2015年1月5日月曜日

新年・仕事始めのあいさつ

本日(1月5日)、市役所職員に向けて行った新年・仕事始めのあいさつ概要です。各庁舎や病院など5ケ所を回り、1日かけてお話した事項を公開します。

 おめでとうございます。初めに降雪状況ですが、これからが本番です。年末年始の苦情の対応も含め、また福祉対策の新制度の円滑な実施、災害防除の観点から、雪対策に誠心誠意の努力をお願いします。

 さて今年は、仙北市が誕生して10年を迎える特別な年になります。通年の仕事始めとは違う心持ちで、あいさつをさせていただきます。仙北市は皆さんご承知の通り、平成17年9月20日に誕生しました。仙北市が誕生してから職員となった方々には、当時の状況を先輩職員などから聞いてご存知かと思います。大変な難産の末に生まれたのが仙北市です。なぜ難産だったか、それは市町村合併が地域住民から沸き上がった思いと言うよりも、全く別の次元で合併議論がスタートしたことが、最後まで影響したのではないか、私はそんな風に総括しています。 当時、秋田県には69の市町村がありました。大多数が小規模市町村で、人件費や過去に建設した公共施設の借金の返済などに財源の多くを費やし、政策経費の捻出にはほとほと難儀をしていました。人口減少や高齢化は懸念材料でしたが、今日ほど深く問題視されていた課題ではなかったと記憶しています。国では国家財政を健全化するために、何とか地方への交付金を削減したいと考えていました。それには地方自治体の効率化が必要と、自治体再編を行う市町村合併に取り組んだのです。秋田県はこの考え方に基づいて全県の市町村に合併を推奨しました。ですから、当初から市町村には「やらされた感」がありました。これが難産となった要因の一つです。
 さらにもう一つの要因は、それまで独自のまちづくりを進めてきた各市町村のプライドです。このプライドが先行して、新市の名称や主たる行政機関・統合庁舎の場所と言った新自治体のカタチや、各分野で中核とする制度などで駆け引きを生み、精神的な一体感の醸成を阻害した可能性があります。
 合併後もギクシャク感が尾を引き、最近まで何か問題が起こる度に、「それは旧町村の行政体質が原因だ」とか、「そもそも町民性・村民性だ」とか、そんなレベルで現実を理解しようとする傾向がありました。「自身の本質的な未熟さを棚に上げて、何でも合併を引き出して物事を片付ける」、そんな風潮が市役所内にも、また市民にもあったのではないでしょうか。

 そうだとすれば、「市民協働」をモットーとするまちづくりを進めようがありません。従前の「やらされた感」も、「問題は自分ではなく他人」みたいなすり替えも、先ずは市役所内から完全に一掃し、前例踏襲はやめること、また過去の成功事例にすがったり、心の中に錆びた付いている時代錯誤のプライドも、今日から綺麗さっぱり捨て去ってください。
 ただ、だからと言って、これまでの10年を否定するものではありません。仙北市が誕生してからの10年は、次の一歩を踏み出すために不可欠な時間だったと思うのです。そもそも町と村の合併で、市政は特例法の措置です。経験のない市政に飛び込んで、すぐに長く経験やノウハウを蓄積してきた他市に肩を並べることは無理があります。その上、この10年の間に、市民も私たちも何度も何度も心が折れた出来事が起こりました。でも、困難に直面する度に多くのことを学び、市民と手を携え、何とか乗り越えてきたのです。辛い経験の数々は、次のステップに進むための試練だったし、次の10年の準備期間だったと、私はそんな風に受け止めています。
 どうか皆さん、仙北市のまちづくりは平成27年の1月5日から、まさに今から次のステージに入ったと思ってください。

 平成27年の特徴は、次に述べる内容ですが、どうかこれらを年頭に職務にあたっていただきたいと思います。
1.何よりも細やかな福祉政策を丁寧に立案し実践しながら、市民に気持ちよく役に立つ市役所づくりを目指す。まちづくりは市役所づくりから、チームワークづくりからを肝に銘ずる。
2.仙北市誕生10周年記念事業、また国民文化祭の事業継続について市民と共に取り組む。
3.統合庁舎実現に向け議論を喚起しながら、平成31年以降を見据えて組織再編を加速する。市民生活部と福祉保健部は統合し、子育て環境の改善や人口減少対 策など新セクションを設置する。防災機能の更なる充実や関係条例の検討、また行政システム全般の見直し、効率化が期待できる組織・制度の改廃に躊躇しない。
4.国家戦略特区に申請した各メニューの法制化、地方創生関連事業等にさらに努める。
5.税制改革を注視しながら、自治体としては自主財源の確保対策を進める。そのためにも雇用の場の創出と経済対策に最大取り組む。農林業では担い手確保や米価下落対策、新たな直売施設検討、商工業では先ずは既存企業の育成、そして外部からの企業誘致、観光業では基盤となる観光連盟の運営支援やスポーツ分野との融合、温泉事業については安定運営に向け根本課題の解決を図る。
6.次代の人材育成では、子ども達の地域言葉の伝承を目的とした基本条例の検討、また大学誘致活動と合わせ、専門学校等(特に看護系・介護系)の立地を検討する。
7.次期総合計画策定では、現有公共施設の改廃計画にも踏み込む。また新たな仙北市の医療計画を策定し、角館病院の移転改築に意を配しながら、田沢湖病院の機能改善や病病連携のあり方、病診連携について、将来ビジョンを明らかにする。
8.田沢湖再生を、市の課題から県の課題、国の課題にまで高め、県や国、東北電力と連携を強化する。
 などです。まだまだ取り組みが必要と思われる事案がありますが、予算編成作業で具体化したいと思います。

 今年も市内では多彩な行事が繰り広げられます。仙北市の資源を最大活用して、外貨獲得をする絶好の機会です。また地元の豊かさを再認識できる取り組みにもなります。市役所職員の積極的な参加をお願いします。職務としてご協力をいただく場面も増えそうです。どうかご理解ください。
 あれこれお話ししましたが、大切なことは市役所職員や皆さんの家族の健康です。ここが揺らいでしまうと、市民のために懸命に仕事をすることができなくなってしまいます。
 新年を健康に過ごし、市民に喜んでもらえる良い仕事をするようお願いします。

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