2015年11月6日金曜日

健康と温泉フォーラム2015仙北市②

今日(11月6日)は、玉川温泉に会場を移し、玉川温泉研究会の足澤輝夫先生(玉川温泉附属診療所長)、中嶋徳子さん(新玉川温泉入浴相談室看護師)看護師の講話、フォーラム参加者の岩盤浴体験などを行いました。

 足澤先生のお話しは以下の通りです。
 ~玉川温泉の医学的研究は、昭和18年に玉川温泉研究会が創設されて以来続いてきた。研究は地球物理、地球化学、地質学、温泉工学等の分野に広がり、貴重な資料の提出ができたと思う。医学研究は東北大、福島医大、弘前大に加え、岩手医大、足澤名誉教授(足澤先生のお父様)、その門下によって精力的に行われたが、今思えば、私が最後の研究者になってしまった。残念だ。昭和35~36年頃は、既に大方の研究が終わっていた。そんなとき、岩手葛巻の小児麻痺の子ども達が、玉川温泉で療養をし大きな改善が見られた。アメリカ大統領のルーズベルトも小児麻痺だったが、ワームスプリングスの温泉で療養し、車椅子から立ち上がるほどに回復して大統領になったと記憶している。葛巻の子ども達の改善に着目した鉄道弘済会が、玉川温泉内に小児麻痺リハビリセンターまでつくったことを考えても、その効果は絶大だったと思う。その後、マスコミがガン患者の回復実例を報道し、今の玉川温泉の評価が定着するようになった。玉川一帯は無医地区で、症状が急変したときには、救急車かドクターヘリで対応可能な病院へ搬送が行われる。しかし、突然にガンを患っている患者が病院に飛び込むと、患者の病歴が分からないまま対応する医師も大変だ。何か診療情報を伝える仕組みが必要だと思う~、などのお話しをいただきました。

 また中嶋看護師のお話しは以下の通りです。
 ~新玉川温泉に勤務して4年目になる。入浴相談室を訪ねてくれた人に、温泉入浴の指導を行っている。無理をしないでと言っているが、遠くから来たので…とか、あと何回これるか分からないので…とか、息子に入り方を教わってきたので、病状を改善して帰らないと申し訳ない…とか、いろんな理由で入浴や岩盤浴に無理をする人が多い。ゆっくりと湯治する意識ではなく、どうも治療に来ている感覚が強い。80歳代のご夫婦の例を紹介する。このご夫婦は旦那様が胃ガンを患っていた。かかりつけの医師が書いた紹介状を携えてきたが、看護師が対応することはできず、万が一のことがあったら搬送先の病院の先生に提出して欲しいと言った。どうも来る前から多くのうわさ話を聞いてきたらしく、入り方がとても無謀で、80歳代という高齢者の体力では、逆に症状を悪化させることにもなりかねないからと指導したが、なかなか聞き入れてもらえなかった。結局、20日ほど滞在していただいたが、来たときぐらいまでの体力の回復ができた程度だと思う。無理は本当に良くない~、などとお話しをいただきました。

 明日は総括講演で、大湯リハビリ温泉病院理事長の小笠原真澄先生が登場します。この講演も楽しみです。
※写真はご講話の足澤輝夫先生

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