2014年12月1日月曜日

12月市議会市政報告④

【観光商工部】
◇夏イチゴ栽培事業の経過について
 株式会社ストロベリーファームが、西木町西荒井地区で進めている夏イチゴ栽培パイロット事業用地については、同社との借地契約を2年間延長しました。
 初年度の昨年の栽培状況は、イチゴの生育が想定したレベルに達しなかったため、今年度は栽培委託契約を解除して自社栽培とし、品種も「なつあかり」に絞り込んで行っています。
 栽培技術については先進地の青森県、夏イチゴを開発した国の機関などの助言を受けながら、一部の育苗についてはポット育苗も導入し、また作付面積も半分にして実施しました。その結果、養液土耕栽培のイチゴは順調に生育し、仙北市内はもとより、長野県軽井沢のレストラン等へ食材として納入し好評を得ています。
 来年は3棟のハウス全てで栽培に着手し、その実績の検証などを行い、次の事業計画を策定する予定と聞いています。

◇司食品工業株式会社の誘致活動について
 会社側から要望のあった用地の追加取得については、地権者から内諾をいただくことができました。関連議案と造成に係る追加予算を提案していますので、ご審議をよろしくお願いします。
 なお、9月議会以降、会社側から商品の輸送に関すること、排水処理対策、また、土地の買い上げ等に関して相談を受けています。現在、秋田県とも連携し、これら課題の解決に向けて調整を続けています。輸送業務については、県内の複数企業に協力を仰いでいる状況です。また、排水対策や土地の取得については、誘致企業の特典を最大活用する手法で、初期投資額を削減できる提案をしています。
 もとより、国の地方創生関連対策での支援を受けるには、司食品工業株式会社と仙北市の間で、一定の条件を確認し合う協定書等が必要と思われます。今後も誘致に向け最大の努力を続けます。

◇第42回角館町樺細工伝統工芸展の開催について
 10月19日から26日まで、角館樺細工伝承館を会場に「第42回角館町樺細工伝統工芸展」が開催されました。本年度は“動物”を出展テーマとし、伝統的工芸品の部に11作品、一般品の部に42作品の出展がありました。工芸展に先立って行われた審査では、16点の入賞作品が選出され、このうち伝統的工芸品の部の最高賞と位置づけている秋田県知事賞には、佐藤大さん(角館町雲然)の作品「茶筒『ゼブラ』」が輝いています。
 なお、本年度で3回目となる「SAKURAクラフトコンペ」が9月に実施され、その入賞作の試作品や応募デザインの展示も、同伝統工芸展で行われ話題となりました。

◇山の楽市の開催について
 11月13日から15日までの3日間、神奈川県横浜市の相模鉄道二俣川駅構内特設会場で、恒例の観光・物産展「山の楽市」を開催しました。
 仙北市として10回目の開催に、今回は18事業者が出店し、首都圏在住のふるさとサポーターの皆様の協力もいただき、新米のあきたこまちをはじめ、直送した秋の味覚の数々を販売いただき、開催期間中だけでも昨年を上回り、過去最高の1,400万円の売り上げとなりました。秋田おばこの手踊りやナマハゲなどの登場もあって、横浜で観光と物産を大いにアピールできたと感じています。
 開催にあたりご協力をいただいた(株)相模鉄道に、心から感謝を申し上げます。

【農林部】
◇経営所得安定対策について
 今年の秋田県産水稲生育状況は、「104」のやや良でしたが、地域によっては斑点米カメムシ類の被害があり、調製・出荷に苦労された生産者も多かったと感じています。
 なお、経営所得安定対策に取り組んだ農家への米の直接支払交付金単価が、10アールあたり15,000円から7,500円と半減したことから、昨年比約2億1,540万円が減少となり、約1億9,800万円が本日に各経営体の口座に入金となる見込みです。また、産地交付金等転作に係わる部分の水田活用の直接支払交付金約5億380万円は、今年中に支払われる見込みです。

◇米価下落対策について
 今年産米の概算支払金が大幅に下落したことから、市議会のご理解で、緊急の農家支援対策として市独自に60㎏あたり200円の上乗せが決まっています。その後、開催した仙北市地域農業再生協議会でご審議をいただき、11月中に出荷される「あきたこまち」については年内支払いをすることで事務手続きを進めています。また、「あきたこまち」以外の品種についても支援するため、今議会で所要の予算を計上しています。さらに農家支援の第2弾として、来年度産米の水稲種子の購入に対しても、一定の助成を行いたいと考え予算を計上しています。

◇秋田スギバイオエネルギーセンターについて
 秋田スギバイオエネルギーセンターの運営について、議会をはじめ、市民の皆様には大変なご心配をおかけしています。7月の火災発生後、所要の手続きを行い、11月10日に秋田県町村会から保険金額(約2億9,500万円)の連絡をいただきました。
 これより以前から、事業そのものの在り方については国及び県と協議を重ねて来ましたが、仮に事業を中止した場合であっても、国庫補助金の返還は免除いただける状況が整いつつあります。起債の償還については、財務省や財務事務所に対し、できる限り市財政の急激な負担を避ける手法の指導を、またバイオ施設本体の今後については、月島機械株式会社との協議を行っています。
 全ての要件が確定した状況にはないものの、現状で事業を再開し継続する選択は、今後さらに多くの困難を生むだけで、市民の利とはならない、そう判断せざるを得ません。大変残念ですが、本施設を閉鎖し廃止する方向で諸手続きを進めたいと思います。
 なお、この判断に基づき、今議会に関連する必要予算を計上していますので、特段のご理解をいただきますようお願いします。

◇角館高校と台湾の高校との交流について
 昨年9月、台湾台北市にある国立師範大学附属高級中学(日本の高校)の生徒31人、教員2人が仙北市を訪れ、農家民宿の宿泊体験や角館高校での交流会を行いました。この交流プログラムが好評で、今年8月、秋田県の訪台団に参加し台湾を訪問した際、政府関係者から同校と角館高校との姉妹校提携について提案をいただきました。10月には副市長が附属高級中学を訪問し、校長先生と両校の交流について、さらに協議を深めています。
 こうした経緯を踏まえ、来年度の市制施行10周年事業、または角館高校のリニューアル校舎完成の記念事業の一環として、姉妹校提携ができるよう準備を進めています。

◇東南アジアからの学生受入の増加について
 今年に入り、東南アジアから日本を訪れた外国人が、仙北市の農家民宿に宿泊して農山村体験を行う事例が増加しています。
 最近では、10月10日から13日までの4日間、外務省主催の外国人招聘事業である「ジェネシス2.0」によりインドネシア人大学生99人が市内の農家民宿やホテルに宿泊し、日本文化の体験や地元農家との交流を行いました。これ以外にもカンボジアやミャンマー、タイ、東ティモール等のアセアン諸国等から多くの外国人が仙北市を訪れています。今年の市内農家民宿への外国人宿泊者数は、昨年実績を大きく上回る500人以上となる見込です。
 この情勢下、11月4日、秋田県は県内市町村や経済界、また北都銀行と連携して「秋田・タイ王国友好協会」を立ち上げました。仙北市も自治体会員として参加しています。今後はタイ王国からの誘客活動にも参加し、タイを足掛かりとして東南アジアからの観光客獲得をさらに進めていきたいと考えています。

◇第3回農村で楽しむ仙北は♥あーと展について
 11月8日から9日にかけて、仙北市農山村体験推進協議会が主催する「第3回農村で楽しむ仙北は♥あーと展」が開催されました。
 今回で3回目を迎えるこのイベントは、秋の農山村地域の恒例企画で、県内外の工芸作家などが農家民宿をギャラリーとして自慢の作品を展示販売しています。今年は8軒の農家民宿が参加し、2日間で昨年を上回る550人に来場いただきました。
 「仙北は♥あーと展」は、普段なかなか訪れることのない農家民宿を見学していただく一般開放日としても、非常に効果的な事業と受け止めています。

◇薬草産地化推進事業について
 株式会社ツムラとご縁をいただき、仙北市薬草生産組合が取り組んでいる薬草の産地化事業は、出荷に向けて、春に作付けをしたビャクシの収穫、また乾燥調製作業などが行われています。ビャクシは手探りの中での栽培に加え、夏場の日照障害などで、収穫できた生産者は全体の3割という結果でした。しかし乾燥後の生産出荷量は350キログラムが見込まれ、初年度としては上々との評価です。
 ツムラ側からは、6年後の栽培計画面積を60ヘクタール程度まで拡大する案が示されています。産地化が順調に進んだ場合、第2加工施設等の整備が必要になると想定されることから、田沢湖活性化センターを薬草加工施設として活用できないか、またビャクシ以外の生薬原料植物を、LED照明で栽培実験する拠点として旧上桧木内小学校を活用できないか、その他、市内の数施設もあわせ、さらに産地化を進め農業所得を確保する手法について、ツムラに提案することになりました。プレゼンテーションは12月5日、同社本社で行う予定です。
※写真は、「ジェネシス2.0」で西木町の農家に滞在するインドネシアからの大学生。

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