2025年2月21日金曜日

美味しい手仕事


 ABS秋田放送えび☆ステ生放送。今日の特集は「いぶりがっこ」です。改正食品衛生法が完全実施された昨年6月以降、漬物の加工・販売を諦める皆さんが多い中、仙北市の三吉農園では…。

 漬物名人と名高い高橋節子さんから指導を受け、その味を残そうと奮闘しています。節子さんは90歳に近いお婆ちゃんで、改正食品衛生法が定める加工施設(住居と別棟)を建築することができませんでした。従前の漬物の加工・販売は届け出制でしたが、改正法は許可制に変わりました。さらに国際基準のハサップに準拠した衛生管理の義務化もあって、これを高いカベに感じた皆さんが多いと聞きます。そんな面倒なあれこれを三吉農園の加藤マリ代表が背負い、次代に地域の食文化や味を繋げたいと頑張っています。そんな姿をみたので、今週のひとことは「美味しい手仕事 伝える人 受け継ぐ人」としました。

 漬物に限った話しではなく、郷土料理は地域の宝で無二の価値があります。今回の改正法は北海道で起こった食中毒事件が発端でした。国は法律をつくって国民を守るのが仕事です。地方自治体は、その法令を守りながら住民に利があるよう制度をつくるのが仕事です。中小企業庁が熱心に事業承継の取り組みを進めていますが、企業の経営や事業を現在の経営から次の人に引き継ぐ仕組みと同様に、漬物も技術や味を将来に伝える仕組みが必要です。加工所も個人が建てるのは大変なので、三吉農園みたいに共同加工所をつくったり空き家を活用したり…。今は名人の皆さんもまだ頑張れます。あと何年かしたらそれも不可能になります。今しかありませんよ。何度も心が折れて、もう諦めたと言う皆さんも多いと思いますが、これは個人の問題ではありません。地域の価値を守れるかどうかの瀬戸際です。行政と一緒に仕組みをつくる一頑張りをしましょうよ、諦めないで。チャンスはいつもピンチの姿で現れますから…。

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