2023年2月9日木曜日

羅刹鬼の手形痕が語るもの


 黒い影は羅刹鬼(らせつき)と言う鬼の手形痕、手は私です。場所は盛岡市の三ツ石神社。鬼の悪行を懲らしめた三ツ石の神さまと、ある約束を交わした鬼の手形が小さいのは…。

 境内の巨岩に手形痕があって、それが岩手の名称の由来だと伝わっています。写真は神社の横に展示されたレプリカですが、スケールは原寸と聞きました。恥ずかしいくらい手が小さい私と比較しても、鬼の手形としては小ぶりです。実は平安時代末期の今昔物語集に、様々な姿の羅刹鬼が登場します。身の丈一丈(約3メートル)の大鬼だったり、妖艶な美女鬼だったり…。村人や旅人に悪行を重ね、三ツ石の神さまに懲らしめられた羅刹鬼。二度とこの地を訪れない約束を交わし、岩にその証の手形を刻んで去りました。これが不来方(こずかた:盛岡の古称)の語源になったと言います。

 さて、手形痕の大きさを考えると、ここで成敗された羅刹鬼は大鬼ではないようです。もしかしたら今昔物語集に登場する美女鬼ではなかったかと…。ニューヨーク・タイムズが選んだ「今年行くべき世界の旅行先52ケ所」で第2位の盛岡です。毛むくじゃらの大鬼より、美女鬼伝説がお似合いかと思うのですが…。

2 件のコメント:

  1. 門脇さんお久しぶりです。実は鬼の手形石は雨上がりに行くと手形が浮かび上がるんですが1.5mぐらいあったりします
    https://twitter.com/akitayoukaisyui/status/1463433261129297923?s=46&t=cFQVunkj2ZGws2EfSynnWQ
    ↑写真3枚目に薄っすら写ってます

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  2.  戦狐さん、ご無沙汰しました。雨上がりに行けば良かったんですね。春にまた行ってみます。3枚目に薄っすら写っているという手形…、よく分かりません。どの辺りかなあ…、見たい!。

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