一昨日から昨日まで、たざわ湖芸術村を中心に、東北都市景観協議会が開催されました。同協議会は、都市景観に関する施策の推進、各市町村の情報交換を図ることを目的に、東北各県の94の自治体が参加しています。今年は仙北市が市制10周年を迎えた記念年と言うことで、会議の誘致を行い開催した経緯があります。
仙北市の景観保全に関する取り組みは、昭和51年に文化庁が指定した第1次の伝統的建造物群(角館の町並み)から本格化しました。以降は「秋田県の景観を守る条例」に基づき景観事務を行ってきましたが、今年6月に仙北市景観計画と景観条例を制定し、この条例に基ずく景観行政が、来年の1月1日からスタートすることになっています。自分はあいさつで、「多くの協力をいただき、仙北市の地域性を活かした独自の景観計画・景観条例を策定し、これを基本に景観行政を推進できることに大きな期待感を持っています」とお話しさせていただきました。
基調講演は、仙北市の景観計画を策定し、以前からまちづくりでご指導をいただく弘前大学の北原啓司教授にお願いしました。とても良いお話しでした。少しだけご紹介します。「ストックの時代と言われていますが、先人から伝えられたものを使い減らしているだけで良いのか、次の時代にも使ってもらえるよう、今から何かエネルギーを注入して、変質させていかないと駄目なんじゃないか、そんな風に考えています。これまでは、ずっと長い間、町に便利なものを作り上げる政策・制度時代ばかりでしたが、これからは町を続ける政策・制度が必要な時代です。町づくりは編集力が大切になっています。今あるものをどう作り替えることができるのか、このスタンスが重要です。ただし町づくりは楽しい空間を作ることではなく、場所、もっと言うと自分たちの居場所づくりを目標にすることこそ、本質だと思っています」
納得です。
※写真は北原啓司教授
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