2016年1月29日金曜日

角館のお祭り~子ども達の厳しい指摘~

昨日、第3回角館のお祭り実行委員会を開催しました。先日は実行委員長(市長)宛で安全対策委員会から答申書をいただきましたが、今回の実行委員会は、その答申書の内容を共有・精査してお祭り全体会議に諮るための会議です。

 実行委員会は、安全対策を万全なものにするため、安全対策委員会委員長と同副委員長から、答申に盛り込まれた14項目の一つひとつについて説明を受け、その後に協議をしました。その結果、新たなお祭り実施組織の構成の見直し、また14項目の細部調整、さらに2項目を加えた原案を作成することにしました。これらを全体会議で図り、対策の実効性を高め、その内容を町内はもちろん、市内外に示す予定です。

 会議では、町内の小中学校児童生徒・角館高校教職員からのアンケート結果が報告されました。
特に角館中学校3年生の指摘が心に響きました。そこには、お祭り時の大人の悪しき姿が厳しく書き記されていました。例えば、
◇飲酒について
・朝昼からお酒を飲んでいてキチンと神様を拝むことができない。
・大人は酒に飲まれている。
・泥酔した大人が取っ組み合いをしている。
 他、多数。
◇激突について
・角館のお祭りの起源はぶっつけることから始まったのではない。
・お祭りの本来の目的を忘れている。
・曳山間をつくってしっかりと交渉するべき。
 他、多数。
◇しきたりについて
・お祭りが何のために行うのかを説明して、一人ひとりにわかってもらう。
・決まりごとやルールをしっかり決める。
・角館のお祭りを後世に伝えたい。
 他、多数。

 さらに、張番はお祭りの最高権力、きちんとした人を責任者にして責任者の判断に従って(曳山)を運行する、他丁内の責任者とコンタクトをとる、交渉をしっかりと行う、対(相手)の曳山を尊重する気持ちが大切、観光客や町外の人々を意識したお祭りの企画と運営、半纏の着用、親が子どもの面倒をしっかり見る…などなど。

 子ども達には、ただただ恥ずかしい限りです。申し訳ない限りです。角館のお祭りを継続するために、この思いをしっかり受け止めなければなりません。

2016年1月28日木曜日

合同審議会で2つの重要計画を協議

昨日、田沢湖庁舎で第2会合同審議会が開催されました。同審議会は合併特例法第5条の4に規定された組織で、仙北市の場合は旧3町村ごとに設置されています。合併協議の際に、住民の意見が合併市町村の施策に反映されにくくなる心配が先に立ち、それが合併の支障になることを改善する役割を担ってきました。特例法で10年間は置くことができると定められています。

 今回の合同審議会は、その3審議会の委員が一堂に会しての会議です。新たに策定する仙北市総合計画や、新市建設計画の変更についてご協議をいただきました。皆さんから活発に意見や質問をいただき、次の仙北市10年への熱意が伝わってきます。

 昨年7月から、審議会の皆さんには新しい総合計画策定にご協力をいただいてきました。また市民アンケートからも重要な動向の把握に努めながら、骨格づくりを進め、今回の諮問となりました。~健やかに美しく輝くまち~を基本理念に、人もまちも健康で美しい時間を過ごすせる仙北市を、さらに将来手にしたい姿を「小さな国際文化都市」に設定。8項目66計画を盛り込んだ内容です。
 新市建設計画の変更は、合併特例債の使える期限が10年から15年に延長になったことから、これに対応するための計画変更です。現段階で考えられる事業(統合庁舎や総合体育館)などを盛り込みました。

 今後も、市議会やパブリックコメントなど多くの意見をいただきながら、成立に向けた作業を進めます。

2016年1月26日火曜日

庁舎建設の現構想を封印します

本日、臨時議会を開催いただきました。案件は報告1件、専決処分の承認1件、補正予算1件の3件です。補正予算の主な内容は、好調なふるさと納税ふるさと便事業の追加、自治体情報システム強靱化事業、ふるさと仙北応援基金の積立、年金生活者等支援臨時福祉給付金給付事業などです。全案を可決・承認いただきました。
 また稲田修特別委員長から、本会議で正式に庁舎建設委員会の中間報告がありました。この報告を受け、私は閉会のあいさつで次のように発言をしました。

 ~統合庁舎の実現に向け、度重ねて庁舎建設特別委員会を開催いただくなど、皆様には心から感謝の意と敬意を表します。特別委員会が設置された当時は、いろいろな考え方、ご意見があったとお聞きしますが、議論を重ねる中で、統合庁舎は必要と議会全体の確認がなされ、今回は本会議で角館駅前に統合庁舎を建設すべきとの方針を報告いただきました。まさに仙北市政で特筆に値する判断です。
 私は市民に対し、角館総合病院の跡地利用で経費削減を提案しましたが、特別委員会の方針を受け、市提案(現構想)は封印(見送り)します。今後は新用地の取得に必要な事務手順の精査、また面積や庁舎構造自体の見直し、駅前施設の活用による支出の圧縮などで、市民が納得できる計画づくりを進めます。これら作業を積み上げて、できるだけ早期に関係条例を議会に提案したいと考えています。ウカウカしていたら合併特例債は使えなくなります。それはつまり、議会が確認した統合庁舎の建設が、永久に叶わなと言うことです。正念場に立っているとの認識で、全力で関係作業にあたります。どうか今後もご指導とご協力をよろしくお願いします。~
※写真は平福記念美術館で開催された「児童生徒県南美術展」から

塩崎厚生労働大臣の答弁で温泉利用が大きく前進

温泉利用に新たな道が開かれます。昨年6月に仙北市や大分県竹田市、新潟県阿賀野市などの首長が集い、連名で塩崎恭久厚生労働大臣に手渡した要望事項「温泉利用型健康増進施設の認定要件緩和」(写真)が叶いました。先週の国会審議(テレビ中継もされています)から、質問をいただいた横山信一議員と、答弁をした塩崎大臣のやり取りをザクッと紹介します。

■横山議員の質問
 全国には湯治場として有名な温泉がいくつかあります。例えば秋田県仙北市の玉川温泉、あるいは北海道豊富町の豊富温泉などです。~しかし湯治の効果がどんなに大きくても温泉が遠ければ旅費がかかります。こうした特徴的な温泉を持つ自治体は、医療費控除が適用となる健康増進型施設の認定を望んでいますが、認定要件のハードルが相当高い状況です(運動施設と温泉施設が同一施設内でなければいけないこと等…)。~大臣は要件緩和についてどのように考えているのかお伺います。

■塩崎厚生労働大臣答弁
 現在は運動施設と温泉施設が同一施設内でなければいけないことになっていますが、それを同一施設内でなくとも連携ができていれば認定できるよう、要件の緩和ができるように検討しています。年度内を目途に大臣告示を改正する予定です。~

 例えば運動施設との連携を整えることで、仙北市も玉川温泉郷、乳頭温泉郷、田沢湖高原温泉郷、水沢温泉郷、東風の湯、クリオン、花葉館など全ての温泉施設が、温泉利用型健康増進施設の認定を受けられる可能性が広がったこと、そして認定となれば医療費控除が受けられること、その結果、遠方から湯治に長期間滞在する方々も増加するなど、仙北市の温泉ツーリズムを前進させる原動力になる規制緩和と受け止めています。
 桝谷総務会長、横山議員には随分お骨折りをいただきました。また関係の皆様に深く感謝を申し上げます。

2016年1月25日月曜日

角館のお祭り安全対策委員会からの答申書

昨年起きた角館のお祭りの死亡事故を受け、安全対策の徹底手法を協議した「安全対策委員会」の皆様から、実行委員長(市長)へ答申書をいただきました。写真に写っている方々は、同委員会(構成は各団体の代表者12名)の後藤悦郎委員長、加賀谷一男副委員長です。

 答申書の概要は、
1.はじめに
 昨年の事故を受け、二度と悲劇を繰り返さないために、また後世に正しくお祭りを伝承していくために、角館のお祭りに深くかかわる関係団体等から選出された構成員が対策を立案し、具体的に活用可能な素材として関係者に提供することを第一目標にした。本委員会の答申は対策立案で、今後は各団体・組織での対策の実施、検証、更なる向上を目指した対策の見直しなどの活動が重要である。

2.基本的な考え方
 歴史に学び、仙北市の人々とともに、老若男女が心から楽しめる角館のお祭り、更には観光客が楽しめる角館のお祭りを基本理念に、安全対策を検討した。
 この際、安全を守り、協調性のある曳廻しのために継承されている「責任者会議決定事項」や、各丁内曳山に継承してきた曳廻しの伝統を尊重しつつも、しきたりとして「角館の祭典」(昭和60年冊子)を参考に、また次代を担う小・中・高生の意見や、社会的要請との乖離に着目し、次の視点で整理した。~で、更に次の事項を掲載しています。
①角館のお祭りの伝統継承(以下6項目の指摘)
②曳山参加者への指導(以下5項目の指摘)
③次世代を担う後継者の育成(以下3項目の指摘)
④関係団体相互の連携(以下4項目の指摘)
 
3.角館のお祭り安全対策委員会「14項目の答申」
  更に最も重要な項目として、「顕在化した課題から」(5項目の指摘)、「潜在的な課題から」(4項目の指摘)、「後世に継承するために」(5項目の指摘)…があり、それぞれの実施組織や検証機関の提案、現実行委員会自体の改革案もいただきました。

4.新たな組織の立ち上げ

 です。皆様には本当にご難儀をおかけしました。できるだけ早期に実行委員会を開催し、答申を委員会のテーブルにのせます。

2016年1月24日日曜日

複雑な想いのご当地怪獣タマグラー

写真は、今日午後に行われた「全国ご当地怪獣プロジェクト」のフォトセッション風景(会場:講談社新館)。ここで仙北市の新キャラクター「怪獣タマグラー」が正式デビューしました。プロジェクトは(株)第一通信社が提唱し、既に全国47都道府県で怪獣が誕生しています。同社は中でも特にユニークな怪獣が誕生した6団体とタイアップし、ゆるキャラを超えるご当地怪獣ブームを巻き起こす作戦です。仙北市のタマグラー、富山県南砥市のデデレコデン、高知県土佐清水市のサバサバラーなどが選ばれました。

 ところで写真後列は自治体の方々、前列はテーマソングを唄う科楽特奏隊です。小さくて見えにくいですが、その前にご当地怪獣がいます。

 タマグラーは、何千年も以前に田沢湖に生息していた怪獣です。玉川温泉の大噴で見つかった岩の塊はタマグラーの卵だったのです。これは角館の武家屋敷に保存されていた古文書で確認することができました。古文書ではタマグラーはクニマスが大好物ですが、田沢湖では既にクニマスが死滅しています。しかも産湯を使った玉川温泉が、その死滅原因と分かったら、どんなに深く激しく悲しむことか…。タマグラーは強面ですが、とても複雑な想いのご当地怪獣なのです。

 一刻も早くクニマスを復活させる道筋がないといけません。

2016年1月22日金曜日

ロシアからのお客様

ロシアからのお客様と会談しました。男性の方はパベルさんと言って、イルクーツクで薬草の調達や木材関連企業を経営する社長さんです。女性の方はラーダさんと言います。通訳を担当し現在は日本に住んでいるそうです。確かに流ちょうな日本語でした。

 来庁の目的は、木材産業や生薬栽培についてとのこと。さらにパベルさんから「ロシアの木材を必要としている企業があったらお知らせください」と、「製材機械を製作する企業の情報をください」と、2つのお願いを受けました。

 佐竹知事はロシアとの経済交流に熱心に取り組んでいます。県のミッションに関係するご提案なので、県と情報を共有しますと応えました。また生薬については、生産量が昨年は拡大できたこと、組合員も増加し、今年の作付けにも大きな期待感を持っていることなどをお話ししました。ロシアでは栽培と言うよりは、自生している薬草を収穫する場面が多いと言っていました。
 広大な大地からの恵みです。

重迫中隊のスキー訓練が終了

昨日の夜、田沢出張所で「自衛隊秋田駐屯地重迫中隊」を囲み、仙北市自衛隊父兄会(伊藤邦彦会長)主催の懇親会がありました。同隊は昨年12月14日から今日まで、2回に分けてスキー訓練(旧乳頭スキー場周辺)を実施しましたが、田沢出張所で自炊して滞在していました。また訓練時間を調整し、市内の独居高齢者世帯の雪下ろしなどのボランティア活動も行ってくれました。本当にありがとうございました。

 実は重迫中隊は、3年前の夏(平成25年8月)に起こった供養佛土石流災害で、発災直後から救助活動を展開した部隊です。あの時、皆さんの活動がなかったら今はありません。感謝のしようがないほど、有り難かった方々です。今回のスキー訓練の終了にあたり、再度その感謝の思いをお伝えすることができました。あいさつでは、さらに「皆さんのような若者が一時期でも田沢にいてくれて、地域に活気が感じられたと言うお話を聞いています。田沢に、仙北に移住したいと思っている方がいたら、いつでも相談にのります」とお話をさせていただきました。

2016年1月21日木曜日

田村観光庁長官へ要望活動

田村観光庁長官(中央)、御法川代議士(左)、そして自分です。20日午後、観光庁長官室で事業要望を行いました。国が進める震災対策の中で、観光振興に割り当てられる予算を活用した仙北市の取り組みを、何とかご支援いただきたいとお願いしたものです。

 仙北市への入り込み客数は、未だ震災前のレベルまで戻っていません。ユニバーサルツーリズムや国際観光をキーワードに、訪れる方々に優しい観光地づくりを進めていますが、例えば道路や安全対策、誘導表示、情報発信能力などは早期の改善が必要です。しかしながら財源に乏しく、負の循環に陥りそうになっている状況を、何とか断ち切りたいと思っています。

 今回、事業要望した内容は、温泉の源泉切り替えに関する補助、抱返り渓谷の歩道改良やイベント広場の取得経費に対する支援、ホームページ作成やキャラクターづくりなどです。田村長官は「事務方としっかり協議し、応援できる内容かどうかを見極めましょう」とお話しくださいました。

 田村長官は昨年も仙北市を視察いただきましたが、「どうぞ今度は花が美しい春にお越しください」とお伝えしました。

2016年1月18日月曜日

「おばこ節」のルーツ

この土日も各地・各団体の新年会に参加させていただきました。市の総合戦略や各種計画をお伝えし、皆さんからご意見をいただく本当に良い機会になっています。ある会場では、病院建設について、また統合庁舎について、率直なお話しを受けました。統合庁舎議論では、「合併時、緊急避難的に分庁舎方式となった経緯を考えれば、もう10年経ったのだから、議論よりも実践に入らなければいけない」、病院建設では「広報で市長が書いてあるように、この機会に患者対応力の改善を、中身の改善を是非とも成し得て欲しい」と。

 写真は、仙北市芸術文化協会総会で、「秋田おばこ」誕生と仙北の風土~「おばこ節」聞き比べ~の記念講演に立つ小田島清朗さん。素晴らしい内容でした。そして本当に勉強になりました。おばこ節は仙北市が発祥の地ですが、全国大会は大仙市で行われていて、「これで良いのか!」的メッセージも感じ(嫌みなく)、本家がもっと頑張らなければと思わせてくれて…。

 おばこ節には、ずっと以前から各地で唱われた節回しがあることも知りました。実際に昭和30年の「NHKのど自慢全国大会」で優勝した際の音源、また小田島さんが代表を務める民俗芸術研究所で記録した、例えば「刺巻おばこ」、「生保内おばこ」、「田沢おばこ1・2」など、貴重な音源も披露をいただきました。

 小田島さんは、有名な佐藤貞子の「おばこ節」は、実は貞子の父である清賢が節と調子をつくり、それを貞子に唱わせたものと推測しています。清賢は角館のお祭りの囃子で長く活躍した人物です。山が「かつぎ山」から「曳山」に変化する中、機動力を持った山の曳き回しに合わせ、清賢の笛の旋律もダイナミックに、また繊細な高揚感のある旋律に変わり、それが現在のおばこ節のルーツになったと。これは面白い!!。

さきがけ政経セミナーの知事講演

先週、さきがけ政経セミナー(秋田市ビューホテル)に参加し、佐竹知事の講演を聴きました。新聞にも掲載されていましたが、紙面で触れていない項目にも興味深いお話しが多数あります。幾つかを紹介します。

 ~中国経済の落ち込み、中東情勢の悪化、原油価格の安値動向…、昭和48年のオイルショック時には、50年後は石油が枯渇すると言われた。しかし今日も石油は存在する。一事が万事ではないが、50年後は誰にも分からないと言うこと。大切なことは、現状の中で最善を尽くす覚悟だ。
 秋田のモノづくりは、100パーセント世界とリンクしている。ああしよう・こうしようと議論することは結構だが、それよりも大切なことはアクションだ。もちろん行動すれば失敗もある。それは検証し次に繋げればいい。空論は時間の浪費だ。~

 ~秋田らしさと言うが、それでは秋田らしさとは何だろう。自然が豊かだ、農業が盛んだ…、それは山形とどう違うのか。概念の比較に意味はない。観光も同じこと。イベントは一過性と言うが、回数を重ねれば、立派な観光素材になる。生産額から言えば、秋田は農業県とは呼べない。らしさ、から言うと米を追求すべきだろうが、それで農家が生き残れるのか。米以外に活路を求め、別の取り組みを進めるか。TPPは秋田にとって、有利な面と不利な面がある。国には対策をしっかりして欲しいと訴えている。しかし反対ばかりではダメだ。これを機会に秋田の農業構造を変えたい。現状を守るだけでは世の中の変化に対応できなくなる。~

 ~仙北市が取り組む農家民宿は、ことのほか好評だ。海外の仏教国からの観光客は、まず農家の仏間に驚き、大きな感銘を受ける。やってみて初めて分かったことだ。~

 などなど。県も市も踏ん張る一年です。

2016年1月13日水曜日

庁舎建設特別委の中間報告(第2弾)

本日午後から、市議会全員協議会が開催されました。案件は庁舎建設特別委員会の中間報告(第2弾)についてです。稲田修特別委員長から、下記の内容で報告がありましたので、皆さんにお知らせします。
※写真はイメージです。ネット上にある以前の委員会を使用しています。ご了承ください。

 ~本特別委員会は、平成27年7月23日の第1回目の会議から14回開催し、今日で15回目の会議であります。市民サービス維持・向上、人口減少に伴う職員の減少、財政事情による事務の効率化、という観点から「統合庁舎の必要性」は、確認されているところであります。
 
 建設候補地に対する意見は、「基本構想の角館病院跡地」と、「R46沿い羽根ヶ台付近」とに2分化され、建設候補地の一本化に向け、お互いに、歩み寄ってまでも、まとめよう、という目標を掲げ、議論を重ねて参りました。候補地に対する意見の変遷は、当初原案可とする委員が5名、羽根ヶ台とする委員が4名だったが、原案可とする5名のうち、より良い場所として、角館駅前とする上方修正案的な意見が2名となりました。このため、原案を含め、角館東公民館や旧角高グランドなど5候補地の検討を行い、結果として、原案、羽根ヶ台、角館駅前という3候補地に絞り込みを行いました。

 12月15日の第11回目の会議において、お互いに、歩み寄った結果、角館駅前でも可とする委員が6名となり、ここでの多数意見を12月21日の本会議に中間報告しているところであります。しかし角館駅前は、大規模小売店舗立地法と土地取得の問題があり、これらの課題について、当局へ調査を依頼していました。ここまでは、12月21日に中間報告した概要であります。

 当局へ依頼していた調査結果は、前回、第14回目となる1月5日の会議で報告をいただいています。報告によると、12月25日現在で、
①大規模小売店舗立地法に基づく申請は、撤回されたこと。
②今後の用地交渉は可能であること。
 が報告されました。しかし財政事情を考慮すべき、という意見は強く、11月16日開催の第7回会議で、資料として提示されているとおり、角館駅前では、RC造りで約10億円の総事業費の掛りましが懸念されていました。

 市当局では、基本構想に掲げる約27億円を、総事業費のベースとしており、これに、限りなく近づけることができるのか、あるいは、どの程度のオーバーまでは良いとするのかが、論点になりました。市当局からは、既存建物を含み現状のまま買収することや、あるいは更地での買収にあたり、先に当局から示されている価格での交渉の余地はある旨の感触を持っている、という報告を受けています。また経費削減のためには、S造りによる構造の見直し、という意見も出されています。本日の10時から開催した庁舎建設特別委員会では、前回の市当局からの報告を受け、構造を含めた、財政面の考え方について、
①用地取得においては、当局から提示されている評価額以内での交渉に努めること。
②現存する建物の利活用の可能性を、再度検討すること。
③統合新庁舎の建物構造を見直すこと。
 という意見が集約され、可能な限り、基本構想で提示する総事業費に近づけることが極めて重要と、改めて確認されています。
 
 これまでの議論において、「羽根ヶ台周辺」という少数意見はあるが、本特別委員会では、統合新庁舎建設候補地の最も相応しい場所として、「角館駅前」に決定したところであります。
 以上のとおり、申し上げ、庁舎建設特別委員会の中間報告といたします。~

各地の新春懇談会に参加しています

しばらくブログアップしていなかったことに気が付きました。ゴメンナサイ。新年になって間がありませんが、市役所はフル回転しています。先週ぐらいから各地区や集落で新春懇談会が始まっていて、様々な会場にお伺いしています。

 写真は秋田内陸縦貫鉄道の車両を借り切って開催した「上桧木内集落会・新春座談会」の様子です。上桧木内駅から皆さん乗車し、鷹ノ巣駅を折り返してくる間、ずっと意見交換(お弁当を広げながら…)して来ました。未来の仙北市づくりに向けた、たくさんのご意見をいただきました。例えば山鳩館デイサービスの在り方、紙ふうせん広場のWi-Fi化、放課後児童クラブ支援者の福利厚生の見直し、温泉の最掘削などなど。いろんな着眼点があることを再認識できました。これらは全て今週初めの部長等会議で報告し、改善策の洗い出しが始まっています。
 「今年は良い年になるよ」と、元気をいただいた会場も多く、神代地区新春懇談会も西長野地区新年会も、そんなムードでした。それだけ昨年一年間、いろんな事件や事故を心配されたんだろうな、と。しっかりと受け止め、その上で新たな年を躍動感イッパイで頑張ります。

2016年1月4日月曜日

年頭のあいさつで

本日午前中に行った市役所での年頭訓辞の内容です。市民の皆様にもお伝えし、思いを共有いただければと思います。

~職員の皆様には日頃から仙北市民の日常をお支えいただき、心からの感謝を申し上げます。仕事始めにあたり、2点についてお話しをします。

 1点目は、地方創生についてです。日本創世会議の人口ビジョン、増田レポートと言われていますが、この中で仙北市は、2040年までに無くなってしまう可能性がある市町村に数えられています。分析の根拠などは専門家からも賛否両論です。しかし国が設置した「まち・ひと・しごと創生本部」だったり、同本部が推進する「総合戦略」や「人口減少対策」に、大きな影響をもたらしたことは確実です。

 ちょうど一年前、石破茂大臣は次のように発言しています。
1.2020年までの5年間で、地方での若者雇用30万人分の創出などで地方における安定的な雇用を創出する。
2.現状、東京圏に10万人の転入超過があるのに対して、これを2020年までに均衡させるための地方移住や企業の地方立地の促進などで、地方への新しい人の流れをつくる。
3.若い世代の経済的安定や、「働き方改革」、結婚・妊娠・出産・子育てについての切れ目のない支援などにより、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望を叶える。
 いつの時代も日本を変えてきたのは地方です。そして地方創生は日本創生です。国と地方が、国民とともに基本認識を共有しながら総力をあげて取り組むことで、新しい国づくりを進め、この国を子や孫、更にはその次の世代へと引き継いでいこうではありませんか…。と、このようなお話しでした。さらに昨年7月の地方創世特区視察で仙北市を訪れた際は、「仙北市が国の形を変えるトップリーダーになって欲しいと、指定に踏み切ります。それだけの資源があることを、仙北市を訪問し、実際に目の当たりにして確信することができました」と、発言されています。

 私たちの仙北市は、向こう10年間の新総合計画を平成28年度から運用します。仙北市版総合戦略や人口ビジョンも同時期に発効となります。他にも重要な計画が幾つもありますが、これら全ては「仙北市の生き残り戦略」です。私たちが、これまでの役所経験で慣れ親しんだ「計画づくり」とは次元が違う位置づけです。その芽出しを新年度でしっかり予算化する、これが仙北市の生き残り戦略・挑戦の第一歩です。

 ところで、増田レポートは東京23区の中で豊島区も消滅可能都市だと指摘しています。これまで都会に住む人の多くは、街の生き残りは過疎化が進む地方だけの問題と高を括っていましたが、もはや日本という国はここまで来ていると警鐘を鳴らしています。
 もう少し詳しく説明をすると、増田レポートの論拠は何かですが、20~39歳の女性の人口が5割以上減少することが指標になっています。これをベースに、仙北市も含め全国の約半数の自治体が消滅することを、統計学の観点から示したものです。
 したがって単純に考えると、増田レポートへの対抗策は、女性の活躍の場をつくれるか否かによります。この流れがあって、昨年末に発表となった国の補正予算では、子育て環境の改善や産業育成に大きく財源を配分することを打ち出しました。
 予測としては、子育て環境の改善に努力する自治体に、緩やかに国内人口の流動が起こると言われています。秋田県は小・中学校の学力が日本一ですから、この優れた教育環境とセットで対策を強化すれば、人口減少を鈍化させる手法になり得ます。ただし国内でパイの取り合いに終わってしまう、そんな可能性も高いと考えなければなりません。これでは抜本的な人口対策にはならない訳です。
 そこで考えられる人口対策の1つに、外国からの移民政策があります。私は先月、都内で開催された政策シンポジウム「地方創生と外国人」にパネリストとして出席しました。仙北市の地方創生特区では、温泉と医療の連結を進めるため、外国人医師の招へいを提案しています。この関係でお声がかかったわけですが、ここで、今後は特に地方の外国人雇用を進めるべきとお話しました。
 もちろん一足飛びに進むものではないと思います。しかしながら、幸いにも仙北市は、現状でも国外からの観光客を県内で最も多くお受け入れしている優位性があります。少なくとも他の自治体よりは「選んでいただける素地」があると言うことです。昨年12月の市議会に提案したインバウンド対策事業は、決して外国からの観光客の増加だけを狙ったものではありません。既に北海道の倶知安町やニセコ町では、観光から定住の動きが顕在化しています。国際結婚が進み、幼稚園や小学校にその子供たちが通う日常があるのです。仙北市もそうなれる可能性が十分あります。

 そこで仙北市の戦略ですが、先ず子育て支援策を全国トップクラスまで押し上げ、地域内教育力の維持向上を図り、女性の社会進出環境を整え、同時進行で産業構造の転換と基盤整備を進め、市民の自治意識を高め、世界に開かれたまちづくり、国内のパイの取り合いだけに留まらない国際化、これらをキーワードに、短期的には総合戦略5ヶ年で新たなまちの輪郭づくりを進め、総合計画10ヶ年で修正を図りながら、仙北市の存在の意義を明確化したいと考えています。

 様々な意味合いから今年は大変に重要な一年になります。昨年の事件・事故対策をさらに進めながら、石破大臣が指摘した「縦割り意識」や「重複事業・作業」を排除することを、常に意識して仕事にあたってください。福祉・健康・医療・上下水道・ゴミ処理などなど、基本的なライフラインの一つ一つを、「本当にこれでよいのか、さらに改善することで、ここに暮らす満足度を高められないか」と、全ての職域で変革の種を探る作業を反復して欲しいと思っています。また市民の皆様には、まちづくりの担い手として活躍をいただくため、市役所との情報共有が不可欠です。どうか各部局においては、市民に対して徹底した情報発信をお願いします。
 地方創生特区でダブル指定となった近未来技術実証特区は、この2月に開催予定の区域会議で、ドローンの実証実験を全国で始めてスタートさせたい思いで、国内ドローン製造業界・ソフトウエア業界などとタイアップの準備を進めています。
 現在は、これら仙北市の地方創生を統括する人材の確保、また温泉と医療を連携させる医師の招へい、さらには新病院も完成することを見込み、新たな病院事業管理者の確保など、基本的なベースづくりに全力で当たっています。組織再編も含め、当初予算編成作業と同時進行で骨格づくりを進めたいと思っています。

 2点目は、仙北市の価値についてです。これまで至る所でお話にのぼるように、仙北市は県内はもちろん、全国的に見ても、その資源・潜在能力は抜群に高いことは明らかです。県内の市町村長からは「仙北市はうらやましい」と再三にわたりお話をいただきます。武家屋敷・温泉・田沢湖・グリーンツーリズム・秋田駒ヶ岳・多様な食材・秋田新幹線・秋田内陸縦貫鉄道・伝統芸能・お祭り・おもてなしの市民性…、どれか一つでもあったらと、これは決してリップサービスではない心の底からの声と受け止めています。これらを高度活用することが、私たちは残念ながら未だにできていません。優れた財産があっても高度活用どころか、逆に様々な事故や事件で、私たち自身で仙北市の評価を下げている実態があるのではないか、そんな思いを抱いています。

 毎年、様々な機関から「住みたい街ランキング」が発表されます。例えばですが、生活ガイド・ドットコム2014版では、
・1位 神奈川県横浜市
・2位 京都府京都市
・3位 北海道札幌市
 でした。
 全国的に観光で認知度の高い街がベストスリーに入っています。
 また住宅情報サイトのスーモ2015版では、
・1位 東京都世田谷区
・2位 東京都港区
・3位 東京都目黒区
 がトップスリーです。
 これは住宅と生活環境に着目した調査で、生活の質を重視した内容です。
 また東洋経済が分析した「住み良さランキング2015版」では、
・1位 千葉県印西市
・2位 愛知県長久手市
・3位 石川県能美市
 となっています。こちらは街の総合力、例えば防犯や介護、病院、学校、公共交通の充実度などからのランキングです。
 様々な視点があって様々な分析となっていますが、共通項があります。いずれも自治体がしっかりとした行政運営を行っていると言う評価です。たぶん住民との信頼関係も高いものと推察します。行政が全てやってあげているみたいな思い上がりは、もちろん禁物です。ただ仙北市のような中山間地の小都市は、街の重要な機能を行政が担っている分野も多いのが実情で、これらに携わっているとの自覚を持たなければ、例えば住みたい街のランクインを狙っても、定住・移住は絵空事と受け止められかねません。

 私は、仙北市が有するポテンシャルを考えると、住みたい街ランキングの上位に選ばれても不思議ではないと、本気でそう考えています。観光の知名度、新病院や田沢湖病院、各診療所と福祉の連携で充実する生活防衛対策、新産業の育成、住宅環境や住み良さなどは、向こう数年で目を見張る進展があるはずです。娯楽施設や高等教育機関の開設などは、もう少し時間がかかりそうですが、必ずやランキングに入る街になります。そのために、今、何をしなければいけないか…。皆様、しっかりと考えてください。

 首長の責任が大きいことを、私も改めて肝に銘じます。その上で、先ずは街の価値を落とすような事件や事故を起こさない、微弱な予兆であっても、これを敏感に察知し対策を講じる、この心構えで一年間、職務に邁進する決意が必要です。職員の皆様にも、この一年、仙北市の存在の価値を高めることに、どうか渾身のご努力をお願いします。仙北市の浮き沈みが、秋田県全体の浮沈に直結すると言う覚悟のもと、市民とともに、折れても折れても挫けず、汗を流す一年にしたいと思います。

 最後に、お正月に読んだ本を紹介して終わりとします。
 以前、「置かれた場所で咲きなさい」と言う本のお話をした記憶があります。今回紹介する本も著者は同じで渡辺和子さんです。本の題名は「幸せはあなたの心が決める」と言うものです。この本の中に、「求めたものが与えられなくても…」、と言う章があります。さらにその中に、「挫折のすすめ」・「失ったものではなく得たものに目を向けよう」・「人生は思い通りにならないのが当たり前」などの小文があります。機会があったらぜひお読みください。上手くいかなくて当たり前、これが人生です。でも最初から諦めたり、試合放棄はしないでください。何より一生付き合わなければいけない「自分を見捨てない」ことが大切だと、人生の大先輩が指摘しています。私も同感です。

 職場は「楽」でも「楽しい」ものでもありません。これも当たり前です。楽しいと思うようになったら、どこか心の中に甘えや慣れが生まれていると思ってください。私も市長職が楽しいと感じるようになったら辞め時と心に決めています。一人では辛くてしようがないことも、職場にはともに頑張る仲間がいます。一人で抱え込まず、周囲に辛いと声にして打ち明けてください。特に幹部の皆様には、若手を育てること、辛さに負けそうになる仲間の支え合い、助け合いができる職場づくりに、最大の意を配してください。私は、これまでできなかった若手職員との対話を、今年から始めたいと考えています。その際は、時間の捻出にご協力をお願いします。
 元気で明るい職場づくりは、そのまま仙北市のまちづくりにつながります。皆様が市民のために良い仕事をたくさんできる一年となることを心からご祈念申し上げ、年頭のあいさつとします。この1年さらに頑張りましょう。~

2016年1月1日金曜日

東北最大級Senboku City Wi-Fiスタート

昨年の12月中旬から、仙北市「Senboku City Wi-Fi」の運用がスタートしています。Senboku City Wi-Fiは、一般社団法人田沢湖・角館観光連盟と仙北市が共同で事業着手し、1自治体では東北でも屈指のアクセスポイント(70ヶ所)を実現しました。

 海外からの観光客も急増している中、多くの方々がスマートフォンやタブレット端末からインターネットを利用していて、市内でのフリーWi-Fi環境の充実が求められていました。それに、2月にはフリースタイルスキーモーグル競技のジャパンカップ、またワールドカップとビックイベントが連続すること、国際合気道選手権大会の開催(2017年)や、農家民宿への外国人滞在の日常化もありました。インターネットの接続環境が集客力に直結するお話は常識で、地方創生先行型事業で採用となったインバウンド事業でも、SNSを活用した情報発信力の増強がテーマの一つとなっています。

 SSID名はSenboku City Wi-Fi、アクセスすると仙北市ホームページ(3ヶ国語対応)が表示されます。1回は60分で1日4回の接続が無料です。災害時には時間制限を設けずWi-Fi環境を利用できます。
 今後も事業所や店舗を対象にエリアの拡大を進めます。皆さんにもどうかご理解をお願いします。

スターバックスコーヒーのほんわかポスター

写真のポスターは、イオンモール盛岡店のスターバックスコーヒーで見つけました。干支のお猿がダルマ落としをしています。「幸せいっぱいの一年でありますように」と書かれたコミカルなデザインで飽きません。コーヒーが出てくるまで眺めていました。ほんわかした気持ちにもなれて、何だか今年は楽しい一年になりそう。

 そう言えば、恒例の御座石神社の初詣で、最近にない良いおみくじを引きました。あんまり良かったので、そのままお財布に入れて持ち歩くことにしました。嬉しくて嬉しくて、皆さんにお話ししたい気持ちで一杯ですが、でも良いおみくじを引いたときは、その内容を他人に話さない方が良いそうで。他人に話すことが「おみくじの運をハナス」ことに繋がるんだとか。逆に悪いおみくじを引いた人は、積極的に他人に話して悪運をハナスと聞きました。

 まあ、神頼みでお恥ずかしい限りです。でも皆さんが幸せな一年を過ごせる力をいただけるのであれば、祈祷師にだってなります。昔の呪術者も元々はこんな気持ちが起源だったかも…。