今年もお世話になった皆さまが何人も旅立たれました。最近は不義理を重ねた反省もあり、許していただける限り葬儀に出るようになりました。その度に、私は偶然(たまたま)生きているのではないかと不道徳な思いが頭をもたげます。
曾野綾子さんは、著書・人間の道理(河出書房新書)で死と隣り合わせだった経験を書いています。東京空襲で隣家に焼夷弾が落ちて一家9人が焼け死んだとき、アフリカで活動中に出会った乳が出ない母と子どもの餓死を目の当たりにしたとき…、「どうしてあの人は死んで私は生きているのか」、そんな疑問に苛まれたそうです。その結果、たどり着いた答えが「運」以外に見つけることが困難だったと記しています。さらに、その「運」は個人の能力や努力や判断力や忍耐力などとは無関係で、全く筋道の通らない不平等なものだと…。
逝ってしまった皆さまには、また年を越すことを静かにお伝えします。会えないことの寂しさ、聞いて欲しかった愚痴、少しのアドバイスもお願いしたいと思います。
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