2016年10月7日金曜日

田沢湖クニマス未来館の祈願祭

 昨日午前に行われた、田沢湖クニマス未来館安全祈願祭の様子です。山梨県富士河口湖町の西湖でクニマスが発見されてから、もう6年の歳月が経とうとしています。未来館は田沢湖畔大沢に来春オープンします。田沢湖の再生、クニマスの里帰りと言う、誰も経験したことがない活動が本格化します。今後どれ程の時間と経費を必要とするのか、とても仙北市や秋田県だけでは賄いきれません。世界中の皆さんに応援をお願いします。

《祈願祭のごあいさつ内容》
 ~1940年、田沢湖は水質の激変が起こり、水生生物が死滅したと言われています。これは戦争に向かう直前、富国強兵の観点から開田など農業振興、また電源開発の必要性があったためで、玉川温泉から噴出する強酸性温泉水の導水で水量を確保しました。この政策を一概に否定することはできません。現在の私たちがあるのは、この政策の恩恵にあずかった事実があるからです。しかし余りに大きな代償でした。


 それから70年が経ち、山梨県富士河口湖町の西湖でクニマスが発見されました。富士河口湖町の皆さん、中坊徹次教授のチームなど、感謝しきれないほど有り難いと思っています。秋田県と仙北市は、すぐに田沢湖クニマス里帰りプロジェクトを立ち上げました。今は県と市の共同プログラムで事業を進めています。また多くの大学の皆さん、地元農業高校の皆さんにも協力をいただき、水質改善の手法を検討中です。何より田沢湖を愛する地元の方々が中心となって、できることから始めようと、熱心な取り組みがあります。

 誰もが、一度死滅した生物体系・自然環境を再生することが、どれほど困難な道のりとなるのか、今さらながら感じています。中坊教授は、田沢湖とクニマスを中学1年生の教科書に紹介いただきました。そこにもあるように、現状の改善に向けて歩み出さなければ、何も始まらないのです。その始まりが「田沢湖クニマス未来館」です。どうか活動の拠点となる未来館を、しっかりと実現していただきたいと思います。~

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