2015年12月9日水曜日

12月定例市議会市政報告⑤

■農林部関連
◇経営所得安定対策について
 今年の秋田県産水稲生育状況は、103のやや良でしたが、夏以降に降雨が多く、天候不順の日々が続き、収穫作業に苦労された生産者が多かったと感じています。
 なお、経営所得安定対策で、取り組んだ農家に対する米の直接支払交付金10アールあたり7,500円で約1億8,370万円(昨年は約1億9,800万円)は、昨日の11月30日、国から各金融機関口座に入金済みです。また、産地交付金等転作に係わる部分の水田活用の直接支払交付金約6億910万円(昨年は約5億380万円)は、今月末に支払われる見込みです。

◇TPP対策について
 農林水産分野におけるTPP交渉の大筋合意概要等は、農林水産省のホームページや新聞等のマスコミ報道の範囲内の情報しか持ち合わせていないのが現状です。
 年内に、国の説明会が開催される情報もあり、即時対応できるよう準備を進めています。
 また、今後予想される補正予算を伴う各種事業実施について、議会の皆様と情報を共有しながら進めることが重要と考えています。特段のご理解とご協力をお願いします。

◇太平物産(株)製造肥料問題について
 秋田市の肥料メーカー・太平物産が、表示と異なる原料や配分割合で肥料を販売していた事件が発覚しました。これは生産者や消費者の信頼を著しく損なう許し難い行為で、大きな憤りを感じています。この事件による影響が市内でも出ています。
 太平物産の製造肥料783銘柄のうち、県内で使用されているものは129銘柄、うち秋田おばこ農協管内で使用されているものが67銘柄で、これらが仙北市内でも使用されていることが分かりました。また、田沢湖支店管内の有機米研究グループ(29人)が、59ヘクタールで作付けした特別栽培米は、全農を介し4,500俵出荷していますが、千葉県・静岡県・東京都からの返品を確認しています。同じく田沢湖支店管内の1経営体(99アール分)については、大阪府への出荷を確認しています。こちらについては返品があったかどうかは確認できていません。
 角館・西木支店管内では、特別栽培米の出荷がないことから、直接の影響はないようです。
  全農は、秋田おばこ農協から出荷された米については、販売差額や特別栽培加算金は全て補償すると明言し、同社の肥料を回収し、代替品の供給を行っている状況です。
 国の「環境保全型農業直接支払交付金事業」も関連があります。この事業は、農薬と化学肥料の使用量を半分以下に抑え、地球温暖化防止や生物の多様性保全に効果の高い取組に対して、国が2分の1、県・市がそれぞれ4分の1ずつを分担して、10アールあたり8千円を交付する制度です。
 先般の新聞報道では、県内70人が取り組み、当該肥料の使用により事業要件を満たさなくなる恐れがあるとの内容でした。市内では11経営体(25.57ヘクタール)が取り組み中です。
今後は肥料の分析結果を踏まえ、県や関係機関等と連絡を密にしながら、農家の不利益にならないよう対応します。議会の特段のご理解をお願いします。

◇薬草産地推進事業について
 市内で栽培されている薬用作物は、現在、収穫・調製中ですが、生育は実験ほ場も含め概ね昨年に比べ良好で、昨年以上の収量を得られる見込みです。
 また、仙北市薬草生産組合が農林水産省の薬用作物等産地確立支援事業で導入した収穫管理機械を利用した結果、大幅な収穫時間短縮と労力の負担軽減が立証されました。今後は薬草を複合経営に取り入れ産地化形成が進むものと、大きな期待を寄せています。
※写真は農産物直売所・陽気な母さんの店(大館市)

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