2015年9月6日日曜日

田沢湖の湖底調査が本格スタート

いよいよ本格的に田沢湖湖底調査がスタートしました。写真は今朝撮影したもので、右から2人目が高知大学の岡村眞教授、横が松岡裕美准教授、さらに秋田大学田沢湖湖底研究所の石川大三教授、小川泰正准教授、左端は、ふじのくに地球環境ミュージアムの山田和芳准教授です。

 高知大学チームは、必要機材をトラックに満載し、一昨日に高知を出発、日本海側をひた走り、田沢湖に到着したとのこと(すごいエネルギーだ!)。岡村教授は「私たちを必要としている場所があれば、どこにでも出かけます。ヒマラヤ山中の池の調査にも、ボートを担いで行きました。研究室の生徒からは、岡村土研(土建ではなくて研究の研になっているところがミソ)と言われています」と笑って話してくれました。

 今回の調査では、湖底最深部などに重りをつけた3メートルのパイプを打ち込み、堆積物を採取することになっています。どんなことが分かるでしょうかと尋ねたら、「堆積物はその時々の時代の記憶です。例えば玉川の水が入ってからの変化、例えば火山活動の遺物、例えば植物の種子や花粉など、その年代の出来事をしっかりと留めてくれています。これまでの研究の成果でも、秋田スギの発生が約3000年前という分析があります。いろんなことが明らかになりますよ」。

 「できれば、クニマスのウロコを見つけて欲しいのですが」とお願いすると、「骨は溶けて無くなりますが、ウロコは時間が経過しても残りやすいので頑張ります」と、約束をしてくれました。今回の調査でクニマスのDNAを発見することができるかも…。

 湖底調査は、既に大阪市立大学の原口強准教授等が音波調査での湖底地形と地質調査を終えています(6月29日から7月5日)。この後、今回の高知大学・秋田大学の研究チームによる調査が今日から9月9日まで、さらにその後、国立研究開発法人・海上技術安全研究所の小田野直光研究統括主幹などが、水中テレビロボットでの湖底映像収録を9月28日から10月2日まで行います。これらの基礎的調査を終えた後、2年ほどかけて調査分析を行い、逐次経過を発表しながら、集約したカタチで田沢湖クニマス未来館(仮称)に展示予定です。

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