2015年6月29日月曜日

国家戦略特区シンポジウムで

写真は先週金曜日、都内虎ノ門ヒルズで開催された国家戦略特区シンポジウムの、「セッションⅢ」の様子です。同セッションは「養父×仙北の特区を活用した地方創生モデルの構築」をテーマに、モデレーターとして竹中平蔵・特区諮問会議有識者議員(写真:左はし)、またパネラーとして小泉進次郞・内閣府大臣政務官(写真:右はし)、広瀬栄・兵庫県養父市長(写真:左から2人目)、鯉渕美穂・MIKAWAYA21代表取締役社長兼CEO(写真:右から2人目)、そして自分が登壇しました。

 兵庫県養父市は、農業委員会の権限を市長に移管することで耕作放棄地の再生や農地の流動化を目指し、昨年9月に国家戦略特区第1号として認定されました。以降、農地の取得などをスピードアップしたことで農業生産法人の設立が進み、現在8社が市内で生産活動に取り組んでいます。と言うわけで、実績をシンポジウムで発表できる現在がありますが、仙北市は未だ地方創生特区の指定予定団体レベルで、何とも発表内容(構想内容)に現実味がありません。

 「こんな取り組みをして、雇用創出と経済再生を成し遂げたい」的発言と言い訳をして、自分の発表内容をお知らせします。

 始めに、仙北市を紹介します~。今回の私どもの特区提案は、現状では、「法律や難しい手続きが邪魔をして対策が前に進めない」項目ばかりであることをご理解ください。

【1.国有林野の民間開放】
 以前、私は合併前の西木役場で林業係長を勤めていて、その当時から「広大な国有林を民間の経済活動に活用できないか」と考えていました。そこで今回の提案で、国有林を自由に活用できるよう、面積要件や使用に関する規制緩和をお願いしました。
○利用策のイメージは、例えば、
・育林業務や伐採を大胆に民間企業へ移転する。
・様々な木の実の活用、例えばドングリ林に豚を放牧して、世界一の生ハムを生産したり、ブナの実で健康食品づくりを行う。
・美味しくて有名な生保内タケノコ・季節の山菜を加工する林間工場、また森のレストランのオープン。
・落ち葉を拾い集めた完熟腐葉土の製造・販売。
・世界規模の野外活動ができる林業学校の開設。
・それにドローンの実証実験
 などです。

【2.国有林野を活用した「自動飛行」の技術実証】
 ドローン開発拠点の構想です。規制緩和で民間に開放いただく国有林等を活用し、現在抱える課題の解決にドローンを活用しながら、その実証実験を重ね、開発研究者の招へい、研究機関と製造拠点の誘致も実は狙っています。片田舎の林野が、世界最先端技術の集積地に変身する、そんな日が来たら、これは愉快です。
○技術実証のテーマとしては、
・秋田駒ヶ岳や秋田焼山の火山監視。
・山岳遭難、山菜採り遭難者の捜索。
・森林の育成調査。
・有害鳥獣(熊やニホンジカなど)の被害対策。
・遠隔地への宅配試験活動。
 などを考えています。

【3.温泉を核とした国際交流とヘルスケアの推進】
 仙北市は温泉のまちで、国内最多8種類の泉質に恵まれています。市内60ヶ所余りの温泉施設には、1日約7000人の宿泊が可能です。このうち玉川温泉は国内有数の湯治場ですが、3年前の雪崩事故発生後、野外の岩盤浴場は冬期間閉鎖のままです。ここは微量の放射線を発する北投石の産地で、同じく北投石が確認された台湾の北投温泉と、平成25年に温泉協定を締結しました。
○何とか岩盤浴場の通年再開を叶えたいと考えています。そして、
・温泉を核としたヘルスケアの実践、臨床修練制度を活用しながら、市民の健康増進、市外・国外観光客の誘客加速。
・また温泉をテーマに、日本をはじめとした世界の医師との交流。
 を進めます。

 竹中モデレーターからは、国に対して何か思いはないかと尋ねられたので、「国有林の民間開放も温泉医療についても、まだまだ今後も規制緩和を行う必要がある」と申し上げました。小泉パネラーからは、「仙北市でのドローン実証実験に平副大臣と共に参加したい」との発言がありました。

 いよいよ仙北市の特区が動き始めようとしています。

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