話題の映画『ドライブ・マイ・カー』を観ました。原作は村上春樹さんです。主人公らを乗せた船が真っ黒な津軽海峡を渡る場面で…、フッと思い出しました。
今から36年前、私は旧ソビエト連邦の国営客船でナホトカ港を目指しました。この船は横浜港を出て太平洋を北上し、津軽海峡を突っ切って日本海を西に横断します。船旅に慣れていなかった私は寝つけず、その夜はデッキに上がって船の軌跡を眺めていました。でも辺りは昼とは全く違う情景で…。船から漏れる光で波は白い生き物のように動き、その波以外は何も見えなくて、闇と区別できない真っ黒な海が四方に広がっています。足元から海の底に引きずり込まれそうな、そんな恐怖心を感じのは初めてでした。
さて私は、ナホトカに到着して間もなくウラジオストックに移動し、シベリア鉄道で1週間かけてモスクワに出ました。その間に知り合ったロシアの若者の印象は、みな家族思い・友達思い、そして国思いです。そんな彼ら彼女らが、この数日のロシアの動きに賛同しているとは到底思えません。
※写真はドライブ・マイ・カーの広報ビデオから。船上の4人の左から2人目が私。
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