2026年10月26日月曜日

雨を呼ぶ鬼の面


 角館のある古い商家に、代々大切に伝わる鬼の面がありました。ある年のこと、秋田はひどい日照りが続き、田や畑の作物は枯れる寸前でした。村人は困り果て天を仰ぐばかりで…。

 そんな時です。商家の主人が伝来の鬼の面を持ち出し、天に向けて高く掲げました。するとどうでしょう。それまでカラリと晴れていた空に黒い雲が広がり、やがて土砂降りのような雨が降り出したのです。この雨で多くの田畑の作物が救われました。村人たちは、「面にはきっと龍神の力が宿っている」と噂し、感謝したそうです。

 面はその後も何度か干ばつから村を救いましたが、商家が暖簾を下ろした後の所在は全く知れません。


2026年10月25日日曜日

妖怪展トークショーで


 旧本郷家住宅(大仙市角間川)で開催中の妖怪展。その特別企画のトークショーにお声かけをいただきました。私の師匠・戦狐先生と一緒です。あぁ楽しかった!。

 たくさんの皆さんにご来場いただき、本当にありがとうございました。トークショーは1時間30分、その間に川熊、天狗、河童、バケ狐、地蔵、鬼、龍…、物語を幾つお話ししたでしょうか。さらにお話しが終わった後、参加した皆さんからの質問が嬉しくて話し続け、アッと言う間の2時間でした。その中で「妖怪研究を始めたきっかけ」を聞かれ、私は次のように答えました。「お酒を飲んで歩いて帰り、狐にだまされて遠回りしたこと、夜のウォーキングで山の神とすれ違ったこと、ベトベトさんに道をゆずったこと、大沼で河童とあったことなどなど、面白い体験が色々あって、それで妖怪に興味を持ったのかも」と…。

 妖怪展は11月15日まで。〜川のまちに生きるモノノケ〜、ぜひご覧ください。

2026年10月24日土曜日

幽霊の掛け軸


 雲巌寺(仙北市角館白岩)では、幽霊の掛け軸が寺宝として守られています。

 作者は江戸時代の絵師・長沢芦雪とも伝わっていて…。写真のように掛け軸の女性は腰から下が描かれていませんが、芦雪の師匠だった円山応挙も幽霊画では足を描きませんでした。これには幾つかの理由があったようです。1つは焚くと煙の中から死者が蘇る反魂香(はんごんこう:中国の伝説)で、煙が邪魔をして下半身を隠したから、もう1つは足がない姿=この世の者ではないとの考えから、などです。

 掛け軸は恐怖心を煽るための絵ではなく、反対に「亡くなった妻や愛おしい女性にもう一度会いたい」といった追悼や供養、思慕の念を感じる一幅です。

2026年10月23日金曜日

北の渡り


 今シーズン初の白鳥、もうそんな時季です。

 桧木内川には毎年多くの白鳥が飛来しますが、前シーズンと比べると半月以上早い渡りです。この後にきっと大部隊が来ます。一方で私は畑の後片付けも冬囲いも柿の収穫も、まだ何もできていません。でも確かに寒いです。朝晩はストーブをたくようになりました。

 もうしばらく雪は降らないで欲しいのですが…。

2026年10月22日木曜日

夜に米を研いではいけない


 エフエム椿台(秋田市)で。10月25日の妖怪展トークショーと、11月21日〜22日の武藤鉄城企画展を紹介。鉄城先生が書き残した秋田の迷信・俗信に…。

 お声かけをいただいたのは、土屋和久先輩の「かず&カズおもへどトーク」。1時間の番組は民話・伝説・妖怪のオンパレードに…。中でも鉄城先生が書き残した迷信・俗信に話題が集中しました。幾つもお話ししましたが、例えば〝夜に米を研いではいけない〟理由は誰も知りませんでした。この教えには、「邪神や悪心が元気づく夜に米を研ぐと、それらが水に溶け込んでご飯と一緒に人間の身体に入り込む。米は福の神が訪れる朝に研ぐのが良い」と言う意味が込められています。同じような教えに〝朝の箒(ほうき)掃除の禁止〟があります。この理由は、「朝日と一緒に家に入って来た福や財産の良運を、箒(ほうき)で外に追い出すのもったいない」から。他にも〝夜に爪を切ってはいけない〟の理由、〝夜に口笛を吹いてはいけない〟の理由、〝枕をまたいだり蹴ったりしてはいけない〟の理由など、たくさんお話しをしました。

 100年前の迷信・俗信は今は余り伝わっていません。まして理由を知っている人はほとんどいない現状です。でも…、迷信・俗信も大事な地域の文化だと思います。

2026年10月21日水曜日

第1話「天狗」


 ABSラジオの新コーナー。〝みっちゃん・ゆーちゃんのおはよう会〟第1話は「天狗」です。神隠し(北秋田市)、泥湯をつくった天狗(湯沢市)…。

 天狗と勝負した男(仙北市)、日吉神社の猿田彦さま(能代市)、水運の守り神(大仙市)などを紹介しました。それぞれのお話しに出てくる天狗はどれも人間臭くて、神か邪神か妖怪か、はたまた修験僧か山伏か奇人変人か、その境界線が曖昧です。今回の放送のエッセンスは「見えないから存在しない…、ではありません。大事なものは見えないことが多いんです。理解を超えるものは世の中にあります。反対に目前の職場の上司は、言っていることが全く理解できない、そんなことはザラにあります。見えているから人間だとは限りません。部下の手柄を横取りして鼻高々な上司こそ、本当は天狗かも知れないですよ」。

 さあ次回放送は11月25日10時(予定)。皆さんお楽しみに〜!。

2026年10月20日火曜日

カマキリVSカメムシ


 ピンときた皆さん、さすがです。今年は予測が割れています。だってカマキリは地表10cm に巣をつくり、カメムシは異常発生で…。

 昔から、カマキリは雪に埋もれないよう巣をつくると言われています。今年は複数箇所でカマキリの巣を発見していますが、「低いなあ」と感心するほど巣は地表に近い場所にありました。これを信じたら今年の雪は怖くありません。一方で…、カメムシが異常発生しています(ウチだけではないと聞いています)。カメムシが多い年は大雪だと、ジッチャやバッチャは言っています。さあ、どっちだ。

 これは面白くなってきました。答えは来春に…。