平田篤胤(秋田郡生まれ:幼名は大和田正吉)は、秋田県民歌にも歌われた江戸中後期の国学者・思想家です。彼は新天地の江戸を目指し20歳の冬に秋田藩を脱藩、その2日後の深夜、院内の雄勝峠で〝その声〟を聞きました。
その声は本当に幻聴だったのでしょうか。もしも、その声がなければ彼は吹雪の雄勝峠で遭難し…、江戸での活躍も成功もなく、結果として戊辰戦争で秋田藩が奥羽列藩同盟を抜ける判断もなかったかも知れません。本人が後年に書き記した、その声は〝左、左、左〟です。声に導かれて脱藩を成し得た体験が、平田篤胤の研究心を異界に誘うきっかけでした。彼は昼は人間の世界、夜は人間以外の異類の世界と考え、多数の書物を残しています。「新鬼神論」、「稲生物怪録」、「霊の真柱」、「仙境異聞」、「古今妖怪考」、「勝五郎再生記聞」…。
一気に「平田篤胤~その思想と人生~」(渡部由輝著:無明舎出版)を読みました。妖怪研究の大先輩、見つけた!。
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