2012年9月4日火曜日

9月市議会~市政報告①

平成24年第4回仙北市議会定例会の開会にあたり、主要事項について報告します。

 はじめに、震災がれきの広域処理についてです。
 これまで、岩手県野田村の不燃物を受け入れることで準備を進めてきましたが、8月9日付けで県から通知があり、国の新たな処理工程表が示されたことを踏まえ、改めて広域処理の協力要請がありました。これによると、岩手県の不燃物については、原則として県内で再生利用することになっていますが、一部については未だ調整中となっています。
 こうしたことから、現地の状況を確認するため、8月29日、向生保内地区連絡協議会の役員9人と野田村の現地視察を実施しました。野田村では、破砕・選別プラントが稼働している米田地区の仮置き場と、新山グラウンドの仮置き場において、岩手県、秋田県の担当者も同行し、詳細な説明を受けました。現地では、可燃物の処理を優先して進めていますが、可燃物の破砕・選別の過程で相当量の不燃物が出ていて、細かく破砕された不燃物が堆積している状況でした。また大量の漁具・漁網も、処理されずに保管されていました。これらについて、空間放射線量を調査したところ、0.03~0.07マイクロシーベルトの範囲で、特に問題はありませんでした。
 今後は秋田県を通じ、岩手県に対して受け入れ数量の確認、搬入が見込まれる不燃物の安全性のデータの提供等をお願いし、連絡協議会の皆様と今後の取り組みについて協議することにしています。また、本市での受け入れが具体化した場合は、試験的な搬入を行い、安全性の確認等を行うことも検討しています。

 次に、所得税等の返還金についてです。
 所得税還付等事案について、返還を要する影響額の中で、国税と地方交付税については、国税局及び総務省の精査が行われていましたが、国税について額が確定し、8月7日付けで大曲税務署長名で正式に損害賠償請求の通知がありました。
 これにより、国税に関する影響額は1,264,500円となり、この額に遅延損害金536,387円を加えた額を返還しなければならないことから、補正予算に所要の額を計上しています。また国税の影響額の算出基準を参考に、市民(町民)税に影響した額を算出した結果、2,722,361円となりました。今回明らかとなった影響額については、いずれも当時者の負担に帰すべきものであることから、歳入に一括計上し、返還会に請求していくことにしています。
 なお、地方交付税への影響額については、秋田県の精査を経て、現在総務省で内容を精査中です。その結果については、9月中に正式な通知があると伺っています。地方交付税法により、こうした事案の返還については、通知から20日以内と定められていることから、影響額が確定次第、速やかに議会に報告のうえ、追加の補正予算をお願いしたいと考えています。
 よろしくご理解いただきますようお願いします。

 次に、全国和牛能力共進会参加についてです。
 10月に長崎県で開催される全国和牛能力共進会に、仙北市から肉用牛第5区(繁殖雌牛群)に西木町の田口春美さんの「はるにしき176号」と角館町の相馬勲さんの「におう197号」が、また、肥育牛では西木町の伊藤則夫さんが飼育する第8区(若雄後代検定牛群)「厨川212号」、同9区(去勢肥育牛)「春錦266号」の2頭が秋田県代表として参加します。
 第10回目を迎える本大会は、5年に1度開催される和牛のオリンピックとも言われる権威ある全国大会で、7月(肉用牛)、8月(肥育牛)の秋田県最終予選を勝ち残った15頭に選ばれ参加が決まったものです。そこで全国大会出場に係る支援として経費を補正予算案に計上しています。ご審議をよろしくお願いします。
 次に、平成25年度開催の第136回秋田県種苗交換会招致についてです。来年はJA秋田おばこ管内市町での開催が予定されています。仙北市は産業振興・地域活性化等、様々な場面での効果を期待し、種苗交換会招致推進室を設置して招致活動を進めてきました。先ごろ管内自治体のご理解もいただけたことから、JA秋田おばこに対し、開催を承諾する旨の文書を7月31日付で提出しました。正式決定は、今秋能代市で開催される第135回種苗交換会最終日のJA秋田中央会役員会で承認となる予定ですが、地元JAから了解をいただいたことで開催の目途がついたと判断し、本定例会へ駐車場予定地の造成等経費を計上しています。ご審議をよろしくお願いします。
 なお種苗交換会招致推進室に、8月から任期付き職員を1人雇用するなど、来秋の開催に向けてその準備を進めています。議会の皆様には、特段のご理解とご協力をお願いします。

 次に、人・農地プランについてです。
 国は市町村に地域農業マスタープランの作成を求めています。その狙いは①「青年就農者の定着支援」、②「農地の利用集積を促進」、③「スーパーL資金の金利負担軽減」などですが、市はプラン作成に当たり、今春全農家を対象にアンケート調査を実施しました。
 青年就農者の該当予定者に対しては6月に説明会を開催し、受給要件を満たすと見られる11.5人(夫婦1組、1.5人分)については、今後、各地区のプラン精査を行い、今年度は下半期分として来年1月をめどに交付することで準備を進めています。
 また、集落への説明会については、市内36地区で開催を予定し、8月10日現在、市担当職員、JA職員及び地区担当理事、農業委員等が出向き、白岩地区ほか13地区で話し合いを行っています。11月末をめどに全地区で実施する予定で、実施済み地区については、随時、地域の実情に即した上記①~③の項目のプラン作成に取りかかり、12月末までに市内全地区のプランを完成させたいと考えています。また就農給付金等当初見込みを超える不足分について補正をお願いしたいと考えています。

 次に、先月の台湾訪問についてです。
 8月8日から11日までの日程で、秋田県の台湾トップセールスに参加しました。佐竹知事、津谷北秋田市長と一緒にエバー航空、復興航空、中華航空の3航空会社を訪問し、冬の温泉、スキー、小正月行事、秋田内陸縦貫鉄道を利用した冬の観光や、桜をはじめとする春の観光の魅力をPRすると共に、チャーター便の運航による、台湾からの旅行需要の復活を目指すための、特段の協力をお願いしました。チャーター便については、来年には運行したいと言う前向きな回答を得ることができました。さらに、エバー航空社では、台湾の大手旅行会社五福旅行社をはじめ7社共同で、9月から仙台空港定期便を利用した旅行商品の計画があり、秋田県への送客を約束してくれました。
 仙北市単独のトップセールスも行いました。6月に総合産業研究所・農山村体験デザイン室が、台湾で訪日教育旅行促進事業現地説明会に参加し、商談を行っていた台北市立士林高級商業職業学校を訪問し、教育旅行誘致に向けた交渉を行いました。その結果、本年の11月26日から仙北市を訪問する教育旅行を実施することが決まりました。また黄校長先生との協議では、若者同士、学校同士の相互交流が望ましいとの見解で一致し、現在角館高校へ打診して協力を仰ぐなど、実現に向けて準備を進めています。
 なお士林高級商業職業学校は、スキーを中心とした冬の教育旅行も行っていることから、仙北市への誘致について交渉したところ、11月の教育旅行の状況で判断したいと返事がありました。

 次に、渇水状況についてです。
 降水の少ない状況が長く続く中、玉川ダムでは、8月31日より水不足により発電を停止しています。市内上水道に関しては、水源となっている表流水、地下水とも現在の所は、すぐに渇水になる恐れはないものと思われますが、今後の雨量が見込めない状況であり、取水量等の監視を強化するとともに、渇水時の対応を検討しています。渇水の恐れがある場合には、市民の皆様に速やかに情報提供するとともに、節水等にご協力をいただきたいと考えています。

 次に、平成23年度の一般会計決算についてです。
 歳入総額191億3,944万8,663円、歳出総額187億1,685万609円、歳入歳出差引額4億2,259万8,054円で、翌年度に繰り越すべき財源の総額1,407万円を差し引いた実質収支額は、4億852万8,054円の黒字額となっています。

 次に一般会計補正予算についてです。
 補正額は6億7,236万1千円で、これに既定予算を加えると、補正後の額は190億9,238万1千円となります。主な事業は、国際交流・国内交流推進費、クニマス里帰りプロジェクト事業費、小規模介護施設等緊急整備費、秋田県種苗交換会招致推進事業費、農業生産施設復旧支援事業費、冬期交通対策費、かくのだて幼稚園アスベスト除去及び耐震補強対策事業費補助金、凍上災による公共土木施設現年補助災害復旧事業費等です。

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