2010年8月5日木曜日

臨時議会での市政報告(災害関連)


 8月4日開催の臨時議会で、議員の皆さんに報告した事の中から、主要な項目をピックアップしました。

◇豪雨災害の被害状況等について
 7月に2度にわたって大きな豪雨災害が発生しました。
 まず7月3日、午後2時30分頃から3時50分頃にかけて、角館地区で集中豪雨(1時間最大降雨量64.5ミリ)・落雷による被害が発生しています。
 被害状況については、住家・非住家浸水7棟、道路浸水2箇所、倒木4箇所となっています。落雷で停電が2地区に起こった他、防災無線設備等にも被害を受けましたが、各関係機関及び関係者と連携し早期復旧に努めました。

 次に7月30日に発生した豪雨災害についてです。秋田気象台は当時、仙北市全域に大雨洪水警報を発令していました。仙北市では29日深夜から30日未明にかけて、また早朝にはゲリラ的な豪雨となったことから、30日8時30分に「仙北市災害連絡室」を設置。その後、1時間に約60ミリの大雨を観測し、市内各地では土砂崩れ・住宅浸水・道路河川への被害が続出、被害規模が拡大する恐れが生じたことから、「仙北市災害対策部」を立ち上げました。午前10時30分から12時34分にかけ角館町山根地区一帯をはじめ、田沢湖梅沢地区・角館町西長野古寺地区周辺・八割塩手沢地区に避難勧告を発令しました。
 避難勧告のうち、田沢湖梅沢、角館西長野古寺については、洪水警報の解除や現場状況の把握により、30日同日午後9時10分に解除しました。角館山根地区については、31日、現地調査を繰り返し、これ以上の崩落の進行はないと判断、午前9時30分に解除しました。八割塩手沢地区については、崩落の危険度が低くなったと判断されたことから、8月2日の午前10時40分までに勧告を解除することができました。
 8月3日現在での民生部門の被害状況は、床上浸水が27棟、床下浸水が104棟、非住家冠水が183棟です。
 農林部関係は、8月2日現在で、農作物の被害が、水稲・大豆・野菜・花き等で浸水、冠水、倒伏が15,255a、農地農業用施設の被害では、水田の土砂堆積や畦畔欠損が39箇所、農道5箇所、ため池1箇所、頭首工4箇所、水路12箇所の計61箇所、林業関係では、林道の被害が補助災害に該当するのが4路線8箇所、単独分が16路線18箇所で、計20路線26箇所、その他山腹崩壊等の治山施設被害が4箇所となっています。
 建設部関係では、道路冠水、側溝溢水、宅地冠水等が12地区10路線、土砂崩れ7路線、路肩崩れ・路面洗掘4路線、一時通行止め7路線、河川の氾濫21河川、堤防の一部築堤崩れが1箇所、また農道へ通じる橋が落ちるなど、多くの被害が発生しました。
 緊急的に生活道路確保の応急対策を急いだ結果、一部片側通行も残っていますが、現在は全線通行可能となっています。この後、復旧対策のための予算措置が必要になります。どうかよろしくお願いします。また県管理道路・河川については、仙北地域振興局建設部との現場立ち会い確認等により、被災箇所の早期復旧をお願いしています。

 これら住宅被害や道路河川等の決壊、損壊に係る復旧工事は、各関係機関と連携し、早期復旧に全力であたっています。31日には、国道46号角館バイパス開通式で来市していた佐竹知事、加藤県建設交通部長に被災地を視察いただき、直接要望も行いました。
 また職員による復旧活動支援隊を組織、高齢者世帯等を中心にお困りの方々の住家周辺清掃、消毒などを2日間にわたって実施しました。
現状では復旧支援が最優先課題ですが、これから対応が必要な多くの問題も見えています。県に避難勧告の連絡が遅れたことは、悔やまれてなりません。職員の日常的な危機意識を醸成する必要性を強く感じます。
 この際、災害時や緊急時の情報伝達体制の再構築について、現在の取り組み状況などを報告します。

 今回の災害では、市役所の電話が落雷で通信不能となりました。情報の受発信ができなくなったことで、市役所機能は著しく減退したことは、本当に残念な事実です。市民の皆様に深くお詫びを申し上げます。効率化と経費削減等で導入した集約型システムを見直し、一刻も早くリスク分散による通信システムの再構築を模索します。この他、災害時や緊急時の情報の連絡手法を複数検討し、一部については既に試験運用を始めました。一つは職員が所持している個人の携帯電話メールを活用した伝達手法です。これは第一段階として管理職以上を対象にしました。災害発生時等の職員への情報共有が進むものと期待をしています。
 さらに一つは、移動通信事業社が開発した一斉送信サービスの導入です。例えば仙北市など、一定エリアに所在する携帯電話に、メールで災害警戒情報等を一斉送信できるシステムと聞きます。導入を視野に研究を重ねたいと思います。
 また、停電時や屋外で特に効果を発揮するラジオにも着目をしています。コミュニティFM局の開設なども今後検討します。
 あらゆる手だてを講じ、市民への情報提供と安全確保に務めます。

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