2020年5月30日土曜日

ないもの・あるもの


 広報せんぼく6月1日号の〝まちづくり日記〟です。身の回りには「ないもの・あるもの」さまざまですが…。お時間のあるときにお読みください。

 進学、就職、転勤で、故郷から離れて生活が始まっている皆さんは、慣れない土地とコロナ対策などで大変な毎日だと思います。5月連休の中での外出自粛は心細さも加わり、きっと辛い時間だったでしょう。一日も早く正常な暮らしを取り戻し、お互いを支え合える生涯の友人に出会って欲しいと思います。

 さて先日のテレビで、桜の植栽活動をする福島の女性が紹介されていました。東日本大震災の後、その女性が地域の皆さんと始めたボランティア活動で、今年は数本に美しい花が咲いたと話していました。この活動に一人の男子高校生も参加していて…。彼は卒業後も地元に残りたかったようですが、結果的には春から都会に出ることになったそうです。その彼に女性がかけた言葉が、「あなたは先々で素晴らしい人に出会うから、しっかり頑張ってね」でした。もちろん彼を激励しての声かけです。そして、その高校生が飛び込む社会や、そこにいる人々を信じた言葉です。女性がそんな人生を歩んできた証だと感じました。ところが、新型コロナウイルスは人と出会うこと・出歩くこと我慢する感染対策が基本です。病院で亡くなった著名人の周辺から、家族の面会も叶わなかったお話がありました。新型コロナウイルスは、人間の尊厳や社会習慣を否定した対応が必要なくらい、本当に重大で厄介です。秋田県は非常事態宣言地域から解除されましたが、決して気を緩めないでください。コロナは強敵です。

 さて、先日は市内の若手経営者と「新ビジョンを探る会」を開催しました。市内の経済情勢は、これ以上ないほど厳しい現実です。しかし、皆さんの新たなビジネス展開を標榜する姿に頼もしさを感じました。そして、過疎はウイルス感染症の感染リスクが低いこと、自然の恵みが人体の抵抗力を高めてくれること、中山間地は安全な食品が確保しやすいことなど、仙北市に幾つも優位性があることを共有しました。これからは量から質への価値転換、満足感の高いまちづくりがキーワードになりそうです。

 辛いので、ないものを数えて不満を口にしがちですが、あるものを数えて喜びを感じる毎日にできたらと思います。

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