2011年10月26日水曜日

日頃のお付き合いが大切


 国のかたちとコミュニティを考える市長の会に出席。会場は都内都市センター会館。毎回、時々のテーマを選び出し、事例発表などを経て自由な意見交換をする会です。今回のテーマは「災害時における都市同志の相互扶助」。基調講演は関西学院大学の室崎益輝教授が行いました。

 室崎教授は、「阪神淡路大震災の時、静岡県は神戸市に大量の職員を派遣し、ボランティア活動を展開しました。静岡県は、もちろん将来の災害を想定した相互扶助の思いもあったでしょうが、現実として派遣された職員が静岡県の防災計画を見直すなど、今も災害対応のマンパワーになっています。将来のための親密関係を築くということと、今日の防災対策に反映できることと、2つの利点があります」と話しています。

 この会は小さな集まりですから、その分、意見交換は深度が高くて勉強になります。写真は基調講演を受け、福島県南相馬市の桜井市長の発言風景。「放射線量の高い地域には、救援物資はおろか人も来ません。そんな中で、杉並区からの職員派遣は本当に助かりました」と。一方、杉並区の田中区長は、「それは震災だからということではなく、以前から杉並と南相馬の職員交流があったからできたこと。全く情報が入らなかったときも、職員間の携帯のやり取りで状況を確認できていました。つまり、そういう繋がりを日頃からどう構築できているかです」と話していました。

 仙北市も、複数の交流市町があります。東日本大震災で各地に派遣した職員は、きっとこの経験を仙北市の行政に活かしてくれるはずです。たまたま今回の震災では“支援する側”でしたが、いつ“支援される側”になるのか分かりません。有事の相互扶助は大切です。それは日頃のお付き合いが基本になります。市長が飛び跳ねて自治体外交をすることは、市民の命に直結するセーフティネットづくりです。当たり前のことですが、それを忘れてはいけません。

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