2022年12月20日火曜日

角館に伝わる禁断の民話


 まさか「ひどい民話を語る会」(角川書店刊)に、あの禁断の民話が登場するなんて…。あらすじは紹介しますが、お食事中の方、潔癖症の方は読まないでください。

 武藤鐵城(考古学者・民俗学者)が、昭和16年発行の「旅と伝説」に書いて世の中に知られるようになりました。題名は“林檎の怪”です。角館に伝わる林檎の妖怪と爺のお話しで…。


《あらすじ》
 一人の爺が住んでいました。ある晩のこと、この爺の家に妙なものがやって来て、「爺、糞をご馳走してけれ」と言いました。呆れた頼みでしたが、爺は願い通りに糞を出してご馳走します。妙なものは「美味しい、美味しい」と喜んで全部食べてしまいました。満足した妙なものは帰り際、今度は自分の尻からホヤホヤの糞を出し、「爺、これを喰え」と言います。あまり何度も強いるので、決心して食べてみると…、糞は頬が落ちるくらい美味しいものでした。それからというもの、この妙なものは毎晩のように爺の家を訪ね、お互いの糞を食べ合うようになりました。しかし、これは普通ではないと爺は思い、夢中で糞を食べている妙なものに、隠してあったナタで切りつけました。妙なものは悲鳴を上げて逃げ去ります。夜が明け爺は妙なものの足跡を辿って進むと、裏の畑に生えていた大きな林檎の木に行き着きました。妙なものの正体は林檎でした。その木の幹には昨夜に切りつけたナタの傷が生々しく残っていました。爺が食べた妙なものの糞は、実はこの林檎の腐った実でした。

 すごい世界観です…。


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