2011年7月4日月曜日
「そうか、君はもういないのか」
城山三郎さんの遺作?です。城山さんの本は他に読んだことがなく、「そうか~」を手にしたのは偶然。先日の東京出張で、たまたま立ち寄った書店に一冊ありました。何だか手が伸びてしまう題名です。
城山さんは今から5年ぐらい前に亡くなっています。どうして遺作?かというと、書類や遺品を整理していた娘さんが、中から「そうか~」の書きとめ原稿を見つけたそうで、遺作というよりは、思い出を綴った奥様へのラブレターです。新潮社の協力で、亡くなってから出版されたというのも一級な逸話です。
もちろん〝君〟というのは奥様、容子さんのこと。二人の出会いから結婚、子ども達が独立した後の、茅ヶ崎での穏やかな二人の生活が回想されています。後半は容子さんの発病やその後の症状が中心になって、この辺になると少し読み続けることが苦しくなるかも。でも容子さんは逝く直前まで明るくて気楽で、山城さんの仕事を気遣う女学生の時のままで…。
書かれている山城さん夫婦の姿が絶対だ!みたいなお話ではありません。夫婦にはいろんなカタチがあって良いと思います。
TBSで何年か前にドラマ化しているそうです。DVDなんか出ていないかなあ、それにしても、また、大好きな本に出会うことができました。
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