2010年12月23日木曜日

陛下のお言葉


 お誕生日に先立って開かれた記者会見で、陛下がクニマスの発見に触れたことを知りました。以下、お話しになったあらましを、ご紹介します。

 「~生物多様性年も終わりに近い頃、日本の淡水魚が1種増えました~」とお話しが始まり、「~クニマスは田沢湖にだけ生息していましたが、昭和の10年代、田沢湖の水を発電に利用するとき、水量を多くするため、酸性の強い川の水を田沢湖に流入させたため、絶滅してしまいました~」と経緯を説明されています。さらに発見したクニマスを「~本当に奇跡の魚と言ってもよいように思います~」としました。クニマスの思い出もご披露され、「~クニマスについては、私には12歳の時の思い出があります。この年に、私は、大島正満博士の著書“少年科学物語”の中に、田沢湖のクニマスは酸性の水の流入により、やがて絶滅するであろうということが書かれてあるのを読みました。そしてそのことは私の心に深く残るものでした~」と述べられました。
 また今後については、「~これまで西湖漁業協同組合が西湖を管理して、クニマスが今日まで守られてきたことを考えると、現在の状況のままクニマスを見守り続けていくことが望ましいように思われます。その一方、クニマスが今後絶滅することがないよう危険分散を図ることは是非必要です~」とお話しになりました。

 感激しました。陛下が12歳の時から長きに渡り、田沢湖のクニマスをお心にお留めいただいていたことを、初めて知りました。陛下のお話のように、危険分散を図る上で、田沢湖の再生とクニマスの里帰りを、是非とも叶えたいと思います。

※写真は西湖。水深が71.2mあり、富士五湖の中では本栖湖とともに不凍湖。

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