2011年1月23日日曜日

中坊教授のお話し③


 京都大学博物館のメインホール。中坊教授の講義は続きます。

 「私は、クニマスが発見されたからと言って、特別な保護とか規制などはするべきではないと思う。大切なことは“人と魚を一緒にした生態系の保全”であり、それらについて次の項目で整理をしてみた。
 1.西湖は周辺に住む人々の生活圏。
 2.クニマスとヒメマスは70年も混穫されてきた。
 3.現状で変なカタチで保護規約をつくれば、ヒメマス漁業も遊漁もできない。
 4.まずクニマスとヒメマススの識別点を明確化する
 5.識別したクニマスの採集地点を増やし、その生態を明らかにする。
 6.生態調査は地元の漁業者の意見を重視する。
 7.絶滅危惧種に指定すべきではない。
 などなど。

 さらに田沢湖の再生について、中坊教授は「100年をかけてもクニマスが住める湖に再生するため、バトンを伝え渡すことだ」としました。

 講義が一段落した後、今度は参加の皆さんからの質問です。多くの方々が中坊教授に質問を浴びせます。その一つ一つに丁寧に応えて…。予定では30分の講義でしたが、何と1時間も超過してしまうほどでした。

 そんな訳で、時間ギリギリで新幹線に飛び乗り、今は新横浜を通過中。帰宅は午後11時ぐらいかな。

3 件のコメント:

  1. 京都市民です。私も講演に参加させていただきましたが、
    事の重大さを改めて認識いたしました。

    自分も、一度秋田へ、田沢湖に行って見ようと思っています。
    時間がかかるプロジェクトですが、後世に残るよう頑張ってください!

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  2. 西湖に、潜水艇を潜らせるか、リモートカメラを沈めるかで状況がわかるかも知れないとおもいます。

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  3. mameさん、niuraさん、メールありがとうございます。中坊教授のお話を聞いて、難点か新たな視点をいただけた学習会でした。皆さんに感謝を申し上げます。西湖には、以前テレビ局のカメラも入っていると思います。田沢湖の湖底がどうなっているのか、こちらはカメラを入れてみないと分かりません。これだけでも大事業です。クニマスを田沢湖に里帰りさせるには、長い時間、多くの努力、巨費が必要だとも言われています。

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