2016年2月16日火曜日

平成28年度の予算と政策・組織再編の概要

本日の午後に記者会見を開き、平成28年度の予算概要や、主要政策を発表しました。午前には市議会の会派代表者などに予算内示を行い、続いて議会運営委員会で議事日程(2月23日から開催)などが決定しました。

 以下は、記者の皆様にお伝えした内容です。

 ~市内では各地で小正月行事が最盛期です。この後20日~21日の両日は田沢湖高原雪祭り、22日には生保内のなろか、同じく22日には中里のカンデッコ上げと続きます。27日~28日の両日は仙北市で2回目のフリースタイルスキーワールドカップ杯です。角館の雛めぐりは20日から3月13日までと、多彩な行事が続きます。マスコミの皆様には市民・県民に向けた周知をよろしくお願いします。 

 さて、最近の動きを少しお話しします。2月4日に国家戦略特区の区域会議が開催され出席しました。この翌日、総理主宰の諮問会議で、ドローンに関連する実証実験等を行う事業計画と、国有林を活用した豚の放牧と生ハム加工販売を行う事業計画が正式に承認されました。これで仙北市内で特区事業を行う事業者は5事業者になります。

  仙北市総合戦略の策定が終わり、いよいよ本格的な動きとなる地方創生を一層推進するため、新たに地方創生加速化交付金が創設されています。仙北市で近未来技術実証特区を活用し、ドローンの可能性に着目して若者雇用に結び付くIT関連産業の集積を目指す取り組みを計画し、同技術の周知イベントの開催や、関連する知識・操縦技術の習得、さらには実証エリアの整備などを組み合わせて、約2,500万円の事業予算で内閣府に申請中です。

 また国際交流・外国人観光客の誘致実績などについては、仙北市は県内屈指の規模になっていますが、さらなる積み上げを目指し、先月、職員が台湾を訪問しています。この際、台北市政府が平成29年度に仙北市への高校生派遣事業を検討している情報を得ています。新たな動きととらえ実現に向けて対応したいと思います。

 温泉事業についてですが、水沢源泉から高原温泉郷への引湯管布設工事は、2月3日に入札を行い、第1工区と第2工区に分けて発注しました。今年の降雪前には工事を終了させ、高原温泉郷へ安全な温泉を供給できる見込みです。
  また市立角館総合病院改築事業の工事進捗状況は、本体工事で51パーセントとなっています。

 さて平成28年度当初予算についてですが、当初予算編成にあたっての思いをお伝えします。
 平成28年度は、仙北市市政11年目で新たな10年間の始まりの年度です。従って新総合計画の起点年度、同時に総合戦略上でも実質的にスタート年度となることから、その芽出しがしっかりとできる当初予算の編成を目標に策定作業を行いました。

 次期総合計画で仙北市が追い求める姿は「小さな国際文化都市」と設定しましたが、これは必然的な目標設定です。国内人口が減少し続ける中、国内をターゲットにしていては、少ないパイの取り合いで終わってしまいます。幸いにも、仙北市は日本文化が濃厚にまたコンパクトに集積していて、この強みを活かし、機動力高くインバウンド対策を推進することが可能です。全てが観光資源ですが、未だ活用できていない資源も最大活用し、「小さな国際文化都市」の名に恥じない取り組みと、その実を手にする10年にしたいと思います。

 また5ヶ年の総合戦略では、「産業振興による仕事づくり」、「移住・定住対策」、「少子化対策」、「新たな地域社会の形成」の4つを基本目標に設定しました。これら1つひとつの事業で目標数値をセットしましたが、この達成が至上命題です。
  人口減少は深刻な課題です。国の調査機関では2060年の仙北市人口を約1万人と推計しましたが、私どもは「絶対そうはさせない」との決意で、推計値よりも5千人ほど多い1万5千人規模の人口を想定しました。

 少子対策は、現状で最も重要な緊急対策の1つと考えています。子育て環境の改善は、若い夫婦の社会参画・働き方に大きな影響を及ぼすことから、平成28年度当初予算は、経済支援も含め、大きく踏み込んだ内容になっています。さらに昨年9月に正式承認をいただいた国家戦略特区・地方創生特区、近未来技術実証特区は、政府からも大変な期待をお寄せいただいている現状ですが、一方ではその成果を求められていることも事実です。これら複数の要因を視点として、当初予算を編成しました。

 主要プロジェクトの推進に向けた意気込みを述べます。
 町村合併以来の懸案となっていた統合庁舎の整備は、市議会庁舎建設特別委員会の中間報告を受けたことから、角館駅前地区での整備に向け作業を進め、年度内の事業着手を目指します。特別委員会から要望のあった事業費の見直しについては、これまでの検討精査の結果、市の構想した角館病院跡地での事業費との乖離額約10億円は、何とか圧縮できる見込みです。また市立角館病院の移転改築は、来春の新施設での開業に向け、工事を着実に進めます。アクセス道路となる岩瀬北野線の同時完成も目指します。田沢湖病院には、通常の医療業務を行いながら、特区テーマの医療と温泉の国際ヘルスケアーツーリズムを実現するため、医師1名が新たに着任します。来年度はさらに外国人の医師招へいを叶える取り組みを加速します。田沢湖クニマス未来館は本体建設工事に着手し、国・県・大学等と連携した田沢湖再生の基礎調査・研究活動を進めます。国家戦略特区の地方創生特区、また近未来技術実証特区は、その効果的な活用を図り、民間企業の参入による市の活力づくりで、新たな雇用の創出環境を整え、ドローンバレーを目指します。28年度中には、外国人就労者を受け入れる就労ビザの規制緩和案や、機能性化粧品の製造販売の規制緩和案など、複数の新たな規制緩和案を提案したいと思います。

 市内産業経済の在り方については、営みの全てにわたる6次化政策に取り組みます。農林業分野では、意欲ある経営体の規模拡大や複合化、法人化等の取り組みをさらに加速化させます。薬用作物や農作物の仙北ブランドの創出・定着にも努めます。畜産は、その中心的な役割を担う畜産経営体の施設等の整備を支援する、畜産競争力強化対策整備事業を新たに導入し、堆肥処理施設、民間の養鶏業の施設拡充など、悪臭対策も視野に入れた取り組みに着手します。市内中小企業の育成支援は、新規開業や事業拡大を支援する市独自の中小企業活性化支援事業費補助制度を強化します。観光は、北海道新幹線開業に向けた対応、台湾に加えタイほかアジア諸国からの観光客誘致活動の強化などのインバウンド対応、またコンベンション機能の強化を図ります。交通施設の整備では、都市計画道路・田町荒屋敷線の内川橋の整備事業に着手します。教育分野では、学校適正配置の研究検討、総合給食センターの調査検討、総合体育館の調査検討に着手します。またドローン学習事業を新たにスタートさせます。温泉事業については、水沢源泉から高原温泉郷への引湯管布設工事で、安全・安心な温泉供給を目指します。水道事業では、水道未普及地域解消事業として飛び地区域の整備を進めるほか、簡易水道については神代地区の拡張事業を進めます。

 総合戦略第の柱の1つに据えた移住・定住対策については、定住希望者に対する情報発信と受け入れ態勢の強化を基本に、これまでの施策の推進に加え、移住資金支援制度、子育て世代の住宅取得への助成制度を創出するなどして、複眼的なアプローチで多様な人材の定着を目指します。
 また子育て世代の経済的支援制度の充実では、出産時のお祝い品贈呈事業の新設、保育・教育施設の保育料助成制度の拡大、これは秋田県初で既に出生している第2子から保育料を無料化するものです。また放課後児童対策の拡充では放課後児童クラブ等の利用料の半額化を始めます。、また市奨学金制度利用者が仙北市に在住した方にあってはその返還を免除する制度、また小学生までだった医療費の中学生までの助成制度の拡大など、できうる限りの施策の強化策を実施します。民間企業と連携して既に実施している住宅ローンの利率の低減に加え、子育て環境の充実に向けたメニュー造成などは、随時に拡充政策を立案し実践し、日本一子育てに優しいまちづくりを進めます。

 また、新たな地域社会の形成による本市将来像を現実のものとするために、協働によるまちづくり基本条例のもと、日々営まれている市と地域、市民の皆様との協働作業が、理念だけにとどまらず、実態として機能し、歯車が力強く動いていることが何よりも肝要と考えています。地域運営体の皆様、個人・団体として、様々な地域づくり活動にご尽力くださっている方々に対する支援を引き続き行うとともに、協働による地域づくりの一体感を醸成できるよう、その一翼を担う、市職員のさらなる意識変革を促していきます。間もなく若手職員との市長ミーティングも始めます。

 次に人事・組織改編等についてです。先ず合併から10年間、各地域の施策の提言をいただいた地域審議会に替わる組織として、総合計画や重要施策に関する提言や進捗管理、成果検証を行う総合政策審議会を新たに設置します。
 総務部については、地方創生・総合戦略統括監を部長級で配置し、地方創生・総合戦略統括監の直下に、地方創生・総合戦略室を新設します。定住対策推進室は廃止し、この業務は同戦略室であたります。また戦略室には田沢湖再生専門官を置き、田沢湖再生とクニマス里帰り業務も担当します。これは企画政策課で行うクニマス未来館建設と連携業務になります。結婚関係業務も、子育て推進課から戦略室に移転します。市制10周年記念事業推進室は廃止します。
 市民福祉部では、職員の贈収賄事件を踏まえ、環境保全センターを市民生活課の所属機関から独立させ、廃棄物係と施設運営係を配置します。市民生活課は環境保全係を廃止し、生活環境係を配置します。子育て推進課は法人化準備室を廃止します。だしのこ園・神代こども園も法人化により廃止となります。
 教育委員会は、教育総務課と教育指導課を統合します。
 また空席となっていた病院事業管理者を新たに迎えます。

 なお平成29年度以降の組織については、にしき園の今後の在り方について検討するとともに、建設課と都市整備課の統合、企業局と下水道課の統合、温泉事業担当部所の所在の検討などを行います。その後も段階的に組織再編を行い、統合庁舎移行時には市長部局3部体制を目指します。

 概要は以上の内容ですが、この他にも条例案など多数の議案を上程予定です。職員の贈収賄事件を受け、私と副市長の減給事案は、現在のところ議会の特別委員会の報告もあるとのことから、その状況を見極めて議案の提案を考えます。労働基準監督署が検察庁に書類送致している温泉事故についても、同じく対応を検討します。追加の補正予算では、国に申請中の加速化交付金事業も含め、内外の動向で判断します。

 今次議会にお諮りする現在の一般会計補正予算(第7号)は、5億1,585万4千円の減額です。その要因の大部分は事業精算によるものです。また平成28年度当初予算は、一般会計で190億円、特別会計は11会計合わせて107億1,200万円、企業会計は3会計で91億99万3千円で、総額で388億1,299万5千円になります。~

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