2011年2月23日水曜日

平成23年度市政方針⑦


【農林部】
〔総合産業研究所の取り組み〕
 2年目を迎える総合産業研究所については一部業務内容を見直し、より農業の現場に踏み込んだ事業展開で、一次産業を核とした6次産業化の推進に取り組みます。
 具体的には、産業連携・商品開発・流通対策・試験研究等を柱として、企画開発部門と販売戦略部門の二つの班編成により業務に当たります。
 また、雇用創造推進協議会で採用予定の4名のスタッフと連携し、首都圏等での物販活動やEビジネスの展開に取り組むほか、認定農業者協議会やグリーンツーリズム関係団体、直売所グループ等と連携し、地域ブランドの開発や地場産品の販路開拓に努めます。

〔農業者戸別所得補償制度への対応〕
 食料自給率の向上や農業の多面的機能の実現を目指し、「農業者戸別所得補償制度」が本格実施されます。
対象作物は、米・麦・大豆・そばなどのほか、飼料作物・米粉用・飼料用米・加工用米・地域特産物等です。農作物の出荷状況に応じて「畑作物の所得補償交付金」、「水田活用の所得補償交付金」、「米の所得補償交付金」、「米価変動補てん交付金(平成24年度予算計上)」がそれぞれ直接農家に交付されます。
 本市の水稲の生産数量目標は16,387トンで、面積換算値では、前年度より150ヘクタール減少して2,969ヘクタールとなり、転作率は38.7%となっています。今後、水田農業推進協議会の方針に基づき、生産数量目標の配分や農業者戸別所得補償制度について農家への周知を図り、国・県・関係農業団体と共に農家所得の向上に結びつく施策の展開に努めます。
 なお転作作物の助成金について、全体では前年度を上回る手厚い内容になっていますが、収量・品質により、作物によっては不確定な要素があることから、国・県等の動向や全体の取り組み状況を勘案し、必要に応じて市独自の対応を検討したいと考えています。

〔都市農村の交流促進・農村文化の再発見〕
 本市では恵まれた資源を活用し、農業体験や林業体験などが各地区で盛んに行われています。平成21年度の実績では、県内外の小・中学校、高校、大学合わせて48校、4,577人が体験学習旅行に訪れています。
 こうした現状を踏まえ、農山村体験やグリーンツーリズムの総合窓口としての役割を果たし、また農村文化のブラッシュアップと賑わいの創出を目指し、農林部内に「農山村体験デザイン室」を設置します。

〔農業・農村支援策の充実〕
 県では、農林漁業振興臨時対策基金を新たに創設し、100億円規模の基金造成により、「農林漁業競争力強化・躍進プラン」を策定、平成23年度から農林漁業の構造的な改革を加速する対策を集中的に実施することにしています。
 本市では、「農業夢プラン型戦略作目等生産基盤拡大事業」として夢プラン応援事業をはじめとする県単事業に市独自の嵩上げ助成を行い、意欲的に作付拡大を目指す農家を支援します。
 また市単独の「元気な農業ステップアップ事業」等により、新たな担い手農家の育成に取り組むほか、仙北市重点作目の見直しを行い、新たにイチゴ・山の芋・ネギを追加するなど、ブランドの確立を目指します。
 このほか、「中山間地域等直接支払事業」、「農地・水・農村環境保全向上支援事業」を引き続き各地区で実施し、農村の活性化や多面的機能の維持に努めます。

〔畜産の振興〕
 昨年来の口蹄疫や鳥インフルエンザの発生により、畜産農家は大きな衝撃を受けていることから、家畜総合衛生防疫事業等により、伝染病の未然防止に全力で努めます。また、安全な粗飼料の確保と自給率の向上を図るため、農業者戸別所得補償制度の耕畜連携助成事業を推進するほか、家畜導入事業や環境保全型農業推進施設整備事業により畜産農家の規模拡大と環境保全を進めます。
 預託放牧の場として活用されている大覚野牧場について、増加傾向にある放牧利用に対応するため、県農業公社が事業主体となり「草地林地一体的利用総合整備事業」を進めていますが、本年度は12ヘクタールの草地整備改良工事を実施します。

〔土地改良事業の推進〕
 昨年度は、7月から8月にかけての集中豪雨で、農地・農業用施設に大きな被害がありました。現在小土地改良事業費補助金の要綱を見直し、災害対応につながる事業について補助率の嵩上げを検討しています。
 小勝田頭首工、若松堰頭首工の県営事業について、引き続き応分の負担を行い事業の推進に努めます。また、田沢二期地区(田沢疏水)の国営事業についても事業促進に協力します。
 県では、土地利用型転作作物の収量と品質の向上を図ることを目的に、もみ殻補助暗きょなどを活用した農地の排水強化対策事業に取り組むことにしていますが、土地改良区や基盤整備済の組合等に事業の周知を図りながら事業推進に努めます。

〔林業の振興〕
 秋田県水と緑の森づくり税を活用し、「ふれあいの森整備支援事業」に取り組み、田沢湖高原地区から乳頭温泉地区にかけての歩道整備を実施するほか、都市住民と地元住民が森林作業を通じて交流を図る「緑の交流支援事業」や地域ボランティア団体とともに森林体験活動を行う「森を楽しむ体験事業」を引き続き開催します。
 高能率生産団地路網整備事業について、県事業の基幹林業専用道路網として新たに整備することになり、本年度は田沢湖地区の鹿の作林道の整備に着手します。
 秋田スギの普及拡大を目的とした「仙北市推奨乾燥材利用促進事業」については、増改築を含めた助成制度に内容を見直し、利用促進を図ります。
 森林のマスタープランとなる市町村森林整備計画の策定に向けて、「森林GIS整備推進事業」により森林GISの導入を進めます。
 なお、新燃岳の噴火により土石流等の被害が心配されていますが、こうした災害を未然に防止するため治山事業を進めています。本年度は、県営治山事業として、継続事業4ヶ所、新規事業1ヶ所の工事が実施されるほか、活火山による災害予防の観点から、駒ケ岳流域の岩井沢地内に砂防堰堤を整備するため、治山施設機能強化事業の事業採択に向けて取り組んでいます。

〔木質バイオマス施設の稼動〕
 昨年4月から稼動している木質バイオマス施設については、原料のチップの品質や施設のトラブル等により、当初計画に基づいた稼動ができない状況になっています。このため、今後の管理運営について施工業者である月島機械㈱と協議を重ねていますが、平成22年度において掛かり増しとなった管理運営費については、月島機械㈱が一定の負担を行うこととし、補正予算に歳入を計上しています。また現状のままでは、安定した稼働状況を維持することが困難なことから、ガス化炉1基3系列の現行システムを見直し、ガス化炉を改善する提案が出されています。
 併せて熱量のエネルギーバランスを調整するため、作物の育苗や温水プールなど、バイオマスエネルギーの、他の用途への活用についても検討を進めることにしています。
 バイオマス事業の当初の目的達成のためには、あらゆる方策を講じることが必要であると考えています。今後、県・林野庁とも協議し、早期に改修工事を実施する方向で取り組んでいきます。

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