2010年10月18日月曜日

佐々木雅幸氏・談


 18日午後、都内で開催された都市行政文化懇談会で、3人の皆さんの講話をお聞きしました。佐々木雅幸(大阪大学大学院創造都市研究科教授)氏のお話をご紹介します。

 「文化創造都市とは、芸術文化の持つ創造性を、産業や雇用の創出に役立て、町を多面的に再生させる試み。1985年にヨーロッパで始まった。文化創造都市は、例えば車道はよせて、歩道を町の真ん中に造ったり、広場や公園、野外ステージなどが充実した人間重視型の都市だったり、現代アートからエネルギーを吸収できる多面性を持っていたり…、そんなイメージだ。特徴的だったのはバルセロナ。ここはピカソ、ダリ、ミロ、ガウディなど、多くの現代アーティストを生み出した。ここから多くの産業が生まれ、雇用政策も進んでいる。面白い仮説があって、これはゲイやレズを許容する社会は、新しい文化・芸術が生まれやすい社会だと言うこと。既存の価値観を否定することから新たな創造はスタートするが、これは創造者も同じ価値観を持っている。寛容性が高くなければ創造性は育たないと言うことかも知れない。日本では金沢が一番先に創造都市の概念を取り入れたと思う。特に現代アートはまちづくりにどんなエネルギーを発散できか、金沢は21世紀美術館で大いなる挑戦を続けている。伝統と先端のせめぎ合いだが、市長はこの議論は金沢の将来に撮って必要だと言い切っている。現代の伝統は、当時の最先端だったはず。価値が定まっていないからこそ現代アート。次代の技術は常に革新的な地域から生まれている。」

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