2014年6月6日金曜日

合併後の財政状況

先日のまちこん(まちづくり懇談会)のある会場で、「仙北市は箱モノを建てる事業ばかりが目につくし、そのため借金(起債)を乱発し、財政状況は年を追う毎に悪化している」とのご意見をいただきました。この時点で、「そのようなことはありません。そもそも自分が着任してから箱モノはほとんどないし、合併時と比べて財政状況は改善していますよ」とお答えしましたが、しっかりとした数値での説明ができなかったので、改めてお知らせをします。

 一般的には、自治体の財政状況を示す幾つかの数値があって(もちろん全国共通)、他団体との比較や客観性を保っています。歳入(市の収入)の額や、歳出(市の支出)の額、その差引額などは、年ごとに事業の多少があることから、これで財政状況を判断することはできません。
 今回はよく使用される代表的な数値、①経常収支比率、②実質公債費比率、③積立金現在高、④市民一人あたりの公債費負担額、⑤財政力指数、この5つで説明をします。なお最新数値(平成25年度決算)と比較できれば良かったのですが、25年度決算は未だ出ていないことから、最新数値(平成24年度)との比較になりました。ご了承ください。

①経常収支比率:自治体の財政状況の柔軟度を表す指標です。人件費や社会保障費、借金の返済に必要な経費などが、どれくらい経常的に必要となっているかを示しています。数値が高ければ高いほど、財政が硬直化していることになります。
        平成17年度→95.3
        平成24年度→91.0

②実質公債費比率:以前は公債費比率、または起債制限比率という指標がありましたが、現在は実質公債費比率という指標で財政状況を判断しています。自治体には幾つもの会計がありますが、この実質公債費比率は連結決算の考え方を導入していることが特徴です。簡単に言えば、18%を超えると起債の発行時にハードルが一段上がり(難しくなり)、25%を超えると単独事業の起債を認めてもらえない事態となります。
                平成17年度→19.2%
       平成24年度→15.1%

③積立金現在高:皆さんの家庭の貯金と同じ考え方です。貯金があれば生活も潤い、心情的にもゆとりが生まれます(基金名:財政調整基金・減債基金・特定目的基金など)。
                平成17年度→14億5300万円
                平成24年度→37億9600万円

④市民一人あたりの公債費負担率:赤ちゃんからお年寄りまで、市の借金を総数で除して算出した金額です。
                平成17年度→87万円
                平成24年度→78万円

⑤財政力指数:通常は過去3ヶ年度の指数の平均値で比較します。1に近づくほど、財政基盤が盤石と判断します。
                平成17年度→0.287
                平成24年度→0.246

 これらの比較で、だいたいの仙北市の財政状況がお分かりいただけたかと思います。財政力指数が悪化しているのは、地方交付税の額が削減され続けていることが要因と考えられますが、他の指数は数値は大きく改善されていることがお分かりいただけるかと思います。しかし安心できるレベルには達していません。今後もさらに財政状況の改善に努めます。

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