2019年11月29日金曜日

市議会12月定例会が始まりました



 市議会12月定例会が始まりました。会期は12月20日までの22日間です。条例12件、予算9件、指定管理1件、人事2件、その他2件の計26件です。以下は市政報告ですが、項目を箇条書きしたのでご一読ください。


①秋の叙勲受章者で千葉勇さん(教育功労・瑞宝双光章)、林崎久さん(消防功労・瑞宝単光章)、加古信夫さん(防衛功労・瑞宝双光章)、及川克三さん(警察功労・瑞宝単光章)、秋の褒章受章者で上卒田集落会(環境美化:緑綬褒章)、県文化功労者表彰で佐藤和志さん(観光振興)、県自治功労者表彰で八栁良太郎さん(自治功労)に栄誉。
②一般会計補正は第3号は約33万円(人勧分)、第4号は約4億900万円(ふるさと納税増加分、保健事業、中小企業活性化支援事業など)。
③新角館庁舎の工事進捗率は8.6%。
④ふるさと納税が好調で9月・10月は全県トップで年度末6億円に目標を上方修正。
⑤桧木内と田沢でドローンの物資輸送実験を実施。
⑥12月から自動走行を目指しモビリティAIのデータ取りを開始し、1月からはデマンドタクシーのスマートフォン予約開始(いずれも白岩地区)。
⑦来年度は地域おこし協力隊でDMOとインバウンドの推進者を公募したい。
⑧(株)渡辺佐文建築設計事務所との和解金訴訟は来年1月17日に判決。
⑨市の第3セクターの経営統合など抜本的な改革も視野にアドバイザーを委嘱したい。
⑩9月27日に桧木内で遭難事案が発生したが無事発見。10月8日に梅沢で住宅を含む4棟が全焼する火災発生。10月9日に北秋田市小又峡で市民の遭難事案が発生し2日後に下流でご遺体で発見。10月12日~13日に台風19号。10月29日に小松で行方不明事案が発生し現在も発見できていない。11月26日に広久内で作業小屋兼車庫が全焼する火災が発生。
⑪10月末市税等の滞納繰越分収納率は、普通税が前年同月比で3.3ポイント減の11.5%、国保税が0.3ポイント増の21.1%、後期高齢医療保険が2.8ポイント減の22.4%、現年分は普通税が0.7ポイント増の76.9%、国保税が1.8ポイント増の50.8%、後期高齢医療保険が3.5ポイント増の60.4%だ。
⑫角館こども園をはなさき仙北に移管する方向性を持っていたが、出生者数の急激な減少や角館地区内の他の保育園の在り方も含めて再検討する検討会を設置したい。
⑬市内に5ヶ所ある診療所については、田沢診療所は閉鎖し田沢湖病院への送迎車両の運行を行いたい。神代診療所と桧木内診療所は診療日数の見直しを行いたい。
⑭国保事業の負担金の返還事案が2件ある。会計検査院の指摘が1件、そして県国保連の拠出県算定誤りだ。誠に申し訳ない。詳細について分かり次第ご報告する。
⑮抱返り紅葉祭は台風や週末の天候不順でも約5万人の入り込みがあった。台風19号の被害が2ヶ所で発生し、誓願橋付近の倒木は早期に撤去できた。回顧の滝付近の倒木は県で対応中。
⑯武家屋敷ポケットパークの公衆トイレは発注済み。
⑰JR東日本の和のゐ角館(宿泊施設)は3月16日開業予定。
⑱樺細工伝統工芸展は、伝統工芸品の部に31点、一般の部に27点。秋田県知事賞に佐藤大さんの「茶筒・網代」。
⑲(株)セレクトラは11月22日に竣工式を行った。来年1月14日から角館事業所で操業が始まると聞いている。
⑳グリーンツーリズム事業の拡大に向け、大阪市で開催したツーリズムエキスポやタイでのFITフェアに参加。昨年は市に240校、2万人の皆さんが仙北市を訪れている。教育旅行の誘致、環境学習、農業体験や文化体験の掘り起こしを続ける。
㉑市の下水道事業・集落排水事業・浄化槽事業を、令和2年度から公営企業会計の適用会計としたく関連条例を提案している。



 なお、人事案件で議会にお諮りした2件、坂本佐穂さん(教育委員:角館水ノ目沢)と堀川清澄さん(田沢財産区管理委員:田沢湖田沢)は、今日の議会で同意をいただき着任が決定しました。



2019年11月28日木曜日

楽しい物語の始まり


 「百姓は苦労するだけ」。そんな家族の話しを聞いて、農業に魅力を感じる子どもが何人いるでしょう。「この町には何もない」も、そうではないでしょう。否定ばかりでは何も生まれません。

 昨日の田沢湖あきぎん会で、ご講演いただいた鈴木輝隆さん(立正大学特任教授)、菊地伸さん(北海道東川町役場東川スタイル課長)のお話しに、強く心が動きました。鈴木先生の「非常識から新たなアイディアは生まれる。それを否定するのではなく、先ずは試してみる姿勢が大切だ」と。また菊地課長が紹介した北海道東川町は、「単独立町で写真文化首都を宣言して以降、多彩な政策や町民の努力で移住人口が増加した」と。実は、東川町を視察した市の職員から、「町民の郷土愛、町自慢がすごかった」との報告を受けていました。それで納得しました。住民は町が大好きで、そんな皆さんが移住を呼びかけたら説得力は本物です。百姓は苦労するだけ、この町には何もない…、みたいな言葉とは真逆です。

 仙北市内でも、個性的な農業を営んだり、新しくお店を開く方々などが、地域を変える力になっています。皆さん自分で選んだ場所と仕事に一生懸命です。楽しい物語は、好きとか肯定からでしか始まらないような気がします。

2019年11月27日水曜日

日本版DMOへ本登録申請を決定



 今年の3月、日本版DMOの候補法人に登録された一般社団法人・田沢湖角館観光協会は、以降、地元高校生や外部専門家にも参加をいただき、観光戦略の種だし・磨き上げ作業をしてきました。これらを始動するには…。


 そもそも日本版DMOは、「観光地を経営する視点でまちづくりを進める舵取り役」です。観光事業者だけではない市民参加が大前提で、だからこそ地域経済の再生や地方創生と連動できる取組みです。さらに仙北市の観光政策は市外・県外にも大きな影響を及ぼすため、プロジェクト推進会議には、県や銀行、また旅客・物流などの民間企業代表ほか、市外からの委員も多数参加しています。そんな皆さんや地元高校生にもご難儀をかけて、ワーキンググループを立ち上げ、マーケティング部会・プロモーション部会・受入れ体制整備部会・開発流通部会を組織して、本当に熱心な議論をいただきました。昨日のプロジェクト推進協議会で、その報告が行われた結果、目指す姿の仙北市を実現するには、日本版DMOの正式登録で各プランの始動が不可欠と、全会一致の判断に至りました。


 年末をはさみ、来年1月の登録申請に向けた準備が本格化します。これまで以上のご協力をお願いします。

2019年11月26日火曜日

お豆腐も空を飛ぶ


 お豆腐も、納豆も、もやしも、ブナシメジも、空を飛びました。グランマート田沢湖店で注文を受けた食料品をバケットに搭載し、田沢の郷駐車場から(株)成立までの約6キロメートルを、青空の中ドローンが自動飛行して…。

 先週は、農家民宿・星雪館の作りたておやきを、ドローンが地区の直売所まで空輸しました、ですから2週続けての配送実験です。どちらもイメージ通りの飛行ができました。もう技術的には実用化が可能です。でも、それを法律が規制している現実があります。航空法では無人飛行機の運用は目視で常時監視を義務づけていたり、電波法では無線電波の伝送距離を仕様上2~4キロメートルと規定していたり…。これでは実用で日常のサービス展開は無理です。

 仙北市は、高齢化と人口減少で、働き手の不足が深刻です。買い物や安定的な物流に不安を感じている市民は大勢います。それを改善できる手法の1つが先端技術の導入だと考えています。実用化に規制緩和は避けられませんが、それには実験を繰り返して安全性を証明するしかありません。
※配送実験:国交省スマートシティモデル事業
※実験者:東光鉄工株式会社

2019年11月25日月曜日

うま~い!


 この時季、周囲は美味しいものばかりです。新米、キリタンポ、田沢ながいも、とろろ飯、西明寺栗、さつまいも、柿漬け、いぶりがっこ、もちっこバイキング…。ああ、ダイエットは少しの間お休みするしかありません。

 先週の23日、田沢湖病院駐車場では「まぼろしの田沢ながいもまつり」が開催され、用意した400本がアッと言う間に売り切れました。粘りや味わいが別格で田沢地区でしか採れません。生産量も限られていて市場には出回らないことから、幻の伝統野菜と言われています。手にできた人はラッキーです。また同日、西木町の農家民宿・星雪館では、もちっこバイキングが開かれました。ゴマやキナコなどの定番はもちろん、たぶん食べたことがない梅餅や栗あん餅など17種類、副食の漬け物や総菜は14種類と充実の品揃えです。

 市内のお菓子屋さんでは、西明寺栗を使ったお菓子のバリエーションも豊富で大好評です。若い皆さんが栽培に取組んださつまいもも甘くて美味しかったなあ。さらに柿漬け、いぶりがっこの漬け込みも始まって、今から漬け上がりが楽しみです。ダイエットはお休みしようかと…。

2019年11月24日日曜日

佐藤和志さん、おめでとうございます!


 鶴の湯を経営し、乳頭温泉郷をトップブランドに育て、日本秘湯を守る会会長、観光庁観光カリスマ、田沢湖・角館観光協会会長などを歴任の佐藤和志さんが、秋田県文化功労者表彰を受賞しました。

 お祝いの会は、田沢湖ハーブガーデン「ハートハーブ」。140人の皆さんがお祝いに駆けつけました。私はごあいさつで、思い出のエピソードをご紹介しました。「~2010年の12月、山梨県富士河口湖町の西湖でクニマス発見のニュースが飛び込みました。市役所では秋田県庁に職員を走らせて情報収集をし、同時に過去2度にわたりウオンテット事業を行った関係者の皆さんと、情報の共有を進めました。その際、和志さんから、クニマスを生きて現在に繋げてくれた富士河口湖町の皆さんに、何より感謝の思いを直接お伝えすることが最初だと、そんなアドバイスをいただきました。それでクリスマスでしたが富士河口湖を訪ね、町長さんや漁協さんにお礼の思いを直接お伝えしました。あわせて田沢湖再生とクニマスの里帰りプロジェクトへのご協力を相談しました。山梨県とのお付き合いはここから始まりました~」と。

 感謝の思いで物事を始める、そんな素敵な生き方を教わりました。和志さん、とし子奥さま、ご家族の皆さま、おめでとうございます。そして、ありがとうございます。

2019年11月22日金曜日

(株)セレクトラ角館事業所が完成


 腕時計製造・時計部品製造の(株)セレクトラ(秋坂啓太郎・代表取締役)は、6月から建設を進めてきた角館事業所(仙北市角館町外ノ山)新社屋を完成させ、今日竣工式を開催しました。

 同社は平成3年に旧田沢湖町の誘致企業として進出。設立当初から国内では稀有なクリーンルームを完備し、無菌状態での時計修理・組立をしてきました。徹底した品質基準や技術力が、セイコーなど国内外メーカーから高い評価を得て受注が増加していること、また平成29年に腕時計パーツセンターを開設したこと、さらに新規事業や自然災害への対応などで新社屋が必要になっていました。

 私は竣工式で、「この新社屋の土地は市の野球場でした。セレクトラさんの角館事業所建設に転用が叶ったのは、セレクトラさんのこれまでの仕事ぶり、そして将来の可能性や雇用開発など、市民の皆さんの大きな期待感があったからです。仙北市は観光の街として有名ですが、技術を大切にするものづくりの街を目指しています。セレクトラさんにはその先頭を走ってもらいたいと思っています」とお話しをしました。
※角館事業所は向こう数年で35名まで増員する計画。
※写真は秋坂啓太郎・代表取締役ほか。

2019年11月21日木曜日

あきた結婚応援パスポートについて



 明日11月22日(いい夫婦の日)から、あきた結婚応援パスポートの交付が始まります。このパスポートは…。


 今年度4月1日以降に結婚した夫婦や、これから婚姻届を提出するカップルなど、県内の市町村窓口でもらえます。社会全体で結婚を応援をする機運を高めようと、秋田県と全県内全市町村が協働で始めました。パスポートを持っていると、協賛店舗などのお得な優待サービスが受けられます。仙北市内にも協力店舗は多数あります。さらに増やして、応援の層を厚くできたらいいなあ。どうぞ経営者・店舗運営の皆さんのご参加をお願いします。


※あきた結婚応援パスポートの詳細は下記まで。https://common3.pref.akita.lg.jp/kosodate/aiskip-info/about

2019年11月20日水曜日

カメムシとカマキリの大雪予測



 田沢湖庁舎の窓の外は雪です。このまま根雪にはならないとは思いますが…。時節柄さまざまな集会で、カメムシとカマキリの話題で盛り上がります。


 秋田生まれの皆さんだったら分かると思います。例えばカメムシ(ヒメコムシ・アネコムシ・ヘッピリムシ)が多い年は大雪だとか、例えばカマキリが巣をつくる草や枝の位置が高いと大雪だとか。で、インターネットで検索してビックリしました。随分ちゃんとした方々が、ムシの大雪予測について科学的な研究を行っています(でも結論は分かれていて悩ましい現状です)。この前、西明寺婦人会の演芸発表会で、会場の皆さんにお聞きしてみました。カメムシについては、「山が近いとか林に囲まれているとかで全く違う」とのお話し。カマキリに至っては、「去年と同じだ」「最近みないな」とのご返答でした。ある人は「冬は雪が降るもんだ」と。はい、その通りです。


 気象庁の発表は暖冬予想でした。できたら、余り大雪にはならないよう、でも水不足にもならないよう、塩梅が良い降り方でお願いしたいと、窓の外を見ながら思っています。

財務省の要望活動で


 国道13号と46号と105号の合同要望会。写真は財務省の会議室です。太田充・主計局長にお目にかかれて本当に嬉しかった…。

 要望は、国道13号については、高橋大・横手市長から横手~大曲間の4車線化の早期実現を、私からは、国道46号は局部線形改良の早期完成と重要物流道路としての高規格化の実現を、国道105号は特に大覚野峠の国直轄調査の着手に向け、これら道路財源の確保をお願いしました。
 昨年、初めて太田局長とお会いしたとき、前評判以上の人間性に深い感銘を覚えました。与野党を問わず国会議員からの信頼が厚く、「日本国に忠誠を尽くす官僚」と評価された人物です。今回も厚かましいお話をしましたが、本当に真摯なご答弁をいただきました。「これら国道の重要性は理解しています。道路財源確保のご要望は全国からもあって、先ずは国土交通省で事業や優先順位の検討、その後に財務省への予算要求ですね」と。その後の財務省作業は、国民の皆さんに理解をいただけるような予算づくりでなければいけない…、そんな信念が一言一言から感じ取れて、官僚としても人間としても魅力的です。

 財務省主計局は各省庁で最もハードな職場と聞きます。どうぞ体調を崩すことなく職務にあたってください。そして、規模は比較のしようもありませんが、仙北市の財政課も連日遅くまで来年度の予算づくりに取組んでいます。頑張ろうね。

2019年11月17日日曜日

カレーの食べ歩き⑤「杜の都の南インド」


 仙台市立病院を出て、4車線の道路の真向かいにあるカレー屋さんで夕ご飯。ここが知る人ぞ知る南インドカレーの名店・南國堂さんです。

 南インドカレー…、あまり馴染みのない領域だなあと思う人、さすがです。全国のカレー店では貴重な存在です。そもそも日本のカレーはイギリス式で、海軍で船が揺れても食べることが出来るよう、とろみが強い特徴があります(と、チコちゃんが言ってました)。インドカレーも北のカレーは濃厚でこってり系ですが、南は水っけの多いシャバシャバしたカレーが好まれているようで、使用するスパイスも北と南は全く違います。さらに相違点は、北はナンで食べるカレー、南はご飯が多いと言われていて、ご飯が大好きな私としては南インドカレーに軍配が上がってしまいます。

 南國堂のカレー食べてください。美味しいですから。
※私の今回のオーダーはチキンキーマカレーとカジキマグロのマラバールカレー。それに長ネギのコザンヌなど。ご飯は赤米と麦がブレンドされていてヘルシーです。

2019年11月15日金曜日

まちづくり日記161「今こそ地方の時代」



 広報せんぼくに連載中のまちづくり日記です。11月16日号はSNSの浸透が情報革命になって、もう東京に行かなくても夢は叶うよと、そんな内容です。お時間のあるときにお読みください。


 今まで〝地方の時代〟を感じたことはありません。実態のない流行語のように、国内にあふれた現象は何度か経験しました。例えば地方分権の推進議論で、または省庁再編や首都移転議論で、あるいは国政選挙の街頭演説などでお馴染みです。
 提唱者は、神奈川県知事だった長州一二さんだと言われています(地方自治総合研究所コラムより)。もう40年も前のことです。長州さんは横浜市が開催したシンポジウムで、「社会・経済・文化創造の在り方を地域視点で捉えながら、今後は委任型中央集権から参加型地方分権へ転換を進めることが重要」と指摘しました。その後、全国の改革派と呼ばれる行政トップが〝地方の時代〟を連呼して、多くの選挙戦で勝利を収めました。後年になり、国も小泉政権で「三位一体改革」を推進しましたが、各省庁の権益温存主義や族議員の壁に阻まれて、難産になった幾つかの政策がありました。
 しかし、現在は当時と全く違う世の中です。インターネット社会、スマホ社会の成熟が、今になって、やっと〝地方の時代〟を可能にしたと考えています。例えば、観光の領域では「八幡平ドラゴンアイ(仙北市玉川)」に訪れる海外からの観光客、大人気の秋田内陸縦貫鉄道「ごっつぉ列車」、開店と同時に売り切れになる「まぼろしの田沢ながいも」、武家屋敷通りの真っ赤なポスト…、どれも地域発信の情報で、それを観たり食べたり撮したりする目的だけで、世界中の皆さんが移動します。仕事だって、電車に揺られて会社に出勤しなくても自宅のコンピュータで十分可能です。テレワーク(インターネットを活用した時間や場所に拘らない就労形態)は、働き方改革の切り札とも言われています。仙北市では数年前から実証実験を繰り返していて、優しい自然環境、美味しい食べ物、空き家の多さ(皮肉ですが…)等で高い評価があります。もう「東京に行かなければ夢が叶わない」なんて、過去のことです。
 来年は東京オリンピック・パラリンピックです。混雑する期間、首都から地方に移って、仕事をしようと考えている民間企業のお話しを聞きます。が、私は「それってオリンピック期間に限った話しじゃないでしょ」って言っています。
※写真は田沢湖クラフト市「ゆるりマーケット」から。


2019年11月14日木曜日

JRホテルの新ブランド「和のゐ角館」来春オープン


 JR東日本秋田支社とDMO候補法人田沢湖・角館観光協会、そして仙北市の連携から、JRホテルの新ブランド「和のゐ角館(わのいかくのだて)」が誕生します。オープンは来春3月16日、しかも3棟同時のオープンです。

 コンセプトは「KURA STAY」。建造物として価値の高い3つの木造2階建蔵を、あきた角館・西宮家の前蔵は西宮家武士蔵(定員6名)に、同じく西宮家のガッコ蔵は西宮家ガッコ蔵(定員4名)に、角館しちべぇ(和風レストラン)は反物蔵(定員6名)にリノベーションの計画です。重厚で美しい角館の町並みや文化、少し足を伸ばして田沢湖や西木も思う存分楽しめます。お近くのレストランや体験工房でじっくり時間を過ごしせる、ニュータイプの滞在型観光を提案します。

 予約開始は11月18日(月)10時から。詳細はJRのホームページなどでご確認ください。

2019年11月13日水曜日

夕方、たつこが湖畔を歩く…


 先日開催の「田沢湖・姫観音像開眼80周年記念事業」で、地元の千葉治平さん(昭和40年に直木賞受賞)が書いた田沢湖風土記を読みました。その中に、伝説の湖神たつこが夕方に湖畔を歩く姿を見たとの記述があって…。

 田沢湖畔には、たつこ伝説由縁の像が4体あります。姫観音像もその中の1体で、昭和14年に建立されました。姫観音像の建立には幾つかの目的があったと伝わっています。田沢湖は電源開発と灌がい用水の確保で、上流部の玉川温泉から強酸性泉を導水し、クニマスをはじめ多くの魚族は死滅しました。この工事に携わった朝鮮からの作業員も事故で亡くなった方々がいたそうです。激変する田沢湖を憂い悲しむ湖神たつこを慰めるため、また亡くなった方々の慰霊のため、そして田沢湖の再生を願い、周辺寺院の住職達が中心となって淨財を募り、姫観音像が建立されました。

 さて、千葉治平さんの田沢湖風土記です。湖畔を歩くたつこの記述は下記の通り。
~工事が大分進んだ時のこと、夕方になってハッパの音がやみ、湖水が黒味がかり、木立ちの影がおぼろになるころ、ある鮮人の土工が、ワラダ沢の岸辺で、妖しい女を見かけたのです。女は幻のように美しく、長い髪を垂らして静かに岸辺を通っていったそうです。その土工はタッコひめではないかと気に病んで仲間に話したのですが、間もなくハッパに打たれて死んでしまいました。タッコひめが夕暮れに出現するという噂は村にも伝わってきました。湖の神聖さを汚す工事をしている者には必ずタッコひめの神罰が当るのだと私たちは信じていました。湖水を荒されるのを悲しく思ったタッコひめが岸辺をさまようのだから絶対見てはいけないと、村人たちは話していました~。

 千葉治平さんの田沢湖風土記は、たつこに会えば死んでしまうと言うショッキングな内容です。でも私は、たつこに以前から会いたいと思っていました。たつこだって、きっと現在の田沢湖再生プロジェクトに言いたいことがあるでしょうから。

2019年11月12日火曜日

おやき空を飛ぶ


 都道府県会館(都内平河町)で食品流通合理化検討会。トラックドライバーなど人材不足が深刻化する中、関係者が次世代流通の有り様を探りました。仙北市からは、今月19日と26日に実施予定のドローン空輸実験を紹介して…。

 同検討会は、全国の産地自治体と流通業界、さらに各省庁の代表で構成されています。今回、取組み事例を紹介した自治体は、青森県・新潟県・三重県(各知事)、市町村は山形県鮭川村・福井県小浜市・愛媛県八幡浜市、仙北市(各市町村長)です。私は、高速交通体系から外れた地方にも良品は多いとして、「それを国内外に流通させる前に、先ず地域内でしっかり流通する仕組みが欲しい。しかし仙北市は東京23区の約2倍の面積に匹敵する広大な面積だ。移動スーパーが頼りの集落も複数ある。人口減少・高齢化・人手不足を補うには最先端技術の導入も1つの手法」として、取組み予定のドローン空輸実験を紹介しました。1つは19日(火)朝、星雪館(西木町)と地区内の直売所間で行います。ドローンがおやきや野菜を運びます。26日(火)午後は、地元スーパーと民家の間でドローンが食材を運びます。もともとスーパーが提供してきた買い物代行宅配サービスの空輸版です。また、災害時を想定した避難所への物資輸送実験も併せて行います。これらは国のまち・ひと・しごと創生事業、スマートシティモデル事業が財源です。

 さらにヤマト運輸(株)にご協力をいただき、通常の集配ルート上に位置する生産者代表宅を立ち寄り場所にして、スーパーや直売所に生産物を代替輸送する生産者支援実験も検討中です。今後も官民連携の実証作業が続きます。

2019年11月10日日曜日

別府ONSENアカデミア


 別府市で第4回ONSENアカデミアに参加。全国の温泉・行政関係者と、2日間びっしり刺激的な議論ができました。仙北市でも開催したいです!。

 2日間で、シンポジウムが3ステージ、対談・発表・温泉会議…。会議室の外でも情報交換が続きます。それぞれのテーマも多様で、例えば外国人のお迎えやタトゥー対策、泉質効果の医学的検証、ワーケーション、新・湯治プランなどなど。私の発表は温泉会議でのヘルスケアー事業でしたが、興味のあったテーマはワーケーション議論です。ワーケーションはワーク(労働)とバケーション(休暇)の造語で、働き方改革の1つの手法と言って良いのかも知れません。これを別府では既に実証実験レベルで導入していて、それが思いもよらない効果を生み出している報告がありました。

 タトゥーについて、仙北市でも議論が始まっています。また温泉事業の在り方、入湯税の税率や使途など、本当に気付きの多い出張でした。さあ始めますよ。

太陽の家


 社会福祉法人・太陽の家(大分県別府市)を訪問しました。太陽の家は半世紀以上にわたって障がい者の職場づくりに取組み、国の政策形成にも大きな影響を与え続けています。その理念がNo Charity, but a Chance!(保護より機会を!)で…。

 15年前に訪問してから、ここは私の障がい者福祉政策の原点になりました。今回は、別府ONSENアカデミア全国温泉会議への出席が目的でしたが、何としても太陽の家の現状を直接確認したくて、温泉会議に向かう途中に立ち寄りました。突然の訪問でしたが、事務局長の宮原実乃さん、総務課長の服部直充さんに対応をいただきました。ありがとうございました。私の「15年前と現在と、太陽の家は何が変わりましたか」との質問は、実は少し意地悪な投げかけだったかも知れません。経済状況の変化で共同出資企業、例えばオムロンやソニー、ホンダやデンソー、三菱商事、富士通などが、例えば太陽の家から工場を移転したり廃止したりを行って、障がい者の雇用力が低下していないか…、そんな心配があったからです。でも、宮原事務局長のお話しに、逆に感動を覚えました。「15年前と今を比べると、ここで生活をしている人は少し減って(自立が進んだ)、働いている人は少し増えた(認識が拡大した)と思います。国の障がい者の自立支援制度も国民の意識自体も、15年前に比べたら改善が進んでいますから」と。本当です。

 アポなしの訪問と失礼な質問を恥じながら、それでも何だか嬉しくなりました。重ねて感謝を申し上げます。ありがとうございました。
※太陽の家を創設した中村裕博士は、障がい者スポーツの振興にも熱心に取組み、パラリンピック競技大会の父とも言われています。
※写真は太陽の家HPなどから。

2019年11月7日木曜日

秋田なまりの英語を話してください


 夕方、秋田・タイ王国友好協会総会に出席。特別講演で登壇した明石康さん(元国連事務次長)は、「秋田なまりの英語を話してください」と…。

 明石さんは、「国際交流はお互いを理解することが何より大事で、その重要な要素が会話です。英語は世界の共通語ですが、例えばシンガポールなまりの英語が有名なように、それぞれのお国なまりの英語で良いのです。言葉を正確に伝えることは大事です。しかし語彙や文法など、会話はそれだけで成立するものではありません。私も秋田なまりの英語です。皆さん秋田なまりの英語を話してください。むしろ文化を感じることができて、そんな姿が望ましい場面もあるのです」と。

 紛争解決に世界で活躍した明石康さん。その重要な交渉が秋田なまりの英語だったと聞いて、何だか嬉しくなりました。

2019年11月4日月曜日

山谷初男さん



 「あれ市長、今日は何よ」と、よく町内で声をかけてくれました。誰にでもそんな風に接していたんだと思います。市民には近すぎて特別な存在ではありません。でも間違いなく昭和~平成の日本演劇界を代表する俳優でした。

 角館高校の大先輩とは言うものの、テレビや映画に出る人は遠い存在です。それが、角館に「はっぽん館」(住居と芝居小屋を兼用)ができたとき、照明係がいないからと、その助手に連れて行かれて…。そこで初めて山谷初男さんとお話しが叶いました。仙北訛りが気持ちよいと思ったのは、たぶん初めてだったと思います。それからお目にかかる度にお声かけをいただきました。写真は平成26年10月の「もうひとつの国文祭in角館」で、地唄を披露している様子です。こんなに盛り上がった酒席は、後にも先にも経験がありません。

 山谷初男さんから、多くの作品と多くの思い出をいただきました。ご冥福を心からお祈り申し上げます。

2019年11月3日日曜日

力を合わせて新たな力を産み出す



 「30年前のちょうど今頃、私は京都にいました。紅葉を楽しむ旅だったのですが、しかし旅館のテレビに釘付けでした。まさにベルリンの壁が崩れようとしていました」。こんなお話しから佐々木毅さんの講演が始まりました。

 美郷町合併15周年事業の「記念講演・令和時代を生きる」で、登壇した佐々木毅さん(美郷町出身:元東京大学総長)のお話しは、さらに次のように続きます。「~あの時、世界はこれで冷戦が終わって、世界が一つになる、民主主義の世界が開けると思ったに違いありません。しかし30年が経った現在、今度はあの時と反対に壁を作るという人が出てきて(トランプ米国大統領)、経済や移民対策で世界の秩序が崩れました。これを先進国の恐怖という人もいるくらいです。もともと日本はその多くの仕組みを欧米から学んできました。議会制度はイギリスからの導入です。でも今はイギリス議会に学べと、それを学生に言える状況ではありません(イギリスのEU離脱と議会の混乱)。日本の政治や社会は、もう少しステップを上げたレベルの勉強が必要です。市民も努力して、行政の政策を応援する、力を合わせ、今までの力とは違う新たな力を産み出すことです~」。

 一言一言が身にしみる講演会でした。ありがとうございました。美郷町15周年と佐々木毅さんの文化勲章受賞、本当におめでとうございます。

2019年11月1日金曜日

椎名其二(しいなそのじ)さんの生涯



 椎名其二さんは、ファーブル昆虫記の翻訳者で角館のご出身です。青年時代に日本を飛び出し、欧米で自分の生き道を探し続けました。その生涯を豊富な資料で紹介する「椎名其二展」を開催中です。新潮社記念文学館をお訪ねください。


 椎名さんは明治20年、当時の角館町田町に生まれました。秋田中学から慶応に進み、その後は早稲田大学に入学するも中退。アメリカのミズリー州立大学で新聞学科に学び、各地で新聞記者生活を過ごした後、農業を志してフランスへ。帰国時にはマリー夫人と長男が一緒で、角館のご実家では、夫人や一家が過ごしやすいよう洋館をつくった話が伝わっています。その後は上京し、早稲田大学で教鞭を執りながら、大杉栄の後を受けてファーブル昆虫記を翻訳しました。昭和2年、再びフランスに渡り、戦時中はレジスタンス活動に加わった記録もあります。終戦後、製本業を営み多くの文化人と交流し、74歳のときパリで亡くなりました。今回の展示は福屋靖子さん、福井和世さん、相澤マキさん、ほか多くの機関のご協力で開催が叶いました。ありがとうございました。


『新潮社記念文学館~椎名其二展~』
●期 間 10月29日~4月3日
●場 所 仙北市角館・新潮社記念文学館
●観覧料 大人(高校生以上)300円
     小・中学生150円
     仙北市民は無料
※お問合せは0187-43-3333まで。