2012年10月27日土曜日

都市行政文化懇話会


 毎年楽しみにしている都市行政文化懇話会に参加。昨年は講師陣にアサヒグループホールディングス(株)相談役・前NHK会長の福地茂雄さん、劇作家・演出家・大阪大学教授の平田オリザさん、(株)ニッセイ主席研究員・芸術文化プロジェクト室長の吉本光宏さんがお越しくださいました。
 今年は大原美術館理事長の大原謙一郎さん、京都市立芸術大学学長・埼玉県立近代美術館館長の建畠哲さんの二人。場所は都内国際新赤坂ビル。懇話会を主催するのは財団法人地域創造(文化・芸術の振興による創造性豊かな地域づくりを目的に、平成6年全国の地方団体等の出捐で設立)です。

 講話の一番手は大原美術館の大原謙一郎さん(写真)。大原さんは1940年に神戸市で生まれ、倉敷レイヨン(現(株)クラレ)に入社。現在は大原美術館理事長の他、倉敷芸術科学大学客員教授、倉敷中央病院理事長、岡山県文化連盟顧問などを兼ねています。

 さてその大原さんのお話しからエッセンスをご紹介します。
 「皆さんおかしいと思いませんか。今の国政は理解できません。新聞にこんなことが書いてあって、本当にビックリしました。石原都知事が辞職の上、東京のために国政をやりますなんて言っている。日本のために都政をやりますだったら分かるけれど、そうじゃない。まあ、政治的な発言は控えます。さて今日のテーマは芸術文化と地域活性化~あるべき姿とあってはならないこと~ですが、地域活性化は知恵・工夫・幸運が整わないと実現できません。そして闘うことが必要です。仮に皆様方の故郷が、何か文化的な史跡とか建造物とか、偉人だとか…、そんな資源に恵まれて観光などで一世を風靡しているとして、でもこれを自分たちの手柄だと思うことは間違いです。現代人の成果ではないのですから。様々な見方はありますけれど。地域活性化の意味と意義は何か、雇用が増え、観光客が増えればそれで良しとするのか、違うでしょう。だけれども地方がクリエイションのエンジンとして働いて初めてこの国は甦る、これは言えます。芸術・文化は地域のために働くか、どう働かせるかと言えば、芸術・文化を集客のための装置として観光産業の下僕にしてはならないと思います。そして文化の力こそが、国と地域の立ち位置を決めるものだと思います」(発言と参考資料から)。
 まさに刺激的な時間でした。

 続く建畠哲さんの講義を途中で抜けて、川越市に向かいました。夕方から川合市長や市幹部、観光協会などの皆さん、それに川越市と姉妹都市を結ぶ小浜市の方々との意見交換会です。でも実は震災ガレキの受け入れに関する新たな動きがあって、その対応も同時進行の状況でした。土・日のスケジュールや行事を危機管理モードに切り替えます。

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