本日、市内5ヶ所で職員への年度当初のあいさつをしました。以下はその内容です。市民の皆さんと思いを共有したいと思います。
先ず始めに、同僚として企業局に勤務し、先月亡くなった柴田政文さん、そしてご家族の方々にお悔やみを申し上げます。柴田さんはあの日、現場を一目した瞬間、何が起こったかを察知しながら、倒れていた坂本さんと羽根川さんを助けなければ行けないと、その一念で飛び込んだに違いありません。柴田さんは職に殉じました。今日この場で、強い責任感を持って職務にあたった柴田さんを生涯忘れず、彼を誇りとし、彼の意志を引き継ぎ、これからの仕事に向かう決意を確認し合いたいと思います。
この思いを持って、平成27年度のスタートを切ります。また人事内示が遅れたことで、事務引き継ぎなどに混乱があろうかと思いますが、どうかその影響が市民サービスに及ばないようお願いします。併せて異動要望が叶わなかった皆さんも、それぞれの職場で最大限の対応をお願いします。異動案の作成が困難な理由に、職員数の急激な減少もあります。少人数で最大効果を上げるためには、事務事業の外部移転・民間移転を今後もさらに進めなければなりません。
今年度は、認定こども園の法人化移行を目指し、新たな社会福祉法人の立ち上げを行います。以降は認定こども園の法人化移行、研修・福祉バス運転業務の民間委託、公用車の一部廃止、市民会館・図書館等の指定管理などを考えています。まだまだ民間委託で効果が上がる業務もありそうです。皆さんからの提案をお待ちします。こうした作業を繰り返しながら、組織再編を加速して行きます。どうかご了解ください。
さてこれから、平成27年度の位置づけについてお話をします。27年度は、次の4つの点に特に意を配して職務にあたって欲しいと思います。
●第1点として、通常業務に市民目線を忘れないで、行政サービスの質を高める年度を目指すこと。
●第2点として、市制施行10周年事業など、記念行事の対応にも全力であたる年度とすること。
●第3点として、仙北市として積み残しになっている課題を解決する、起点となる年度とすること。
●第4点として、今後10年の設計図を描く年度とすること。
などです。
第1点の市民目線ですが、市民に支持をいただけるサービスを、さらに提供したいと考えています。現状に満足することなく、またご批判を糧に、常に「さらに良いもの」にサービスを改善することが大切です。その姿勢があって、初めて市役所業務への共感や、共感による協力者が増えるものと思います。
これまでの10年間は、次の一歩を踏み出すために不可欠な時間でした。多くの辛く苦しい出来事もありましたが、それらを乗り越えて今を迎えています。常に私たちは市民と手を携え、挫けることなく、まちづくりを進めてきたことは、だれも否定できない事実です。議会からも、合併当初と比較すれば、多くの改善がなされたとの評価をいただくことが出来ていますが、さらに大胆さや繊細さ、思いやりや行動力、そして総合力で、市民に気持ちよく役立つ市役所づくり、行政の実現に取り組みたいと思います。
第2点として、市制施行10周年の対応です。今後も現状で計画されていない、追加の事案も出てくることを想定しています。10周年事業以外にも、各種の大規模行事が続きます。日常業務で大変なことは承知をしていますが、10周年関連事業は、これに参加できる喜びをエネルギーに変えながら、どうか市民の皆さんに喜んでいただける事業を実行いただくようお願いします。
第3点の、市として積み残しになっている課題を解決することについては、皆さんのそれぞれの職場で先延ばしにしてきた事案を、再度引っ張り出し、どうか次の10年の懸案にしないで欲しいと言うことです。もちろん解決には時間がかかるために、未解決になってきた経緯があろうかと思います。しかし市民生活の満足度を高め、幸せを感じるまちを実現するには、課題解決で一刻も早く有効な手立てを見出し、それを実行することが必要です。難題に勇気を持って踏み込んでください。中でも重要と思われることは、行政の基本的なカタチになる統合庁舎議論の進展です。統合庁舎の位置や機能が確定しないままでは、仙北市の未来予想図を描くことは相当に困難です。強い思いで、不退転の覚悟で臨みます。また市立角館総合病院は事業の着手を見ましたが、新病院の運用を開始するまでには、内部の医療力の充実や患者対応力など、格段に高めることが必要です。これがなければ新病院の建築意義は半減します。病院事業管理者や医療局としっかり連携し、頼られる医療現場の実現に最大の努力を注ぎたいと思います。田沢湖再生は、私にとっての政治課題です。県との協働プログラムが決定し、田沢湖湖底調査も9月頃から動き始めます。この取り組みを県や国の課題にまで高め、さらに県・国・東北電力との連携を深化させます。
そして4点目、今後の10年の設計図を描くことですが、今年度はこれまでの10年間を総括した上で、次の10年間の仕組みづくりに多くの時間を費やす1年になります。第二次総合計画をはじめ、様々な計画策定が行われます。そのどれもが、次の世代に故郷をどうしたいのかを示す基本的な設計図になります。大変に重要な作業ですので、気を引き締めて、情報収集を怠らず、可能な限り市民の意見、また職員の手を借りながら、市をあげて総動員体勢で生み出したいと思います。よろしくお願いします。
国家戦略特区法に基づく地方創生特区についてお話をします。皆さんご存じの通り、先月19日、政府から指定準備のお墨付きをいただくことができました。全国の全市町村では、「地方人口ビジョン」、「地方版総合戦略」を策定し、より実効性の高い、多くの効果が見込まれる事業の精査を行うことになっています。もちろん仙北市も策定作業に着手します。東京一極集中の是正、雇用の創出、経済対策などで、人口減少に歯止めをかける政策が矢継ぎ早に実施されます。その前段で、全国では仙北市の他、わずか2自治体が、安倍内閣の一丁目一番地の政策と言われる地方創生特区に選定されようとしています。法的な手続きが済んだ後、正式に指定となった場合、この恩恵は、私たちの認識を遙かに超えた、異次元のものになると言われています。安倍総理からは「最大限の支援を行う。専門家の派遣もする」との発言があったそうです。しかし特区指定はスタートライン、未来を開く鍵をいただいたに過ぎません。この後、描いた構想が現実のものとできるかどうかは、地域を守り、市勢を前進させようという情熱の結集にかかっています。国の徹底した支援をいただきながらも、仙北市として足下の資源を見つめ直し、ピンチをチャンスに転換できる規制緩和の意義を広め、特区第1号としての責任を全うしたいと思います。
市民と議会、職員、また国内外の民間事業者と連携した「どこの自治体も経験がない、全く新しいまちづくり」が、まさに特区指定で今年度から始まろうとしています。仙北市政に特筆される仕事に携わることができる喜びを分かち合い、市役所人生で最も多くの汗をかく覚悟で、職員全員参加で取り組みましょう。
最後に、これは特に強く、また一番重要なお願いになります。健康には十二分に留意して欲しいと言うことです。毎日の業務に絶対安全はありません。いくら忙しくても、まず皆さん一人ひとりが心と体の健康維持に、最大の関心と努力をいただきたいと思っています。市役所の皆さんが職場の仲間を労り、お互いを気遣い、健康を支え合えば、市民の一体感や融和は、必ず進みます。時には職場で小旅行をしたり、飲み会を開いたり、休み時間のコミュニケーションづくりでも、何でも結構です。日常的なチームワークづくりを、どうか忘れないで実践してください。そして仙北市役所という組織で、充実した時間を過ごして欲しいと、強く思っています。皆さんの人生で、大切な時間を共に過ごせることに感謝を申し上げ、年度当初のあいさつとします。
※写真の会場は角館庁舎。
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