2011年5月24日火曜日

農政研究会での講話


 強い農業とは何か。国の予算が足りなくても、安い輸入品が入ってこようとも、本当の意味での強い農業というのは、どんな農業なのか。現状の農政方針は規模拡大してコストダウンを標榜するだけ。海外の農産物と同じ土俵で闘うことが日本農業の正しい方向性とは思えませんが…。

 TPPに真っ向から反対する鈴木宣弘さん(農林水産省・東京大学教授)を招き開催された県農政研究会。鈴木さんの言葉は強烈で怒りに満ちていました。「大震災後、TPP議論は少し静かになった感がありますが、アメリカの要人でさえ“今の日本にTPPを強要できない”と言っていることから分かるとおり、TPPは日本社会、日本農業に打撃を与える前提があることは明白」と主張。さらに「ナチュラル、オーガニック、アニマル・ウェルフェア、バイオダイバーシティ、景観等への取り組みを徹底すれば、価格は割高でも消費者は納得して買ってくれることを、スイスなどでは既に実証しています。“この農産物を買うことで、農家の皆さんの生活が支えられ、それによって自分たちの生活が支えられる”という認識を広めることが大切です」とも話していました。

 農業に携わる側と、それを買う側の意識の持ちよう、この辺りに変革のパワーが必要な気がします。

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