9月12日。スペインはバルセロナ。目的の地はサグラダ・ファミリア(聖家族教会)。地下鉄を乗り継ぎ、サグラダ・ファミリア駅で下車。どっちに向かえばいいんだろう。ウロウロしていると駅の後に塔が見えた。足早に教会を目指す。少しづつ視界に全容が入って、それと同時に体の震えも大きくなって…。言葉にできない感動とはこんなことか。人間には凡人と天才がいることを改めて感じた。
アントニオ・ガウディ。1852年に生まれた偉大な建築家。その建造物は生物的で、曲線と彫刻を多用したデザインは多くの建築家や芸術家に影響を与えた。聖家族教会はガウディの代表的な建造物だが、100年前から造り続け、完成までにはあと200年かかるらしい。日本人が石工をしていると聞いてきたが、探しても見つからない。話しがしたかった。
スペインではグラナダやセビリアにも足を伸ばしたいと思っていた。でも、それができない。実はシベリア鉄道で一緒だった麻野さんから、パリにいる友人、宮路順子さんへの手紙を預かっていた。この時期、パリ市民の多くはバケーションに出かける。麻野さんは貧乏一人旅の自分のために、バケーションで空室になるアパート探し(空室にしておくのがもったいなくて、必要がある旅行者などに低額で又貸しするらしい)を、宮路さんにお願いした手紙だ。これが叶えば、パリでの滞在費を大幅に切りつめることができる。しかし宮路さんも近日中にスイスに行くことになっているとか。急がないと手紙を渡せなくなってしまう。
0 件のコメント:
コメントを投稿