過疎対策は昭和45年に始まりました。日本の経済成長で若者層が大都市へ移動し、農山漁村地域の担い手不足で地域社会が崩壊しかけた対策として、議員立法で国が定めた国策です。
その根拠法が過疎法ですが、これまで時代背景に配慮して4度の改正が行われ、令和3年4月からは「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」の運用が始まりました。そもそもの過疎対策は、前述の通り都市部に比べ脆弱な生活基盤や産業集積を是正する政策が中心でした。しかし都市部にはない多くの価値が全国の農山村漁村にあります。そこで新過疎法は現在のコロナ禍も意識し、条文の前文に「食糧・水・エネルギーの安定供給、生物多様性の確保、多様な文化の継承など、過疎地域の機能が保全され発揮されることが、過度の人口集中による大規模災害、また感染症等が危惧される現代では一層重要。農山村漁村は国民の生活に豊かさや潤いを与える場所」との内容に変わりました。さらに移住・定住・地域間交流の促進、地域社会の人材育成と確保についても、その必要性を強く記述しています。
仙北市は全市が過疎指定で、全国的には約半数の自治体が過疎指定自治体です。これまで負のベクトルで語られてきたかも知れない過疎ですが、今回の新過疎法の制定を機に国にとってかけがえのない場所、新たな挑戦と可能性に満ちた場所…、そんな国民の認知が進むことを期待しています。もちろん過疎地に住む私たちの取り組みが最大重要です。
※昨日、仙北市は新たな過疎計画を議論する総合政策審議会を開催しました。
※過疎指定で国庫補助事業の補助率嵩上げ、過疎債の発行、金融や税制、各制度の優遇措置等があります。
※写真は梅沢ささら
《参考》
・過疎地域対策緊急措置法(昭和45~54年度)
・〃振興特別措置法(昭和55~平成元年度)
・〃活性化特別措置法(平成2~11年度)
・〃自立促進特別措置法(平成12~令和2年度)
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