2011年9月7日水曜日

国体の在り方


 昨日夕方、熊谷徹市教育長と一緒に佐竹知事とお会いし、第68回国民体育大会冬季大会スキー競技会の開催に関しての要望書を提出しました。2013年2月に開催の国体冬季大会を秋田県でお受けした場合、憂慮される幾つかの点について、市としての考え方をお伝えし、アルペン競技については、田沢湖スキー場で開催いただきたい旨の内容です。全文を公開します(以下要望書本文)。

 日頃から県政の推進に渾身のご尽力をいただき、また仙北市勢発展にご理解とご協力を賜り、心より御礼を申し上げます。
 さて先ごろ日本体育協会及び文部科学省から、秋田県を、第68回国民体育大会冬季大会スキー競技会の会場としたい旨の要請書が提出され、県はこれを承諾する方向で協議が進んでいると伺っております。
 そこで秋田県開催が決定した際には、アルペン競技を田沢湖スキー場で開催いただけますよう要望するものです。

1.要望理由
① 国体は国内最大のスポーツイベントですが、各競技のレベル向上が開催目的の中で最も重要な要素と考えます。各県の選手強化は、国体を開催する時だけ行うようなものではないと、秋田県ではスポーツ立県宣言を行っていることに敬意を表します。
 出場選手が高いレベルで競技に参加するためには、相応の競技環境が必要です。前回の鹿角国体で、アルペン競技がコース設定等で苦労したお話しを側聞しています。環境の整った会場で競技を行うことは、国体という大会レベルの確保と向上、さらにこれまで最大努力を重ねてこられた選手に、最高のパフォーマンスを発揮いただく不可欠な条件です。この点に関し、アルペン競技を県内で開催するとなれば、田沢湖スキー場以外の適地はないと確信しています。
② 国体は、開催主旨に「広く国民の間にスポーツを普及し、国民の健康増進と体力の向上、地方スポーツの振興と地方文化の発展を目的とする」とあります。会場が固定化傾向となることは好ましい事態ではないと、多くの関係者も考えているところです。
 国はスポーツ振興を押し進めるために、各県に競技施設を配置する配慮を持っていただきたいと思います。国体開催をお願いするだけで、必要施設への支援が薄いのでは、都道府県へ事業を丸投げするようなものです。都道府県も、都道府県内への適切な施設配分を考慮いただきたいと思います。将来、市町村が、その地の文化や歴史になぞられた競技種目、適地適種目の会場となることができるよう、スポーツ立県宣言をした秋田県は、全国に先駆けて競技施設の充実に支援をしていただきたいと思います。
 それでこそ広範多彩なスポーツ振興、人材の育成が叶うものと思います。

 最少経費で最大効果をあげることは大切さはいうまでもありませんが、開催経費の縮減に囚われ、コンパクト・省力化を追求するばかりでは、国体の本分を見失いかねません。このままでは国体は先細りするだけで、国体不要論に抗うことは困難です。第68回国体冬季大会の開催の在り方が、今後の国体開催に大きく影響することを憂慮し、今回このような要望書を提出することにしました。
 アルペン競技会場に田沢湖スキー場が決定した際は、昭和46年・昭和57年・平成19年の経験、その他多くの競技会場となった経験を生かし、市民・県民挙げた大会運営に取り組みます。

 以上のように、2013年の冬季大会の開催手法が、今後の国体の在り方にも様々な影響を及ぼすという視点での要望書です。この要望書を受け佐竹知事は、「日体協から秋田県開催という要請だったわけですが、現実的に鹿角市を前提としての要請と理解しています。開催まで時間がないので、近々開催地を決めます。田沢湖スキー場は県営と言うこともあり、県としても国体以外での活用策も色々と考えています」と答弁されました。

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