2015年9月10日木曜日

角館のお祭り行事の事故

角館のお祭り行事で、本当に残念な事故が起きてしまいました。9月9日午前0時50分ごろ、角館町下中町の市道下中町線路上で、張り番の責任者として立ち会っていた藤木浩一さんが曳き山にはさまれて亡くなりました。
 お祭り実行委員会の代表として、誠に申し訳がなく心からお詫びを申し上げ、ご冥福をお祈りします。

 藤木さんは、仙北市にとって、また秋田県にとって、本当に大切な方でした。ご家族の悲しみを思うと、言葉もありません。

 神明社の本祭り、薬師堂の宵祭りだった8日、御座所では21代ご当主様が18丁内全ての曳き山をお迎えくださいました。昨年は終了の予定時刻を大幅に超えたため、各丁内の皆さんにお願いして、時間短縮にご協力をいただきましたが、結果的には昨年と同じくらい時間を要してしまいました。事前の打ち合わせ事項が、当日はなかなか実現できなかったことが残念です。

 その後、観光でお出でをいただいた方々の接待、お祭り各部門関係者と手順確認を行い(毎年行っていた全張り番あいさつ回りは、今年は時間を確保できなかったので中止しました)、観光課の職員に一足早く帰らせて欲しいと連絡を入れ、0時前には帰宅しました。
 横になった直後に、耳を疑う連絡が入りました。体の震えが止まりませんでした。信じられない思いで観光課に引き返し、実行委員会役員の召集、各丁内責任者、市の総合防災課などから情報収集、警察対応に追われました。深夜でしたが薬師堂代表者にお出でをいただき、差し出がましかったのですが本祭りの意向をお伺いしました。その上で、未だ薬師堂に参拝できていない10丁内の曳き山は最短距離の移動で参拝と自丁内でのご披露を、既に参拝を終えた丁内は自丁内で曳き山のご披露を、曳き山の激突は避けて欲しい…。この内容で理解を得られるかどうか、お祭り関係者や警察と調整作業に入りました。
 調整作業中、お祭り実行委員会にこの判断の権限はあるのか、そんな自問自答をずっと繰り返していました。観光課はもちろん、関係の誰もがお祭りを守りたいし続けたいと思っていますが、危機管理を考えると、死亡事故が発生した時点で通常は厳しい選択になります。仮に続行とすれば安全対策を構築しなければなりません。どちらにしても、緊急時に越権行為かどうかを議論する暇がありません。
 5時に各丁内の責任者会議を開催。できるだけ冷静にお話をするつもりでしたが、どういう訳か涙があふれます。数時間で議論した末の案は、皆さんからご理解をいただき、すぐさま全ての丁内で対応を始めていただきました。

 お祭りの全体会議・反省会は、15日の開催です。なぜ事故が起きたのか、その前後の積み上げられた課題、それにお祭り行事や実行委員会の在り方について検証し、改善策を模索する作業が始まっています。安全で楽しいお祭りにしないと、藤木浩一さんに申し訳が立ちません。
※写真は佐竹北家第21代当主御座所

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