研究者による「祭りの安全と事故」研修会に参加。主催は角館のお祭り保存会、場所は角館交流センターです。講師は坪郷英彦さん(山口大学教授)、中里亮平さん(長野大学非常勤講師)、菊地利雄さん(民俗文化研究者)の3人です。それぞれの皆さんの講話概要は、次の通りです。
【坪郷英彦さん】
平成元年と比べて、今の曳山はまるで戦車になっている。ある年に千葉大学の先生に曳山を分析してもらった。見事なまで衝撃を吸収する構造だった。ぶっつけるための改良が進んでいる。しかし曳山は生物として見た方が良い。人形だったり踊りだったり…。ここを洗練させるべきだ。博多山笠は酔うまで飲まない。タダ酒は飲まないことを祭りで覚える。日本中のお祭りは、全て時間が決まっている。しかし角館は違う。曳山の運行も交渉も時間の制約の中にはない。どこにもない祭りだ。
【中里亮平さん】
私は少し異論がある。曳山を洗練させても、それは角館の祭りの在り方ではないと思う。洗練が進んで現在に至るのは京都だが、角館は違うだろう。事故が起こった後で、先ず必要なことは謝罪だ。その次に対策がある。全国的に見ると、外部の力で祭りのカタチが変えられる例がある。警察やマスコミ、世論などが、伝統を変える力になりやすい。ある祭りは曳山にGPSを付けて管理されていたり…。復刻した角館の祭典(冊子)も完璧な教典ではない。子ども時代にお祭りの価値を伝えたり、大人がお祭りの意義など自覚が欲しい。他のお祭りをもっと見るべき。凄い点や危うい点が分かるはずだ。
【菊地利雄さん】
これまでの角館のお祭りは、実行組織が曖昧だったように思う。今回の改善で新たな組織の立ち上げや検証委員会も設置されると言う。重要な対策になる。土崎のお祭りでは飲酒についても厳しいルールがある。角館のお祭りでは、事故後の対策で泥酔者の排除があるが、泥酔は以ての外で、もっと飲酒に厳しくする必要があるのではないか。
など…。勉強になりました。
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