2015年12月28日月曜日

ドローン教室で活用アイディアを具現化

12月26日、小学生5~6年生を対象に「ロボット・プログラミング教室」が開催されました。場所は角館交流センターです。主催は外資系コンサルティング会社のアクセンチュア(都内)とNPO法人CANVAS。仙北市が日本初のドローン特区に指定された直後からご連絡をいただき、会社の社会貢献活動としてご来市いただきました。本当にありがとうございました。

 ドローンは市販されているので、最近はそれほど珍しい存在ではなくなっています。でもその飛行プログラムの作成から…となると、これはなかなかできない経験です。今回の教室では、参加11人の子ども達を3班に分け、チーム活動として「社会で役立つドローンのアイディアと実際の飛行」までを行いました。各班は1日がかりの協働作業でした。

 各班が決定したテーマは「お祭り後のお掃除ドローン」「福祉現場で活躍する介護ドローン」「冬も安心な除雪ドローン」の3種類。これを他班の子ども達にプレゼンテーションするため、必要な場面の模型を作ったり、ドローンの動き方をプログラムしたり、本当に楽しそうに作業にあたっていました。

 一方でサポートをいただいた教育委員会の皆さんからは「子ども達の集中力を持続させるノウハウが素晴らしい」と、アクセンチュアの“授業構築”を高く評価。この教室をイベントで終わらせない仕掛けづくり、例えば理科教育の推進を目的に市内全校での教室開催、また開催で取り組んだドローン活用アイディアコンテストなども検討したいと話していました。

 いろんな発見のあったロボット・プログラミング教室でした。ありがとうございました。

2015年12月23日水曜日

庁舎建設特別委員会の中間報告で市議会閉会

市議会12月定例会が閉会しました。12月1日の議会初日に提案し、判断をいただいた市長・副市長の特別職給料減額案件は否決されましたが、他の案件は全て可決をいただきました。また最後に庁舎建設特別委員会(稲田修委員長)の中間報告がありました。この内容を全文お知らせします。

【庁舎建設特別委員会・中間報告】
1.はじめに
 仙北市議会では、平成31年度に着工を目標としている仙北市庁舎の建設にあたり、この事業に特化した議論が必要として、平成27年6月30日に庁舎建設特別委員会を設置した。

2.庁舎整備基本構想の概要
 平成27年6月に提示された仙北市庁舎整備構想によると、本庁舎として角館総合病院管理等を利活用し、田沢湖庁舎と西木庁舎とをそれぞれ総合支所とする構想で、総事業費27億円の事業である。
 現在の分庁舎方式は、全ての部署、職員を1つの庁舎に収容しきれないと言う物理的な問題があった。しかしこの分庁舎方式には、防災上の機能や事務の効率化で問題があり、全般的な市民サービスの向上を妨げる様々な課題が指摘されていた。

3.議論の視点
 庁舎整備基本構想に掲げる、庁舎のあるべき姿を中心に協議したところ、これからますます加速化する人口減少と、極めて逼迫する財政事情を見据えながらも、市民サービスの維持・向上のために、「統合庁舎の必要性」は確認された。何よりも、早急に統合庁舎の建設候補地にかかる議論を優先することを確認し、本委員会として全会一致での結論を目標として、議論を進めることに決定した。

4.統合庁舎建設候補地について
 これまでの各委員の意見を集約すると、庁舎整備基本構想に掲げる「角館総合病院管理等」を活用する整備方針、所謂「原案」に賛成する意見と、かつて“みんなの庁舎検討委員会”が提案した国道46号、国道105号の交点付近である「羽根ヶ台周辺」を尊重すべきと言う意見に2分化されている。
 本特別委員会では、議会の下審査機関としての責務から、最大限の議論を尽くし、統合庁舎を実現するために、全会一致の結論を目標に議論してきたが、未だ一本化には至っていない。
 しかし、11回にわたる本特別委員会の議論では、それぞれに建設候補地として相応しいと主張する委員が、歩み寄った候補地として「角館駅前周辺」と言う意見が確認された。もとより「角館駅前周辺」は、原案よりも良い場所としての上方修正的に提案されたものである。
 そのメリットとしては、駅前という立地から、人口減少・職員減少に伴い、「将来の空きスペースが生じた際の利活用の可能性」や、「駐車場を利用したイベント等のPR効果」、「内陸線やJR等の公共交通の利便性」で優れていること等が挙げられている。
 他方、用地確保の見通しや買収価格など、不確実な要素・課題もあり、総事業費のかかり増しとなることとが、デメリットとして挙げられる。
 本特別委員会では、現時点での歩み寄り案である「角館駅前周辺」を、さらに精度を高めて検討すべきと言う多数意見であるが、危機的な財政事情も考慮しながら、早急に上記の不確定要素を明確化する必要性があることから、当局には調査協力を求めるものである。 統合庁舎を実現するために、最大限の努力を惜しまず、一本化に向けた絞り込みを行うため、今後のタイムスケジュールを年頭に、引き続きより慎重な議論を重ねる必要がある。 

 この中間報告を受け、自分は閉会のあいさつの中で、次のようにお話しをしました。
~議会では庁舎建設特別委員会を設置し、これまで11回にわたる集中議論をいただきました。誠にありがとうございます。また先ほどは委員長から中間報告がなされましたが、統合庁舎問題は合併以降10年にわたる懸案事項です。しかし時間的制約から今すでに待ったなしの状況と認識をしています。今回の中間報告で、求めのあった不確定要素の調査については、全力でこれにあたります。議会の皆様には、最も望ましい統合庁舎像への議論の一本化と、その実現に向け、今後ともよろしくお願いを申し上げます~。

2015年12月21日月曜日

スターウォーズとともに

スターウォーズ・エピソードⅦ「フォースの覚醒」を観ました。全体的なムードはエピソードⅣ「新たなる希望」がベースかなと。単純な分析で叱られそうですが、ルーク・スカイウォーカー役をレイが、ダース・ベイダー役をカイロ・レンが演じ、「…そして歴史は繰り返される」のメッセージを感じます。

 1977年にシリーズが始まりました。自分は高校生でした。当時はその年齢もあって、「自分は何か大きな力の導きで、存分に思い描く夢を実現できるはず」みたいな妙な自信がありました。宇宙を飛び回るルーク・スカイウォーカーに自分自身を投影していたのかも知れません。運命に飲み込まれながらも、強く生きていく、そんな姿が魅力でした。
 映画では、フォースの存在自体を否定していたハン・ソロ船長は、当初は宇宙の無法者でした。レイア・オーガナ姫は、鼻っぱしの強い美しい女性でした。そして今回のエピソードⅦにも二人は登場し、とても重要な役割を演じています。二人は(映画のストーリーの中で)相応の年を重ね、苦悩の毎日を暮らしたのです。しかしファースト・オーダーとの戦いは続いています。

 若かった二人にも、実生活で約40年の時間が過ぎました。活劇俳優(失礼かな)でメジャーになったキャリー・フィッシャーもハリソン・フォードも年老いたわけです。自分もです。
 これまでの40年間、新しいエピソードの発表を心待ちに、自分の時間は経過しました。あの当時に思い描いた人生を、自分は歩んでいるかな、それとも…。そんな思いが先に立ったのか、ストーリー展開に感動したのか、どちらにしても涙が流れっぱなしの2時間16分でした。

地方創生・近未来特区の果実に挑む

先週の18日、都内で国際交流推進団体の代表者や内閣府の方々と、今後の特区の取り組みについて協議を行いました。温泉を活用した国際ヘルスツーリズムの推進では、外国人医師の招へいも視野に入れて作業を進めてきましたが、未だその確保が叶っていません。

 これまでは、台湾の医師個人との情報共有に留まっていましたが、今後は安定的に事業を継続するための仕掛けづくりを行い、仙北市と先方の医療機関、または政府間調整の段階に入ったと感じました。本当に多くの皆さんのご協力が不可欠です。

 翌19日は、愛知県内のドローンメーカーを訪ね、仙北市内での実証実験についてご相談しました。現状では今月26日、東京都内の民間企業が主催するドローン教室の開催、またドローン競技会を主催する団体などからご協力をいただき、近未来技術実証特区の有意性を市民の皆様に感じてもらえるような環境整備を進めることが大切です。

 写真はドローンメーカーが用意してくれた飛行視察のスナップです。このメーカーは様々な分野で既にドローンを活用した実用実績があります。素晴らしい人材と技術が集積していました。

2015年12月16日水曜日

カラ吹き源泉事故調査委員会から最終報告

昨日(12月15日)、第5回のカラ吹き源泉事故調査委員会が開催され、林信太郎委員長(写真:秋田大学教育学部教授)から、最終報告をいただきました。3月18日発生の「カラ吹き源泉事故」について、絶対に同じような痛ましい悲劇を繰り返してはいけないとの思いで、5月19日、事故原因の究明と再発防止策をご協議いただくカラ吹き源泉事故調査委員会を立ち上げ、以来、林信太郎委員長・野上健治副委員長はじめ、各委員の皆さんには、濃密な協議を重ねていただきました。心から感謝を申し上げます。

 委員会の最終報告で、事故原因は「カラ吹き源泉の温泉造成施設近くの引湯管につけられたエア抜きの塩ビ製パイプから漏れ出た硫化水素ガスが、致死量を超える高濃度で雪洞内に滞留し、そこに入った作業員がこれを吸引して亡くなったもの」としました。また事故を繰り返さないために、「現在使用しているカラ吹き源泉から、できるだけ早期に別の源泉に切り替えること」とのご指摘を受けました。

 この報告をいただき、自分は「先ず、改めてお亡くなりになった3名の皆様のご冥福を心からお祈りいたします。これまで40年にわたって旧田沢湖・仙北市の温泉事業を支えてきたカラ吹き源泉ですが、その老朽化は著しく、以前より抜本的な改善が求められていました。また長い年月の中で、当然対応していなければならなかった安全対策が希薄化していたこともありました。ご指摘のあった安全対策のマニュアルの策定、また委員会で至急改善を求められたばっ気装置の設置、引湯管の逆勾配の改善、基本となる各種測定の継続など、一つ一つの課題に取り組みながら本日を迎えたと思っています。今後は、委員会の報告を最大重視し、議会にご理解をいただいた上で、新源泉からの引湯(既に水沢源泉に切り替えの諸準備が進んでいます)を実現し、事故原因となったカラ吹き源泉に頼らない温泉経営を継続します。新源泉への切り替えが終了するまでの1年間は、特に安全対策に万全を期します。温泉関係者の皆さんにもご協力をいただきたいと思います。またこの新源泉への切り替えでも、カラ吹き源泉からの引湯が必要な2つの施設については、この1年間で安全な温泉供給の手法を具体化します」と、お答えしました。

 亡くなられた坂本栄さん、羽根川次吉さん、柴田政文さんを絶対に忘れません。

新たに中尾彬さん・池波志乃さんご夫妻を観光大使に

12月14日の夜、都内赤坂にあるレストラン・グランビアを会場に、「中尾彬さん池波志乃さんご夫妻・仙北市観光大使委嘱状交付式」を行いました。グランビアを経営する金子社長は、田沢湖高原に生ハム工房を持っていて、食通のご夫妻はこの生ハムの大ファンです。そんな関係で夏に開催した地方創生シンポジウム(会場:角館交流センター)にも、金子社長やご夫妻がパネリストとして参加しています。このシンポジウムで、コーデイネート役をお引き受けいただいた慶應義塾大学教授の岸博幸さんから、「このお二人に観光大使をお願いしてはどうか」と言う提案をいただいていました。

 さて写真で分かるとおり、観光大使委嘱状の交付は野外の通りに面したレストラン軒先です。通りを歩く皆さんにも応援をいただき、にぎやかな交付式になりました。中尾さんはテレビ朝日の取材に「観光大使に選んでいただいてとても光栄です。仙北市は東北の田舎ではなく、艶や雅を感じます。寒い仙北も暑い仙北も、どれも魅力的です。これからも通い続けます」と、また池波さんは「東京生まれの東京育ちで、外に親戚もなく、仙北市は第二の故郷です。たくさんの皆さんに、もっともっと仙北市をピーアールします」とお話しくださいました。

 それにしても、お話を聞くにつれ、お二人は深くて魅力的な方々です。テレビで観ない日がないほどご活躍の二人ですが、強力な方々に観光大使をお引き受けいただきました。どうかこれからもよろしくお願いします。
※お土産に持って行った田沢ナガイモを見て、その立派さにお二人ともビックリしていました。いえいえ、食べたらもっとビックリしますよ。

政策シンポ「地方創生と外国人」で

12月14日、東京タワースターゲイトを会場に、政策シンポジウム「テーマ:地方創生と外国人」に出席しました。温泉と医療の連結を進めるため、外国人医師の招へいも可能とした地方創生特区の取り組みをご紹介し、今後は特に地方の外国人雇用、農林業や介護の分野も含め、担い手の確保が必要とお話しをしました。

 パネリストは、元経済企画庁長官の堺屋太一さん、モルガン・スタンレーMUFG証券のロバート・フェルドマンさん、そして自分です(写真)。またビデオメッセージでは、大潟村の高橋村長や、愛知県の大村知事も、農業や製造業での外国人就業者の必要性を訴えていました。

 仙北市の特区は、臨床修練制度の規制緩和で必要な外国人医師の就業を認めていただきましたが、未だ具体的な外国人医師の確保には至っていません。シンポジウムに入る前に、世界の医療界事情に詳しい方々との面談も行い、外交ルートでの対応も検討する必要を痛感しました。

 お隣の韓国は、2003年に外国人就業者法を改正し積極的な受け入れ政策を展開しています。日本では人口減少対策として、子育て支援の充実や女性の社会進出を進める方針ですが、仮にこれら政策が有効に作用しても、もう20年たたないと生産人口を拡大することができない計算です。果たしてそれまで国力を維持できるかどうか疑問です。老齢大国に突入している日本ですが、経済活動を活性化するには若年就業者の確保が必要で、特に地方はもう限界なのではないかと思っています。

2015年12月9日水曜日

12月定例市議会市政報告⑦

■温泉と病院関連
◇新たな源泉の確保対策について
  以前から塚本總業(株)と協議を重ねてきた水沢源泉の活用については、田沢湖高原温泉郷への温泉水安定供給にかかる合意書に基づき、新しい水沢源泉から新分湯槽までの引湯工事が進められています。また、市で当初予算に計上しお認めをいただいた新分湯槽から高原地区の分湯槽までの引湯工事の調査と実施設計業務委託は、先ごろ終了し工事費が確定しました。
  これを受け、本定例会に水沢源泉から田沢湖高原までの工事費に係る補正予算を計上しています。事業内容は水沢新分湯槽から田沢湖スキー場を横断し、田沢湖高原の山麓分湯槽まで温泉管を一定勾配で布設するもので、口径100mmの引湯管2,891m、口径75mmの引湯管が458m、合計で3,349mの管延長です。なお、引湯管は保温性、耐水性に優れた温泉管を使用することにしています。
 総事業費は2億6,691万4千円で、事業年度は本年度と平成28年度の2ヶ年継続です。来年の12月までには水沢温泉から供給できるよう工事を進めます。

◇市立角館総合病院改築事業について
 市立角館総合病院改築事業の工事進捗状況を報告します。本体工事は1階の床及び柱の工事を進めていて、進捗率は11月末現在で25パーセントです。外構工事は本体工事工程との関係から本体工事隣接部分及び作業道を残し清算しました。残工事については、本体工事の進捗状況に合わせ、適時に発注します。
※写真は医療のイメージカット

12月定例市議会市政報告⑥

■建設部関連
◇角館駅東西自由通路整備事業の一時中止について
 角館駅東西自由通路整備事業は、その事業財源と想定していた社会資本総合整備交付金の配分条件やボリュームなどから、市で別に計画している内川橋改修事業との実施年度の調整が必要となっていました。多面的に検討を重ね、市民の安全確保を最優先で実現することが重要と考え、内川橋改修事業の先行実施を判断しました。従って角館駅東西自由通路整備事業は、内川橋の改修が完成するまで一時中止となることをご理解いただきたくお願いします。
 この一時中止について、JR秋田支社と協議を行い、内川橋の改修事業が完了した後に、速やかに市の発議で再開する旨の覚書の締結を条件に了承いただき、11月5日付けで覚書を締結しました。

◇道路整備促進フォーラムの開催について
 10月19日、「国道46号地域高規格道路整備促進フォーラム」を仙北市で、また10月21日、「地域高規格道路大曲・鷹巣道路整備促進フォーラム」を北秋田市で開催しました。両フォーラムとも商工会、観光連盟、草峠地区期成同盟会、秋田県、同盟会会員など多数の皆様に出席をいただき盛会に終えることができました。
 「国道46号地域高規格道路整備促進フォーラム」では、国土交通省秋田河川国道事務所所長の渡邊政義さんによる情報提供、料理研究家の木元千恵子さんによる基調講演、意見発表などで早期の整備着手を働きかけていくことを確認しました。本同盟会は、平成28年度からは同国道起点である盛岡市から終点の秋田市まで、沿線全市町による新同盟会を設立する予定です。
 また、「地域高規格道路大曲・鷹巣道路整備促進フォーラム」では、秋田大学北秋田分校長の濱田純さんによる基調講演、「秋田のど真ん中を貫く」をテーマとしたパネルディスカッションなどで早期の整備着手を働きかけていくことを確認しました。
 同フォーラムを踏まえ、11月19日には東北地方整備局、11月20日には国土交通省・財務省・地元国会議員などへの要望活動を実施しました。

◇東北都市景観協議会の開催について
 都市景観に関する施策を推進する東北の各市町村が集い、情報交換を図ることを目的に、10月29日から30日の両日、たざわ湖芸術村で東北都市景観協議会を開催しました。
 協議会には21の市町村、国土交通省東北地方整備局、青森県・宮城県・秋田県の担当者など、総勢48人に参加をいただきました。冒頭、国土交通省都市局 公園緑地・景観課 景観企画係長の古木治郎さんから、「景観まちづくりの最近の取組み」についての話題提供、弘前大学教授の北原啓司さんによる講演などが行われ、景観づくりについて考える有意義な会議でした。
 仙北市では、来年1月1日から景観条例を施行します。国や県、会員自治体と連携し、良好な景観づくりの推進に鋭意努力します。
※写真は国道46号の期成同盟会主催フォーラム(樺細工伝承館)

12月定例市議会市政報告⑤

■農林部関連
◇経営所得安定対策について
 今年の秋田県産水稲生育状況は、103のやや良でしたが、夏以降に降雨が多く、天候不順の日々が続き、収穫作業に苦労された生産者が多かったと感じています。
 なお、経営所得安定対策で、取り組んだ農家に対する米の直接支払交付金10アールあたり7,500円で約1億8,370万円(昨年は約1億9,800万円)は、昨日の11月30日、国から各金融機関口座に入金済みです。また、産地交付金等転作に係わる部分の水田活用の直接支払交付金約6億910万円(昨年は約5億380万円)は、今月末に支払われる見込みです。

◇TPP対策について
 農林水産分野におけるTPP交渉の大筋合意概要等は、農林水産省のホームページや新聞等のマスコミ報道の範囲内の情報しか持ち合わせていないのが現状です。
 年内に、国の説明会が開催される情報もあり、即時対応できるよう準備を進めています。
 また、今後予想される補正予算を伴う各種事業実施について、議会の皆様と情報を共有しながら進めることが重要と考えています。特段のご理解とご協力をお願いします。

◇太平物産(株)製造肥料問題について
 秋田市の肥料メーカー・太平物産が、表示と異なる原料や配分割合で肥料を販売していた事件が発覚しました。これは生産者や消費者の信頼を著しく損なう許し難い行為で、大きな憤りを感じています。この事件による影響が市内でも出ています。
 太平物産の製造肥料783銘柄のうち、県内で使用されているものは129銘柄、うち秋田おばこ農協管内で使用されているものが67銘柄で、これらが仙北市内でも使用されていることが分かりました。また、田沢湖支店管内の有機米研究グループ(29人)が、59ヘクタールで作付けした特別栽培米は、全農を介し4,500俵出荷していますが、千葉県・静岡県・東京都からの返品を確認しています。同じく田沢湖支店管内の1経営体(99アール分)については、大阪府への出荷を確認しています。こちらについては返品があったかどうかは確認できていません。
 角館・西木支店管内では、特別栽培米の出荷がないことから、直接の影響はないようです。
  全農は、秋田おばこ農協から出荷された米については、販売差額や特別栽培加算金は全て補償すると明言し、同社の肥料を回収し、代替品の供給を行っている状況です。
 国の「環境保全型農業直接支払交付金事業」も関連があります。この事業は、農薬と化学肥料の使用量を半分以下に抑え、地球温暖化防止や生物の多様性保全に効果の高い取組に対して、国が2分の1、県・市がそれぞれ4分の1ずつを分担して、10アールあたり8千円を交付する制度です。
 先般の新聞報道では、県内70人が取り組み、当該肥料の使用により事業要件を満たさなくなる恐れがあるとの内容でした。市内では11経営体(25.57ヘクタール)が取り組み中です。
今後は肥料の分析結果を踏まえ、県や関係機関等と連絡を密にしながら、農家の不利益にならないよう対応します。議会の特段のご理解をお願いします。

◇薬草産地推進事業について
 市内で栽培されている薬用作物は、現在、収穫・調製中ですが、生育は実験ほ場も含め概ね昨年に比べ良好で、昨年以上の収量を得られる見込みです。
 また、仙北市薬草生産組合が農林水産省の薬用作物等産地確立支援事業で導入した収穫管理機械を利用した結果、大幅な収穫時間短縮と労力の負担軽減が立証されました。今後は薬草を複合経営に取り入れ産地化形成が進むものと、大きな期待を寄せています。
※写真は農産物直売所・陽気な母さんの店(大館市)

2015年12月4日金曜日

12月定例市議会市政報告④

■観光光商工
◇第43回角館町樺細工伝統工芸展の開催について
 伝統と技術の研鑽、その評価と一層の振興を目指し、10月18日から25日まで、第43回角館町樺細工伝統工芸展を開催しました。会場は樺細工伝承館です。今年は「宇宙」がテーマで、伝統的工芸品の部に15作品、また一般品の部に36作品の出展がありました。伝統的工芸品の部では、最高賞の秋田県知事賞に、福井正人さん(角館町川原町在住)の作品「茶筒」が輝いています。
 また、本年度4回目となる「樺細工デザインコンペ」も10月に実施され、全国から22点の応募がありました。工芸展では全ての応募デザインの展示もあわせて行いました。角館町樺細工振興育成協会では、応募デザインからアイディアをいただき、新たな商品の開発に結びつけたいとしています。

◇山の楽市の開催について
 11月12日から14日までの3日間、横浜市の相模鉄道二俣川駅構内特設会場で、仙北市の観光と物産展「山の楽市」を開催しました。仙北市として11回目の開催となった今回、市内の19事業者が出展し、首都圏在住のふるさとサポーターの皆様のご協力もいただきながら、新米のあきたこまちや直送した秋の味覚の数々を販売し、昨年を上回る実績を上げることができました。
 また、開催中は秋田おばこの手踊りやナマハゲなどが会場を賑わし、仙北市の観光と物産をアピールしました。相模鉄道株式会社様には格別なご配慮をいただき、深く感謝を申し上げます。
 ところで、今後は横浜市街地再開発事業で二俣川駅構内も工事に入ることから、これまでの特設会場での開催が困難となります。来年度以降の開催については、現在、相模鉄道本社並びに駅ビル管理会社と協議を進めています。

◇台北市高校生の仙北市訪問について
 10月25日からの5日間、台湾政府機関・台北市教育局主催の台湾商業デザイン実習、及び文化見学団20人が仙北市内で実技研修を行いました。一行は市内農家民宿や宿泊施設に滞在し、市内観光地や滞在する農家民宿の中国圏向けPRツールを作成しましたが、これら作品は台湾国内での発表が終わった後、市で活用できることになっています。

◇農ガールin仙北について
 11月7日と8日の両日、仙北市農山村体験推進協議会が主催して「農ガールin仙北」を実施しました。首都圏の女性に農山村や農業の魅力を味わってもらい、その後の誘客につなげるための取り組みです。
 ツアーには11人の女性が参加し、農家民宿に宿泊して農業体験をしたり、抱返り渓谷を散策したり、市内で頑張る農業者女性らとの意見交換を行ったり、いぶりガッコ作りも体験をしました。
 今後も引き続き、都市旅行者の需要喚起へ向けた活動を支援したいと考えています。

◇仙北産そばの振興について
 9月24日、角館交流センターで「新そばを味わう会」を開催しました。10月1日から12月30日までの間、遊楽3トピアそば会議が主催する「第6回新そばまつり」の応援事業で、そば愛好者の皆様に新そばをいち早く味わってもらおうと、今年初めて開催したものです。市内外から52人の方々に参加をいただきましたが、新蕎麦の風味はもちろん、市内そば打ち職人のレベルの高さを実感しました。本当に素晴らしいそばだったと好評でした。
 この「新そばまつり」の期間中、スタンプラリーやそば打ち講座を行うほか、東京の秋田県産品ショップ「あきた美彩館」で、「第3回そばの郷仙北市そばタベクラーベの会」も開催します。これらの活動を通じ、仙北市産そばの作付け振興とアピール、および認知度向上に取り組みます。

◇外国人観光客の市内宿泊者数の動向について
 全国的に外国人観光客数の増加傾向が続いています。政府では2020年までに2,000万人としている目標数値を上方修正する動きです。仙北市を訪れる、また市内に宿泊する外国人観光客数も増加していて、観光客数全体への下支え要因となっています。
 今年1月から9月の外国人観光客の宿泊者数速報値は、14,423人で、前年同時期実績7,071人から倍増しています。市では今年目標を期待値も込めて20,000人程度と見込んでいましたが、既に昨年一年間の外国人宿泊者数14,000人を上回っていることから、2万人の目標は達成できそうです。これは平成22年にアイリス効果による韓国人を中心とした24,000人を記録して以来の宿泊者数です。宿泊施設によっては、10月の外国人観光客が全体の3割を超えている施設もあると伺っています。
 国別では台湾からの観光客が最も多く、約8,500人となっています。これまでのアジア戦略が実を結びつつあることを嬉しく思っています。また伸び率では、タイからの観光客が大きく増加している状況です。これは昨年から県と共同で進めているタイ観光客の誘客策が功を奏している結果と考えています。来年度はさらに実績を上げることができるよう、戦略を強化します。

◇地方創生先行型上乗せ交付金を活用したインバウンド施策の実施について
 10月に、インバウンド誘客促進事業(地方創生先行型)上乗せ交付金の交付決定がありました。市から申請した内容は、外国人への仙北市の魅力や観光情報をダイレクトに届けるセールスプロモーションを展開し、市内への滞在日数の増加を目指して体験メニューの展開を図ろうとする事業です。補正予算に計上しましたので、よろしくご審議をお願いします。
※写真は台湾との国際交流お茶会

12月定例市議会市政報告③

■総務部関連
◇定住対策推進室関係事業の進捗について
 仙北市空き家情報バンクの利用状況について報告します。
 現在の登録軒数は15軒で、現在までの成約件数は7件です。移住者人数は、二地域居住の5人を含め17人です。内訳は県外移住2人、県内4人、市内6人、首都圏との二地域居住が5人です。平成21年以降で最も多い実績ですが、さらに現在も空き家バンクへの新規登録や物件の内覧要望があることから、一人でも多くの移住を実現するため、空き家の掘り起こしや制度のPRに努めます。

◇地方創生先行型交付金事業の進捗について
 「地方版人口ビジョン・総合戦略」の策定については、第1回目の策定委員会を9月18日、第2回目を10月13日、第3回目を11月10日に開催しています。市議会特別委員会も開催され、委員の皆様から多くの提案、提言などをいただきました。現在、人口ビジョンは将来目標とする人口や進むべき方向性が定まり、これを基に総合戦略の策定を進めています。さらに議会特別委員会等のご意見を盛り込み、調整作業の後にパブリックコメントを行います。
 定住対策新婚世帯家賃助成事業は、申請が現在13件で、助成総額も200万円を超え、目標件数の達成が見えてきました。

◇地域おこし協力隊について
 1人の方が田沢出張所を活動拠点に、田沢地区の全戸訪問活動など活発な活動を行っています。加えて先ごろ2次募集を行い、1人の協力隊員を採用しました。本日から着任しています。西木地区の空き家に入居し、西木庁舎を拠点に地域おこし活動を開始します。 元気ある隊員の活動が地域を刺激し、新たなムーブメントが生まれることを期待しています。

◇新地方公会計の導入及び公共施設等総合管理計画の策定支援業務委託について
 本業務の委託業者を決定する手法として、様々な角度からの比較検討が必要だと考え、選定はプロポーザル方式としました。
 プロポーザル参加資格は、競争入札参加資格者名簿に登録されている者の中から、これまで業務受託の意向を示していた4者を指名し、このうち2者から提案書の提出がありました。
 11月18日、委託候補者選定委員会を開催し、提案書並びにプレゼンテーションによる評価を行った結果、「株式会社ぎょうせい東北支社」を委託候補者と決定し、今後は同業者と履行期限を平成30年3月31日とする業務委託契約を締結する予定です。

◇平成27年全国防犯功労受章者について
 9月24日、平成27年全国地域安全運動中央大会で、仙北市防犯協会会長の坂本邦夫さんが、防犯栄誉金章を受賞されました。
 坂本さんは、児童の登下校時の見守りやパトロールを行う「たざわ湖防犯巡回隊」の結成、また高齢者の安否確認など総合的な防犯巡回隊活動を行い、「安全な地域づくり」の先進的モデルケースとして注目を浴びています。
 皆様の活動に深く感謝し、心からお祝いを申し上げます。

◇きのこ採り遭難事案について
 10月4日、田沢湖刺巻地内の山林に、きのこ採りに出かけた3人が帰宅しないと家族から警察署へ通報がありました。消防団・消防署・警察署員で捜索体制を整えましたが、翌朝、夏瀬ダム付近へ自力下山した遭難者を無事に保護できました。
 また、10月30日、西木町桧木内地内の山林に、ワサビ採りに出かけたまま帰宅しないと家族から警察署へ通報がありました。明朝、市・消防署・警察署・消防団員で捜索したところ、入山地点付近で遭難者を発見、しかし残念ながら死亡が確認されました。

◇火災の発生について
 10月23日、角館町小勝田地内で雑木及び下草(756平方メートル)を焼損する林野火災が発生しました。原因はゴミ焼きの火が燃え広がったものと推定されます。
 また、10月24日、田沢湖生保内地内で専用住宅の一部床と壁(3.18平方メートル)を焼損する火災が発生しました。原因は、FF式ストーブの吹き出し口に接する状態で置かれていたバックに気づかず、ストーブを点火したことが原因とみられています。
 さらに、11月6日と11月7日、連続してイブリ大根作業小屋を焼失する火災が発生しました。どちらもイブリ大根製作中の火災でした。1人の方が、軽いやけどを負い病院へ搬送されています。

◇仙北市交通安全市民大会について
 11月28日、角館樺細工伝承館で「平成27年度交通安全市民大会」を開催しました。交通安全功労者表彰では、長年交通安全にご尽力をいただいた4人・1団体の皆様を表彰しました。また、大会では講話や意見発表、交通安全実践指導の寸劇を行い、「飲酒運転撲滅・無謀運転撲滅・交通弱者への配慮・交通教育」の4つを大会宣言としました。
※写真は交通安全市民大会での県警の皆さんの寸劇

2015年12月3日木曜日

12月定例市議会市政報告②

■総務部関連
◇総合教育会議の開催について
 総合教育会議の3回目の会議を11月24日に開催し、中央公民館の整備、スポーツ振興対策、学校再編に加え、教育大綱について協議しました。
 中央公民館に求められる役割と機能について、また総合的なスポーツ振興対策の具体的な必要性と効果等について協議、積極的に推進することを確認しました。
 学校再編については、生徒数等の推移予測が示され、来年度に保護者、地域の学校教育についてのアンケート等も含め、子供達にとって最も良い方策について議論を進めていきます。教育大綱については、第2次仙北市総合計画に「個性豊かな心を育むまち」として盛り込むこととして、具体的な内容を教育委員会として提案いただくこととしました。

◇地方創生特区について
 地方創生特区では、現在3つの事業計画を区域会議に提案し、大臣の認定を受けています。1つ目は、国有林野の管理経営に関する法律の特例で、貸付等の面積が5ヘクタールから10ヘクタールに拡大されたことにより、有限会社グランビアが10ヘクタールの国有林野を使用して、加工用果樹やハーブ栽培、併せて行う放牧農場から生産される食肉の加工施設、製品の販売やレストランの経営などを行う農園事業を、平成28年4月から進めるというものです。2つ目は、農業生産法人に係る農地法等の特例で、役員要件における60日以上の農業従事者数が一人以上という特例を活用し、株式会社メディカルファーム仙北が農業生産法人となり、休耕地等を活用したハーブ、薬草、健康食品用作物などを栽培し、加工食品、アロマ製品、機能性食品の加工・販売を行うというものです。3つ目は、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の特例で、農業分野の派遣事業について週20時間の就業制限が週40時間まで可能となったことを活用し、公益社団法人秋田県シルバー人材センター連合会が市内で派遣事業を行うものです。現在、事業の開始に向けて準備が進められています。
 また、去る10月26日と27日の2日間、兵庫県養父市を視察しました。対応をいただいた広瀬市長、また事業主体の代表者や担当の市職員の皆様に感謝を申し上げます。どの事業も現状を憂うだけではなく、改善に身を投じる主体者が存在し、その挑戦する姿を見て、周囲に応援隊の輪が広がり、未来を拓くうねりに拡大するという構図ができていました。
 特区で地域を変えることができるかどうか、それは私を含め市役所職員のやる気や本気度に加え、半歩でも一歩でも現状から前に進もうという情熱ある人材の確保が何より重要で、さらに、それを周囲が応援する意識の醸成が不可欠と強く感じました。
※写真右は広瀬・養父市長

12月定例市議会市政報告①

12月市議会での市政報告です。これまでブログアップしている項目は省略します。

■補正予算・来年度当初予算について
 次に一般会計補正予算についてです。
 補正額は1億6,976万1千円で、補正後の額は193億6,661万1千円となります。主な事業は、ふるさと納税ふるさと便事業費、ふるさと仙北応援基金積立金、臨時福祉給付金給付事業費、障害者自立支援給付費、母子生活支援施設等入所措置負担金、生活保護費、インバウンド誘客促進事業費、温泉事業会計補助金、一般教育振興総務費等です。

 次に平成28年度の財政見通しについてです。
 総務省の平成28年度概算要求では、地方交付税は平成27年度予算額の2パーセント減に留めるとしていますが、地方財政計画が示されるまでは楽観視できない状況です。
 市では、今年度で地方交付税の合併算定替期間が終了し、平成28年度から段階的に交付金が一本算定に移行されます。市の財政運営に大きな影響を与えることは確実です。歳出面では職員の削減による人件費の減少、普通建設事業抑制による公債費の縮減はありますが、物件費や社会保障費の増加は間違いありません。
 一方で、平成28年度は次期総合計画や仙北市版総合戦略の初年度にあたります。今後10年を見据えた市民と協働のまちづくり、資源の高度活用で地方創生を実現するために、当初予算で重点配分したいと考えています。そのためには自主財源の確保に最大努力を重ね、併せて現行事務事業の再検証、ゼロベースでの見直し、縮小・廃止も視野に入れ、徹底的なコスト削減を行います。
※写真は中部経済同友会の仙北市地方創生現地視察

2015年12月2日水曜日

市長・副市長の減給議案を提案した思い

昨日から、12月定例会がスタートしています。議会のシステムは、先ず初日に市側が提案したい内容(議案)を議会本会議(議員全員出席)でお伝えし、その後、関係する議会の各委員会に分割して附託します。ただ内容によっては初日の本会議で、議案の可否を決していただく必要があるものもあります。今回の教育委員会委員は議会の最終日前に前任期が終了することから、議員全員が揃う初日本会議で同意をいただきました。

 否決になった市長・副市長の減給議案には、初日に可決をいただきたかった思いがありました。もちろん減給だけで責任が果たせるものではありません。ただ先ず関係した職員に、既に先月25日に処分辞令を発令していました。前係長は懲戒免職処分、他は減給3人、戒告4人、訓告2人の合計10人です。全庁をあげて今回の収賄事件の根本を明らかにする作業は既に着手(職員の再配置も含めて)していますが、取り組んでいる職員の中には、当然のことながら今回処分された職員もいます。徹底した再発防止の司令塔になっている市長・副市長自身が、自らを律して職員の改革意識を鼓舞しよう、職員と一緒に問題解決に取り組む強い姿勢を示そう…。そんな風に考えての初日提案でした。残念です。

 この他の事案について、順次ご紹介します。