2012年7月14日土曜日

クニマス公開講座


 2012年度日本魚類学会市民公開講座「クニマス:生物学的実体解明とその保全を考える」に参加。場所は山梨県総合教育センター大研修室。「田沢湖で絶滅したクニマスの生物学的特徴(秋田県立大学:杉山秀樹先生)」、「クニマスの生物学的特徴(京都大学:中坊徹次先生)」が、それぞれ基調講演などを行いました。

 会場内で、富士河口湖町の渡辺町長と立ち話し。「昨日はありがとうございました。ところで町長、この後の稚魚公開にどのような行程で望んだらよいでしょうか…」とお聞きすると、「私も、たぶん地元では期待感が高まるだろうから、しっかりと準備を進めなければいけないなと考えています。山梨の博物館で展示が既に決まっているので、技術的な心配はあまりないかと。山梨と秋田の連携ですね」とお話しをしてくださいました。

 さて公開講座です。杉山先生は「田沢湖での遺伝子学的な研究が必要だと考えています。湖底にウロコとか骨とか、残っていないか…。また西湖のクニマスの生態的研究を進める必要性、さらに言えば、クニマスが生息できる田沢湖を再生するための根本的な取り組みなど、これからのことばかりです」と述べました。

 また中坊先生は「なぜ、これまでクニマスが発見できなかったかと言えば、それは見ていて見ていなかったと言うことです。つまりクニマス伝説を信じ込みすぎて、目の前の魚に疑問を持たなかった。体が黒いとか、斑点があるとか、伝説を鵜呑みにしていたわけです。そんなことが、他の事例でもよくあるでしょう。西湖のクニマスは、人との関係や水脈の確保などが重要な要素です」と話していました。

3 件のコメント:

  1. クニマスを保存していたもの田沢湖にありますよね!ガラス瓶に入っているのを確か駅の展示で見ましたよ。湖底から採取しなくてもいいですね!

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  2. 門脇みつひろ2012年7月16日 16:54

    それが、ホルマリンに長期間漬け込まれた標本は、DNAの塩基が分断されてしまい、役に立たないとのことでした。なので何とか、湖底や昔の漁具から細胞片を入手したいとのことです。

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  3. ああ・・なんと残念!干物の話も聞いた事があるような気がします。痕跡がなくなる前に何とか見つけたいですね^^

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