2011年1月23日日曜日
中坊教授のお話し②
京都大学博物館のメインホール。中ほどに腰をおろせる段々椅子があり、既に満席状況でしたが、最前列に富士河口湖町と仙北市の関係者人数分が来賓席となっています。中坊教授の気遣いに改めて恐縮。それにしてもスゴイ人の数。ホールの上部両際にあるキャットウォークでも立ち見しています。
以下、中坊教授の講話から…。
「京都大学には、9体の田沢湖産クニマス標本がある。クニマスの研究は川村多實二先生から始まった。川村先生からの標本鑑定依頼を受けたアメリカのジョルダン博士が、クニマスを固有種と認定したのが1925年。当時の記録を見ると、クニマスの体色は黒、周年産卵、深いところに生息するとある。一方、田沢湖では、それまで何度も開田や電源開発で田沢湖に玉川の水を入れる話しがあった。しかし昭和9年の東北大飢饉が引き金で具体化し、昭和15年1月20日、ついにその日がやってきた。昭和23年に行われた調査では、底刺網にクニマスは1匹も捕れていない。さてクニマスには2月と9月に産卵のピークがあったらしい。しかし2月は水深が40m~50mのあたりで産卵し、9月は225m~270mあたりで産卵している。これは何を意味しているのか。私はクニマスの生態に最も重要なファクターは、水深ではなく、むしろ温度ではないかと考えている。キーポイントの温度域は4度だと思う」
続きは③で。
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