2014年8月31日日曜日

仙北市国家戦略特区申請の概要③



【テーマ3】医療観光拠点開発と交通改革
1)国立公園内で岩盤浴場等の設置解禁
 国立公園内は様々な規制がとても厳しくて、例えば工作物に関しては新築・改築・または増築する場合は、環境大臣の許可を受けなければならない規定になっています。また特に玉川温泉では、国指定天然記念物の北投石指定があるため、現状変更や保存に影響を及ぼす行為をする場合は、文化庁長官の許可が必要です。これらの約束が厳しくて、玉川温泉内の岩盤浴場の再開・開設がとても難しい状況です。岩盤規制を撤廃して、岩盤浴を再開したいと考えています。
 また十和田八幡平国立公園の駒ヶ岳は、奇跡の植生(高山植物の宝庫)で全国の登山家に愛されていますが、障害のある皆さん、高齢の皆さんなどは、なかなか登山に踏み切れない現状があります。ユニバーサルツーリズムを進める仙北市は、思い切った政策が必要だし、8合目の山小屋に向かう車輌が輩出する排気ガス対策も無視できない現状です。仮に登山列車が実現できれば、素晴らしいと考えています。それらを実現するには、公園内での規制緩和が何としても必要になります。

2)市民目線の公共交通システム構築
 これまで市内の公共交通は、民間企業によるバスや鉄道、タクシーの運営で支えられてきました。最近デマンド型乗合タクシーも普及し、市民の公共的移動手段は少しずつ充実してきましたが、どれもパーツパーツで、総合的な配慮に欠けていたことは否めません。そこで国土交通大臣の許可行為など国の権限を撤廃し、市が主体となって法的な整合を担い、市民目線の交通体系を構築したいと考えています。

3)免税店による観光消費額の拡大
 現在、免税店になるには申請者の資力及び信用が充分にあることにより、免税店を開くことは簡単な作業ではありません。この資力だけでも撤廃し、要件緩和で市内にもっと多くの免税店を実現したいと考えています。また対価のの額の合計額に規定があるため、少額の買い物ではメリットがありません。さらに購入記録表にパスポートの内容を記入し、さらに旅券の写しが必要だったり…。小さな観光文化都市を標榜する仙北市だからこそ、海外からのお客様の便宜を図る政策(規制緩和)が何としても必要です。

※写真はイメージです。

仙北市国家戦略特区申請の概要②

【テーマ2】食のトータルプランの推進
1)農業生産法人の要件緩和
 現在も農業生産法人による農業への参画は拡大していますが、出資額の要件1つをとっても、新規に農業者が法人に参画するハードル高い状況です。現法では民間と農家の出資比率はそれぞれ半額で、これだと例えば資本金1000万円の法人では農業者も500万円を出資しなければいけません。この出資枠を撤廃し、出資については構成員の自由裁量として欲しいことを要望しています。また農産物販売所、農家レストラン等の事業売り上げの対象となる農業用施設は、農業者自らが生産する農畜産物を量的・金額的に5割以上使用しなければいけないとする規制ではメニューづくりも地域貢献も難しい状況で、これを同一市町村の他の農業者が生産する農畜産物も含めて5割の対象として欲しいとしました。

2)国有林の民間解放
 国有林は国民の財産です。木材の供給源、清浄な大気の発生装置、生物の温床、災害防除などの全機能、豊かな自然環境を民間で活用できるよう規制を撤廃して欲しいという内容です。現状では民間が参画できる場面は、伐採・造林・林道開や改良などに留まっています。これらだけではなく、管理運営(もっともっと国有林を全体活用できるシステム導入を民間主導で。人気が高い生保内タケノコや各種山菜の経済活用、野外レクリエーション、癒しの森と林間レストラン…)など民間のノウハウを移入できないか、という提案です。木材関連企業はもちろん、多くの産業分野が国有林を活用した経済活動を可能とする取り組みになると考えています。

3)保健機能食品の表示と販売
 加工食品、農林産物の一般食品は、既に一定の機能性成分が科学的に確認されているにもかかわらず、再度研究機関等で試験が必要で、コストと時間がかかり過ぎることを改めて欲しいという内容です。例えば、これまで西木で研究が進み需要が見込まれるアケビ油の商品化や販売にあたって、さらに国が関係する委員会、また各独立行政法人での分析が必要です。薬草でも、きちんと成分やその機能が明らかになっている多くの植生がある仙北市ですが、それらを表記して販売するには、改めて作業が必要になっています。6次産業化を進め、所得アップ策を展開してもスピードが減速してしまいます。

※写真はイメージです。

仙北市国家戦略特区申請の概要①

8月29日、内閣府が開催した国家戦略特区ヒアリング(会場は永田町合同庁舎)に出席しました。自分の他、藤村総務部長、高橋総合産業研究所長、平岡企画政策課長、柏谷企画政策課主任が対応しました。
 国家戦略特区は、日本経済再生に向けたアベノミクスの日本再興戦略にとって、要と位置付けられる政策で、「民間投資の喚起」を導くことが目的です。経済社会の構造改革、省庁の岩盤規制の撤廃を、やる気のある特定地域で実現しようというもの。前回(1次)の国家戦略特区指定は既に終了していましたが、様々な政府関係ルートから、「もしかしたら2次指定の機会があるかも知れない」との情報をキャッチし、6月から「あるかも、ないかも知れない2次指定」に向けて特区申請の準備をしてきました。その後、2次申請が正式に決定したことで作業を加速。29日が内閣府での事業内容ヒアリングにやっと間に合ったという状況です。

 仙北市の特区案は「田沢湖・玉川温泉を中核とした医療と農林ツーリズム」で、3つのテーマで構成されています。各テーマの概要を簡単にお知らせします。

【テーマ1】外国人も含めた温泉活用・湯治型の医療ーツーリズム
1)外国人医師の受入促進
 現状では2国間協定で日本人に対する医療行為が禁じられています。また外国人医師の修練対象は大学病院等の大規模医療施設に限られています。仙北市は次に述べるように豊富な温泉資源に恵まれた希有の地域で、しかも医師不足の現状です。現在の規制を緩和することで、医師不足解消と、世界の温泉医療のステージに参加したいと考えています。

2)病院の空きスペースを活用
 現在の田沢湖病院は、3名の常勤医師の他、多くの医療機関から協力をいただき、医師を派遣してもらって診療行為を継続できています。不安定な経営基盤の中、一生懸命に取り組んでもらっています。仮に仙北市職員という職制ではない医師が常態的に同病院の施設を活用して地域医療の一翼を担おうと決心しても、現法では1つの医療機関に異なる医療機関が同居することは、現在は区画上で独立させなければいけないとした規定があってできません。これを撤廃できれば、常勤医師の確保、既医師の過重労働の軽減、地元医師会・診療機関の連携がさらに強まり、医師不足の解消策として有効と考えています。

3)温泉療養への保険適用
 現在の健康保険法の療養の給付対象である診察に、温泉療養は含まれていません。これを改め、一定の基準の元、温泉に入浴することを対象として欲しいこと、また温泉施設で患者の入浴指導、ケアを行う温泉療法を国家資格として欲しいこと、また温泉型健康増新施設に認定(秋田県内ではユフォーレのみ)基準を引き下げて欲しいこと、また医療費控除の対象施設の拡大を推進して欲しいことなどなど…の規制緩和を要望しました。これらが叶うと、多くの温泉施設を誇る仙北市は、リフレッシュや生活習慣病の改善などのメッカとして、また新たな健康産業の芽吹きを実現できる可能性が大きく開けます。

※写真はイメージです。

仙北市の新庁舎整備について

8月28日に行った記者懇談会で、幾つかの取り組みを発表を報告しましたが、中でも中でも庁舎整備の方向付けは重要な案件でした。
 庁舎整備の在り方については、8月25日開催の市議会全員協議会でも報告を行っています。「現在私たちが考え得る最善最良の方法」として、市立角館総合病院が新築移転となることから、その跡地へ統合庁舎を実現したいとの提案内容です。現在の診察及び入院棟は解体、病院管理棟を改修し同程度の床面積の新築棟と渡り廊下で結ぶツイン・タワー庁舎を想定しています。また田沢湖・西木の各庁舎は総合支所と位置付け、それぞれに特徴的な機能を配備したいと考えています。

 病院跡地へ統合庁舎を整備したいと考えた理由は幾つもあります。これまで議論に上がった各交通網へのアクセス、各公共施設や広域・秋田県との距離短縮、防災力の向上、財政状況などなど…。総合判断では最も現実的な選択を行ったつもりです。統合庁舎と田沢湖庁舎・西木庁舎はシャトルバスで繋ぎます。既存の4箇所の出張所と合わせ、各証明書の発行など窓口業務、及び住民サービスの維持充実を目指し、さらに各郵便局やコンビニとの業務提携も推進します。
  これまで分散していた業務を一元化し、市役所職員数の減少に対応できる組織を確立します。現在の6部制を改めて3部制を目指します。職員数は各庁舎に分散していた約300人から200人体制となります。

 田沢湖と西木の各庁舎の特記機能は、それぞれこれまで蓄積してきたまちづくりの財産を活用し、さらに前進させたいとの考えています。そこで田沢湖庁舎は観光とスポーツ、温泉と健康増進をキーワードに、スポーツ振興の拠点センターを、西木庁舎は、生涯学習と都市農村交流をキーワードに、中央公民館や都市農村交流の拠点センターを考えています。これらを盛り込んだ庁舎整備基本構想を9月議会の会期中にお示ししたいと準備に取り組んでいます。

 一連の仕組みづくりと、各庁舎の改築・新築は平成30年度内に終え、平成31年度からは新たな体制で市民サービスをスタートしたい、そんな思いです。これからの(平成26年度内)の対応は次のスケジュールを想定しています。

・9月   市議会へ基本構想(素案)の提出
・10月~ 市民説明会やパブリックコメント作業
・12月  市議会へ基本構想(案)の提出
※写真は現在の市立角館総合病院

2014年8月24日日曜日

隠岐の海関の応援とスポーツ振興

23日夜、「隠岐の海関を応援する秋田の会」(秋田の会主催:佐藤雄孝会長 会場はグランデールガーデン)に参加。隠岐の海関は現在東前頭13枚目で、先場所もケガに苦しんだと聞きました。しかしその物静かなたたずまいと、相撲に対するひたむきさに、ますますファンが増えています。

 隠岐の海関の出身は島根県隠岐郡隠岐の島町。お父さんが仙北市西木町出身のご縁から応援する会が発足し、角界に入ってからは今回2回目の来市でした。佐藤会長が「今の成績は、ケガで力を充分発揮できていないからです。お米と牛肉を贈るので、それを食べてもっともっと頑張ってください」とあいさつ。これに応え隠岐の海関も「3枚も5枚も上に上がって、皆さんに喜んでもらいたいと思います」と話していました。

 自分はあいさつで「相撲は国技ですから、また他のスポーツとは位置付けは違うと思いますが、隠岐の海関を応援したいとたくさんの皆さんが集まってくれるのは、やはりスポーツにはそんな力があるからです。それが人々を元気づけ、町に活力を生み出す推進力になります。角館高校野球部の甲子園出場や、生保内中学校の剣道部女子が全国大会での活躍で、皆さんもはっきりと感じたと思います。これからはスポーツ振興ににもっともっと力を注いで、プレーヤーも応援者も活躍できるまちづくりを進めましょう」とお話をしました。

2014年8月23日土曜日

2014台湾レポート⑦

台湾にある旅行エージェントの皆さんや航空会社、政府関係者を集めた「秋田夜会」で、あいさつをしました。今回のミッションでは最も大規模なレセプションで80人以上の参加をいただきました。皆さんには仙北市はお馴染みで、修学旅行で仙北を訪ねた子ども達のお話や、乳頭温泉郷での一晩を楽しくお話になる方など、台湾での認知度を改めて感じました。

 同時に、日本酒の人気も実感しました。地蔵がない仙北市ですが、ご懇意にしていただく酒蔵の愛飲酒などを持ち込みましたが、やはり最高評価の声があちらこちらから聞こえます。そもそも台湾に日本酒が入るとき、45パーセントの税金がかかるそうで、そりゃ高いですよ。

 最後の中締め役も仰せつかっていて、あれこれ考え、結局「正しいエイ・エイ・オー」で締めました。「日本では、これから良いことを始めようとしてスタート地点に立ったとき、このエイ・エイ・オーをやるシキタリがあります。最初に左手を軽く腰に置いて、左足は半歩前、少し外に開いてください。オーケー、準備万端です」とお話をして、皆さんに参加をいただきました。
 これはウソではありません。事実、これから台湾と秋田の交流は、特に仙北市との関係はさらに深化します。

2014台湾レポート⑥

今回の台湾トップセールスで訪ねた航空会社は3社。エバー航空、中華航空、そして復興航空です。どの会社も何度も訪ねていることもあって、顔見知りの役員の方々と近況報告から会議は始まります。

 そんな和やかなムードの中で、バシバシ交渉ごとを行うことに、最近は快感を感じます…。ところで今回、明らかに前回よりも積極的な発言になっていると感じたのは、中華航空(写真)です。エバーも復興も「先ずはチャーターを飛ばしながら実績を積み上げて、需要づくりとボリュームが見えたら定期便の検討に入る」ですが、中華航空は「定期便の就航について検討に入りたい」と明言でした。

 以前よりも秋田に興味が沸いている感触です。それは東日本大震災後の秋田の位置付けを確認できたからか、若しくは秋田県が台湾活動顧問でお迎えした黄茂雄氏の影響力か、とにかく積極的な発言が多かったことは事実です。外部の秋田を見る目が変わってきたことは、起業誘致でも感じることで、良い波が来ているように感じています。

2014台湾レポート⑤

8月19日、朝一番で政府亜東関係協会を訪問。お忙しい中で李嘉進会長と懇談することができました。心から感謝を申し上げます。さらにこの時、文教組の顧欽誠組長(写真)から、とても素晴らしいご提案をいただきました。

 「仙北市とは、これまでも様々な場面で共に取り組みを行ってきた歴史があります。子ども達の修学旅行先になっていると言うことが信頼の証です。そして仙北市は学校関係者の中で非常に評価が高いこともお聞きしています。台湾の学校と、秋田側で受入をしている角館高校、または明桜高校などで姉妹校提携を結んでみてはどうですか」。

 なるほど、それは面白い。特に角館高校は、今年4月から角館と角館南の統合高校としてスタートし、その年に甲子園出場まで果たすなど「新たな扉」を開き続けています。国際交流や国際貢献も、新制角館高校の創設の主目的になっていることだし、こんなチャンス、そう巡ってくるものではありません。さっそく具体的な協議を行います。

2014台湾レポート④

この8月の台湾トップセールスは、秋田の冬の観光促進やスキー客の積極誘致が主な目的でした。前回(今年1月)のトップセールスで、既にその伏線はできていました。1月10日~12日に訪台した時の様子は、当時のブログで「佐竹敬久秋田県知事や鈴木洋一秋田県スキー協会会長、大関衛県議会スポーツ振興議員連盟会長に同行し、台北市内でスキー客誘致に関する協議を行いました」とお伝えしています。その中心的な構想が中華民国滑雪滑草協会(台湾スキー協会)と秋田県スキー連盟の事業提携でした。

 1月の会見で、佐竹知事と秋田県スキー連盟の鈴木会長、中華民国滑雪滑草協会の陳理事長の間では、連携についてほぼ合意ができていました。と言うか、鈴木会長が、県のスキー協会の合意を取り付ければ、あとは事務的な作業レベルに移ることを確認していました。鈴木会長はきっちり県の合意形成を済ませ、後継の佐藤健一郎氏にその任をバトンタッチしたのです。
 そんな経緯があって、今回の事業提携の調印は林廷芳・中華民国滑雪滑草協会副理事長と、新たに秋田県スキー連盟の会長に着任した佐藤健一郎氏の間で取り交わされました。調印には下ごしらえから関わった鈴木前会長や佐竹知事、それに各市長も参加しました。

 台湾から秋田へのスキー客誘致、台湾のスキー選手強化は、新しい段階に入ります。

2014台湾レポート③

8月19日に行われた台湾政府交通部観光局とのミーティング。上座に佐竹敬久知事と観光局の劉喜臨・副局長。今回の秋田県ミッションの説明を佐竹知事が行い、その後は各市の紹介時間となりました。

 仙北市は、2011年の台北市北投温泉と仙北市玉川温泉の友好調印事業、2012年の高雄市澄清湖と仙北市田沢湖の姉妹湖25周年事業など、毎年かなりボリュームのある事業を行ってきました。これは他市とは全く違います。さらに2013年から始まった台湾の中・高等学校の仙北市への修学旅行などは、台湾各市と仙北市の両者に緊密な関係がなければ不可能な事業。長い年月をかけて、先達が築き上げた信頼があって、今の取り組みがある…、そんなお話を劉副局長にしました。

 劉副局長は仙北市の情報を相当持っている方でした。さらに「台湾各地で毎年開催しているランタンフェスティバルは、仙北市の紙風船上げと同じ思いで行う、同じ原理のお祭りです。ランタンフェスティバルは、世界中から1000万人を集める巨大行事で、これを活用することで、紙風船上げの集客力を高める方法があるはずです。す。2つのお祭りの関係深化を模索してはどうですか」との提案をいただきました。

 仙北市では以前からそんな取り組みができないかを考えていて、実際、数年前にプーリー市で紙風船の打ち上げを行った経緯があります。その事後検証をきちんと行い、プランの立て直しを進めます。

2014台湾レポート②

写真は、台北市温泉発展協会で台北市政府観光委員の周水美名誉理事長(自分の右の女性)と10月の台北市温泉祭りの説明を受けている様子。ちなみに周名誉理事長は台北市内にある夜市協同組合の理事長もしていて、その幅広い活動は台北市民の衆目を集めています。今後の活動について、かなり突っ込んだお話をすることができました。謝謝!!。

 さて夜は、中華民国工商協進会の黄茂雄・栄誉理事長が主催する歓迎レセプションでした。黄栄誉理事長は東元集団という多角・多国籍企業の会長でもあり、また佐竹知事との個人的な繋がりから、秋田県の台湾活動顧問もお引き受けいただいています。
 それにしても、このレセプションに参加をいただいた台湾側の顔ぶれは壮観でした。○○銀行の頭取、○○会社の総経理、○○大学の顧問などなど、実名も写真もお出しすることが憚られる…、そんな大物の方々です。この場面で、東元集団から「寝耳に水」のビックプロジェクトが報告されました。プロジェクトの舞台はもちろん秋田県内です。これは自分が公にできるお話ではないので、しかるべき機関からの発表をお待ちください。

 世界経済はドラスティックで、秋田もその枠の中にあることを実感します。だからこそ面白いのです。

2014台湾レポート①

18日から20日まで台湾トップセールスで訪台。佐竹敬久知事、津谷永光・北秋田市長、高橋大・横手市長、畠山義孝・教育長等と主に冬季観光やスキー客誘致がテーマ。18日は仙北市独自の動きになっていて、台湾政府外交部(外務省)表敬、また台北市温泉発展協会訪問を行いました。

 写真は台湾政府外交部を訪ねた際、お会いできた羅坤燦・秘書長(右)と郭仲熙・副司長(左)。お二人は東京にある台北文化経済代表所(台湾大使館)でのお勤めも長く、仙北市の台湾セールスを常にバックアップしてくれる頼もしい理解者です。外交部の最高幹部に直接お会いできる市町村は、国内でもそうありません。これが仙北市が長い年月をかけて、台湾政府と信頼関係を構築してきた証です。

 今回は台湾トップセールスで訪台したこと、昨年の先達で起きた土石流災害で、台湾から多くの義援金をいただき感謝していること、政府が台湾音楽家の派遣を主導してくれたことが秋田国民文化祭のメニューづくりに繋がったこと、たざわ湖スキー場が会場になってワールドカップ・スキーモーグル競技大会が開催されること、そして今回、お陰様で台北市スキー協会と秋田県スキー連盟の友好協定締結式が行われること…、などなど本当にいろんなお話をすることができました。

 今度は日本でお会いしましょう。

2014年8月21日木曜日

角高野球新しい歴史

16日の朝、秋田新幹線で東京へ。そのまま東海道新幹線に乗り継いで甲子園へ。途中の米原~京都間が豪雨で運転を見合わせているとの車内アナウンス。第3試合の開始が遅れているとか、雨で中断になっているとか、いろんなニュースが周囲から聞こえてきます。選手・生徒は大丈夫かな…。いえいえ新幹線は進んで進んで、しっかり球場に到着できました。

 さて写真は、甲子園球場1塁側アルプススタンドに通じる階段。見てください。すごい応援団の数です。角高グッズも売り切れで、人気の高さを感じました。ひたむきに取り組む角高野球がみんな大好きです。
 小雨模様の天気を気にしながらも、自分と同期の旧角高野球部員(みんな50歳を超えて、いいオヤジになっている)が腰を降ろす集団に加えてもらい、また一列前には柳葉敏郎さんという豪華メンバーで、思いっきりの応援。校歌も応援歌も、何回も何回も歌うことができました。

 試合には負けましたが、その戦いぶりは見事!!。甲子園はなかなか勝たせてはくれません。当たり前です。後輩に夢を託して、また甲子園に来ましょう。角館高校野球の新たな扉はしっかりと開かれました。

2014年8月15日金曜日

仙北市成人式で

今日は仙北市成人式でした。写真は式典が始まる前の、成人者有志によるアトラクション風景です。さすがは仙北市!です。民謡や手踊り、飾山囃子の演目に、参加した218人(新成人の総数は267人)は手拍子やかけ声を忘れません。

 自分は式辞で4つのことについてお話をしました。1つ目は人生は自分のものだから自分が道を切り開くことを放棄してはいけないこと、2つ目は自身を大切にして欲しいこと、3つ目は人をどんどん好きになって欲しいこと、4つ目は世界に目を開き生きて欲しいこと、です。

 成人証書授与では澤山大輝さん、誓いの言葉では鈴木翔斗さん・橋本翼さん・草彅祐哉さんが、それぞれ代表を務めました。皆さん本当にしっかり大役をこなしていました。
 ちなみに写真に上半身裸の男性がいます。これは生保内節の際、女性陣に混じって男性が3人踊りに参加をしていて、動きが見事だったので思わずシャッターを切りました。しっかりしていて大胆でユーモアもある、素晴らしい新成人の皆さんでした。

2014年8月13日水曜日

あっちこっちでガモウ・ガモウ

写真は、銀座・博品館劇場のロビー風景。2014秋田国民文化祭あきた首都圏祭りで上演された「ガモウ戦記(西木正明原作・内舘牧子脚本)が終わり、お見送りをしている役者さんや、ずうっと奥手の方には西木正明さんがいます。分かるかなあ…。

 そのガモウ戦記、とっても愉快なお芝居でした。パンフレットには「終戦、復員して絶望の淵を見た蒲生太郎。新天地秋田の豪快な風土と女に揉まれ…」とあります。舞台は終戦後の角館で、その頃の大らかな秋田人の表情が随所に出てきます。ガモウ戦記の“ガモウ”は、主人公の蒲生太郎のガモウですが、お芝居の中では別の意味(男根:オチンチン)の方言として使われていて、あんな公の場で(国民文化祭の首都圏祭りですよ)、あっちでもガモウ、こっちでもガモウ、男も女もガモウガモウの連発でした。打ち上げの時、女優さんに「一番心に残る台詞は何でしたか」とお聞きしたら、「ガモウ」と即答で、これには大笑い。

 お芝居を見ていて、これは西木正明さんの少年期の思い出、原点の世界なんだと、つくづく感じました。劇中の金木令吉医師は、鈴木正弘先生(西木先生のお父さんでお医者さん)そのもので、「金のない患者は山菜やドブロクが診療代・薬代だ」とお父さんの言葉が台詞になっていました。同じように劇中の江川岩男は、西木正明さんの実家の数軒隣の○○さんに違いありません。お芝居で重要なシーンになっている年中行事「コニャウチ」は、今も西木の西明寺地区で行われている「飴っこもらい(ハロウィーンのようなお祭り)」です。そう言えば、カミさんの実家のお爺さんも「飴っこもらい」を「コニャウチ」と言っていました。

 自分は、西木正明さんの隣に座って観劇していましたが、たまに横を見ると、西木さんが顔をクシャクシャにして喜んだり涙ぐんだり…。きっとお芝居の中で、亡くなったお父さんやお母さんに会っているのでしょう。懐かしい友人たちと一緒に遊んでいるのでしょう。

2014年8月9日土曜日

供養佛の土石流から1年

本日午後2時から、先達の供養佛特設会場で開催された慰霊祭・慰霊碑建立式典に出席しました。写真は建立された慰霊碑です。この慰霊碑の奥手に国交省が整備した121メートルの巨大な砂防堰堤が見えます。山腹の土留めや緑化工事もだいぶ進みました。
 慰霊碑の前面には「ここに生きる」と文字が刻まれています。下総芳則町内会長は、「亡くなった6人は今でも町内の一員。魂がここに住み続けるよう、また残された私たちがこの土地で生きていく覚悟の証」とあいさつしていました。

 自分のあいさつの概要は次の通りです。
 ~昨年8月9日、先達供養佛で起こった土石流災害は、6人の尊い命を奪い、重軽傷者2人、被災住宅6棟と言う甚大な規模でした。亡くなられた羽根川稔様、羽川喜一郎様・ナツ様・一夫様・龍子様、田口孝様に心からのお悔やみを、また被災された皆様にはお見舞いを申し上げます。あれから1年が経ちました。あのように強い雨を経験したことがなかった私たちは、皆様が土石流に飲み込まれた後も、すぐその甚だしく痛ましい状況を把握できませんでした。それをずっと悔いていますし、皆様のことを忘れた日は1日もありません。~私たちは、当時の災害対策本部の動きの一部始終を市のホームページで公開し続けています。対応ができたことも、できなかったことも全部を公にすることが、他の町で起こるかも知れない災害の、減災・防災に役立つと考えているからです。加えて、これまで1年をかけた土石流災害発生以降の仙北市の防災対策の現状を、全国の皆様の参考にしていただきたく、公開の準備を進めています。土石流災害の教訓が、皆様方の命が、今も将来も多くの方々の命を守る盾になります。

 重ねてご冥福をお祈り申し上げます。

田沢湖・角館観光振興フォーラム

8月8日、たざわ湖芸術村で田沢湖・角館観光振興フォーラム。講師は佐竹敬久知事です。「旅の楽しみ~食と観光の深い関係~」と言うテーマで1時間にわたってお話をいただきました。以下はその概要です。
 ~国内観光客数は、少子・高齢社会の進展で減少傾向にあります。特に東日本大震災後は、大きくその数を落としました。秋田県内で見ると、その回復率は仙北市が最大ですが、それでもピーク時より100万人程度落ち込んでいます。
 そもそも最近の日本観光は以前とは全く違う状況になっています。それまでの「観光は美しい景色を楽しむ」傾向がどんどん薄れ、今は都市観光が人気ナンバー1です。次いで歴史文化を訪ねる旅、スポーツ観戦なども高い比率になっています。秋田で見ると、温泉が21パーセント程度、自然やスポーツレクリエーションでそれぞれ18パーセントです。この数値からわかるように、田沢湖・角館は秋田県観光の重要な役割を担っていることに間違いありません。
 また観光形態も大きく変化しています。じゃらんの分析によれば、団体旅行で11パーセント、個人旅行で89パーセントです。さらに外国人の増加。国内旅行者が落ち込んだ分を外国人旅行者の確保で補おうと、アジア地域を中心に積極的な取り込み作戦を行っています。この18日から台湾に行きます。門脇市長も行きます。台湾のスキー協会と秋田県スキー連盟の協定で、県内スキー場への誘客が目的です。観光は数値が示すように、スポーツと深く関係している業態です。スポーツ振興が観光振興を推進する場面が多く見られます。

 なぜ最近、食が注目を集めてきたか…。それは団体旅行が減少し、個人旅行が増加していることから当然の結果と言えます。団体旅行では同じ夕食、同じ朝食。個人旅行は宿泊施設を決めるくらいで、あとは自由に周辺を歩き回れます。どこに行けば美味しい郷土料理が食べられると言った情報は、細かに発信されています。これまたじゃらんの分析ですが、観光地へのリピート力になっているのが、食べ物・ご当地グルメで84パーセントです。これはすごい数値です。
 この点、秋田県はとても良いイメージが定着しています。北海道が1位、秋田は3位です。既に美味しいものがたくさんあるみたいなイメージが秋田にはありますから、これをうまく活用しない手はありません。ただ売り出し方をもっと研究しないとだめです。統括プロデユーサーがいないと、拘りで付加価値をつけるとか、相対的な話題づくりとか、農商工連携がうまく進まないでしょう。~

2014年8月8日金曜日

戦没者慰霊祭で1112人と6人と3人

8月7日午前、角館交流センターで仙北市遺族会(藤原剛会長)と一緒に、仙北市戦没者慰霊祭を開催しました。だいたい毎年この時期は梅雨明け後の豪雨災害が発生していて…、去年もそうです。土石流災害はこのタイミングでした。

 自分は慰霊祭の式辞で「戦後69年が経ち、戦争を知らない市民が大半になっています。しかし現在の平和と安泰は、戦争で亡くなっていった方々の犠牲の上にあります。戦争の全てを語り継いでいかなければなりません」とお話をさせていただきました。
 自分の祖父の話は祖母から聞いた記憶のみです。終戦後のソビエト、ウスリー州ウオロシロフ収容所で抑留者として亡くなった祖父。どんなに辛かったか、またどんなに帰りたかったか。

 さて、仙北市には祖父を含め1112人の戦没者がいます。その方々はもちろん、昨年の先達供養佛土石流災害で亡くなった6人、さらに一昨年に起こった玉川温泉岩盤浴雪崩事故で亡くなった3人に思いを巡らせ、黙祷・献花をしました。安らかにご永眠ください。

2014年8月6日水曜日

角館、8月14日に八頭と対戦

「夏の甲子園」組み合わせ抽選会で、角館高校の試合スケジュールが決まりました。角館高校は第6日目(8月14日)の第4試合、鳥取代表の八頭高校と対戦します。

 頑張れ角館高校!。フレッフレッ角館高校!!。

2014年8月5日火曜日

角館高校を応援する経費など補正

第4回の仙北市議会臨時会を開催。角館高校野球部の甲子園出場を応援する経費1000万円、NPO団体の総務省補助金の決定1000万円、先達地区の土石流災害後の地域振興補助金50万円などを盛り込んだ補正予算を可決いただき散会しました。また以下は、議会冒頭での市政報告です。

 はじめに、角館高等学校の甲子園出場についてです。
 第96回全国高等学校野球選手権秋田大会を制し、角館高校が初の甲子園出場を決めました。昨年夏の大会、そして今春の選抜大会の無念をエネルギーに、また新生・角館高校が誕生した記念すべき年に、初出場という念願を勝ち取ってくれました。選手はもちろん、角館高校生、父兄の皆様、本当にありがとうございました。OB・OGの皆様、市民の皆様、そしてご支援をいただいた全ての皆様、応援をありがとうございました。
 仙北市として、この角館高校を最大応援したい思いから、本臨時会で所用の経費を補正予算に計上しています。

 次に、「秋田スギバイオエネルギーセンター」の火災についてです。
 7月3日の午後4時13分ごろ、西木町門屋の同センター建物内部で火災が発生し、鉄筋コンクリート2階建て約527㎡のうち、約180㎡を焼失しました。建物内に危険物があったことから、にしき園入居者92人をはじめ、クリオンの宿泊客、周辺住民の皆様には一時避難をお願いしました。本当に大変なご迷惑をおかけしました。また市民の皆様をはじめ、消防団、広域消防の皆様には消火活動はもとより、にしき園入居者の移動介助もご協力をいただき、心より感謝を申し上げます。
 市民の皆様には、改めて深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。
 出火後、にしき園とクリオンが一時停電しましたが、午後8時前には復旧し、避難勧告も解除しました。にしき園入居者の皆様が全員無事に戻ることができたことは何よりだったと思います。
 火災の原因は、チップ乾燥機付近の低温発火ではないかと推測されています。本事案の発生後、速やかに県担当部署へ火災発生状況等を報告しています。また7月17日には、月島機械(株)による被害状況の確認作業を行い、被害額について現在精査中ですが、8月7日には提出をされる予定と聞いています。7月25日には火災保険の関係から、県町村会と同会から依頼された鑑定人が現場を確認しています。
 5月22日に開催した市議会全員協議会では、バイオエネルギーセンターの事業存続について、水蒸気実験の結果も勘案し判断するとしていましたが、火災発生という不測の事態が生じたことから、被害額及び保険の額が判明次第、国・県等の関係機関や月島機械(株)と今後の対応について協議することにしています。その結果を踏まえ、改めて議会の皆様に報告する機会を設けていただき、協議したいと考えています。

 次に(株)司食品工業秋田工場の企業誘致進捗状況についてです。
 7月18日に(株)司食品工業の滝本博社長と設計会社の代表者が建設予定地に入り、工場配置図面案と現地実測での確認を行っています。その際、地域環境や新たな施設増(LNG施設・残渣処理施設)、気候条件(雪のため置きなど)を考慮すれば、現在の造成予定面積では足りないとの認識に至り、後日に用地の追加取得と市道拡幅について要望を受けています。会社側は造成工事を年内に完成できないと4月の建設着工は困難との見解です。これを受けて7月28日、庁内の関係職員が協議を行っています。現在、対応事業量の積算や手続き上の課題について精査を行っています。まとまり次第、議会に説明と予算計上をお願いしたいと考えています。
 また、8月1日開催の産業建設常任委員会協議会に、同社の滝本社長が出席しましたが、委員会の皆様にはこのような機会を設定いただいたことに感謝を申し上げます。今後、同社の東北工場視察などにもご協力をお願いします。

 次にカラ吹1号源泉の復活と今後の温泉対策についてです。
 6月定例会で予算を承認いただいた、カラ吹1号源泉の浚渫及びバルブ交換工事の状況について報告します。7月14日から作業に取りかかり、8月4日現在で浚渫及びバルブ交換工事はほぼ終了しています。この取り組みが功を奏し、減退していた蒸気の噴出が回復して噴出量が増えました。これで温泉の造成量を増やすことが可能となったほか、温度上昇にも対応できます。一安心といったところです。
 しかしながら、温泉造成の主力となっているカラ吹2号源泉が年々その噴出量が下降線にあることから、1号源泉の復活だけで今後の温泉対策の手綱を緩める状況にはないと認識しています。
 平成26年1月から、乳頭温泉地区の各温泉のモニタリング(2年間)を行っていて、現在7ヶ月が経過しました。逐次、各温泉事業者へ調査結果を報告しています。その際に耳にするのは、乳頭地区(カラ吹一帯)での新たな温泉掘削は同意しかねるとの言葉です。
 このため、新たな源泉確保の対策として、水沢温泉を利用することと、乳頭温泉地区以外での温泉掘削の2つの手法が考えられますが、1つの手法とした水沢温泉の利用については、7月9日に水沢温泉の事業主である塚本總業株式会社の塚本清士郎社長と面談し、水沢源泉の田沢湖高原地区への活用について協力を要請しました。塚本社長からは、快く協力したい旨の返事をいただきました。今後、同社と協議を重ねたいと考えています。もう1つの手法の温泉井掘削ですが、高原地区近傍の国立公園内で有望と思われる候補地を選定したいとの思いを抱いています。その際には事前の温泉探査が必要です。
 今後、2つの手法について、事業化の見込や採算性等を精査し、早い機会に方向性を出したいと考えています。

 次に市立角館総合病院改築事業についてです。
 市立角館総合病院改築事業については、7月25日に外構工事・建築工事の入札を公告しました。外構工事の入札日は8月19日、建築工事の入札日は9月1日です。入札結果については次回定例会で報告します。

2014年8月4日月曜日

仙北市防災の集い

昭和35年8月3日の田沢湖水害(亡くなった方14人・行方不明者1人)、そして平成25年8月9日の先達地区土石流災害(亡くなった方6人)を忘れない、1つでも明日につなげる教訓にしなくては…、そんな思いで始めたのが「仙北市防災月間・防災週間」です。

 その防災・減災教育の場面として、先週土曜日、防災の集いを開催しました。ご協力をいただいた国土交通省・防衛省・秋田県警・大仙美郷仙北広域消防・仙北市消防団・ミドリ安全などなど、多くの方々には心から感謝を申し上げます。
 市民の皆さんには、初めての集いでしたが、多くの皆さんにご来場をいただきました。また多くのアドバイスも頂戴しました。「消防からははしご車を借りるといい」、「車に閉じこめられた人を救出するカッターの実演が見たい」、「避難生活に必要な日用品セットなどの販売会をして欲しい」…、来年に活かしたいと思います。

 写真は、市民会館が火事になったと想定した避難訓練。災害はたくさんの分野があり、その分野ごとに必要な知識や行動規範があります。土石流災害や雪崩災害には蓄積がありますが、火山災害など他の災害にも万全体制を構築する準備を進めています。