2023年5月15日月曜日

ありがとがんす


 先日、映画館で「銀河鉄道の父」を鑑賞。エンドロールで編集者:阿部亙英(あべひろひで)の名前を見ることが目的でした。でも、本編に感動しすぎて文字が涙でかすみ…。  

 彼は角館高校の同級生です。日本アカデミー賞の最優秀編集賞を2度受賞している映画編集者で、日本映画大学の教授として活躍した時期もあります。これまで編集した映画は、「バトル・ロワイヤル」「ラジオの時間」「写楽」「佐賀のがばいばあちゃん」「西の魔女が死んだ」など。私は宮沢賢治と角館のご縁を大切にしたいと思い、以前から花巻で宮沢家のお墓参りをしたり、賢治記念館を訪ねたり研究本を読んだり…。今回も原作(門井慶喜:講談社文庫)は読んでいたので、映画はさらっと流す程度で十分だと思っていました。が…、とんでもない!、映画が良かった!、本当に良かった!。

 映画(監督:成島出)は、宮沢賢治(菅田将暉)の作品は自分の孫だと言った父・宮沢政次郎(役所広司)が主人公。今や世界に読者がいる宮沢賢治も、当時は全く世間に受け入れられていません。賢治が亡くなった後も、父を中心に宮沢家が作品の出版を続けます。それが今日の評価に繋がったのです。映画は128分の長編ですがアッという間です。亙英、良い映画ありがとがんす。皆さんもぜひご覧ください。
※ありがとがんすは、岩手県の方言でありがとうございますの意。

2 件のコメント:

  1. 門脇光浩さま
    同級生の阿部です。
    過分なるお褒めの言葉をいただき有難う御座います。そうでしたか、あなたはそんなにも賢治のファンでしたか。私にとって賢治といえば、小学生の頃に遠足で小岩井農場へ行った折、お土産にコーヒーカップを買い、そこには福田恒雄という人のスケッチ画に〈〝小岩井農場〟パート四〉の文章が載っていたというのが最初の記憶です(今でもペン立てとして使っています)。やがて高学年になると『風の又三郎』や『セロ弾きのゴーシュ』『注文の多い料理店』『銀河鉄道の夜』を読むようになり楽しませて貰いましたが、高校生くらいになると暫く思い出すことはなくなっておりました。今回、この映画の編集をしてみて宮沢文学の純粋なイメージと可笑しみ、独特の文体や仏教性がこの家族あってこそのことだと感じ入りました。『銀河鉄道の父』は、過去に9.11や3.11などの大惨事や悲劇を見、最近のコロナ禍などを経て我々が家族の大切さを再見されるべき時に作られた大切な作品だと思います。フィクション性も高い作品ではありますが、まだまだ多くの方々に観ていただきたい映画です。
    ブログに取り上げていただき心から感謝いたします。

    また一献傾けましょうや。
              阿部亙英

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  2. ↑ 福田恒雄(誤)福田常雄(正)🙇

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