2016年10月8日土曜日

このまま終わっていいんですか

 昨日午後、仙北市議会全員協議会が開催されました。全員協議会は緊急的な課題や特定テーマで、議員同士、また議会と執行部で情報共有が必要な時などに招集されるものです。今回は議会が集約した統合庁舎案を、議会自らが否決した9月議会後の庁舎の在り方について、方向性を探る目的でした。

 まず会議では議長が議員一人ひとりから意見を求めました。9月議会の統合庁舎案件は無記名投票で行われたため、いずれの議員も非常に歯切れが悪く、賛成・反対の立場を明らかにしての発言が少なかったことは残念です。それでも「神代地区が望ましい」との案や、「角館東公民館を提案したい」などの、具体的な位置を定めた意見もありました。しかしこれらの意見は、特別委員会で賛同が多数に満たなかった経緯があります。私たちが提案した「角館病院跡地案」も同様です。複数の候補地の中、意見集約した場所が「角館駅前案」で、これを議会は最終案と結論付けたのです。

 その案が議会本会議で否決されたので、昨日の議会全員協議会は、終始「分庁舎方式も止むを得ない」ムードでした。黙っていられない気持ちが昂り、議長に発言の許可をいただき、私の思いをお話させてもらいました。以下はその概要です。

 「このまま終わっていいんですか。これまでの議論は何だったんですか。統合庁舎を実現するために、全会一致で可決した新市建設計画、その他にも皆さんで承認してきた総合計画や総合戦略など、全部を無駄にするんですか。それで議会の責任が全うできるんですか。私のこの数日は、議決の後始末のような作業ばかりです。まず市議会が終了した直後、角館駅前の民有地の所有者に、議会の判断をお伝えするために大仙市に走りました。所有者からは、逆に仙北市を心配しているお話をいただきました。市内の若手経営者からは、仙北市に未来を感じることができないので、市外に本拠地を移すことも考えているような言葉を聞きました。統合庁舎の案件は重要問題ですが、同じくらい議会の議論の在り方や判断行動に不安や疑問を持った皆さんが多いこと、それが様々な分野に影響するかもしれない、これも大変な問題です。ところで私は知事・副知事ともすぐに面談しました。大変心配をしていました。そして私は統合庁舎の実現を諦めることはできないので、事務手続きなどは12月まで待って欲しいことをお願いし、もちろん激励の言葉をいただきました。冷静に考えると、角館駅前案は当然100点ではありません。どこを選択しても100点は望めません。例えば角館駅前案では、菅沢踏切が交通量の増大に適応できないので反対だとの方もいますが、県は現状のままではすでに改修を終えているけれど、庁舎の移転など現状に変化があった際は、もちろん対応を検討したいと話しています。先ほど神代地区に庁舎をとの意見がありましたが、それは無理です。農地を取得する手続きの期間、その後造成の期間、造成養生の期間、その後に本体建築です。平成32年度まで事業を完了し、特例債の発行事務を終えることは無理です。そもそも神代地区で議会から最大賛同をいただく意見集約にどれほどの時間が必要か、想像できません。角館病院跡地案は、昨年の12月まで議会から判断をいただきたいとお願いしましたが、特別委員会が設置され、判断を先送りされました。この状況では私たちは動けません。そうして同案は時間切れを迎えています。東公民館はその立地環境から初期の案で除外されています。浮いては消えた案を引っ張り出し、また新たに用地を求める必要がある場所は、もう無理です。結果としては、角館駅前案しか可能性がありません。しかしここも用地は仮契約のままで宙に浮いています。もう議会が分庁舎で行くと判断するのであれば、売買の白紙撤回を正式に申し出しなければなりません。その後で、やはり必要だったということになっても、それは叶いません。皆さん分庁舎で進むのであれば、角館庁舎は一刻も早くに建て替えないと、本当に危ないのです。しかし分庁舎としての角館庁舎の建築も、当然に議決事項ですから、場所の選定、機能やフロア面積など、検討を急がなければなりません。こちらに進んでも時間がないのです。以前から申し上げてきたように、これまでの財産を守っていく余裕がありません。幾らかでも維持費や管理経費、人件費を削減して、その分で政策的な予算を市民の皆さんに使ってもらう工夫が不可欠です。そうしないと仙北市を守れません。だから統合庁舎を議論して来たのです。もう2ケ月少しあります。最後まで諦めないで統合庁舎の可能性を探っていただきたい一心です。どうかよろしくお願いします」。

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