幸さん、鶴の湯(〃)の浅利克伸さん、右はしが同サンファームの門脇正平さんです。乳頭温泉郷は休暇村を除き、コロナ対策で今月いっぱい休業しています。一方で、例年は首都圏などから家族が帰省し田植え作業になる農家も、今年は移動規制などでそれが叶いません。サンファームも人手が欲しかったことから、両者のマッチングが整いました。芳賀さんも浅利さんも、有名旅館に勤める傍らで、閑散期や空き時間を活用しての人手のやりくりに可能性を感じたとのこと。

 各社の就業規定や雇用保険の整合、出し手と受け手の情報共有をどうするかなど、まだまだ検証が必要です。でもこの取組みは人手不足を補い合うだけではなく、異業種間の人事交流と考えることもできます。何が生まれるか楽しみです。
※この検証は5月25日〜26日の実施です。ご協力の皆さん、ありがとうございました。

新たな経済対策を次々と…



 朝から仙北市新型コロナ対策本部会議。特別定額給付金10万円の送金が90%以上となったこと、事業継続支援金20万円~30万円は明日から送金が始まること、第2次経済支援対策は2億円規模でスタートしたいことなどを確認しました。

 私は、「この4月~5月は、感染拡大防止で市民の皆さんに我慢を強いた。家計も事業も大混乱で多くの不安を抱えている。できるだけ早期に回復基調にのせたい」とあいさつ。児童手当1万円に加え18歳未満・所得制限なしの2万円現金支給、市内小・中学校の夏休みまでの給食費免除、4月~5月の全世帯の上水道基本料金免除、4月~5月の温泉施設に供給の温泉使用料免除、年度末まで樺細工伝承館や田沢湖クニマス未来館などの無料開放、商工観光業者のネットやウエッブでの販売促進支援、プレミアム宿泊事業、田沢湖・角館観光協会の支援、マスクや消毒服の購入費などは6月補正へ予算計上をしたいこと、さらに県内向けの映像を作成・発信する映像ブランディング事業、宿泊施設のウイルス感染対策を行う滞在安心事業、日帰り温泉健康事業、プレミアム商品券事業などを検討すること、また市長・副市長・教育長の給料減額について考え方をお話しました。

 教育委員会では、約1,500人の市内児童・生徒を対象にリモート学習のアンケート調査を実施。その結果10%の子ども達にリモート学習の環境がないとの報告がありました。市ではタブレットの購入・貸与、また通信料助成を検討中です。また角館病院では、陰・陽性判断が間もなく可能となること、感染者の入院病室2室の整備が進んでいることなどの報告がありました。

2020年5月22日金曜日

近くの神さま



 昨日、政府は関西3府県で緊急事態宣言を解除し、北海道と首都圏4都県を継続としました。安倍総理は、その継続も月内解除の可能性に言及しています。しかし人の動きの規制は続きます。やはり経済再生の初めの一歩は域内の支え合いです。

 秋田県は、県民に県内で観光や飲食の機会を創出するため、プレミアムを付けた割安な飲食券や宿泊券を発行することにしました。さらに仙北市はプレミアムを嵩上げする事業の制度設計をしています。ところで仙北市の人口は約2.5万人、秋田県は約97万人ですから、仙北市は県のプレミアム事業の実施でチャンスが38倍に増えます。さらに、東北は東日本大震災時の支え合いからも分かるように、各県の絆は他の地域と比べものにならないほど深いことから、コロナ後の経済再生でも連携することは十分考えられます(と言うか連携しなければいけません)。そうなれば、隣接する青森・岩手・山形・宮城で586.4万人、これに福島と新潟を加えると994万人。仙北市だけで域内の支え合いをする場合の約400倍のチャンスが到来することになります。東北各県で連携して、それぞれの市町村をそれぞれが訪ね歩く、新しい支え合いの取組みが是非とも必要です。

 これまでは観光入込み数などが、観光・交流の指標になっていましたが、これからは数ではありません。質の時代です。満足感です。まず足元を見て、遠くの神さまより近くの神さまに何度も訪ねてもらえるよう、高齢者や障がい者や子ども達にも喜んでもらえるよう、やれることは全部やりましょう!。

2020年5月19日火曜日

ポストコロナの農業ビジョン



 仙北市産のお米が美味しいと評判です。ふるさと納税で県内トップの仙北市は、返礼品の80%以上がお米。そしてリピーターの多さが特徴です。豊かな自然、高い栽培技術、気鋭の市民性…、これらをバネに新たな農業ビジョンを描こうと思います。

 私は、ポストコロナのまちづくりに農業政策の組み直しは不可欠だと考えています。今回の感染症対策に限らず、人・モノの往来ができなくなった時、とにかく水と食糧の確保が最重要だと実感しました。コロナを機会に、仙北市民のセーフティネットとして、また日本の台所を担う農業を模索します。それが農家所得の向上に繋がらなければ持続可能な産業になりません。食糧確保と農家所得の向上を同時に叶える新ビジョンが目標です。
 さらに地方は、都市部からの移住者の居住先、人材のダムになる可能性が高まっています。全エリアで光ファイバーが走っている仙北市は、リモートワークも全く支障ありません。農地活用、疎の優位性、そしてリモートワーク…。農村のカタチが変わります。

 お米に限らず、肉、野菜、果実、花、生薬…、仙北市の農業者はこれまでも挑戦を続けてきました。田植え作業が一段落したら、「新ビジョンを探る会」で意見をいただく予定です。

2020年5月17日日曜日

送金が始まっています


 仙北市では、先週15日から特別定額給付金10万円の送金が始まっています。この土曜日・日曜日も、申請書作成のお手伝いと同時進行で送金に向けた作業が続いています。

 先週15日の送金済み件数は約300件。来週の18日は900件、19日は3,000件の送金が目標です。昨日も今日も約50人体制で作業中です。世帯主の銀行口座に振り込まれますが、その総数は約10,500件。市民の皆さんからの申請書の内容を確認したり、送金先の銀行口座の入力など、どれもミスが許されない作業ばかりです。円滑に送金ができるよう、市民の皆さんも記入や書類の添付などでご留意ください。

 一日も早くの送金で、市民の皆さんの役に立つよう、また喜んでもらえるよう頑張ります。

キーワードは「過疎の力」




 この春、仙北市で開催予定だった「地域おこし人サミット2020」(主催:未来を創る財団)は、コロナ対策で来年へ延期になりました。その代わり現状を共有しようと、関係者でZoom会議を行って…。

 Zoom会議の司会役は、経済ジャーナリストの磯山友幸さん。内外の情勢に明るく、お話を無尽蔵に引き出してくれます。そんな磯山さんに助けられて、秋田県大館市長の福原淳嗣さんと私の対談(写真)は、新型コロナウイルスが壊したもの、産み出すかも知れないもの、観光業や農林業の大転換など…、盛り上がり過ぎて時間が足りません。疎の優位性、食糧確保、相互扶助の仕組みづくり、遠隔医療と教育などは、さらに議論したいテーマです。

 会議の最後に、財団の石坂芳男理事長から「過疎の力」の一言。この言葉こそコロナ終息後の日本のキーワードです。
※石坂芳男さん:実業家。米国トヨタ自動車社長・トヨタ自動車副社長などを歴任。
※磯山友幸さん:経済ジャーナリスト。日本経済新聞でチューリヒやフランクフルト支局長などを歴任。
※福原淳嗣さん:政治家。秋田県大館市長(2期)。

2020年5月15日金曜日

角館樺細工伝承館などを再開



 新型コロナウイルス感染症対策本部を開催。昨日の国・県の判断を受け、一部施設の再開と新たな経済支援策などを協議しました。詳しくは次の通りです。

 先ず給付金等の現状です。特別定額給付金の申請書の発送作業は終了し、今日は午前中に300件以上の送金を行いました。市には既に全体の半数に近い約5千通の申請書が届いていて、送金業務は来週が山場になると予測しています。金融機関がお休みの土・日曜日も、職員に関係作業をお願いしました。また事業継続支援金の受付状況は今日現在で80件、うち上乗せ申請は29件です。こちらは25日からの送金となります。
 施設の再開と新たな経済対策については、今まで休館・休止していた公共施設のうち、明日から角館樺細工伝承館、また桜並木駐車場の再開を決めました。その他の施設については、21日の国の動向も見ながら原則は今月中の休館・休止を継続したいと考えています。経済対策では、持続化給付金や雇用調整助成金の申請支援、市の温泉供給使用料の減免、観光協会への特別支援、商工観光分野のポストコロナ対策支援、県のプレミアム事業への嵩上げ支援など、市内経済の再生に向けた各種支援事業について、可能な限り6月議会への財源確保を提案したいと考えています。

 秋田県は緊急事態宣言の対象から除外されました。しかし県外との往来は引き続き自粛を、また3密を避け、公衆衛生の徹底にご協力をお願いします。気の緩みは禁物です。

2020年5月14日木曜日

新ビジョンを探る会




 今日午前、「仙北市の新ビジョンを探る会」を開催。ポストコロナ時代を生きる市内若手経営者の皆さんから、熱の入ったご意見をいただきました。ウイルスの感染対策で日常も価値感も変容した今、一緒に向こう5年程度の新ビジョンを描きます。

 感染対策と経済再生の同時進行は、相当に困難な作業です。だからこそ十分な準備期間が必要だと考えました。ご参加をいただいた観光商工分野10人の皆さんからは、この危機的な状況の中、それでも新たな挑戦に向かう気概を強く感じました。現状の改善策では、域内経済の活性化を狙うプレミアム商品券、テイクアウトクーポン券などの発行、オンラインショップの展開、農業との連携、SNSの高度利用などに重複意見がありました。また、向こう5年程度の期間で必要な視点では、安全安心、選ばれる町、量から質へ、小さなコミュニティ、原点回帰、リモートワーク、訪ねる理由、新しい旅のカタチなどが共通ワードだったように感じました。キャッシュレス対応、団体旅行から個人旅行へのシフトなどが進んでいない反省もありました。これは重要な指摘です。私も、仙北市が取組んできたインバウンド戦略の見直し、国内需要の掘り起こし、高齢者・障がい者対応の強化、子ども達の学習旅行へ軸足の転換などが必要だと考えています。

 皆さんから情熱をいただきました。市総合計画(後期計画)や総合戦略への反映、実現に向けた財源の確保などに努力します。ありがとうございました。

2020年5月13日水曜日

田沢湖マラソンを中止します




 今年の田沢湖マラソンは、新型コロナウイルスの感染防止などを最優先で考慮し、本当に残念ですが中止とすることにしました。

 9月20日(日)の開催に向けて準備を重ねてきました。国内外から参加をいただく5千人以上のランナーの安全対策、競技・輸送・医療救護・衛生等のスタッフの安全対策、そして沿道からサポートをいただく市民の安全対策などは、大会運営上もっとも重要な課題です。しかし、この安全対策に万全を期することは、現状では困難と判断しました。実行委員会と幹事会で、書面議決で中止としましたが、この思いは27人が全員一致です。

 田沢湖マラソンは、ランナーと市民が手づくりで育ててきた大会です。美しい田沢湖畔や秋田駒ヶ岳、ところによってはハードなコースが大人気で、県外からの参加者が約半数、また世界中からランナーをお迎えする国際色豊かな大会に成長しています。楽しみにしていたランナーの皆さんには、本当に申し訳なく思います。来年の開催をどうかお待ちください。

10万円の申請書作成をお手伝い

  
                           
  仙北市内3ヶ所の特設会場で、10万円(特別定額給付金)の申請書作成をお手伝いするサービスが始まりました。


 申請は郵送を原則にしています。しかし、仙北市は高齢者や独り暮らしの方々も多く、給付金のお話しが具体化した当初から書類作成に不安の声が寄せられていました。書類はできる限り簡素化したものの、それでも世帯主を確認する免許証や保険証のコピー、また振込先を確認する通帳やカードのコピーの添付が必要です。そこで申請書作成で市民が難儀しないよう、市職員が書き方の説明やコピーサービス(無料)など、申請書作成をお手伝いすることにしたもの。

 各会場の申請書作成では、3密にならないよう、またマスクや手洗いをして、それから免許証や通帳などは忘れずにご来場ください。職員のお手伝いは、各会場で24日まで続けます。それ以降は各地域センターや出張所でも行います。
※市推進本部から郵便で申請書の発送を行っています。ここ数日で全世帯に順次お届けします。
※写真は西木総合開発センター(本日午前)。

2020年5月12日火曜日

新たな提案



 新型コロナウイルス対策で、乳頭温泉組合の皆さんから出口戦略のお話し。全国で緊急事態宣言が解除された後の、新しい旅のカタチの提案です。

 お迎えしたのは黒湯温泉の池田泰久会長(写真右)、妙乃湯の佐藤貢一郎社長(写真左)のお二人。お話しの概要は、例えば「アプリの開発等でお客さまと絆を結び、安心してお迎えできる人間関係を構築する」など。実現すれば小さなまち、小さなコミュニティの価値が格段に高まる可能性を予感できます。
 実は今週14日、商工会や観光協会のご協力で、コロナ後の「新ビジョンを探る会」(仮称)を開催します。私は向こう数年間、インバウンドや外国人消費には期待できないと考えています。地元や県内、東北・国内で特に個人需要を掘り起こし、子ども達の教育・修学旅行、そして高齢者・障がい者などに優しい商業地、観光地に早く変わることが重要だと…。今年度策定の市総合計画や総合戦略で、その行程を描かなければなりません。

 乳頭温泉郷からの提案は、そんな思いと重なる視点が幾つもありました。コロナウイルスはパラダイムシフトです。私たちは時代の価値感を一変する現場に立っている、そんな認識が大切です。
※乳頭温泉郷7軒全ての温泉は5月31日まで全館休館中です。

2020年5月11日月曜日

かなり慎重になっています



 特別定額給付金は、今日から申請書の発送で13日から受付が始まります。事業継続支援金は今日から受付です。市税の徴収猶予・減免申請の特別窓口も13日から開設します。さらに対策の強化で…。

 今日午前の本部会議で、各給付金・支援金、申請サポートなどの状況を共有しました。私は「その一つ一つが市民を救い、支える行為。気を引き締め良い仕事をしよう。さらに必要な取り組みに思いを巡らせて欲しい。それが6月議会の議案が適切か、それとも今すぐ必要か、市役所の全部の目や耳で探って欲しい」と話しました。また協議では、市内の経済団体等へのさらなる支援策や、仮に国が全国緊急事態宣言を解除した場合、その後の市の対応レベルの考え方などを話し合いました。経済団体への支援では、商工会に持続化給付金や雇用調整助成金の申請サポート事業をお願いしたいこと、観光協会には市営駐車場(旧角高グラウンド)閉鎖に伴う特別支援を検討したいこと等です。

 政府は、今週14日までに専門家会議を開催します。マスコミ報道では各県別等の緊急事態宣言解除の可能性に触れています。私は、現在も休館・休止している市内観光施設等の再開について、かなり慎重になっています。県境をまたぐ往来を自粛している今でも、市内には県外からのお客さまがあって、市民から不安の声が届いています。先週ソウル市内で起きた事案などを見ると、気の緩みがこれまでの努力を台無しにする可能性を否定できません。
※写真は新聞各社の本日朝刊トップページから。

2020年5月8日金曜日

仙北市議会の臨時会で



 今日は市議会臨時会でした。私は市政報告で、「新型コロナウイルスはパラダイムシフトだと受け止めています。望ましい未来を手にするには戦略の練り直しが必要です」とお話ししました。

 市政報告では、春の叙勲で元仙北市消防団から藤島絹雄さん・辻谷公雄さんが瑞宝単光章、新角館庁舎建設事業は現状42%の進捗率、ふるさと納税は約8億2千万円で県内トップ、市税の支払い猶予制度の新たな創設、植物工場の財源に農水省補助10億円の内定、デジタル技術による農村再生事業の不採択、水道事業など国庫補助内示率100%、病院等のコロナ対策の現状…などを報告しました。先に述べた望ましい未来を手にするためには、農業政策では食糧自給率の向上、観光ではインバウンドに偏らない国内需要の掘り起こし、医療では県内医療従事者の確保、教育ではリモート学習の実現などを例にあげ、今年度策定予定の市総合計画や総合戦略で議論をお願いしました。

 議会審議の結果、特別定額給付金事業の専決事案、事業継続支援金などの予算案、ほか全ての議案を承認・可決いただきました。また、最後に私から、「コロナウイルスの感染防止と経済支援では、今後も市民生活を支えるため、必要な政策を打ち出します。しかし財源が追いつかないことも想定されます。その場合は当初予算の組み変えもあり得ます」と発言をさせてもらいました。

 なお、今議会で新たな委員会等の委員選任を行いました。
《総務文教常任委員会》
◎田口寿宜・〇高橋輝彦・武藤義彦・小木田隆・髙久昭二・稲田修
《市民福祉常任委員会》
◎阿部則比古・〇平岡裕子・髙橋豪・真崎寿浩・八栁良太郎
《産業建設常任委員会》
◎門脇晃幸・〇伊藤邦彦・熊谷一夫・荒木田俊一・小林幸悦
《予算常任委員会》
◎荒木田俊一・〇武藤義彦、ほか議員全員
《議会運営委員会》
◎髙橋豪・〇小木田隆・門脇晃幸・高橋輝彦・田口寿宜・荒木田俊一・伊藤邦彦
《広報編集特別委員会》
◎八栁良太郎・〇髙橋豪・門脇晃幸・武藤義彦・高橋輝彦・熊谷一夫・平岡裕子・田口寿宜・荒木田俊一
※議会改革推進協議会
◎稲田修・〇髙久昭二・門脇晃幸・髙橋豪・田口寿宜・阿部則比古

※◎は委員長、〇は副委員長。
※写真は職員手づくりの議場飛沫防止間仕切り。

2020年5月7日木曜日

10万円の給付準備が本格化



 特別定額給付金(一人10万円)の給付に向け、その準備が本格化しています。今日から市内の約1万500世帯の皆さま宛に、申込書などの封筒づめ作業が始まりました。

 封筒が届いたら必要事項を記入し、本人確認書類と振込先口座の確認書類を添付して、同封した返信用封筒で送り返してください。申請期間は13日(水)から3ヶ月間です。早い方だと15日には口座に送金ができます。原則として申請は郵送ですが、さまざまな事情で郵送や記入が困難な方は、ご相談と同時に申込受付ができるサービスを行います。13日(水)から24日(日)まで、市内3ヶ所(角館交流センター・田沢湖総合開発センター・西木総合開発センター)の特設会場をご利用ください。25日(月)からは、各地域センター・各出張所でも同様のサービスを行います。

 私は作業をする皆さんを訪ね、「幸せな市民生活に直結する大事な仕事です。どうかミスのないようお願いします」と激励しました。私的には5月中の全市民給付完了が目標です。

2020年5月6日水曜日

今日の対策本部で決めたこと



 今日は、朝から仙北市新型コロナウイルス対策本部会議でした。国や県の動向を分析して市の対応を協議し、各公共施設の利用や新たな経済対策などを決めました。概要は下記の通りです。

 政府が47都道府県で緊急事態を継続したこと、県が県外との往来自粛や3密を避ける方針に変化がないことなど、危機フェーズを緩めてはいけない状況が続いています。市内の小・中学校は、既に明日からの再開を決めています。私もできるだけ早く市民の日常生活を取り戻したいと考えていますが、安全対策上、来客利用の規制を継続する必要がある観光施設(武家屋敷・田沢湖クニマス未来館・角館伝承館・むらっこ物産館など)は、5月14日まで休館を延長します。武家屋敷周辺の桜並木駐車場と旧角高グラウンド臨時駐車場も同様です。

 一方で文化施設・交流施設・体育施設・保健福祉施設(市民会館・図書館・公民館・各地区センター・体育館・運動場・コミュニティ広場・保健センターなど)は、明日7日から再開します。ご利用の皆さんは、各施設の再開状況を確認の上、感染予防対策を行ってご利用ください。また3セクの温泉施設等も日帰り入浴を明日7日から再開します。その他の指定管理施設については、管理者と再開スケジュールを至急協議します。

 経済対策では、新たに市税についての対策をスタートさせます。徴収猶予特例制度を創設し、市税の支払いが困難になった皆さんには、令和2年2月から令和3年1月までに納期限が到来する全ての税目を対象にします。延滞金等も必要ありません。無担保で最長1年間の猶予が可能です。また、関係団体から要望のあった温泉供給使用料の減免要請についても、実現に向けた検討を重ねています。その他にも必要な経済対策について準備を進めます。

 8日は市議会臨時会です。コロナウイルス対策に係る予算の承認・可決に全力であたります。その上で、私からは感染対策に最大努力を傾注しながら、同時に政策・戦略の再構築について触れたいと考えています。特に農業や観光、医療や教育は、その在り方をガラッと変える必要がありそうです。

2020年5月4日月曜日

まちが変わる・未来が変わる



 シンプルな毎日が続いています。外出自粛、自習、家食、掃除…。多くの皆さんが今やれることに一生懸命です。コロナウイルスがパラダイムシフトだとしたら、私たちは未来に向かう戦略づくりが必要です。それは大きな方向転換です。

 世界中が変わります。仙北市を考えると、特に農業や観光、医療や教育は、その在り方をガラッと変える必要がありそうです。例えば農業は食糧生産機能の拡充等が課題です。コロナ対策の安全性から家食がしばらく続くとすれば、米や野菜、果実、肉類などの自給率を高める必要があります。現状の遊休農地の再生、高齢農業を支えるIot生産システム、そして新規就農者の獲得、物流の改善…、これらに時間をかけている暇はありません。仙北市は市民の食卓を支えられる農業政策に向け、担当部が既にビジョンづくり会議の組織化に動いています。

 例えば観光は仙北市の稼ぎ頭です。仮にウイルスの特効薬ができても、世界では2波・3波のコロナ感染が各地で続くと言われていますから、昨年までのような国際間の人・モノの流動はしばらく困難です。世界がそうだと日本も都道府県も危機対応フェーズです。そこで当面、仙北市は国内観光で高齢者・障がい者、学生対象の教育旅行等を重点と考えてはどうか…、そうなれば何が問題か等、担当部に検討をお願いしています。

 医療分野で言えば、先ずは資機材の生産体制を確立することです。また県境を越えて医師の往来が自粛される場合を考えたら、やはり各都道府県で十分な医師など医療従事者を育成し確保しておかなければ命を守れません。これは市の課題としては荷が重すぎます。学校教育は、全ての子ども達にリモート学習の家庭環境を整える取り組みが大事です。現状では家庭環境が不明でした。早期の改善策とリサーチを依頼中です。

 この後は、過密でリスクが高い都会を離れる皆さんの地方移住が進みそうです。地方は現状の人材で課題を解決する考えから、もう少し可能性を広く捉えることができるかも知れません。私が思いつくだけでも、変化はさらに多様な分野で起こります。最近、改めて清浄な自然、空気や水、土、文化が大切に思えています。
※パラダイムシフト:その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化すること(Wikipedia)。

2020年5月2日土曜日

昨日のチェ・ゲバラ



 昨日は、朝から会派代表者会議、議会運営委員会、議会全員協議会と続きました。5月8日開催の市議会に向けた準備会です。コロナ対策費用案件が多数盛り込まれています。私は答弁中に、ふとチェ・ゲバラ(写真)の言葉が浮かんで…。

 全員協議会では、多くの意見をいただきました。全ての市民に10万円を給付する国の特別定額給付金事業、事業継続に20万円~30万円を支援する市の事業継続支援事業、その他、広報活動や医療対策、学校休校など課題は広範です。議員側から、「事業継続支援金の要件中、営業日10日以上の休業は高いハードルではないか」とのご指摘。私は「この支援金は事業継続をしてもらいたくて用意する資金だ。原則的なルールは定めるが、個々の要望に対応できるよう要綱の文言を整えたい」と答えました。その時に浮かんだのがチェ・ゲバラの言葉「ある日の真実が、永遠の真実ではない」です。

 これまでの市民の日常は真実で、コロナ対策に取り組む苦悩の現状も真実です。そして望む将来を手にするためのコロナ対策は、これまでの行政慣例や既存手続きなどを捨て、新たな価値感を手にする作業になるはずです。市民も議会も行政もです。これは革命です。その基軸が市民最優先でブレなければ、取り組みの全てが真実になります。
※チェ・ゲバラ:アルゼンチン生まれの政治家・革命家、キューバのゲリラ指導者。