2016年7月15日金曜日

よそ者と島人と役場職員が連携して

 写真は、海士いわがき生産(株)で養殖のイワガキを出荷準備する様子。作業の皆さんは若くて元気です。そう言えば、船を降りてすぐのキンニャモニャセンターの観光協会職員も、地域産品直売所の皆さんも2階のレストランのスタッフも、皆さん若い方々でした。

 これが山内町長の言う「Iターン」現象です。「Iターン」は、「Uターン」(出ていった町に戻る)でも、「Jターン」(出ていった町に近いところまで戻る)でもなく、全くターンではなく、“外者”がやって来て定住するイメージです。海士いわがき生産(株)も、神奈川県でサラリーマンをしていた鈴木さんご夫婦が住みついてはじめた会社です。ご夫婦はダイビングが趣味でした。海が美しい海士町でダイビングをしているうちに、平成18年にイワガキの養殖を始めて…。今では年間の売上額が3億円の町の産業に成長しました。干しナマコを中国に輸出する(株)タジマヤも地元漁業者とIターンのよそ者が起こした産業です。

 これは、相当にIターン者を優遇する制度があるはずと勘繰りましたが、実はそうでもなくて。定住支援対策も子育て対策も、はっきり言って仙北市が数倍整っています。事実、町の資料冊子(外貨獲得政策で3000円で販売)には、「Iターンの特別な支援制度なし」と明記されています。変です。何か裏技があるはずです。

 そんな疑問を解き明かすヒントが、前出の吉元課長の言葉にあるような気がしています。「それぞれが人の足を引っ張らず、楽しく暮らしたいんです。島の人たちが楽しく暮らしていたら、外部の人だって、その輪の中に入りたくなるのは当たり前です。そんなよそ者と島人と町役場の職員が連携すれば、無人島にならずに済むし、持続可能な社会をつくることができるんじゃないかと思っているんです」。
 何だか幸せな気持ちになれる言葉です。

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