2023年11月29日水曜日

北上する果実


 陳皮(ちんぴ)はみかんの皮を干した漢方薬。スパイス原料でも人気です。ところが絶対量が不足し争奪戦になっているとのこと。そこで国内のみかん生産地を調べたらビックリ…。

 日本では陳皮は温州みかんの果皮が主流です。皮を使うので理想は無農薬栽培なんだとか…。これまで主産地は熊本や長崎、和歌山、愛媛、静岡でした。ところが最近は温暖化の影響で九州の産地は苦戦しています。関東以西の沿岸地から産地はどんどん北上し…、私の知る限り温州みかんは宮城県の山元町が北限です。柑橘類で言えば、山形県の鶴岡市・酒田市周辺でスダチ栽培を、岩手県の陸前高田市では柚子を試験栽培しています。各県は温暖化が進むことで柑橘類の栽培が可能になることを予測し、今から成木育て、苗木づくり、栽培手法の確立に取り組んでいるわけです。

 地球温暖化をできる限り鈍化させる努力をしながら、一方で南国産と言われてきた果実の栽培に挑戦…、農業はますます面白くなります。

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