2011年10月26日水曜日

都市行政文化懇話会


 都市行政文化懇話会に参加。場所は都内の国際新赤坂ビル。懇話会を主催するのは財団法人地域創造(文化・芸術の振興による創造性豊かな地域づくりを目的に、平成6年全国の地方団体等の出捐で設立)です。

 懇話会は講話と意見交換等で構成されています。昨日の国のかたちとコミュニティを考える市長の会と同様、出席市町村が少ない(全国から16市町村)ため、市町村長同士のやりとりが濃密です。

 講師は3人。アサヒグループホールディングス(株)相談役・前NHK会長の福地茂雄さん、劇作家・演出家・大阪大学教授の平田オリザさん、(株)ニッセイ主席研究員・芸術文化プロジェクト室長の吉本光宏さん。本当に豪華な講師陣です。

 個人的に興味深かったのは、平田オリザさんの「文化による社会包摂~文化による観光振興~新しい街づくりの形」(写真)です。平田さんは「文化政策には3つの役割があって、1つは心の癒し、1つはコミュニティの維持、1つは観光や教育などの分野の効用です。日本の文化行政経費はフランスの9分の1,韓国の7分の1で、これでは先進国としての役割を果たしていません。文化行政をもっと太いモノにしないと…。心配しているのは街の形です。バイパスにショッピングセンターができて、旧市街地は空洞化、この現象は20~30年前のアメリカで起きたことと同様です。利便性は高まったかも知れませんが、一方で地域特有の空間が失われました。その中にはコミュニティスペースも含まれています。床屋・銭湯など、世代間、職域間を越えた一種の余裕みたいな空間、若者や子どもの居場所は都会でも田舎でもありません。息苦しい環境だけが広がった感じです。誰もが誰もを知っているといった強固な共同体から、誰かが誰かを知っているという、緩やかなネットワーク社会への編み直しが必要だと思っていいます。沿革をどう生み出すか。例えば富良野は観光客の半分が外国人です。北の国からというイメージだけで、富良野を語ることはできません。絶えず変革のエネルギーを上手く活用して魅力を増しています。平成25年には富良野高校に演劇コースがスタートします。これは複次産業化した農業など、生産から販売までの知識以上に、どうお客様とコミュニケーションできるか、その能力開発こそ大切だと分かっている地元の力です」と話していました。

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