2011年9月2日金曜日

市政報告②「大震災その後」


 東日本大震災の避難者の受け入れ状況について、8月31日現在で、福島県133人、宮城県45人、岩手県1人、計179人となっています。避難先別では、宿泊施設127人、市有施設1人、家族知人宅20人、雇用促進住宅27人、その他4人となっています。
 宮城県女川町からの避難者は、8月末で20人になっていますが、宮城県の仮設住宅の建設計画によると、9月中には全員が女川町へ帰る予定になっています。福島県からの夏休みを利用した避難については、3,043人の実績となっており、総宿泊数では16,861泊となっています。また、秋田県のプログラムによる児童生徒10人以上の団体の受け入れについては、3団体、84人が本市で体験活動を行いました。秋田県では、福島県からの避難について、9月以降も一定の条件のもとで受け入れることにしており、本市においても引き続き支援本部で対応することにしています。

 大震災後の経済対策についてです。
 未曾有の被害をもたらした大震災から半年、風評被害などによる本市産業における影響は甚大なものがあり、特に裾野の広い観光産業が受けた影響は、商工業・農業へも波及し、これら全体の回復はかなり鈍いと感じています。 東北三大夏祭り期間中の桜並木駐車場の利用状況などをみると、普通車でほぼ昨年並み、大型バスで昨年比で8割方まで回復していますが、大型バスの乗車割合が低く、まだまだ先の見えない状況が続くものと思われます。
 震災後、市内経済の活発化を図るため、効果的な施策を絶え間なく実施してきました。秋田県の「東北地方太平洋沖地震復旧支援資金」の市内での融資申込みは、8月30日現在で169件、融資額20億7,270万円に上っています。市も独自に本資金に係る利子補給制度を創設し、利用者の負担軽減に努めています。
 また、仙北市商工会と連携して発行したプレミアム付き商品券事業は、子育て家庭の支援も狙った追加発行分も含め、総発行金額は1億7,632万5千円となっています。8月25日現在の換金状況は、136事業所で1億1,181万3,500円となっています。その内訳は、商工会員が61.9%、大型店が38.0%、会員以外が0.1%という状況です。
 なお商工会からは、子育て支援に関し、商品券加盟店の増加や秋田県が行っている「あきた子育てふれあいカード協賛店」の新規加盟店も増えているので、引き続き加盟を働きかけていく旨を伺っています。
 打撃の大きい観光事業に関しては、初期段階では県内に絞って発行した宿泊クーポン券事業や、市内入浴施設の利用促進を図るための、無料入浴券の全世帯配布など実施しました。その後、6月25日の「田沢湖・角館観光連盟」設立を契機に、「仙北市夏休み里帰りキャンペーン」事業など、県外在住者に対象を拡大して誘客事業助成を展開しています。

 農畜産物等の放射性物質の調査についてです。
 東京電力福島第1原子力発電所の爆発事故により、農畜産物等への放射性物質の汚染が心配されています。牛肉については、秋田県による出荷前の全頭検査が実施されていることから、汚染された牛肉が市場に出回ることはないと考えています。
 米については、秋田県が独自に行う収穫前調査(安全確認調査)と、国が示した枠組みで収穫後調査(本調査)の2段階調査で対応することにしています。9月上旬に県内3ヶ所で収穫前調査を実施し、中旬以降、旧69市町村単位に1ヶ所ずつ本調査を行うこととなっており、JA等と連携を取りながらその準備を進めています。野菜等についても、県が、農協等の団体が自主的に測定するための経費に助成する制度を創設し対応することになってます。
 これらの制度から漏れた市内団体・生産者等については、市が独自に調査をしたいと考え、関係予算を計上していますので、よろしくご審議をお願いします。

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