2011年7月21日木曜日

イタリアを目指せ


 大仙・仙北・美郷北都会」に参加。齋藤頭取の経営方針説明の後、恒例の講演会。今回の講師は森永卓郎さんです。森永さんはテレビでよく見かける経済アナリスト。「中小企業の今後と日本経済」と題した講話から、ほんの一部を紹介します。

 東日本大震災後、工業製品生産性の伸び率は15%にまで伸びました。でも現在は伸び止まりの状況です。原因は国の節電対策だと思われます。不景気の中で政府は増税をしようとしています。私は増税は必要ないと言ってきました。現代の5大経営学者の一人、イエール大学の浜田先生も同様のことを指摘しています。

 現状は大震災が確かに影響していますが、それ以前の日本の経済政策が間違っていたからだと思っています。例えばリーマンショックの時は、どこの国も紙幣の増刷を行って、経済市場にお金をどんどんつぎ込みました。これをしなかったのは日本だけです。だから何とか中小企業の皆さんは、経営改善しようと頑張って、アメリカ式の「スリムで筋肉質な経営を目指そう」なんて言うコンサルタントの間違った話に乗ってしまう…。どう考えても中国と同じ土台で勝負になんかなりません。中国は、最近かなり給料が上がったと聞きますが、それでも年間所得は30万円ですから。こ

 今こそヨーロッパ、特にイタリアの経営を見習うべきです。「母を訪ねて3千里」の主人公マルコは、どうして母を訪ねて3千里も旅をしなければいけなかったか。それは100年前のイタリアでは誰もメシが食えなくて、母親に会うためには出稼ぎ先のアルゼンチンまで行くしかなかったからです。この100年間で、イタリアは日本を追い抜きました。しかもイタリアのサラリーマンは絶対に残業はしません。有給休暇も100%使い切り、バカンスなんかは最低1ヶ月です。どうしてこんなことをしていて、所得水準が高いかです。

 イタリア人のモットーは、「歌いましょう・食べましょう・恋をしましょう」です。ラテンですよ。この精神が徹底的に人生を楽しいものにしてくれる。仕事はとにかく効率的に、残り時間は自分のための時間です。一方、全く日本人は違います。精神には演歌が植え付けられていて、「北の国、一人寂しく、待ってます」…。
 中国との価格競争なんか、イタリアの中小企業は絶対にしません。根底には美的センス、アートが息づいていて、デザインも色合いも「イタリア」を確立しています。だいたいイタリアに大企業はありません。あってもオリベッティとかフィアットぐらいです。ちょとした生活雑貨も1万円ですから(見本に恐竜型のライター他を演題に陳列)。アートです。

 と、これが大まかな内容です。以前まったく別の勉強会で聞いた文化創造で経済発展と雇用創出が実現できる~みたいなお話しと同じ事を聞いた思いでした。この辺りかなあ~。

0 件のコメント:

コメントを投稿