昔、岩瀬のお伊勢堂の森に天狗が住んでいました。同じころ、角館の城下には毎日を遊んで暮らすヘホシ男がいて…。
このヘホシ男、天狗の住むお伊勢堂の森にくると、胸元から丸い筒を出し「天狗だ、天狗が見えるぞ」と大声で叫びました。ビックリした天狗は「なぜ見えたんだろう。もしかしたらあれは千里眼の筒かも知れない」と思いました。それで天狗はへホシ男に騙され、自分が持っていた大切な隠れ蓑と筒を交換します。まんまと隠れ蓑を手に入れたへホシ男は、それからと言うもの、隠れ蓑で姿を消して町中を走り回り、お店のものを盗んだり人をたたいたり…、悪行の仕放題でした。これに呆れたへホシ男の女房は、ある日この隠れ蓑を焼いて使えないようにします。さて困ったへホシ男でしたが、隠れ蓑の灰を体に塗ればよいことに気づき、全身に灰を塗って以前のように町中で悪行三昧を繰り返しました。
ところが姿を消したはずのへホシ男、その日はシンチコ(おちんちん)に灰を塗るのを忘れ、シンチコだけ宙を飛んでいるように見えたそうで、町の人は「飛びシンチコ、飛びシンチコ」と囃し立てる始末です。でも酒屋で酒を飲み過ぎて店先で眠ってしまい、そのすきに水をかけられて正体がばれ、袋叩きにされました。それからは心を入れ替えて働き者になったそうです。トッピンパラリのプー。


0 件のコメント:
コメントを投稿